
Google Maps Platform「Analytics」カテゴリ登場でデータ活用の新時代へ
Google Maps Platformが、2025年4月より新たな「Analytics」カテゴリを加え、その機能を大幅に拡張しました。これまでGoogle Maps Platformから取得可能な全てのデータは、利用規約上キャッシングや二次利用が制限されており、データの保存や分析に利用することが一切禁止とされていました。しかし、今回のアップデートにより、BigQueryデータクリーンルーム内でGoogle Maps Platformから取得できるデータを分析や機械学習に活用できるようになります。これはGoogle Maps Platformの20年の歴史の中で大きな転換点と言えるでしょう。
新たな「Analytics」カテゴリとは?
これまでGoogle Maps Platformは「Maps」「Routes」「Places」「Environment」の4つのカテゴリで構成されていましたが、今回のアップデートで「Analytics」が加わり、5つの主要カテゴリとなりました。この新カテゴリの登場により、Googleマップが持つ膨大な地理空間データを自社で保有しているデータと組み合わせたデータ分析や機械学習など、ビジネスの意思決定や持続可能性の洞察に役立てることが可能になります。
データ活用の可能性を広げる3種類のデータセット
Analyticsカテゴリでは、以下の3種類のデータセットが提供されます。
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Imagery Insights:
Street Viewの画像から取得したエリアのインサイトを提供します。(*現時点では、道路標識と電柱のデータのみが利用可能)画像データそのもののキャッシュはできませんが、解析されたインサイトデータとして提供されます。 -
Places Insights:
Googleマップの膨大なPOI(地点)データをBigQueryのデータクリーンルーム内で利用可能なデータセットとして提供します。これにより、特定のエリアにおける飲食店舗の数など、特定の条件(例: 口コミ評価の高い寿司屋、EV充電スポットの種類など)を満たす場所の数といった、これまで不可能だった詳細なエリアのインサイトデータが取得でき、より深い分析が可能になります。 -
Roads Management Insights:
過去の道路交通データから分析された交通状況のインサイトを提供します。道路セグメントごとの渋滞履歴をキャッシュして蓄積することで、独自のAIモデルや解析ユースケースをサポートし、道路のメンテナンス計画の最適化や都市計画への活用が期待されます。(*現在は、自治体や道路交通情報取り扱い業者様に限定して提供)
BigQueryデータクリーンルームでの安全なデータ結合
Google Maps Platformの利用規約では、取得可能なデータのキャッシングや二次利用が原則として禁止されています。しかし、今回の新製品では、BigQueryデータクリーンルーム内でのデータ保存と二次利用が許可されています。これにより、企業の持つ地理空間データとGoogle Maps Platformが持つ豊富なPOI(地点)データを安全に結合し、より深い分析を行うことが可能になります。
具体的なユースケース例
この新しいAnalyticsカテゴリは、様々な業界での革新的なデータ活用を促進します。
- 小売業:
新店舗の出店エリア選定や、広告配信のドミナント戦略において、エリアの特性や競合状況を詳細に分析できます。 - 旅行業:
特定のエリアが徒歩での散策に適しているかをスコアリングし、観光客が楽しめるエリアをヒートマップで可視化するといったことが可能になります。 - 交通管理:
道路の渋滞パターンを特定し、その原因を究明することで、リアルタイムでの交通障害への対応や、交通の迂回案内などの迅速なアクションを可能にします。
Google Maps PlatfomのWebページで小売、旅行業での利用を想定したデモを見ることができます。
デモページ:https://mapsplatform.google.com/intl/ja_jp/demos/places-insights/
まとめ
Google Maps Platformの「Analytics」カテゴリの登場は、地理空間データの活用に新たな可能性を届けます。これまで利用が難しかったGoogleマップの膨大なデータを、BigQueryデータクリーンルームを通じて安全に分析・活用できるようになったことは、ビジネスにおける意思決定の精度向上や、新たなサービスの創出に大きく貢献するツールになり得ます。
クラウドエースでは、Google CloudのスペシャライゼーションにおいてData Analytics分野とData Analytics Migration分野を保有しています。
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