こんにちは。クラウドエース編集部です。

クラウド コンピューティングは、どのような歴史をたどって発展してきたのでしょうか。その将来性を確認するためにも、詳しい流れを確認しておきましょう。IoT(モノのインターネット化)開発の現場でもどのように導入されているのか、具体的な事例も紹介します。

クラウド コンピューティングとは何か?

クラウド コンピューティングとは、どのような技術なのでしょうか。その仕組みと特徴を確認しましょう。

コンピュータ リソースをインターネット経由で使用するもの

クラウド コンピューティングとは、インターネット上にあるコンピュータ リソースを利用することです。

クラウド コンピューティングのサービスを提供する企業(クラウド ベンダー)が構築した IT インフラや開発環境、アプリケーションなどのコンピュータ リソースが、インターネットを通じて遠隔で提供されます。

クラウド ベンダーに利用料を払うだけで、大規模で高性能なサーバーなどを使用できるため、自社専用のコンピュータ リソースを購入・保有する必要がありません。

かつてコンピュータは個人あるいは組織ごとに「所有するもの」という概念が主流でしたが、クラウド コンピューティングの登場によって、所有せずに「使用するもの」という概念が主流になっています。

データやサービスをサーバー上で管理するのが特徴

クラウド コンピューティングは、データやサービスをインターネット上にあるサーバー上で管理する仕組みです。

「オンプレミス」と呼ばれる従来の方式では、手元にある インフラや PC 端末内にデータを保存し、アプリケーションをインストールして使用する必要がありました。

クラウド コンピューティングでは、インターネット上に設置したサーバー上でデータやサービスを管理するため、クラウアントが使用する PC 内にデータを保存したりアプリケーションをインストールしたりする必要がありません。

複数のメンバーでサーバー上のデータを共同編集したり、複数の端末から共通のアプリケーションを使用したりが可能になるため、作業の効率化につながるのです。

クラウド コンピューティングの歴史

クラウド コンピューティングが登場するまでの大まかな歴史は、以下の通りです。

– 1997 年: ラムナト・チェラッパ教授の発言
– 2006 年:Amazon「AWS(Amazon Web Services)」サービス開始
– 2008 年:Google「Google Cloud™」サービス開始
– 2010 年:Microsoft「Azure」サービス開始

「クラウド コンピューティング」という言葉が公に言及されたのは、南カリフォルニア大学のラムナト・チェラッパ教授による 1997 年の発言とされています。とはいえ、その基本的な考え方である「分散コンピューティング」自体は、それよりも前から存在していました。

そして 2006 年、Google 社の当時の CEO エリック・シュミット氏が「クラウド コンピューティング」に言及したことで、その用語への注目度が一気に高まり、同年、Amazon のクラウド サービス「AWS」が登場します。

その後、大手 IT 企業が続々とクラウド サービスを発表し、Google 社は 2008 年、Microsoft 社は 2010 年に、それぞれサービスを開始しています。

クラウド コンピューティングが誕生した理由

クラウド コンピューティングは、なぜ誕生したのでしょうか。コンピュータの歴史を参考にすると、クラウド コンピューティングの必要性とメリットを知ることができます。

IT 関連コストを削減するため

クラウド コンピューティングが誕生した理由の 1 つは、「IT 関連コストの削減」です。

コンピュータはかつて高価なものであり大勢で共有するものでしたが、性能の向上に伴って個人でも購入できるようになり、1 人 1 台の PC を使用するのが当たり前の時代になりました。

その結果、多くの従業員がいる会社では、IT 関連コストの増大という問題が発生します。1 人ひとりに PC を支給し、それぞれに必要なソフトウェアをインストールして必要なスペックを確保するために、膨大なコストがかかるようになりました。

クラウド コンピューティング によって、個々の PC 上に個別に存在していた IT リソースを 1 カ所にまとめて管理することで、コストカットを実現する必要性が生じたのです。

サーバーを統合して管理しやすくするため

もう 1 つの理由は複数のサーバーを 1 カ所に集約し、管理しやすくすることです。

自社のサーバーを所有してデータを一括管理する場合、サーバーの数が増えていくと管理が複雑化するという問題が発生します。多くの支店がある企業では拠点ごとにサーバーを購入してネットワークに接続し、適切に管理するには多くの手間がかかってしまいます。

しかし、クラウド コンピューティングによって、複数のサーバーやデータセンターで運用していたシステムを 1 つのクラウド サービスでまとめて管理することが可能になるのです。

柔軟かつ統一性のある IT システムを構築するため

クラウド コンピューティングによって柔軟性に優れた IT システムを構築するという目的もあります。

繁忙期と平常時に差があるなど、ビジネスの形態によっては必要なコンピュータ リソースの規模が変動することがありますが、そのような変化にオンプレミスで対応するには、多くの手間とコストが必要です。

クラウド コンピューティングなら、リソースを増減しやすいという点での柔軟性が優れています。ハードの交換やシステムの変更をしなくても、簡単な申し込みだけでリソースの増減ができます。システムの統一感を保ちながら柔軟な使い方ができるのです。

クラウド コンピューティングの将来性は?

クラウド コンピューティングに将来性はあるのでしょうか。ビジネスの現場でどのように導入が進んでいるのかを見ていきましょう。

より多くの業種で導入される可能性が高い

「クラウド ファースト」の考え方が広まっていることから、今後より多くの業種でクラウド コンピューティングが導入されていくと期待されています。

「クラウド ファースト」とは、「クラウド バイ デフォルト」とも呼ばれ、組織が IT システムを導入・更新する際にはクラウド サービスの利用を基本とすべきであるという考え方です。これは政府の方針としても採用されていて、これまでクラウドには慎重な姿勢を見せていた金融業界や官公庁でもクラウド化の動きが見られます。

今後もクラウド コンピューティングの導入が、多くの企業や組織に広がっていく可能性が高く、将来性が期待できるのです。

利用している企業は増加し続けている

実際、クラウドを導入する企業は右肩上がりで増え続けています。

総務省の「令和元年通信利用動向調査報告書」によると、クラウド サービスを「全面的に利用している」「一部の事業所または部門で利用している」と回答した企業は、2017 年の調査では約 56%でしたが、2019 年には約 64%に増加しました。

今後も導入する企業の割合が増え続け、クラウド サービスがますます注目を集めるようになることが予想されます。

データ元:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201900_002.pdf(P7)

マルチクラウドなどの新たな利用形態にも注目!

「マルチクラウド」や「ハイブリッド クラウド」など、新たな形のクラウドの利用形態も注目されています。

マルチクラウドとは、複数のクラウド サービスを組み合わせて利用することです。複数のサービスに分散することで、サービスがダウンするリスクを回避したり、それぞれのサービスの長所を利用できたりなどのメリットがあるため、採用されることがあります。

ハイブリッド クラウドとは、オンプレミスとクラウドを併用する仕組みです。例えば、セキュリティ性の高いオンプレミスと、安価に利用できる「パブリック クラウド」を組み合わせて利用する方法を指します。セキュリティ面での問題でクラウド コンピューティングの導入をためらっている企業でも、ハイブリッド クラウドを採用することで導入できることが多くあります。

それぞれの事情やニーズに合わせた導入方法が選べるようになっているため、これまで導入していなかった企業のクラウド化が進んでいく可能性が高いのです。

クラウド サービスの種類と特徴

クラウド コンピューティングには、大きく分けて SaaS・PaaS・IaaS の 3 種類があります。それぞれの特徴と違いを確認しておきましょう。

(1)SaaS

SaaS(サーズ)とは「Software as a Service」の略で、クラウド上のソフトウェアを提供するサービスです。クラウド上に構築されたソフトウェア(アプリケーション)が、インターネットに接続できる環境ならどこでも利用できる形で提供されます。

具体的な例としては、Gmail™ や Yahoo! メールなどのメールソフト、Google Drive™ や OneDrive などのクラウド ストレージ、Google Meet™ や Zoom のようなクラウド会議システムなどです。

既に完成されたソフトウェアを利用できるだけなので、後述する PaaS や IaaS と比べるとカスタマイズ性が低いですが、初心者でも簡単に使えるサービスが多くあります。

(2)PaaS

PaaS(パース)とは「Platform as a Service」の略で、アプリケーションの開発環境などのプラットフォームを提供するクラウド サービスです。アプリケーション開発に必要な高性能な環境がクラウド上に構築されていて、すぐに開発を始められる状態で提供されます。開発したいアプリケーションの種類に合わせて、機能やリソースをカスタマイズできることが特徴です。

具体例としては Google App Engine™ や AWS Lambda などが挙げられます。

(3)IaaS

IaaS(イアース)とは「Infrastructure as a Service」の略で、クラウド サーバーやネットワークなどの IT インフラを提供するサービスです。「Hardware as a Service」を略して HaaS(ハース)と呼ばれることもあります。

高度な IT インフラを購入したりセッティングしたりなどの作業が必要なく、インターネットを通してすぐに利用開始でき、自社でインフラを所有している状態に近い「自由なカスタマイズ」が可能なサービスです。

具体的なサービスとしては、Google Compute Engine™ や Amazon EC2 などが該当します。

ビジネスを活性化させるクラウド サービスの例

ビジネスの現場では、クラウド サービスを活用して業務の効率化が行われています。ビジネス用に活用されることが多いサービスをいくつか見ていきましょう。

クラウド サービスの種類 サービスの具体例
クラウド ストレージ ・Google Drive
・OneDrive
ビジネス チャット ・Google Chat™
・Chatwork
MA/SFA/CRM ・Salesforce
・Microsoft Dynamics 365
クラウド サーバー ・Google Compute Engine
・Amazon EC2

営業支援や顧客情報の管理のために多くの企業で導入されている「MA/SFA/CRM」も、高性能なクラウド型の製品が利用でき、多くの企業が導入しています。Google Drive などの「クラウド ストレージ」は、社内スタッフ同士でのデータ共有や共同編集ができるツールです。社内だけでなく、外注先やクライアントなど、社外のメンバーとの共有にも活用されています。クラウド型の「ビジネス チャット」と併用することで、リモートでの業務をスムーズに進めるのにも効果的です。

「クラウド サーバー」は、複数の拠点で運用していたサーバーを 1 カ所にまとめる場合や、特殊な社内システムをクラウド化する場合に利用できるサービスです。

進化が止まらないクラウド サービス「Google Cloud」

クラウド サービスの導入を検討されているなら、進化を続ける「Google Cloud」がおすすめです。サービスの特徴を紹介します。

Google Cloud の歴史

まずは Google Cloud の歴史を紹介しましょう。

  • 2008 年:Google App Engine リリース
  • 2011 年:BigQuery™ リリース
  • 2013 年:複数のサービスを Google Cloud(Google Cloud Platform) として統合
  • 2018 年:Cloud AutoML リリース

2008 年に アプリケーション開発プラットフォーム「Google App Engine」が開始されたことで、Google 社のクラウド サービスが本格スタート。2011 年には、ビッグデータ解析用クラウド サービス「BigQuery」がリリースされ、話題になりました。

2013 年には、それまで別々のサービスとして提供していたクラウド サービスを「Google Cloud」として統合。管理画面も統一され、複数のサービスを組み合わせやすくなりました。2018 年には、学習済みのモデルを組み合わせて AI(人工知能)開発ができる「Cloud AutoML」をリリース。機械学習の分野でも進化を続けるクラウド サービスとして注目されています。

稼働率が高く信頼できる

Google Cloud は稼働率が高く、障害発生のリスクが低い信頼できるクラウド サービスです。Google Cloud の東京リージョンの稼働状況は、2017 年 7 月から 2021 年 4 月までの計測で「100%」です(クラウドエースによる調査)。

サービスレベル契約(SLA)があり、稼働率の保証も充実しています。SLA とは、そこに規定された稼働率を下回ることがあれば、一定の基準にもとづいて返金対応を受けられるという保証契約です。

サービスごとに異なる基準が設定されていますが、例えば Google Compute Engine は「99.99%」以上の月間稼働率が保証され、それより下回ることがあると返金対応が受けられます。

他のサービスについても高い月間稼働率が保証されていて、信頼できるサービスです。

柔軟性に優れていて運用しやすい

Google Cloud は、コンピュータ リソースの増強や縮小、カスタマイズ性に優れているという点で「柔軟性」に優れたサービスです。

オートスケール機能を設定しておけば、急なアクセス増加などによって大きな負荷がかかった場合でも、自動的にスケールアップが行われ、サーバーのダウンを回避できます。

用意されているサービスの種類が多く、必要に応じて組み合わせてカスタマイズできることも魅力です。ビッグデータ解析や機械学習、IoT 開発など、多様なジャンルの現場で活用できる拡張性があります。

初めてのクラウド導入ならクラウドエースへ

クラウド サービスを初めて導入する際は、クラウドエースにご相談ください。主なサービス内容をご紹介します。

多様性に優れる Google Cloud を中心に提供

クラウドエースは、Google 社のクラウド サービス「Google Cloud」の導入サポート サービスを提供する公認プレミア パートナーです。導入方法やサービスの選び方などのご相談ができる「カスタマー サービス」や、Google Cloud 専門エンジニアによる技術的な支援を提供する「クラウド ブースター」などをご用意しています。

無料で参加できるセミナーや相談会なども開催し、多くの企業様に情報提供・導入支援をしてきた実績があります。

Google 公認パートナーの特別料金で提供

クラウドエースを通して導入いただくと、特別料金として Google Cloud の利用料金が 3%OFF になります。クラウドエースの「カスタマー サービス」には無料でご利用いただけるプランがあるため、Google Cloud の費用を抑える目的でもご利用いただくことが可能です。

クラウドエースのサポートで実現した Google Cloud の活用例

クラウドエースは、これまで 400 を超える企業様の Google Cloud 導入をサポートしてきた実績があります。その中から特に IoT 分野の事例を 2 つ紹介します。

ゴルフ アプリケーション開発の事例

お客様名称 株式会社ソフトウェア・パートナー
ご利用サービス 総合支援サービス
導入内容 IoT システムの開発

株式会社ソフトウェア・パートナー様は、ゴルフスイングの撮影と動画再生ができる IoT アプリケーション「ふるとる」の開発に、Google Cloud を導入しました。

動画をインターネット上にアップロードできる機能を備えているため、必要なセキュリティやストレージをオンプレミスで確保するのが難しいと判断し、クラウド サービスを採用。

弊社サービスについては、「Google Cloud の基礎や課金の考え方のレクチャーからクラウド サービス構成スキームのすり合わせ、環境構築、負荷そしてセキュリティ検証と多種・多岐にわたるサポートに大変感謝しております」とのお声をいただいています。

事例詳細:https://cloud-ace.jp/case/detail47/

遠隔見守りサービス用のインフラに活用した事例

お客様名称 TOA 株式会社
ご利用サービス 技術支援・開発
導入内容 IoT システムの開発

TOA 株式会社様は、防犯・遠隔見守りの IoT システム「タウン レコーダー遠隔見守りサービス」の開発に Google Cloud を活用。Google Cloud の信頼性やコスト パフォーマンス、AI 活用のしやすさなどに魅力を感じてお選びいただきました。導入の結果、インフラ運用コストの削減になり、「Google Cloud のポータル画面が機能的で使いやすく、開発をスムーズに行うことができました」とのご感想をいただきました。

事例詳細:https://cloud-ace.jp/case/detail43/

まとめ

クラウド コンピューティングは、コンピュータの進化の歴史の中でも最先端に位置する、将来性のある分野です。効率化やコスト削減につながるため、多くの企業によって導入や移行が進められています。種類が豊富にあるので、自社のシステムに合った導入方法がきっと見つかるはずです。クラウド導入に関するご相談は、Google Cloud の公認プレミア パートナーであるクラウドエースにご相談ください。

※ Google Cloud、Google Cloud Platform、Gmail、Google Drive、Google Meet、Google App Engine、Google Compute Engine、Google Chat、および、BigQuery は Google LLC の商標です。

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