Antigravity 2.0とは?前バージョンとの違い、料金、企業利用のポイントを解説

Antigravity 2.0とは?前バージョンとの違い、料金、企業利用のポイントを解説

こんにちは、クラウドエースのラリオスです。

AIコーディングツールを開発現場に導入したい一方で、「ソースコードや設計情報を入力してよいのか」「誰がどれだけ使っているのか把握できるのか」「従量課金が想定以上に膨らまないか」といった不安を持つ企業は少なくありません。

こうした課題を考えるうえで注目したいのが、Google Antigravity 2.0です。

Antigravity 2.0は、単なるコード補完ツールではありません。AIエージェントを中心に、既存コードの調査、影響範囲の確認、実装、テスト、ドキュメント更新といった開発作業をまとめて扱うための作業環境です。

Google I/O 2026では、Antigravity 2.0、Antigravity CLI、Antigravity SDK、Managed Agents in the Gemini API、そしてGemini Enterprise Agent Platformとの接続が紹介されました。これにより、ローカルでの開発体験とGoogle Cloud側の統制をつなぐ方向性が、より明確になっています。

この記事では、Googleの公式情報をもとに、Antigravity 2.0の特徴や料金を整理します。あわせて、企業で利用する場合に確認しておきたい契約、課金、セキュリティ、運用、PoC設計のポイントも見ていきます。

※本記事では、Antigravity内で会話や設定をまとめる作業単位を「Antigravityプロジェクト」、Google Cloudにおける課金・権限・リソース管理の単位を「Google Cloudプロジェクト」と表記します。

Google Antigravityとは

Google Antigravityとは、人間が指示を出すことで、AIがターミナルやブラウザを操作し、アプリやサービスの開発を支援するAIエージェント型の開発ツールです。

従来のコード補完ツールと異なるのは、コードを書く作業だけでなく、実行、確認、修正といった開発の流れ全体にAIエージェントが関与できる点です。

たとえば、既存システムの改修では、関連コードの調査、仕様理解、影響範囲の確認、修正、テストまでを連続して進める必要があります。こうした一連の作業は、単純なコード補完だけでは完結しにくい領域です。

なお、Antigravityの基本的な使い方や導入方法を知りたい方は、先に公開している関連記事もあわせてご覧ください。

▼合わせて読みたい
【完全ガイド】Google Antigravityとは?日本語化の方法や、導入から実践までを徹底解説

※こちらの記事は従来のAntigravity IDEを前提にした内容を含みます。Antigravity 2.0では製品構成や利用方法が変わっているため、2.0の導入時には最新の公式情報もあわせて確認してください。

Antigravity 2.0で何が変わったのか

Antigravity 2.0で最も大きく変わったのは、AI支援付きIDEという位置付けから、AIエージェントを中心に据えた独立した作業環境へと再設計された点です。

従来のAntigravity IDEは、コードエディタを主軸に、エディタ上でAI支援を受ける構成でした。一方、Antigravity 2.0はIDEから独立したスタンドアロンアプリケーションとして提供され、複数のエージェントを動かしながら、より広い開発タスクを管理・実行する方向へ進化しています。

既存のIDEやコード補完ツールでも、関数の生成やコード修正の支援は可能です。しかし、調査、実装、実行、確認、修正といった作業をまたいで進めるには、人が都度判断し、ツールを切り替えながら操作する必要があります。

Antigravity 2.0の特徴は、こうした作業全体をAIエージェント起点で進めやすくしている点にあります。

参考:
Google Antigravity Blog: introducing-google-antigravity-2
Google Antigravity Documentation

従来のAntigravity IDEとAntigravity 2.0の主な違い

項目 従来のAntigravity IDE Google Antigravity 2.0
製品の位置付け AIを統合したIDEに近い存在 IDEから独立したスタンドアロンアプリ
中心となる体験 コード編集を軸にAI支援を受ける AIエージェントを起点に作業を進める
作業管理 エディタやリポジトリを軸に使う Antigravityプロジェクト単位で会話や設定を管理する
想定される使い方 コーディング支援や開発補助が中心 調査、実装、検証をまたぐ作業にも対応しやすい
タスクの進め方 人が都度操作しながら進める サブエージェントや定期実行を活用しやすい
周辺ツールとの関係 IDE内での利用を中心とした構成 CLIやSDKと役割分担しながら使える構成

このように、Antigravity 2.0は従来のIDEの延長ではなく、AIエージェント活用の中心になる作業環境として捉える方が実態に近いといえます。

また、企業利用では、単に「コードを速く書けるか」だけでなく、複数の作業をまたぐ開発プロセスをどこまで安全に任せられるかも確認しておきたいポイントです。

作業単位はエディタ中心からAntigravityプロジェクト中心へ

従来のAntigravity IDEでは、コードエディタやリポジトリを軸にAIを使う構成でした。

一方、Antigravity 2.0では、会話や設定をAntigravityプロジェクト単位で管理できるようになり、複数フォルダをまたぐ作業や、より広い情報を前提としたタスクに対応しやすくなっています。

また、Dynamic SubagentsやScheduled Tasksなどの機能により、単発の補助ではなく、一定のまとまりを持つ作業をAIに任せやすくなりました。

企業でPoCを行う場合も、Antigravityプロジェクト単位で対象業務や利用範囲を整理できると、どの作業にどれだけ効果があったのかを評価しやすくなります。

画面操作だけでなく、CLIやSDKからも使える構成へ

Antigravity 2.0は、単独の画面アプリとしてだけでなく、CLIやSDKなど複数の利用方法からエージェント機能を活用できる構成になっています。

たとえば、開発者が画面上で操作する場合はAntigravity 2.0、ターミナルから使う場合はAntigravity CLI、既存システムや開発フローに組み込む場合はSDKを使う、といった形で使い分けられます。

このように、2.0へのアップデートは単なる画面設計の刷新や特定機能の追加にとどまりません。AIエージェントを、開発のさまざまな場面で一貫して活用しやすくなった点が大きな変化です。

企業で導入する場合は、まず開発者が画面上で使う範囲から始め、必要に応じてCLIやSDKの活用範囲を広げていくと、無理なく利用シーンを整理しやすくなります。

Antigravity 2.0の料金とプラン

Antigravity 2.0の料金は、個人利用と企業利用で考え方が異なります。

個人で使う場合は、無料枠のほかにGoogle AI ProやGoogle AI Ultraなどの月額プランを選びます。Google AI Proは月額20ドル、Google AI Ultraには月額100ドルのティアと月額200ドルの上位ティアが案内されています。

また、月額料金だけでなく、各プランの利用枠、クォータ、上限を超えた場合の扱いも確認しておく必要があります。

一方、Google Cloud経由で利用する企業向け形態では、個人向けの月額プランを人数分契約するのではなく、Google Cloudプロジェクトに接続し、Gemini Enterprise Agent Platformを通じて利用した分がGoogle Cloud側で課金されます。

そのため企業で料金を見るときは、「1人あたり月額いくらか」だけでは判断しにくくなります。

課金対象となるGoogle Cloudプロジェクト、部門別の予算管理、利用量の確認方法、予算超過時の検知アラートなどを含めて設計することが重要です。

参考:
Google Antigravity Pricing
Changes to Antigravity Plans
Google Antigravity in Gemini Enterprise

Antigravity 2.0を企業利用する際の5つの確認ポイント

Antigravity 2.0を企業で使う場合は、便利な開発ツールとしてだけでなく、会社として安全に管理できるかまで含めて確認する必要があります。

生成AIツールは便利な一方で、利用ルールが曖昧なままだと、現場ごとに個人アカウントや個別契約で使われてしまう可能性があります。その状態になると、どのデータが入力されたのか、費用がどこで発生しているのか、誰がどのように使ったのかを後から確認しにくくなります。

Antigravity 2.0を企業で使うなら、シャドーIT化を防ぐためにも、次の5つを事前に確認しておくとよいでしょう。

1. Google Cloudの管理境界内で扱えるか

企業利用でまず確認したいのは、Antigravity 2.0をGoogle Cloudの管理下で扱えるかどうかです。

個人アカウントでAIツールを個別に使うのではなく、会社が管理するGoogle Cloudプロジェクトにひも付けて使えることは、企業導入において大きな意味があります。

Google Cloudの認証情報でログインし、利用するGoogle Cloudプロジェクトやリージョンを設定することで、エージェント推論をどの管理境界内で実行できるのかを確認しておきましょう。

2. 開発者ごとの利用量とクォータを管理できるか

次に確認したいのは、誰が、どのGoogle Cloudプロジェクトで、どの程度利用しているのかを把握できるかです。

Antigravity 2.0のようなAIエージェント型ツールは、便利な分だけ利用量が増えやすくなります。利用状況が見えないまま広がると、クォータ上限に達して作業が止まったり、想定以上の費用が発生したりする可能性があります。

本格導入前のPoCであっても、利用対象者、対象プロジェクト、利用量の確認方法、クォータ上限に達した場合の対応は、あらかじめ決めておくことが重要です。

3. 課金と請求をどこで管理するか

企業利用では、Google Cloud側で利用量に応じて課金されるため、費用管理の設計が重要になります。

確認すべきポイントは、課金対象となるGoogle Cloudプロジェクト、費用をひも付ける部門、予算上限、予算超過時の通知、PoC期間中の上限額などです。

PoCの段階から費用を見える化しておけば、本格導入時の費用試算や社内説明もしやすくなります。

4. セキュリティとガバナンスの要件に合うか

企業利用では、ソースコード、設計情報、プロンプト、応答、ログ、テレメトリなど、開発に関わる情報をどう扱うかが重要になります。

特に確認したいのは、以下のような点です。

  • どのデータを入力してよいのか
  • 推論がどの環境やリージョンで実行されるのか
  • プロンプト、応答、ソースコード、テレメトリがどのように保護されるのか
  • ログをどこまで残すのか
  • IAMやVPC Service Controlsなど、既存のセキュリティ設計との適用範囲はどこまでか
  • 監査や社内規程に必要な記録を取得できるか

便利さだけで判断するのではなく、自社のセキュリティポリシーや監査要件に照らして、企業利用できる状態になっているかを確認しておきましょう。

5. 導入後に現場で定着するか

最後に確認したいのは、導入後に現場で実際に使われ、効果を測れるかです。

Antigravity 2.0は、いきなり全開発業務に広げるよりも、効果を測りやすい業務からPoCを始める方が現実的です。

たとえば、PoCの対象業務としては次のようなものが考えられます。

  • 既存コードの調査
  • 影響範囲の確認
  • テストコード作成
  • 軽微な修正
  • ドキュメント更新

一方で、PoC初期には、機密性の高い顧客データ、本番環境に直結する作業、レビューなしでの自動反映などは対象外にするなど、利用範囲を明確にしておくことが重要です。

評価指標としては、作業時間の短縮だけでなく、生成されたコードやテストがレビューに耐えられる品質か、レビュー修正率はどの程度か、利用量や費用が想定範囲に収まるかも確認しましょう。

Antigravity 2.0を自社で安全に試したい場合は、PoCの対象業務、Google Cloud上の構成、セキュリティ、費用管理をあわせて整理しておくとスムーズです。

クラウドエースでは、Google Cloud環境での生成AI活用やPoC設計、セキュリティ確認、費用試算、運用設計についてご相談いただけます。

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まとめ

Google Antigravity 2.0は、AIをIDEに組み込んだ開発支援ツールの延長ではなく、AIエージェントを中心に据えた独立した作業環境へと再設計された点に大きな特徴があります。

Antigravityプロジェクト単位での管理、画面操作・CLI・SDKを使い分けられる構成、企業向けの接続性まで含めて見ると、2.0で変わったのは機能の数というより、開発の進め方そのものです。

企業にとって確認したいのは、Antigravity 2.0が便利かどうかだけではありません。

Google Cloudと接続して利用できることにより、データ保護、契約、課金、リージョン、権限管理といった論点を、既存のクラウド運用の中で扱いやすくなることが、企業利用における大きな意味だといえます。

導入時には、開発者の生産性を高められるかだけでなく、組織として安全に管理できるかも確認しておきましょう。

本格導入の前には、既存コード調査やテストコード作成、軽微な修正といった業務からPoCを始め、作業時間、成果物の品質、利用量、費用をあわせて確認することをおすすめします。

Antigravity 2.0の価値を引き出すには、ツール単体ではなく、Google Cloud上の設計、セキュリティ、課金管理、現場定着まで含めて考える必要があります。

ラリオス 川口

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Google Cloud認定トレーニング事業の立ち上げに従事し、国内トップクラスのトレーニングパートナーに成長させた。その後、自ら認定トレーナーとなり、さらにエバンジェリストの活動と合わせて、Google Cloudの普及と人材育成を牽引。講義の満足度にも定評があり、2025年に新設されたグローバルなGoogle Cloud Trainer Difference Maker賞を日本で初めて受賞。