- Google Cloudに関する記事
Google Maps API とは. できることやユースケースを5分で説明
こんにちは、クラウドエース編集部です。
知らない街への外出やドライブの際に、Google Map を利用している人も多いのではないでしょうか。目的地までの時間を把握できたり、パノラマ画像で周辺の様子を確認できたりと、便利ですよね。このような機能は、Google Maps API によって実現されています。
今回は、Google Maps API の具体的な機能や、各業界がビジネスに Google Maps API のどのようなソリューションを利用できるのかについて紹介していきます。
Google Maps API とは
Google Maps API とは、Google Map の各種機能を、さまざまなサービス・サイト・アプリに埋め込むためのものです。 Google Maps API を利用することで、ウェブサイトや iOS、Android アプリなどに Google Map を表示できるようになります。
Google Maps API でできること
Google Maps API では、地図に関するさまざまなサービスが提供されています。具体的には、以下のような機能を利用可能です。
カテゴリ | API | 内容 |
---|---|---|
マップ | Dynamic Maps (ダイナミックマップ) |
リアルタイムで更新が適用されるカスタマイズした地図をサイトに追加 |
Dynamic Street View (ダイナミックストリートビュー) |
360 度パノラマ画像を埋め込む | |
Elevation (標高) |
特定の場所の標高データを照会 | |
Maps Embed (マップ埋め込み) |
HTTP リクエストで地図やストリートビューのパノラマ画像をサイトに追加 | |
Static Maps (静的マップ) |
コードでサイトにシンプルな地図画像を埋め込む | |
Static Street View (静的なストリートビュー) |
JavaScript を使用せず静的なストリートビューのパノラマ画像・サムネイルをサイトに埋め込む | |
ルート | Directions (ルート情報) |
複数の地点間の公共交通機関、自転車、自動車、徒歩のルート情報を提供 |
Distance Matrix (距離のマトリクス) |
複数の目的地までの移動時間と距離を算出 | |
Roads (経路) |
車両が移動する経路を特定 | |
プレイス | Autocomplete (オートコンプリート) |
入力内容に合わせて目的地の候補を自動的に表示 |
Geocoding (ジオコーディング) |
住所と経度・緯度の相互変換 | |
Geolocation (ジオロケーション) |
GPS 機能がない環境でユーザーの位置情報を特定 | |
Place Details (場所の詳細) |
特定の場所の詳しい情報をアプリやサイトに追加 | |
Place Photos (場所の写真データ) |
Google のデータベースの数百万の場所に関する写真にアクセス | |
Place Search (場所の検索情報) |
現在地、検索語句、電話番号、検索文字列に基づき、周辺の店舗やサービスなどの情報を提示 | |
Time Zone (タイムゾーン) |
経度・緯度からタイムゾーンを取得 | |
Current Place (現在地) |
デバイスから報告されている現在地を特定 |
住所入力すると地図を表示してくれるWebサイトや、配車アプリで車の現在地を把握できる配車アプリなどでは、これらの Google Maps API が活用されていることが多いのです。
各業界における Google Maps API の活用例
Google では、Google Maps API を各業界で活用できるよう、各種機能を組み合わせたパッケージをソリューションとして提供しています。
物流向けのソリューション
まずは、物流業界向けのソリューションについてです。事業内容や目的に応じて、以下の 3 つのサービスが用意されています。
ソリューション | 概要 | サービス内容 |
---|---|---|
LAST MILE FLEET |
ラストワンマイル(最寄りの配達事業所から届け先)における物流の効率化 |
|
ON-DEMAND RIDES & DELIVERIES |
オンデマンド配車・配達サービスにおける管理 |
|
ASSET TRACKING |
自動車、製品、人、自動車、配達物などのアセットの追跡 |
|
インドネシア最大の配車サービス「 Gojek 」では、「 On-Demand Rides 」および 「 On-Demand Deliveries 」ソリューションの利用を開始後、ドライバーが乗車地点に到着する時間が最大 20% 早くなり、顧客の利用回数も 3% 増えています。
小売店向けのソリューション
続いては、小売店向けのソリューションです。
ソリューション | 概要 | サービス内容 |
---|---|---|
PRODUCT LOCATOR |
オンラインショップの情報を店舗の商品在庫に結び付ける |
|
STORE LOCATOR PLUS |
店舗来店客の増加 |
|
CHECKOUT | 決済の高速化とコンバージョン率の向上 |
|
LAST MILE FLEET | 自動車、製品、人、自動車、配達物などのアセットの追跡 |
|
イギリスでスーパーマーケットを展開する「 Argos 」では、これらのソリューションを導入してから、Web サイトの直帰率が 12% 下がり、ユーザー数が年間 400 万人に達しています。
金融サービス向けのソリューション
次は金融サービス向けソリューションについて見てみましょう。
ソリューション | 概要 | 内容 |
---|---|---|
ENRICHED TRANSACTIONS | ユーザー向けの正確な請求料金把握 |
|
BRANCH AND ATM LOCATOR PLUS | 銀行や ATM にユーザーを誘導 |
|
CONTEXTUAL EXPERIENCES | パーソナライズされたマーケティング |
|
QUICK AND VERIFIED SIGN-UP |
アカウントの登録の簡略化 |
|
FRAUD DETECTION | 不正行為の検出 |
|
地理空間データを活用して顧客の取引データを提示することで、カスタマー サポートへの問い合わせ件数は 67% 減少し、地理空間データを用いて商品・サービスをカスタマイズすることで、ユーザーのアプリ利用時間は 80% 増加することがわかっています。
不動産業向けのソリューション
最後に、不動産業向けソリューションについてです。
ソリューション | 目的 | 内容 |
---|---|---|
PROPERTY SEARCH | 物件探しの最初のステップがスムーズに |
|
NEIGHBORHOOD DISCOVERY | 地域に密着した情報によって地図をカスタマイズ |
|
地理空間データを使用して物件と近隣の情報提供を行った場合、リテンション率(サイトへの再訪割合)が 5% 増加、不動産の商品やサービスの提示をカスタマイズした場合、収益が 7% 増加、ユーザーのウェブサイト滞在時間は 6% 増加することが明らかになっています。
まとめ
ここまで、Google Maps API の具体的機能や各業界での活用事例に付いて紹介してきました。本記事を参考に、ビジネスのソリューションとしての Google Maps API の利用を検討してみてください。
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