- Google Cloud 入門記事
Firebase とは 概要から料金体系を5分で入門
こんにちは、クラウドエース編集部です。
本記事では、アプリ開発に欠かせないプラットフォームとなっている『Firebase』について機能や料金体系を5分で解説していきたいと思います。
Firebase とは? 機能は?何ができるの?
Firebase は、アプリケーションを簡単に、爆速で構築するためのプラットフォームで、BaaS(Backend as a service)の一つとして、Google Cloud によって提供されています。
近年、サービスのリリースまでの時間をいかに短縮するかが求められるなか、サーバーレスアーキテクチャが注目を集めており、Firebase などの BaaS を利用することでバックエンドの構築あれこれを考えなくても、開発者はアプリケーションやコンテンツの開発に専念することができるようになりました。
例えば、Andoroid と iOS 向けのゲームを開発しようとした際、SNS を使ったアカウント作成機能や、チャット機能、プッシュ通知などの機能は、Firebase の様々なサービスで簡単に実装することが可能です。
Firebase には15以上のサービス・機能があり、モバイルアプリやWebアプリを開発する上であったら便利なお道具箱になっています。
ここではその中から7つほどご紹介していきたいと思います。
1 Firebase Realtime Database
クラウドホスト型のデータベースでアプリケーションのデータの保存と全体への同期を瞬時に、リアルタイムで行うことができます。
オフラインでも保存でき、オンラインになった時に自動的にデータを同期することもできます。
2 Firebase Analytics(アプリの解析)
Firebase には Google Analytics の機能が埋め込まれていて、アプリの使用状況やユーザーの行動を解析することができます。
後ほどご紹介する『Firebase Cloud Messaging』や『Firebase Crashlytics』を Firebase Analytics の解析データと連携して活用させることができたり、『BigQuery』と連携して解析データをクエリで処理することも可能です。
3 Firebase Cloud Messaging(FCM)
Firebase Cloud Messaging はアプリケーションに対してメッセージ(プッシュ通知)を無料で送受信できる機能です。
iOS や Android など異なるデバイス間でも送受信ができ、セグメントごとにメッセージを送信することも可能です。
送信したメッセージはダッシュボード上でモニタリングもできます。
4 Firebase Crashlytics
Firebase Crashlytics はリアルタイムでアプリのクラッシュ分析を行うことができる機能です。
アプリケーションがエンドユーザー端末でクラッシュした際の原因の特定やユーザーに与える影響の測定などをスピーディーに行うことでユーザビリティの低下を防ぐのに役立ちます。
5 Firebase Cloud Firestore
Firebase Cloud Firestore は Firebase Realtime Database の次世代版のデータベースになっています。
Realtime Database は 制約がいくつかありパフォーマンスを考慮したデータベース構造にする必要がありましたが、自由度が高まりデータの格納がスムーズになったことで、より高速でスケールアウトに対応しています。
6 Firebase Hosting
Firebase Hosting は静的な Web ページや Web アプリを簡単に素早くデプロイできるサービスで、HTML、CSS、JavaScript を使う程度の Web サイトであれば、サーバーを用意しなくても簡単に公開することができます。
コンテンツは CDN でキャッシュされるので、高速で配信でき、アプリ内に作るほどではないページなどを Web ページとしてアプリ内に流用することができます。
7 Firebase Authentication
Firebase Authentication は、強固な認証システムをアプリに組み込むことができる機能です。
メールアドレスとパスワード、電話番号、各種 SNS アカウントなどの認証情報を利用してユーザー ID の発行やログイン/ログアウトの判定などを実装することができます。
認証システムはアプリ開発において非常にニーズが高いのですが、様々な認証方法に対応させるのには非常にコストがかかります。
しかし Firebase Authentication で提供されている SDK を使うことでベストプラクティスな認証機能を使って安全にユーザー認証の UI を構築することができます。
弊社のサイトの会員機能もこの Firebase Authentication を使って実装していますのでよかったら実際に触ってみてもらえると嬉しいです。
Firebase の料金について
Firebase には無料プランの『Spark』と有料プランの『Blaze』があり、Blaze プランは従量課金制になっているので、利用した分だけ費用がかかるという仕組みになっています。
無料 Spark プラン Generous limits to get started |
従量制 Blaze プラン 大規模なアプリの 料金を計算 checkSpark プランの 無料使用量を含む* |
|
---|---|---|
A/B テスト | 無料 | |
Analytics | 無料 | |
App Distribution | 無料 | |
App Indexing | 無料 | |
認証 | ||
・電話認証 – 米国、カナダ、インド | 1 万/月 | $0.01/認証 |
・電話認証 – 他のすべての国 | 1 万/月 | $0.06/認証 |
・他の認証サービス | ○ | ○ |
Cloud Firestore | ||
・保存データ | 合計 1 GiB | $0.18/GiB |
・下りネットワーク | 10 GiB/月 | Google Cloud pricing |
・ドキュメントの書き込み | 2 万/日 | $0.18/10 万 |
・ドキュメントの読み取り | 5 万/日 | $0.06/10 万 |
・ドキュメントの削除 | 2 万/日 | $0.02/10 万 |
Cloud Functions | ||
・Invocations | Not applicable | Free up to 2M/month Then $0.40/million |
・GB-seconds | Free up to 400K/month Then Google Cloud pricing |
|
・CPU-seconds | Free up to 200K/month Then Google Cloud pricing |
|
・Outbound networking | Free up to 5GB/month Then $0.12/GB |
|
・Cloud Build minutes | Free up to 120min/day Then $0.003/min |
|
・Container storage | No free usage $0.026/GB |
|
Cloud Messaging(FCM) | 無料 | |
Crashlytics | 無料 | |
Dynamic Links | 無料 | |
Hosting | ||
・ストレージ | 10 GB | $0.026/GB |
・Data transfer | 360 MB/day | $0.15/GB |
・Custom domain & SSL | ○ | ○ |
・プロジェクトごとに複数のサイト | ○ | ○ |
アプリ内メッセージング | 無料 | |
Firebase ML | ||
・Custom Model Deployment | ○ | ○ |
・Cloud Vision API | × | $1.50/K (See Cloud Vision pricing) |
パフォーマンス監視 | 無料 | |
Predictions | 無料 | |
Realtime Database | ||
・同時接続 | 100 | 20 万/データベース |
・GB 保存済み | 1 GB | $5/GB |
・GB ダウンロード済み | 10 GB/月 | $1/GB |
・プロジェクトごとに複数のデータベース | × | ○ |
Remote Config | 無料 | |
Cloud Storage | ||
・GB 保存済み | 5 GB | $0.026/GB |
・GB ダウンロード済み | 1 GB/日 | $0.12/GB |
・オペレーションをアップロード | 2 万/日 | $0.05/1 万 |
・ダウンロード オペレーション | 5 万/日 | $0.004/1 万 |
・プロジェクトごとに複数のバケット | × | ○ |
Test Lab | ||
・仮想デバイスでのテスト | 10 件/日 | $1/デバイス/時間 |
・物理デバイスでのテスト | 5 件/日 | $5/デバイス/時間 |
Google Cloud | ||
・BigQuery | ○ | ○ |
・Other IaaS | × | ○ |
Firebase についてのまとめ
Firebase にはアプリケーション開発や Web サービスの立ち上げに便利な様々な機能が備わっています。
料金も無料から開始することができ、必要に応じて利用した分の課金形態になっていますので、小規模なビジネスでも本格的なサービスの開発が低コストで可能になります。ぜひ、本記事を読んで Firebase の導入を検討してみてください。
クラウドエースは、クラウドの導入設計から運用・保守までをワンストップでサポートをする Google Cloud™ を専門としたクラウドインテグレーターです。Google Cloud アプリケーション開発において国内初で唯一の全世界パートナーアワードを受賞しており、アプリケーション開発エンジニアが多数在籍をしています。
弊社では Firebase を使ったアプリケーションの開発についてのご相談を受け付けておりますので、ご興味がありましたら一度お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
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