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サーバーとはどのようなもの?サーバーを選ぶのに不可欠な基礎知識を紹介!
目次
こんにちは。クラウドエース編集部です。
サーバーの導入を検討する上で、「そもそもサーバーとは何か」を知っておくことは重要です。サーバーの役割や種類、基本的な仕組みなど、適切なサーバーを選ぶために不可欠な基本知識を詳しく解説します。
サーバーとクライアントの関係を解説
サーバーの基本知識として「サーバー」と「クライアント」の 2 つの単語の意味を把握しておきましょう。2 つの関係を把握しておくことで、サーバーの仕組みを理解しやすくなります。
サーバーはサービスを提供する側のコンピュータ
サーバーは「サービスを提供する側」の役割を担うコンピュータです。サーバー(Server)という英語には「給仕人」などの意味があり、サービスを提供する人や、そのために使われる道具などを指して用いられます。
コンピュータに対して用いる場合、Web サイトやアプリケーション、データ管理などのサービスを、クライアントに対して提供する役割のあるコンピュータを「サーバー」と呼びます。
クライアントはサービスを受ける側のコンピュータ
クライアントとは、サーバーから「サービスを受ける側」のコンピュータです。サーバーに接続して Web サイトを閲覧したり、アプリケーションを使用したりするコンピュータを指しています。PC だけでなく、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器も、サーバーに接続してサービスを受ける場合にはクライアントです。
このように、コンピュータを「サーバー」と「クライアント」の役割に分けて接続するシステムを「クライアント サーバー システム」と呼びます。
主なサーバーの種類をいくつか紹介
サーバーは、その役割に応じていくつかの種類があります。主なサーバーの役割を 7 種類、確認しましょう。頻繁に使われる用語なので、サーバーの基礎知識としても重要です。
Web サーバー
Web サーバーとは、Web サイトや Web アプリケーションを表示するために使われるサーバーです。クライアントが使用するブラウザ上にデータを送信して、Web ページを表示させます。
Web サイトや Web アプリケーションの構築には、Web サーバーだけでなく、後述する「アプリケーション サーバー」「データベース サーバー」の合計 3 つのサーバーを組み合わせるのが一般的です。この構造は「3 階層アーキテクチャ」と呼ばれ、以下の 3 層の構造でサーバーを接続する方式になっています。
- 1 層目(表層):プレゼンテーション層(Web サーバー)
- 2 層目(中間層):ファンクション層(アプリケーション サーバー)
- 3 層目(最下層):データ層(データベース サーバー)
Web サーバーは 1 層目に該当し、ユーザーの使うブラウザ上に情報を表示してユーザーからの入力を受け付ける UI(ユーザー インターフェース)の部分を担当します。
アプリケーション サーバー
アプリケーション サーバーは、その名の通りアプリケーションを実行するためのサーバーです。3 階層アーキテクチャの中間層を担うサーバーとして、Web ページを表示するために必要な処理を実行する役割を担います。
Web サーバーから送られてきた要求(リクエスト)に応じて、必要な処理を実行し、結果を返すサーバーです。アプリケーション サーバーが処理を実行する過程で、次に解説する「データベース サーバー」と通信し、必要なデータを取得することがあります。
データベース サーバー
データベース サーバーとは、データベースを管理する役割を担うサーバーです。3 階層アーキテクチャの最下層として、Web サイトや Web アプリケーションを表示・動作させるために必要なデータベースを管理します。
中間層のアプリケーション サーバーからのリクエストに対して、必要なデータを返す役割です。新しいデータの記録や不要なデータの削除を行い、データベースを管理する役割もあります。
メールサーバー
メールサーバーとは、メールを送信・受信するためのサーバーです。通常、メールの送信と受信でサーバーを別にして管理され、送信をするサーバーは「SMTP サーバー」、受信するサーバーは「POP サーバー」や「IMAP サーバー」と呼ばれます。
「POP サーバー」は、受信したメールを端末上にダウンロードして閲覧する方式です。一度ダウンロードしたメールは、オフラインでも開けます。
一方の「IMAP サーバー」は、受信したメールをブラウザ上で閲覧できるため、複数の端末から利用しやすい点がメリットです。ただしオフラインではメールを閲覧できません。
ディレクトリ サーバー
ディレクトリ サーバーとは、「ディレクトリ サービス」を提供するためのサーバーです。ディレクトリ サービスとは、ネットワークの情報をまとめたディレクトリ(登録簿)にもとづいて、データの保管場所やユーザー情報などを案内するシステムです。
ディレクトリ サービスを利用することで、必要なファイルの保存場所やユーザー情報など、欲しい情報をすぐに得ることができます。案内できる情報の種類は、ディレクトリ サービスによって異なり、さまざまな種類があります。次に挙げる「DNS」も、ディレクトリ サービスの一種です。
DNS サーバー
DNS(Domain Name System)サーバーとは、ドメインを IP アドレスに変換する役割を持つサーバーです。
IP アドレスとは、ネットワーク上の住所のような役割を持つ識別子です。特定の Web サイトを表示するには、そのデータが保管されているサーバーの IP アドレスを知る必要がありますが、通常「○○.com」などのドメインを入力するだけで Web サイトを閲覧できます。これは DNS サーバーが動作して、ドメインを IP アドレスに変換しているためです。
つまり DNS は、Web サイトのデータが保管されている場所を案内する「ディレクトリ サービス」の一種でもあります。
SSH サーバー
SSH サーバーとは、SSH(Secure Shell)と呼ばれる通信技術によって「遠隔操作される側」のサーバーを意味します。SSH とは、ネットワーク上にあるサーバーに対して、暗号化された通信によって接続しながら遠隔操作する技術のことです。
SSH を利用することで、インターネット上にあるサーバーや仮想マシンなどを遠隔操作する際に、安全な通信を確保できます。その際に遠隔操作される側のサーバーが「SSH サーバー」です。一方の遠隔操作する側は「SSH クライアント」と呼びます。
サーバーを導入する時にチェックしたい形態
サーバーには以下に挙げる 4 種類の形態があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。違いをチェックしておきましょう。
専用サーバー
専用サーバーは、1 台のサーバーを独占使用するタイプです。多数のユーザーと同じサーバーを共有することなく、1 台のサーバーが専用として割り当てられます。
他のタイプよりも利用料金が高くなりますが、他の利用者の影響を受けないことがメリットです。また、OS を変更したりなどのカスタマイズが可能で、使い方の自由度が高いという利点もあります。
ただし適切にカスタマイズして運用するには、ある程度の専門知識が必要です。
共用サーバー
共用サーバーは、1 台のサーバーを複数のユーザーで共有するタイプです。1 台の物理サーバーの中に、複数のユーザーのデータが共存する形で利用します。
共用サーバーの大きな利点は費用が安いことです。既に初期設定などが完了し、すぐにでも利用開始できる状態で提供されるので、初心者でも簡単に使えるという特徴もあります。
ただし他のユーザーの影響を受けやすいことがデメリットです。他のユーザーのアカウントにアクセスが集中すると、その影響を受けて自社のシステムの速度が遅くなるなどの影響を受ける可能性があります。また、専用サーバーと比べるとカスタマイズできる範囲が限られることも短所です。
VPS
VPS とは「Virtual Private Server」の略で、日本語にすると「仮想専用サーバー」という意味です。その名の通り、1 台のサーバー上に「仮想的な」専用サーバーを構築します。
専用サーバーのようにカスタマイズできる自由度が高いことがメリットです。仮想サーバー領域ごとに別々の OS をインストールできるので、サーバー本体が対応している範囲内なら、OS の変更ができます。
専用サーバーと同じように他のユーザーの影響を排除して使えることが特徴で、専用サーバーよりも費用を抑えられることが長所です。ただしネットワークなど共有で使用する部分もあり、他のユーザーの影響を全く受けない訳ではありません。
クラウド サーバー
クラウド サーバーも、VPS と同じように仮想的な専用サーバーを構築する技術ですが、VPS のように他のユーザーの影響を排除して利用できます。専用サーバーよりも安い費用で利用可能な上、VPS よりも柔軟性が高いという特徴があります。
VPS の場合、サーバーの容量や処理性能などのリソースはプランごとに固定されてしまうので、急にアクセスが増加した場合などにすぐにリソースを変更することはできません。
一方のクラウド サーバーはリソースが固定されないので、予想外にアクセスが急増した場合でもすぐにリソースを増やすことができます。クラウド サーバーの柔軟性については次の項目でも詳しく解説しています。
運用の柔軟さを重視するならクラウドがおすすめ!
柔軟性を重視してサーバーを運用したい場合、クラウド サーバーがおすすめです。
レンタル サーバーは通常定額制でプランごとにサーバーのスペックや使用するリソースの上限を選択でき、高いプランほど多くのリソースを利用できますが、自社に必要なリソースに変動がある場合に不向きです。あまり使わない月があると、利用料が無駄になってしまう可能性もあります。
一方のクラウド サーバーは使った分だけ費用が発生する従量課金制です。そのため、全く使わない時期の費用が無駄になることを防止できます。スケーリング、つまり自動的にリソース変更する設定ができるので、急なアクセス増加などの不測の事態にも柔軟に対応できるのがメリットです。
クラウド サーバーのメリットについて、次の項目から詳しく解説しています。
クラウド サーバーを選ぶメリット
クラウド サーバーの主なメリットを 3 つ紹介します。
イニシャル コストがかからない
クラウド サーバーは前述の通り従量課金制なので、イニシャル コスト(初期費用)がかからないことがメリットです。サーバーの購入や初回手数料などの費用をかけず、スピーディに導入開始できます。
利用を一時停止するのも簡単で、一切使用しなければ費用は一切発生しません。アカウントをそのままにしておけば、その後また使い始める際にもすぐに使い始められます。
つまり開始と停止両方のハードルが低いことが、クラウド サーバーの強みです。
ハードウェアの管理が不要
ハードウェアの管理・運用はクラウド サーバーの提供事業者が行うため、自社で対応する必要がありません。
自社でサーバーを所有していると、その管理に手間とコストがかかります。専門知識のあるエンジニアを雇用したり、専門業者に外注したりする必要があり、社員の教育や外注先との連携などの手間が必要です。
クラウド サーバーを導入することで、サーバー監視やメンテナンス業務の手間やコストを大幅に削減できます。
レンタル サーバーよりカスタマイズできる
レンタル サーバーよりカスタマイズしやすいことが、クラウド サーバーのメリットです。
クラウド サーバーでは、アプリケーションの開発環境を提供する「PaaS」や IT インフラを提供する IaaS など、レンタル サーバーでは不可能な自由度の高いサービスが提供されています。
ただし、あくまでもクラウド サーバーの提供事業者がプランとして用意している範囲内でのカスタマイズしかできないので、自社でサーバーを所有するオンプレミス方式よりは制限されるという点は把握しておきましょう。
クラウド サーバー導入のご相談はクラウドエースへ
クラウド サーバー導入をご検討の際は、クラウドエースにご相談ください。サーバー導入に関する主なサービス内容をご紹介します。
Google Cloud を利用したサービスを提供
クラウドエースでは Google 社のクラウド サービス Google Cloud™ の導入サポート サービスを提供しています。
Google Cloud は、クラウド型のサーバーとして利用できる「Google Compute Engine™」だけでなく、アプリケーション開発プラットフォーム「Google Kubernetes Engine(GKE™)」など、多様なサービスを含む総合的なクラウド サービスです。
クラウドエースは、Google Cloud の公認プレミア パートナーとして、導入時のご相談だけでなく、導入後のサポート体制も充実。クラウドエースを通して導入いただくと Google Cloud の料金が 3%OFF でご利用いただけるので、コストカットにもつながります。
本格的な運用に「マネージド サーバー プラン」を用意
クラウドエースでは、クラウド サーバーの本格導入を検討されている方に向けた「マネージド サーバー プラン」をご用意しています。
サーバー監視や、データのバックアップ、専門スタッフによる 24 時間 365 日サポートなど、手厚いサポートの下で Google Cloud を運用いただけるプランです。
社内スタッフでのサーバー運用に不安がある場合でも安心して導入を進めていただけるよう、充実したサポートをご提供いたします。
クラウドエースは実績が豊富で安心
クラウドエースは、これまで 400 以上の企業様の Google Cloud 導入をサポートしてきた実績があります。その中から特にオンプレミスやレンタル サーバーからクラウドに移行した事例を 2 つ紹介します。
Google Cloud 上のサーバーでアプリケーション開発の効率化に成功
お客様名称 | 株式会社東音企画 |
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ご利用サービス | 総合支援サービス |
導入内容 | オンプレミスからの移行 |
ピアノ教材や楽譜の販売、ピアノイベントの企画などを手がける株式会社東音企画様は、「レッスンタイム」という、ピアノ教室のトータル サポート システムの開発に Google Cloud を導入されました。
オンプレミスの Windows サーバーからの移行先として Google Cloud を採用。それまで多かったサーバーダウンの問題から解放され、開発の効率化が実現できたとのことです。
弊社のサポート内容について「無料のサポートだから、満足できる回答はこないだろうと勝手に思っていたのですが、そんなことは全くありませんでした。間違いなく信頼できる会社だと思いました」とのお声をいただきました。
事例詳細:https://cloud-ace.jp/case/detail30/
Google Cloud 上のサイトでより安定した環境でサービスを提供
お客様名称 | 株式会社 MANTAN |
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ご利用サービス | 総合支援サービス |
導入内容 | レンタル サーバーからの移行 |
Web サイトの制作・運用を手がける株式会社 MANTAN 様は、運用メディアの「MANTANWEB(まんたんウェブ)」と「毎日キレイ」をクラウド化するために Google Cloud を採用されました。
それまではホスティング サービス(レンタル サーバー)で Web サイトを運用していましたが、クラウドへの移行を検討。Google Compute Engine での運用に移行し、高性能なクラウド サーバー上での安定したサイト運用を実現しました。
弊社の支援サービスについては、「技術的な確認をスムーズにとれた点が良かったです。Google とのやり取りなども、スムーズに進んで助かりました」とのお声をいただいています。
事例詳細:https://cloud-ace.jp/case/detail14/
まとめ
サーバーにはいくつかの種類がありますが、その中でも特にクラウド サーバーには多くの利点があるため、大企業や官公庁などでも導入が進められています。クラウド サーバー導入をご検討の際は、Google Cloud の公認プレミア パートナーであるクラウドエースにお気軽にご相談ください。サーバー初心者の方でも、安心して導入いただけるよう徹底サポートいたします。
※ Google Cloud、Google Compute Engine、および、GKE は Google LLC の商標です。
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