こんにちは、クラウドエース編集部です。知らない街への外出やドライブの際に、Google Map を利用している人も多いのではないでしょうか。目的地までの時間を把握できたり、パノラマ画像で周辺の様子を確認できたりと、便利ですよね。このような機能は、Google Maps API によって実現されています。今回は、Google Maps API の具体的な機能や、各業界がビジネスに Google Maps API のどのようなソリューションを利用できるのかについて紹介していきます。目次 ToggleGoogle Maps API とはGoogle Maps API でできること各業界における Google Maps API の活用例まとめGoogle Maps API とは Google Maps API とは、Google Map の各種機能を、さまざまなサービス・サイト・アプリに埋め込むためのものです。 Google Maps API を利用することで、ウェブサイトや iOS、Android アプリなどに Google Map を表示できるようになります。Google Maps API でできることGoogle Maps API では、地図に関するさまざまなサービスが提供されています。具体的には、以下のような機能を利用可能です。カテゴリAPI内容マップDynamic Maps (ダイナミックマップ)リアルタイムで更新が適用されるカスタマイズした地図をサイトに追加Dynamic Street View (ダイナミックストリートビュー)360 度パノラマ画像を埋め込むElevation (標高)特定の場所の標高データを照会Maps Embed (マップ埋め込み)HTTP リクエストで地図やストリートビューのパノラマ画像をサイトに追加Static Maps (静的マップ)コードでサイトにシンプルな地図画像を埋め込むStatic Street View (静的なストリートビュー)JavaScript を使用せず静的なストリートビューのパノラマ画像・サムネイルをサイトに埋め込むルートDirections (ルート情報)複数の地点間の公共交通機関、自転車、自動車、徒歩のルート情報を提供Distance Matrix (距離のマトリクス)複数の目的地までの移動時間と距離を算出Roads (経路)車両が移動する経路を特定プレイスAutocomplete (オートコンプリート)入力内容に合わせて目的地の候補を自動的に表示Geocoding (ジオコーディング)住所と経度・緯度の相互変換Geolocation (ジオロケーション)GPS 機能がない環境でユーザーの位置情報を特定Place Details (場所の詳細)特定の場所の詳しい情報をアプリやサイトに追加Place Photos (場所の写真データ)Google のデータベースの数百万の場所に関する写真にアクセスPlace Search (場所の検索情報)現在地、検索語句、電話番号、検索文字列に基づき、周辺の店舗やサービスなどの情報を提示Time Zone (タイムゾーン)経度・緯度からタイムゾーンを取得Current Place (現在地)デバイスから報告されている現在地を特定住所入力すると地図を表示してくれるWebサイトや、配車アプリで車の現在地を把握できる配車アプリなどでは、これらの Google Maps API が活用されていることが多いのです。各業界における Google Maps API の活用例Google では、Google Maps API を各業界で活用できるよう、各種機能を組み合わせたパッケージをソリューションとして提供しています。物流向けのソリューション まずは、物流業界向けのソリューションについてです。事業内容や目的に応じて、以下の 3 つのサービスが用意されています。ソリューション概要サービス内容LAST MILE FLEETラストワンマイル(最寄りの配達事業所から届け先)における物流の効率化荷物の追跡、顧客への荷物の最新の所在地と到着時刻の通知ドライバー向けの配送ルート調整レンタカー・タクシー事業者向けの車両のリアルタイムな管理機能ON-DEMAND RIDES & DELIVERIESオンデマンド配車・配達サービスにおける管理配車や注文配送の手続きのプラットフォーム高速で信頼性の高いルート案内最適な運転手の割り当て運転中のナビゲーション機能リアルタイムな配車状況の表示などASSET TRACKING自動車、製品、人、自動車、配達物などのアセットの追跡アセットトラッキング機能複数地点を経由する車両の効率的なルート作成屋内・遠隔地でのアセットトラッキング機能250 以上の国における位置情報の取得インドネシア最大の配車サービス「 Gojek 」では、「 On-Demand Rides 」および 「 On-Demand Deliveries 」ソリューションの利用を開始後、ドライバーが乗車地点に到着する時間が最大 20% 早くなり、顧客の利用回数も 3% 増えています。小売店向けのソリューション続いては、小売店向けのソリューションです。ソリューション概要サービス内容PRODUCT LOCATORオンラインショップの情報を店舗の商品在庫に結び付ける商品の在庫がある付近の店舗の情報を商品紹介ページに表示商品の受け取り方法や営業時間、店舗までの推定移動時間、アクセス方法、静的な地図での店舗所在地などの情報を表示STORE LOCATOR PLUS店舗来店客の増加店舗へのルート、推定交通量、経路案内を動的な地図で提供店舗の営業時間、アクセス方法、店頭写真などの情報を表示実店舗のサービスをアピール店舗内で利用できるクーポン、店舗内でのイベントカレンダーの提供CHECKOUT決済の高速化とコンバージョン率の向上住所入力などのオートコンプリート注文確認メールに住所の地図を追加LAST MILE FLEET自動車、製品、人、自動車、配達物などのアセットの追跡荷物の追跡、顧客への荷物の最新の所在地と到着時刻の通知ドライバー向けの配送ルート調整レンタカー・タクシー事業者向けの車両のリアルタイムな管理機能イギリスでスーパーマーケットを展開する「 Argos 」では、これらのソリューションを導入してから、Web サイトの直帰率が 12% 下がり、ユーザー数が年間 400 万人に達しています。金融サービス向けのソリューション 次は金融サービス向けソリューションについて見てみましょう。ソリューション概要内容ENRICHED TRANSACTIONSユーザー向けの正確な請求料金把握取引明細に販売者の正式名称、業種、店頭写真、地図上の位置、連絡先情報などの情報を掲載Google Map上に購入製品の販売者名や取引日時を表示BRANCH AND ATM LOCATOR PLUS銀行や ATM にユーザーを誘導Google Map上に営業時間、利用可能サービス、レビュー、写真、360 度のストリートビュー画像を追加最新の交通状況を基に、2 地点の住所から複数経路、距離、到着予定時刻を提示CONTEXTUAL EXPERIENCESパーソナライズされたマーケティング位置情報に合わせてパーソナライズされたセールや特典を情報を Google マップ上に表示ユーザーが特典を選択すると店舗への経路を提案業種や営業時間、評価、レビュー、写真などの情報を表示QUICK AND VERIFIED SIGN-UPアカウントの登録の簡略化住所などのオートコンプリート不正登録回避のためユーザーの同意の上、デバイスの位置を取得し入力された住所との一致確認FRAUD DETECTION不正行為の検出デバイスの位置情報サービスからユーザーの所在地を割り出し、ATM からの多額の引き出しなどの不審な行為をリアルタイムで検出地理的な距離に不審な取引の検出地理空間データを活用して顧客の取引データを提示することで、カスタマー サポートへの問い合わせ件数は 67% 減少し、地理空間データを用いて商品・サービスをカスタマイズすることで、ユーザーのアプリ利用時間は 80% 増加することがわかっています。不動産業向けのソリューション 最後に、不動産業向けソリューションについてです。ソリューション目的内容PROPERTY SEARCH物件探しの最初のステップがスムーズに物件の住所、スポット、近隣施設の検索結果を地図上に表示検索結果の関連性を高めるためのフィルタ機能NEIGHBORHOOD DISCOVERY地域に密着した情報によって地図をカスタマイズストリートビューや 航空写真で物件の画像を提供学区の境界、自然災害の危険区域、不動産評価などの重要な情報を表示学校、公園、よく利用する施設などを評価、レビュー、ルートとともに表示地理空間データを使用して物件と近隣の情報提供を行った場合、リテンション率(サイトへの再訪割合)が 5% 増加、不動産の商品やサービスの提示をカスタマイズした場合、収益が 7% 増加、ユーザーのウェブサイト滞在時間は 6% 増加することが明らかになっています。まとめここまで、Google Maps API の具体的機能や各業界での活用事例に付いて紹介してきました。本記事を参考に、ビジネスのソリューションとしての Google Maps API の利用を検討してみてください。APIで「できること」がわかったら、次は「始め方」を学びましょう。Google Maps ビジネス活用始め方ガイドGoogle Maps APIの多様な機能と、ビジネスを革新する可能性。ご理解いただけたかと思います。本資料は、APIの費用から導入に不可欠なAPIキーの取得方法まで、ビジネス活用への「最初の一歩」を誰にでもわかるように、丁寧に解説します。 資料ダウンロードはこちらから