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サーバーの冗長化は重要!クラウドを利用した冗長化の手法を解説
目次
こんにちは。クラウドエース編集部です。
IT システムの活用に欠かせないサーバー。何らかのトラブルが発生した際に、サーバーがダウンするとシステムやサービスの利用ができなくなってしまいます。
そこで企業のリスク マネジメントとして重要となるのが、不足の事態に備えて予備(従系)サーバーを用意しておく「サーバーの冗長化」です。ここでは、冗長化の目的や移行方法、おすすめの冗長化法として「クラウド サーバーへの移行」について解説します。
サーバーを冗長化する目的
IT システムにおける「冗長化」とは、万が一に備えて予備設備を準備しておくことを指します。まずは、なぜ社内サーバーを冗長化する必要があるのか、その目的について確認しましょう。
- ピーク時の負荷分散
- 障害耐性の向上
- 災害対策
それぞれについて詳しく解説します。
ピーク時の負荷分散
まず挙げられるのが、「サーバーにかかる負荷を分散する」という点です。
多数のユーザーが同時にサービスを利用した場合、サーバーのリソースをオーバーしてしまうことがあります。Webサイトやサービスにおいてパフォーマンスは非常に重要です。レスポンスが遅かったりサーバーがダウンすることがあったりすると、サービスへの信頼が失われます。
もしサーバーが冗長化されていれば、情報処理を分散することができるため、ユーザーへの影響を避けることができるのです。
障害耐性の向上
「障害耐性の向上」つまり、障害が発生した時に安定して稼働できる対応力の向上も冗長化する目的です。障害耐性が高いサービスは信頼性が高く、評価されます。
機械の故障・システム障害・サイバー攻撃などによって、サーバーが使えなくなるリスクは常にあります。そこで、冗長化して普段使用している運用系サーバーとは別に待機系サーバーを準備し、万が一の際は切り替えて稼働できるよう待機させます。待機系サーバーがあることで、いつ障害が発生してもサービスの提供を続けられます。
災害対策
「突発的に発生する自然災害から事業を守る」ことも、サーバーの冗長化の目的です。
障害耐性と同様に、自然災害が原因で突然メインの運用系サーバーが使えなくなる可能性があります。自然災害が多い日本では、全国どこでも被災するリスクはゼロではありません。被災によって事業の通常運営ができなくなっても、待機系サーバーに切り替えることで、事業を継続できます。または、一度ストップしてしまっても迅速に復旧し、被害を最小限に抑えられるのです。
サーバーの冗長化に用いられる3つの手法
冗長化の主なシステム構成には「デュアル システム」、「デュプレックス システム」の 2 種類があります。そのうち平常時に予備のシステムが待機している状態にあるデュプレックス システムは、コスト的にも導入しやすい方法です。
- ホット スタンバイ
- ウォーム スタンバイ
- コールド スタンバイ
デュプレックス システムは上記の通り 3 つの種類があり、それぞれメリット・デメリットがあるため、詳しく見ていきましょう。
ホットスタンバイ
「ホット スタンバイ」は、電源に接続され、いつでも予備システムに切り替えられる状態で待機させる方法です。
ホット スタンバイでは 2 つのサーバーが同期されているため、運用系サーバーが停止したり障害が発生したりした場合、自動的に予備サーバーに切り替えて稼働します。切り替えは瞬時に行われるため、サービスへの影響は最小限に抑えることができ、より高い安定性・信頼性を保てます。よって、金融系など短時間であっても止められないサービスを提供している事業者に向いています。
トラブルへの対応力が高い一方で、2 つのサーバーを同時に稼働させる手法なので、他の 2 つよりもコストがかさむ特徴があります。
ウォームスタンバイ
「ウォーム スタンバイ」は、ある程度予備システムに切り替えられる状態で待機させる方法です。
ウォーム スタンバイでは、トラブルが発生した際にシステムを起動し、運用系サーバーから待機系サーバーに切り替えます。待機系サーバーには電源が接続されていますが、運用系サーバーと待機系サーバーの同期はされていません。
トラブルの際は、一定の操作を行うことで切り替えられるため、切り替えが完了するまではサービスが停止してしまいます。そのため、できるだけサービスの停止時間を短くしたいサービスや、短くする必要があるサービス向けです。
ホット スタンバイとコールド スタンバイの中間に位置する手法なので、ホット スタンバイよりは迅速な対応はできませんが、コールド スタンバイよりは素早く復旧できます。コスト面も、ホット スタンバイよりも低コストですが、コールド スタンバイよりは高コストとなる傾向があります。
コールドスタンバイ
「コールド スタンバイ」は、予備システムは切り替え準備をせずに、使用できる状態にしておく方法です。
コールド スタンバイでは、電源も入れず、待機系サーバーを確保しておくだけなので、トラブルが発生したら起動するところから始めます。しかし、待機系サーバーがない場合、サーバーを調達し、セッティングするところから始めなければならないことと比較すると、サーバーの復旧までの時間が早くなるのは確かです。
他の方法と比較すると、運用系サーバーからの切り替えまでの時間は長くなりますが、比較的低コストで冗長化できる方法といえます。一定時間システムを停止しても事業やサービスに大きな影響がないという場合に導入されます。
サーバーを冗長化する具体的な方法
続いては、サーバーを冗長化する方法について解説します。冗長化には、「待機系サーバーを設置する」というオンプレミス型と、「クラウド サーバーを利用する」というクラウド型という 2 つの方法があります。
待機系のサーバーを設置する
まずは、待機系サーバーを自社内に設置するオンプレミス型についてです。
オンプレミスとは、自社で専用のシステムを持ち、運用する方法です。自社内に設備を置くことで、独自のカスタマイズやセキュリティ対策を施すことができます。
一方で、導入からメンテナンスまで全て自社管理で行わなければならないため、導入・保守・運用に、金銭的・人的コストと時間がかかるデメリットもあります。
クラウドサーバーに移行する
クラウド サーバーは、待機系サーバーをクラウド上に構築する方法です。自社内に物理サーバーを設置する必要がないため、「すぐに導入できる」、「初期コストが低い」というメリットがあります。さらに、運用やメンテナンス、トラブル対応にかかる人材や費用も含まれるため、保守運用コストも安定させられます。
一方で、カスタマイズはベンダー(サーバーを提供する事業者)のサービス内に限られ、メニューにない対応は受けられません。また、サーバーの状態やセキュリティ対策はベンダーに依存し、システム障害やサイバー攻撃への対策や復旧もベンダー任せとなるため、サービス選びが重要となります。
冗長化におすすめなサーバーの種類は?
コストと手間のバランスを考えると、これから冗長化する場合は「クラウド サーバーへの移行」がおすすめです。
オンプレミス型サーバーはコストがかさむため、予算が豊富にある大企業に向いている方法です。一方、クラウド サーバーは、予算やサービスの選択肢の幅が広いにもかかわらず、低コストで導入できるため、中小企業から大企業まで企業規模を問わず活用できます。
現在、クラウド サーバーは主に以下の 4 種類です。
- 複数の利用者がサーバーを共有する「パブリック クラウド」
- 自社内またはベンダーに専用のクラウド環境を構築する「プライベート クラウド」
- パブリック クラウドとプライベート クラウドを使い分ける「ハイブリッド クラウド」
- 異なるベンダーや仕組みを使い分ける「マルチクラウド」
より障害耐性を向上させるためには、マルチクラウドがおすすめです。複数のベンダーを並行して利用できるため、自社にマッチするカスタマイズがしやすく、1 つのベンダーへの依存度を下げてリスク マネジメントを図ることができます。
サーバー冗長化におすすめは Google Cloud
クラウド サーバーの中でも、特に冗長化に活用しやすいサービスが Google Cloud™ です。ここでは、Google Cloud の特徴を見てみましょう。
Googleが使用するテクノロジーで信頼性が高い
Google Cloud の最大の特徴は、Google 社が自社でも使っているテクノロジーやインフラを、自社のクラウド環境でも使用することができる点です。
通常の企業では、全世界で月間 1,000 億以上のアクセスがある Google 社のシステムと同等の、高い信頼性を持ったシステムを構築することは難しいでしょう。Google Cloud の安定したパフォーマンスや高いセキュリティ性、複数の予備システムを利用することで、強力な冗長度を容易に実現できます。
初期費用が不要でスムーズに導入できる
Google Cloud の導入に際しては、Google 社のテクノロジーを使用するため、サーバー構築のための費用や時間が必要ありません。従量課金制なので、初期投資は不要となりサービスを利用した分だけ料金が発生します。世界最先端のインフラを最低限の出費で使用できる Google Cloud は、非常に有用性が高いサービスといえるでしょう。
さらに、ハードウェアの準備も要らないため、現在他のサーバーを使用している場合でもスムーズに移行することができます。
稼働率が高く障害リスクが少ない
クラウド サービスがどれだけ安定しているかは、「稼働率」で確認できます。稼働率とは一定期間中、システムが正常に稼働する期間のことです。例えば、99.1%の稼働率より 99.9%の稼働率の方が正常に稼働する期間が長く、信頼性が高いことを意味します。
Google Cloud Storage™ の場合、SLA 稼働率は 99.00~99.95%です。Google App Engine™ なら SLA 稼働率 99.95%、Google Cloud Armor なら SLA 稼働率 99.99%。安定して稼働するため、たとえ障害が発生しても利用者にほぼ影響を与えません。障害リスクが低い点は Google Cloud の大きな特徴といえるでしょう。
クラウドエースはGoogle Cloudをご要望通りに導入します!
Google Cloud を導入するなら、クラウドエースを経由することで、より自社にマッチしたプランを利用し、万全のサポートを受けることができます。最後は、クラウドエースを通して Google Cloud を導入する魅力をお伝えします。
魅力1. Google Cloud総合支援サービス
クラウドエースには、「Google Cloud 総合支援サービス」という Google Cloud の導入とサポートがセットになった基本サービスがあります。
クラウドエースは、「Google Cloud パートナー スペシャライゼーション認定」を取得しており、導入から運用、支払いまでトータルで任せることができます。Google Cloud パートナー スペシャライゼーション認定とは、Google Cloud の特定のソリューションやサービス分野において、専門性や技術的能力、実績を持つことを Google 社が公式に認定するプログラムです。
現在、クラウドエースは 10 分野でこの認定を持っており、Google Cloud の導入・運用をサポートするパートナーとして高い評価を得ています。
魅力2. 実績が豊富で安心
クラウドエースを通して Google Cloud を導入した企業は 400 社以上にのぼります。さらに、開発・トレーニングなども含めるとサポートした企業は 1,000 社以上。中にはサントリーホールディングス株式会社、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、株式会社コーセー、株式会社ブルボンなど、日本の有力企業様の名前もあります。
圧倒的な実績と経験から、初めてクラウド サーバーを導入するという企業でも、事業規模や目的に合わせて、Google Cloud を導入することができます。
魅力3. 利用料金が3%OFF
「Google Cloud の導入支援が含まれるなら、料金が高くなるのでは」という不安もあるでしょう。しかし、クラウドエースを経由することで、Google Cloud の利用料が全て 3%OFF になるため、コスト面でもお得といえます。
クラウドエースの Google Cloud 総合支援サービスも、初期費用と基本料金が無料なので、予算が限られている企業や、できるだけ出費を抑えたい企業でも安心です。
サーバーの冗長化ならクラウドエースにご相談ください
リスクに備え、サービスを安定して提供し続けるためには、サーバーの冗長化は必要不可欠です。障害時に復旧が遅れると、それだけ企業への信頼性が損なわれてしまいます。機械の故障や自然災害、サイバー攻撃、人的ミスなどさまざまなリスクを考慮して、冗長化を進めましょう。
特に、Google Cloud のクラウド サービスを活用することで、より強固な冗長化が実現します。Google Cloud は、クラウドエース経由で申し込むことで、お得にかつ自社に適した導入が可能になるため、ぜひ活用を検討してみましょう。
Google Cloud だけでなく、AWS や Azure と比較した上で検討したいという方は、ぜひ下記の資料をご覧になってください。
AWS・GCP・Azure 3大クラウドサービス 比較表
※ Google Cloud、Google Cloud Storage、および、Google App Engine は Google LLC の商標です。
参考URL
https://www.ntt.com/bizon/bcp/disaster-recovery-4.html
https://biz.kddi.com/column/d0255/business_continuity_at_thetimeofdisaster/
https://hnavi.co.jp/knowledge/blog/dualsystem/
https://www.designet.co.jp/faq/term/?id=5YaX6ZW35YyW
https://workstyle.elecom.co.jp/office/redundancy/
https://webtan.impress.co.jp/e/2018/02/15/28251
https://www.ntt.com/content/dam/nttcom/hq/jp/bizon/pdf/bcp-redundancy.pdf
https://boxil.jp/mag/a2945/
https://pfs.nifcloud.com/navi/beginner/standby.htm
https://www.fenet.jp/infla/column/technology/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%885%E3%81%A4%E3%81%A8%E3%83%87%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%883%E3%81%A4%EF%BD%9C%E3%82%AA%E3%83%B3/
https://x-trans.jp/column/story01
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