【第3回】 Generative AI Leader 資格集中講座!Google Cloud の AI パワーを徹底解剖!

こんにちは!クラウドエースのエモーショナル エバンジェリスト、ラリオスです。

「Generative AI Leader 資格集中講座」シリーズ、前回(第 2 回)は、AI が学習するための「データ(Data)」の種類や品質の重要性、そして AI モデルを開発し運用していくための「機械学習ライフサイクル(ML lifecycle)」、さらには AI ソリューションがユーザーに届くまでの技術的な階層である「生成 AI ランドスケープ(Gen AI landscape)」や、Google Cloud が提供する主要な「基盤モデル(Foundation models)(Gemini、Gemma、Imagen、Veo、Chirp など)」について学びましたね。

▼ 第2回目はこちら
https://cloud-ace.jp/column/detail494/

このシリーズでは、Google Cloud 公式のスタディガイドを使って解説していきます。スタディガイドは下記のリンクからご登録いただければダウンロードできます。スタディガイドを参照しながら読み進めていただくと、より効果的に学習できます。

なお、解説中の「★ここ重要!」は試験対策として特に押さえておくべきポイント、「★Tips」は知っておくと理解が深まる補足情報や関連情報として読み進めてください。ある程度知識があって、すぐに試験を受ける方は「★ここ重要!」を読んで、「実践演習クイズ」を解くだけでも高い効果があるはずです。

スタディガイドはこちらからダウンロードできます。

今回からは試験範囲のなかでもとくにウェイトの大きい「Google Cloud の生成 AI 製品(Google Cloud’s generative AI offerings)」について解説していきます。 スタディガイド の p.5 から p.7 にかけて、Google Cloud が提供する具体的な AI 関連のサービスやツール、そしてそれらを活用するための考え方が説明されています。

今回はまず、スタディガイドの p.5、「Google is an AI-first company」と「Google’s tooling for personal productivity」のセクションを中心に、Google Cloud がなぜ AI 分野で強力なのか、そして私たちの生産性を高めるためにどのようなツールが提供されているのかを見ていきましょう。

Google は AI ファーストの企業(Google is an AI-first company)

まず押さえておきたいのは、Google が「AI ファースト(AI-first)」を掲げている企業であるという点です。 これは単なるスローガンではなく、Google の製品開発やサービス提供の根幹にある考え方です。

  • Google のエコシステム全体への生成 AI ツールの統合
    みなさんが普段使っている検索エンジン、Gmail、Google Workspace の各ツール、YouTube など、Google のさまざまサービスに、すでに生成 AI の機能が組み込まれています。 これにより、多くの人が日常的に AI の恩恵を受けられるようになっています。
  • 最新の AI 技術への継続的なアクセス
    Google は AI 研究開発の最前線を走っており、その成果を Google Cloud を通じて迅速にユーザーに提供しています。つまり、Google Cloud を利用することで、つねに最新の AI 技術を活用できる可能性が高まります。
  • セキュリティと倫理を最優先するエコシステム
    AI を活用するうえでは、セキュリティの確保や倫理的な配慮が不可欠です。Google は、責任ある AI の開発と利用を重視しており、そのためのフレームワークやガイドラインを整備しています。

 

★Tips

スタディガイド の p.10 では、「Secure AI」や「Responsible AI」についてより詳しく触れられています。 AI を活用するリーダーとしては、これらの側面を理解しておくことが非常に重要です(この詳細はシリーズの第8回目で解説予定です! )。

 

  • エンタープライズ グレードの基盤
    Google Cloud は、大企業が安心して利用できる堅牢でスケーラブルなインフラストラクチャを提供しています。 これにより、ビジネスの要求に応じた AI ソリューションを構築・運用できます。
  • オープンなアプローチによる柔軟性と選択肢の提供
    Google Cloud は、オープンソースの技術を積極的に活用したり、サードパーティのツールとの連携をサポートしたりするなど、オープンなエコシステムを推進しています。これにより、ユーザーは特定のベンダーに縛られることなく、最適な AI ソリューションを柔軟に選択・構築できます。

 

★ここ重要!

「なぜ AI 活用のプラットフォームとして Google Cloud を選ぶのか?」この問いに対する答えとして、Google が「AI First」の姿勢を明確にしていること、そして Vertex AI のような「統合されたプラットフォーム」を提供していることは、前回の記事でも触れた通り非常に重要です。

それに加え、この「オープン性」も Google Cloud の大きな強みであり、試験対策上も理解しておくべきポイントです。

「オープンである」ということは、特定の技術やベンダーに過度に依存してしまう「ベンダー ロックイン」のリスクを低減できるというメリットがあります。

また、開発者はより多くの選択肢の中から自社のニーズに最適なツールやモデルを選びやすくなり、自由度の高い創造的な開発を進めやすくなります。

スタディガイド の p.6 にある Vertex AI の「Model Garden」では、Google 独自のモデルだけでなく、サードパーティやオープンソースのモデルも利用できる点が示されており、このオープンな姿勢がイノベーションを促進する原動力の一つとなっています。

 
ビジネス リーダーとしては、このオープン性がもたらす柔軟性やコスト効率、そしてイノベーションの可能性を理解しておくことが大切です (この詳細はシリーズの第 4 回目で解説予定です!)。

このような Google の AI に対する取り組みや姿勢は、クラウドエースが提供する Google Cloud 関連のトレーニングでも重要なテーマとして扱われています。なぜ Google Cloud が選ばれるのか、その背景を理解することで、技術選定の際の視野が広がります。

個人の生産性を高める Google のツール(Google’s tooling for personal productivity)

Google は、私たち一人ひとりの仕事や日常生活の生産性を向上させるための、さまざま生成 AI ツールを提供しています。

Gemini

多様なソリューションを支える Google の生成 AI モデル Gemini は、多くの異なるソリューションを強化する Google の生成 AI モデル群です。 テキスト、画像、音声、動画など、さまざま種類の情報を理解し、生成できます(マルチモーダル)。

  • Gemini アプリ(The Gemini app)
    Google の生成 AI チャットボットで、文章作成、要約、翻訳、画像生成といったタスクを支援します。
  • Gemini Advanced(2025 年 5 月 20 日より Gemini Pro に名称が変わりました)
    Gemini アプリは企業向けに、追加機能やエンタープライズ グレードの保護を備えた Gemini Advanced(Pro) が提供されています。
  • Google Workspace with Gemini(旧 Gemini for Google Workspace)
    Gmail でのメール作成支援、スライドでの画像生成、Meet での議事録要約など、使い慣れた Workspace アプリに生成 AI 機能を統合し、業務効率を大幅に向上させます。

★Tips

日常的に Google Workspace を利用している方にとっては、最も身近に生成 AI の力を体験できるツールの一つです。どのような機能があるのか、具体的にイメージできるようにしておくとよいでしょう。

  • Gemini for Google Cloud
    Google Cloud 上での作業を支援する AI アシスタントです。コードの作成やデバッグ、クラウド アプリケーションの管理と最適化、BigQuery でのデータ分析、セキュリティ体制の強化などをサポートします。 ★Tips:開発者だけでなく、クラウド管理者やデータ アナリストにとっても強力な味方です。

これらの Gemini ファミリーの活用方法や、業務への具体的な組み込み方については、たとえば、クラウドエースでは、「Gemini 活用ワークショップ」など、個別のご要望に合わせてカスタマイズした、より実践的なトレーニングをご提案できます。

NotebookLM | 自身でアップロードしたソース(情報)に基づいたリサーチ アシスタント

Gemini とは別に、特定のユーザーニーズに対応するツールとして NotebookLM があります。これは、ご自身でアップロードしたファイル(PDF、テキストファイル、Google ドキュメントなど)の内容に基づいて、AI がリサーチ アシスタントとして機能するツールです。自身でアップロードしたソース(情報)に限定して、重要なポイントの要約、質問への回答、アイデアなどを生成してくれます。このように特定の情報源に基づいて回答を生成させる手法を「グラウンディング(Grounding)」と呼びます。

★ここ重要!

NotebookLM の最大の特徴は、AI の回答がアップロードした資料の内容に基づいて(グラウンディングによって)生成される点です。一般的なチャットボットがインターネット上の広範な情報を参照するのに対し、NotebookLM は自身でアップロードした情報(たとえば、社内の報告書や研究論文など)だけを情報源とするため回答の信頼性が高く、特定の文脈に即した、より専門的な利用が可能です。

この「グラウンディング(Grounding)」という考え方は、AI が誤った情報や無関係な情報を生成する「ハルシネーション(Hallucination)」を抑制し、より信頼性の高い回答を得るための重要なテクニックであり、 スタディガイド p.8 でも詳しく取り上げられていますので、ここで基本的な概念をしっかりと掴んでおきましょう(この詳細はシリーズの第 6 回目で解説予定です!)。

Vertex AI | Google Cloud の統合機械学習プラットフォーム

Vertex AI は、Google Cloud の統一された機械学習(ML)プラットフォームです。機械学習アプリケーションの構築、トレーニング、デプロイをエンドツーエンドでサポートします。Vertex AI を利用することでGemini のような生成 AI モデルにアクセスし、特定のニーズに合わせて調整(チューニング)し、本番環境に展開することができます。

★ここ重要!

Generative AI Leader 試験において、Vertex AI の理解は避けて通れません。単にモデルを利用するだけでなく、ビジネス課題に合わせてモデルをカスタマイズし、実運用に乗せていくためのプラットフォームとして、その役割と主要な機能をしっかりと押さえておく必要があります。

Vertex AI Search | ビジネス向けの検索・レコメンデーション ソリューション

みなさんのビジネス データに基づいた高度な検索機能やレコメンデーション機能を構築するためのソリューションです。
 

★ここ重要!

顧客が自社のウェブサイトで求める情報を簡単に見つけられるようにしたり、EC サイトで関連性の高い商品をレコメンド(推薦)したりといったユースケースが考えられます。AI の回答を特定の情報源に基づくグラウンディングを実現し、スタディガイド p.8 で触れられている RAG(検索拡張生成:Retrieval-Augmented Generation)の仕組みを支える重要なサービスです(この詳細はシリーズの第 6 回目で解説予定です!)。

Google AI Studio と Vertex AI Studio | 目的に応じた開発環境

  • Google AI Studio
    個人開発者や研究者が、新しいアイデアを素早く検証したり、手軽に生成 AI モデルの挙動を試したりする場合に非常に便利です。複雑な環境設定なしに、すぐに実験を開始できるのが大きなメリットです。
  • Vertex AI Studio
    企業が、セキュリティ、ガバナンス、スケーラビリティ、そして他の Google Cloud サービスとの連携といったエンタープライズ要件を考慮しつつ、本番環境に対応した AI アプリケーションを大規模に構築・展開するための統合環境です。より高度なカスタマイズ、モデル管理、MLOps 機能などが提供されています。

 

★ここ重要!

試験では、どのような目的でどちらの Studio を使うべきか、といった判断が問われる可能性があります。個人の学習や小規模な実験、迅速なアイデア検証には手軽な Google AI Studio、一方、企業として本格的な AI ソリューションを開発し、本番環境で安定的に運用していくためには、より包括的で管理機能も充実した Vertex AI Studio を選択する、といった判断基準をもつことが重要です。

Vertex AI を中心としたこれらの開発ツールやサービス群の理解を深めるためには、実際に触れてみることが一番です。クラウドエースでは「Vertex AI Agent Builder」のような、実践を通じて各機能や連携方法を学べるコースを提供することで、みなさんのスキルアップをサポートしたいと考えています。

Customer Engagement Suite(カスタマー エンゲージメント スイート) | 顧客との効果的な関係構築を支援

これらのツール群は、AI を活用した包括的なクラウドベースのコンタクトセンター基盤である Google Cloud Contact Center as a Service(CCaaS)上で連携して機能するイメージです。このスイートには、主に以下のコンポーネントが含まれます。
 

  • 会話型エージェント(Conversational Agents)
    顧客からの問い合わせに対して、24時間365日対応可能な、効率的なチャットボットやボイスボットとして機能します。単純な質問への自動応答や適切な情報提供により、顧客の自己解決を促進します。

★Tips

これにより、企業は問い合わせ対応コストの削減や、オペレーターがより複雑な問題に集中できる環境の実現、さらには24時間対応による顧客満足度の向上や機会損失の防止といったメリットが期待できます。

 

  • Agent Assist
    人間のオペレーター(コンタクトセンターのエージェント)が顧客と対応している最中に、関連情報(FAQ、過去の対応履歴、製品情報など)をリアルタイムで提示したり、返答の候補を提案したりすることで、オペレーターの業務を支援します。これにより、応対品質の向上や時間短縮が期待できます。

★Tips

オペレーターのトレーニング時間の短縮、応対の一貫性と正確性の向上、そして顧客の問題解決時間の短縮につながり、結果として顧客満足度とオペレーターの生産性の両方を高めることができます。

 

  • 会話型インサイト(Conversational Insights)
    コンタクトセンターに集まる膨大な量の顧客とのコミュニケーション データ(通話録音、チャット ログなど)を分析し、顧客の声の傾向、課題、満足度などを可視化します。これにより、製品改善やサービス向上のための貴重な洞察を得ることができます。

★Tips

従来は見過ごされがちだった「顧客の生の声(VoC)」から、製品やサービスの改善点、新しいニーズ、さらには解約の予兆などを早期に発見し、データに基づいた戦略的な意思決定を支援します。

 

★ここ重要!

この「Customer Engagement Suite(カスタマー エンゲージメント スイート)」は、 スタディガイド の説明に加えて、Google Cloud のソリューションとしては、AI 機能が統合されている点が非常に重要です。 実際の試験で具体的なサービス名やソリューション名が選択肢として提示される場合、「Customer Engagement Suite with Google AI」のように、AI による付加価値が明示されている名称で問われる可能性も十分に考えられます。

これは、単にコンタクトセンター向けのツールというだけでなく、生成 AI などの AI 技術が、会話型エージェントの高度化、Agent Assist によるオペレーター支援の質の向上、会話型インサイトによるより深い顧客理解といった形で、顧客エンゲージメントをどう変革するかを理解しているかが試されるということです。したがって、学習の際にはこれらのツール群が解決する具体的なビジネス課題(顧客満足度の向上、コンタクトセンター業務の効率化、顧客の生の声の戦略的活用など)と、そこに AI がどのように貢献するのかという視点を常にもって臨むようにしましょう。

たとえば、「AI を活用してコンタクトセンターの応答時間を短縮し、顧客の待ち時間を減らすには?」といった問題に対して、このスイートが提供する AI 機能を活用した解決策を具体

 

ラリオス的!特に注目したいポイント

スタディガイド p.5 では、Google Cloud が提供する具体的な生成 AI 関連のツールやサービスが多数紹介されています。これらのツールが Google の「AI First」という基本戦略や「オープン性」という特徴とどのように結びつき、ビジネスにどのような価値を提供できるのかを理解することが非常に重要です。

Google の AI 戦略とビジネス価値の理解

なぜ多くの企業が AI 活用のプラットフォームとして Google Cloud を選択するのか? それは、Google が「AI First」を掲げ、Vertex AI のような統合プラットフォームを提供していることにくわえ、特定の技術やベンダーに縛られない「オープン性」を重視しているからです。これにより、企業はベンダー ロックインのリスクを避けつつ、自由度の高い開発を進められ、結果としてイノベーションの加速やコスト効率の向上が期待できます。この視点は、Generative AI Leader として必ず押さえておきましょう。

  • Gemini ファミリーと NotebookLM、Vertex AI の役割分担
    • Gemini の各バリエーション、つまりapp、Advanced(Pro)、Workspace with Gemini(for Workspace)、for Google Cloudが、それぞれどのようなユーザーやユースケースを対象としているのかを明確に区別しましょう。
    • NotebookLM は、ユーザーが提供する特定の情報源に限定して(グラウンディングして)回答を生成する点が、一般的なチャットボットとの大きな違いです。 この特性がビジネス シーンでどう活きるかを理解することが重要です。
    • Vertex AI は、これらのモデルを利用し、ビジネス課題に合わせてカスタマイズし、実際に運用に乗せていくための統合プラットフォームであるという点を再確認してください。
  • 具体的なビジネス課題とソリューションの紐付け
    • Customer Engagement Suite(with Google AI)が、AI を活用してどのように顧客満足度向上やコンタクト センター業務の効率化に貢献するのか。
    • Google Agentspace が、社内情報を活用した AI エージェントを通じて、どのように組織内の情報アクセスや業務効率を改善するのか。 これらの具体的なソリューションが、どのようなビジネス課題を解決できるのかを説明できるようにしておくことが求められます。
  • 開発環境の使い分け
    Google AI Studio は迅速なプロトタイピングや実験に適しており、Vertex AI Studio はより本格的な開発、デプロイ、運用に適しているという目的の違いを理解しておきましょう。

これらの Google Cloud の AI サービス群を効果的に活用し、ビジネス価値を創出するためには、それぞれのツールの特性を理解し、適切に組み合わせる能力が求められます。クラウドエースでは、個別のサービス解説に留まらず、これらを組み合わせたソリューション構築の考え方や事例を紹介するトレーニング(Introduction to Developer Efficiency with Gemini on Google Cloud)も提供し、みなさんの実践力向上を支援します。

学習のヒント:効率的な学習とクラウドエースのトレーニング

  • 「何をするためのツールか」を自分の言葉で
    紹介されている各サービスやツールについて、その名称だけでなく「これは何をするためのもので、どんな時に役立つのか」を簡潔に説明できるようになることを目指しましょう。
  • 公式サイトは情報の宝庫
    Google Cloud の公式サイトには、各サービスの詳細な機能説明、ユースケース、導入事例などが豊富に掲載されています。 特に Vertex AI や Gemini に関するページは、ブックマークして定期的に最新情報をチェックすることをおすすめします。
  • 「自分ならどう使う?」という当事者意識
    学習したツールやサービスについて、「もし自分がこれを使って業務改善をするとしたら、どんなことができるだろうか?」「自分の会社の課題解決にどう役立てられるだろうか?」といった具体的なシナリオを想像してみることで、知識がより実践的なものになります。
  • 優先順位をつけて効率的に
    IT 初心者の方にとっては、多くの新しいツール名を一度に覚えるのは大変かもしれません。まずは、この記事の中で強調されている主要なサービスや、ご自身の業務に関連しそうなものから優先的に理解を深めていくのが効果的です。
  • 体系的な学びも視野に
    このシリーズで基本的な知識を習得したうえで、「もっと深く理解したい」「実際に手を動かしながらスキルを確実に身につけたい」と感じた場合は、ハンズオン形式の演習が含まれる学習プログラムや、専門家による解説を通じて体系的に学ぶ機会を探してみるのもよいでしょう。ご自身の学習スタイルや目標に合わせて、最適な学び方を見つけてみてください。 クラウドエースは、まさにそのようなニーズに応えるため、基礎から応用、さらには特定のソリューション構築に特化したトレーニングまで、幅広いラインナップでみなさんの学習をサポートします。

理解度チェック!ミニ クイズ

さて、ここまでの内容をどれくらい理解できたか、簡単なクイズで確認してみましょう!

【クイズ1】
Google Workspace の各アプリケーション(Gmail、スライドなど)に生成 AI 機能を統合し、ユーザーの日常業務の生産性向上を支援するものはどれですか?

(ア)Gemini アプリ
(イ)Gemini for Google Workspace
(ウ)NotebookLM
(エ)Vertex AI Search

 

【クイズ2】
ユーザーがアップロードした独自のドキュメントに基づいて、AI が質問応答や要約生成を行う、情報源を限定したリサーチ アシスタントとして機能するツールは何ですか?

(ア)Google AI Studio
(イ)Vertex AI Studio
(ウ)NotebookLM
(エ)Gemini for Google Cloud

 

【クイズ3】
Google Cloud の統一された機械学習プラットフォームで、生成 AI モデルの構築、トレーニング、デプロイ、管理をエンド ツ ーエンドでサポートするものはどれですか?

(ア)Google Agentspace
(イ)Customer Engagement Suite
(ウ)Vertex AI
(エ)Gemma

 

クイズの答え

【クイズ1】(イ)Gemini for Google Workspace

【クイズ2】(ウ)NotebookLM

【クイズ3】(ウ)Vertex AI

ラリオスからの挑戦状!実践演習クイズ

ここからは、より深く、そして実践的な視点からのクイズです。スタディガイド全体の知識が問われることもありますので、じっくり考えてみてください。

【実践演習クイズ1】
ある企業の人事部門では、社員からの内規に関する問い合わせ対応に多くの時間を費やしています。そこで、社内の規程文書を AI に学習させ、社員が自然言語で質問すると、関連する規程を提示し、簡単な質問には自動で回答できるチャットボットの導入を検討しています。このチャットボットを構築するうえで、「中核となる可能性が高い Google Cloud のツール」やサービスの組み合わせとして、最も適切なものはどれですか。

(ア)Imagen と Vertex AI Search を利用して、規程文書の画像を分析し、キーワードで検索できるようにする。
(イ)NotebookLM に規程文書をアップロードし、それを基に会話型エージェントを構築する。Vertex AI を利用してモデルの管理を行う。
(ウ)Google AI Studio を利用して、一般的な知識をもつチャットボットを迅速にプロトタイピングし、人事部門のウェブサイトに直接デプロイする。
(エ) Google Workspace with Gemini を活用し、社員が Gmail で質問すると、Gemini が自動で規程文書を検索し返信する。

 

【実践演習クイズ2】
あなたは、新しいモバイル アプリケーションのアイデアを検証するために、短期間で「生成 AI モデルを使ったプロトタイプ」を作成したいと考えています。複雑なインフラ設定や高度なカスタマイズは現時点では不要で、まずは手軽にモデルの動作を確認し、アイデアの実現可能性を探ることが目的です。この状況で、あなたが「生成 AI モデルの実験」とプロトタイピングのために最初に利用を検討する可能性が高い Google Cloud のツールはどれですか。

(ア)Vertex AI Studio
(イ)Google AI Studio
(ウ)Vertex AI Model Garden から直接モデルを本番環境にデプロイ
(エ)Google Agentspace

実践演習クイズの答え

【実践演習クイズ1】
(イ)NotebookLM に規程文書をアップロードし、それを基に会話型エージェントを構築する。Vertex AI を利用してモデルの管理を行う。

社内文書のような特定の情報源に基づいて質問応答を行う場合、NotebookLM のグラウンディング機能が非常に有効です。これにより、AI の回答が規程文書の内容に限定され、信頼性が高まります。そして、そのうえで構築される会話型エージェントのモデル管理や、より高度なカスタマイズが必要になった場合には、Vertex AI のような統合プラットフォームが活用できます。

(ア)は画像分析が主目的ではないため不適切。
(ウ)は一般的な知識に基づいているため社内規程特有の質問に弱い可能性があり、また本番デプロイには Vertex AI Studio がより適しています。
(エ)は Gmail 経由の利用であり、専用チャットボットの要件とは異なります。

【実践演習クイズ2】
(イ)Google AI Studio

Google AI Studio は無料で利用でき、迅速な AI プロトタイピングに適しています。複雑な設定なしに手軽にモデルを試すという今回の目的に最も合致しています。

Vertex AI Studio はより本格的な開発・運用向けです。 Model Garden から直接本番デプロイする前に、通常はプロトタイピングやテストが行われます。Google Agentspace は、より作り込まれたエージェントを組織内に展開するプラットフォームであり、初期のアイデア検証フェーズには Google AI Studio がより手軽でしょう。

まとめ | Google Cloud の AI サービスを理解し、ビジネスを加速する(クラウドエースのトレーニング紹介)

今回の解説はここまでです! スタディガイド p.5 の前半だけでも、たくさんの重要なツールやサービスが登場しましたね。Google が「AI ファースト」を掲げる理由、そして私たちの生産性を向上させるための Gemini ファミリー、特定の情報源に特化できる NotebookLM、AI 開発の統合プラットフォームである Vertex AI、さらには顧客エンゲージメントを高める Customer Engagement Suite や社内情報活用を促進する Google Agentspace など、多岐にわたる Google Cloud の AI サービス群の一端に触れることができました。

これらのサービスは、それぞれがユニークな価値を提供すると同時に、Vertex AI をハブとして連携し、より大きなビジネス価値を生み出す可能性があります。Generative AI Leader としては、これらのツールの個別の機能を理解するだけでなく、それらをどのように組み合わせてビジネス課題を解決できるか、という視点をもつことが重要です。

「どのツールをどのような目的で使うのか」「自社の課題にはどの組み合わせが最適なのか」といった疑問は、実際に手を動かし、具体的なユースケースを検討するなかで解消されていくものです。クラウドエースでは、そのような実践的な学びをサポートするため、「Google Cloud 生成 AI サービス徹底活用ワークショップ」(仮称)のような、複数のサービスを組み合わせたソリューション構築を体験できるトレーニングの提供も視野に入れています。

次回は、スタディガイド p.6 に進み、「AI エージェント」のより詳細な概念や、「プラットフォーム」「モデル」「インフラストラクチャ」といった生成 AI ランドスケープの各層について、さらに深く掘り下げていきます。 お楽しみに!

 

▼ 第1回目はこちら
https://cloud-ace.jp/column/detail493/

▼ 第2回目はこちら
https://cloud-ace.jp/column/detail494/

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