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SIer(エスアイヤー)の全てが5分でわかる!仕事・役割・将来性など

こんにちは、クラウドエース編集部です。

IT 関連の話題で耳にする「 SIer 」という言葉。「 SES 」「 SE 」などの似た言葉も多く、「会話の文脈から、なんとなく理解して使っている」という状態の人も多いのではないでしょうか。

今回は、SIer の仕事や役割、種類について詳しく解説した上で、SIer の将来性や今後の展望などについて考えていきます。

SIer とは


「 SIer 」とは、「 System Integration(システムインテグレーション)」の略称「 SI 」に、「〜する人」という意味を持つ接尾辞「 er 」を付けた言葉です。

「 SI 」とは、システム開発・運用を行う IT 企業のことです。クライアントの依頼を受けて、コンサルティングから要件定義、設計、運用保守まで、システム構築にまつわる全般的な業務を一括して請け負います。

ちなみに、「 SIer 」は和製英語であり、英語圏では略せず「 System Integration 」と呼びます。海外では意味が通じないことを覚えておきましょう。

SE・SES との違い

IT 関連の仕事について調べていると、「 SIer 」のほかに「 SE 」や「 SES 」といった言葉を目にする機会も多いでしょう。これらは SIer とはどのような違いがあるのでしょうか。

まず、「 SE 」とは「 System Engineer(システムエンジニア)」の略称です。クライアントの要望に応じて、システム設計やプログラミングなどの業務を行う職業のことを指します。

そして「 SES 」とは、「 System Engineeing Service(システムエンジニアリングサービス)」の略称で、システム設計やプログラミングなどの特定の業務に対して「 SE 」を派遣するサービス・企業のことを指します。クライアント先に常駐してエンジニアとして働くため、プロジェクトごとに勤務先が変わることも特徴的です。

つまり、「 SIer 」は、クライアントに必要なシステム設計を考え、開発し、保守運用まで一括して行うのに対して、「 SES 」は設計・プログラミング・保守・運用などの特定の実務に必要な人材を必要に応じて個々に提供するという役割の違いがあります。

SIerの種類

SIer には、その成り立ちやどのようなプロジェクトをメインに請け負うのかによって、いくつかの種類があります。ここからは、SIer の代表的な 3 つの種類について紹介します。

ユーザー系 SIer

1 つ目は、ユーザー系 SIer です。これは大手企業の情報システム部門などが独立してできた SIer のことで、大規模システムを必要とする金融業界、通信業界、商社などを母体とすることが多いです。

ユーザー系 SIer の特徴は、親会社から安定的にプロジェクトが発注されることでしょう。もちろん、親会社での業務で培った知識や技術を強みとして、同じ業界からの受注を増やしていく企業も多くあります。

メーカー系 SIer

2つ目は、メーカー系 SIer です。これは、コンピュータやネットワークなどシステム開発に欠かせない IT 関連の機器の製造販売を行うメーカーを母体とした SIer のことです。

大手メーカーの IT 部門やソフトウェア開発部門の規模が大きくなったことで、独立して別会社となるケースが多く見られます。ユーザー系 SIer 同様に、親会社からの受注が中心で、そのメーカーのハードウェア、ソフトウェアを組み合わせたシステム開発案件も多いでしょう。

独立系 SIer

3 つ目は、独立系 SIer です。独立系 SIer は名前の通り、SI を専業として設立された SIer です。ユーザー系、メーカー系のように親会社を母体として独立したわけではありません。

独立系 SIer はそれぞれ、得意な分野を持っていたり、特定分野に特化していたりすることも少なくありません。システム開発をメイン事業としている企業が多く、設計や要件定義といった上流工程に関わる機会は少ないことが特徴です。

SIer の役割とは

続いては、SIer が具体的にどんな業務を行うのか、その役割について見てみましょう。

システム設計・要件定義

1 つ目は、要件定義を含めたシステム設計です。クライアントの要望を聞きながら、開発に向けた全体的な構想を行います。クライアントの「こんなことを、これくらいの予算で実現したい」という希望に合わせて、どんなシステムを作るべきかを具体的に考え提案します。プロジェクトの成否を決める、重要なファーストステップと言えるでしょう。

システム構築

2 つ目は、システム構築です。定義された要件や設計内容に合わせて、実際にシステムを開発していきます。具体的には、エンジニアがプログラミングを行い、設計通りのシステムとして機能するように構築する工程です。

保守・運用

3 つ目は、保守・運用です。完成したシステムを実際に運用していくためのサポートを行います。

具体的には、システムが正常に稼働しているかの監視、メンテナンスや障害対応などが挙げられます。また、クライアントの社員がシステムを利用できるように、研修やトレーニングを行うこともあるでしょう。

このように、SIer は企業のシステム開発にあたって、相談から実際の開発、その後の運用まで、ほぼ全てを行います。

SIer の今後の展望

このように、企業のシステム開発全般を一括して行う SIer ですが、その将来性については必ずしも明るいとは言えません。その理由は、あらゆる業界において DX 推進が叫ばれている現代、社内システムの内製化実現を目指し、SIer を利用するのではなく、社内SEを採用する企業が増加しているからです。

また、主流となる開発手法のトレンドにも変化が現れています。例えば、今までは最初に計画や全体の機能設計を決め、それに沿って開発やテストをしていく「ウォーターフォール開発」が一般的だったのに対して、「計画→設計→実装→テスト」という開発工程を機能単位のサイクルで繰り返しながら進める「アジャイル開発」の採用が増えています。加えて、開発チームと運用チームがお互いに協調しながら開発を進める「 DevOps 」の活用も広がっています。

このような開発手法のトレンド変化に伴い、システム開発が従来のオンプレミス環境ではなく、クラウド環境が採用されることが主流になっています。つまり、SIer がゼロからシステムを構築するのではなく、クラウド事業者が用意したプラットフォーム・インフラ構築サービスを利用することがスタンダードになりつつあるのです。

このような状況が進めば、Sler の需要が減少していくことが予想されます。

クラウドエースが掲げる SI2.0とは

クラウドエースでは、このような時代に対応するためには、SIer の役割の変化が求められると考えています。

従来のオンプレミス環境でのシステム構築での SIer の役割は、上で紹介した通り「相談から開発・運用までの全てを行うこと」でした。これは言い換えると、「クライアントが SIer にシステムの要件定義から運用まで丸投げしている状態」とも言えます。

しかし、先述のような時代の変化によって、クライアントが SIer に求めることも変化してくることが予想できます。

従来の SIer に求められるのは「専門家としての問題解決能力」「大規模プロジェクトの運営能力」「 24 / 365 体制での運用保守能力」でした。しかし、開発手法やインフラの変化により、今後は加えて「最新技術への知見と対応」「アジャイル開発とものづくり能力」も求められるでしょう。

反対に、「ビジネスに直結する IT の判断やアイディア」は、今や各企業の競争力の源泉となっているため、SIer が行うべきものでなく、社内で実施されるべきものとなっています。また、クラウド環境での開発が主流となることにより、「インフラ提供能力」も SIer に求められなくなっています。

このようなニーズの変化によって、SIer の役割も変わるべきだと言えるでしょう。クラウドエースが考える、新たな SIer の在り方が「 SI2.0 」です。

具体的には、「オンプレミスでウォーターフォール開発、モノシリックアーキテクチャ」を基本としていた「 SI1.0 」に対して、「クラウドをインフラとして利用し、アジャイル開発・マイクロサービスアーキテクチャ」を採用するのが「 SI2.0 」です。

これにより、「リスクを取らず、責任回避のため多重下請け構造を構築、結果として技術力の停滞」といった現状の SIer が抱えている問題の解消にも繋げられるでしょう。開発の責任を共有しながら、エンジニアファーストの考えでシステム開発を行う 「 SI2.0 」が実現することで、DX も加速させられると考えられます。

まとめ

ここまで、SIer の役割や種類、そして今後の将来性について解説してきました。この記事をきっかけに、SIer の在り方や今後のシステム開発について考えてみてください。

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