Google Opalとは?ノーコードAIアプリ開発の使い方や料金を初心者向けに解説

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※Google の AI「NotebookLM」で生成した対話形式の音声解説です。 
Google Opalとは?ノーコードAIアプリ開発の使い方や料金を初心者向けに解説

※この記事は、最新情報をもとに内容を全面的に見直し、2025/10/28に更新いたしました。

こんにちは、クラウドエース編集部のinoです。

2025年7月下旬、Google Labsはプログラミングの知識が一切なくても、まるでAIと会話する感覚で、目的に合わせたAIアプリを構築できるノーコードツール「Opal」を発表しました。

アプリ構築というと少し大げさに聞こえるかもしれないですが、本記事でも紹介しているように実際に日々の業務でのちょっとした困りごとをChatGPTやGeminiを使う感覚で解決できるツールを目指していると思われます。

この記事を読めば、Opalが持つ能力、既存ツールとの違い、そして何より、あなたのビジネスをどう変革しうるのかが分かります。

Google Opalとは?

Google Opalとは、一言で言うと「自然言語で指示するだけでAIミニアプリを構築・共有できるツール」です。そして2025年10月7日、この画期的なツールが遂に日本でも利用可能になりました。

これまでGoogle AI Studioのようなツールは比較的開発者向けでしたが、Opalはビジネスパーソンや個人事業主など、コードを書かないユーザーをメインターゲットに据えたツールという点が特徴的です。では「会話でAIアプリを作る」とは具体的にどういうことでしょうか。

例えば、あなたがOpalにこう指示したとします。

“毎月の売上データをスプレッドシートから読み取って、要点をまとめたレポートをドキュメントで作成して”

Opalは、この指示を理解し、裏側で「データの入力」「要約の生成」「レポートの出力」といった一連の作業(ワークフロー)を自動的に組み立てます。ユーザーは、コードを一行も書くことなく、ただやりたいことを言葉で伝えるだけで良いのです。

さらに、Opalが組み立てたワークフローは視覚的に表示されるため、「AIが今何をしてくれているのか」を直感的に理解でき、細かな調整も可能です。

このように、具体的な指示だけでなく、アイデアや「こんな感じ」といった雰囲気(Vibe)を伝えるだけで開発が進むスタイルは、「バイブコーディング」とも呼ばれています。Opalは、専門知識ではなく、あなたの「こうしたい」という想いを形にする、新しい時代のツールなのです。

Google Opalの始め方

出典:Welcome – Opal [Experiment]

日本での提供が開始されたOpalですが、利用を始めるのに特別な手続きや専門知識は一切必要ありません。必要なのは、普段お使いのGoogleアカウントだけです。

ここでは、Opalを実際に使い始めるための最初のステップを具体的に解説します。数分もあれば、あなたもAIアプリ開発者としての一歩を踏み出せるはずです。

ステップ1:公式サイトへアクセスしログイン

Opalを始めるための最初のステップは、公式サイトにアクセスし、お持ちのGoogleアカウントでログインするだけです。

まずは「Google Opal」と検索するか、公式サイトに直接アクセスしてください。サイトが表示されたら、画面の指示に従ってログインを進めます。特別なアカウント作成や面倒な登録作業は一切不要で、数クリックするだけでOpalを使い始める準備が完了します。

ステップ2:ダッシュボードと基本画面の確認

ログインが完了すると、Opalのメイン画面である「ダッシュボード」が表示されます。

画面の左側には新しくアプリを作成するための「+ Create New」ボタンがあり、その隣のエリアにあなたが作成したミニアプリが一覧で表示されます。また、画面下部には参考となるアプリの作例が並ぶ「Gallery」も用意されています。

本格的にアプリを作り始める前に、まずはこの基本画面のどこに何があるのかを軽く確認してみましょう。非常にシンプルな構成なので、すぐに全体像を把握できるはずです。

ステップ3:チュートリアルで最初のアプリを作成

ダッシュボードの確認がすんだら、いよいよ最初のミニアプリを作成してみましょう。

ダッシュボード左側にある「+ Create New」ボタンをクリックすると、アプリの作成画面に移ります。画面には「Describe what you want to build(何を作りたいか記述してください)」というシンプルな入力ボックスが表示されます。

ここに、AIにしてほしいことを私たちが普段話すような自然言語で入力するだけで、Opalがその指示を解釈しアプリの土台を自動で構築してくれます。

もし何から始めていいか分からない場合は、Google公式の「demo video」を参考にすると、作成のイメージが掴みやすいでしょう。

Introducing Opal

 

Google Opalの基本的な使い方

Opalの操作は、ChatGPTやGeminiといった対話型AIと同じくらい直感的です。一度「始め方」のステップを終えれば、あとはAIとの対話を通して、あなたのアイデアを形にしていくだけです。

ここでは、具体的なアプリ作成の基本的な流れを解説します。このサイクルを理解すれば、あらゆる業務効率化アプリを自在に生み出せるようになります。

※作成されたアプリからの出力は基本的に英語となります。 英語の出力結果を日本語で表示させたい場合は、アプリのワークフローの最後に「生成した結果を日本語に翻訳してください」といった指示を追加する工夫が必要です。

ステップ1:作りたいアプリを「言葉」で指示する

アプリ作成の最初のステップは、Opalに「何をしてほしいか」を言葉で伝えることです。

作成画面の入力ボックスに、作りたいアプリの動作を、プログラミング言語ではなく、自然言葉で入力します。ここでのポイントは、AIが迷わないよう、できるだけ具体的で分かりやすい指示を出すことです。

試しに、以下のプロンプトで指示をしてみました。

(入力例): 「入力されたキーワードを元に、魅力的なブログタイトル案を5つ考えてください。SEOを意識し、数字や疑問形を入れるようにしてください。」

ステップ2:試しながら会話形式で改善する

指示を送信すると、Opalは即座にその指示を解釈し、画像のようなアプリのプレビュー画面と、その裏側で動くワークフロー(処理の流れ)を自動的に生成します。

画面左側にはAIがどのように動作するかの設計図が、右側には実際にユーザーが使用するアプリ(今回は「TitleForge」という名前がつけられました)のプレビューが表示されています。

まずはプレビュー画面の「Start」ボタンを押し、実際にキーワードを入力して、意図した通りの動作をするかを確認してみましょう。

もし生成されたものが期待と少し違う場合、ここからがOpalの真骨頂です。画面下部にある「Suggest an edit」の入力ボックスに、修正してほしい点を再び自然言語で指示します。

例えば、「もっとクリックしたくなるような、少し煽り気味のタイトルも加えて」といった指示を追加することで、アプリの性能を対話形式でどんどん改善していくことができます。

ステップ3:完成したアプリの名前を変更・共有も可能

Opalは自動保存機能を備えているため、特別な保存操作は必要ありません。作成したアプリは、名前を付けなくても「Untitled Opal app」としてダッシュボードに自動で追加され、いつでも呼び出すことができます。

アプリの名前を変更したい場合は、画面の左上にある「Untitled Opal app」という部分をクリックします。分かりやすい名前を付けておくことで、後から目的のアプリを探しやすくなります。

また、作成したアプリは、必要に応じてチームメンバーなどに共有することも可能です。画面右上にある「Share」ボタンからURLを発行すれば、他の人も同じアプリを使えるようになります。

Google Opalの料金プラン

2025年10月現在、Google Opalは全ての機能を完全無料で利用できます。

Opalは現在、Google Labsから提供されている実験的なツールという位置づけであり、多くのユーザーからのフィードバックを収集する目的で無料公開されています。

アプリの作成数やAIの処理回数、共有機能にも現時点では制限はありません。

将来的には、より高度な機能や利用量に応じた有料プランが登場する可能性も考えられますが、現時点では料金に関する公式な発表はありません。無料で利用できる今のうちに、ぜひそのポテンシャルを体験してみてください。

Google Opalで何ができる?具体的な機能がわかるユースケース

Opalの真価は、大規模なシステム開発ではなく、あくまで個人やチームレベルの日常業務を、手軽にかつ素早く効率化する点にあります。

これまで「面倒だけど、やるしかない」と時間をかけていた定型的な作業や、アイデア出しのような思考作業を、自分専用のミニアプリに任せられるようになるのです。

ここでは、日本のビジネスシーンで特に役立つユースケースを、具体的なアプリの作成例とともにご紹介します。

日常的なコンテンツ作成の自動化

日々更新が必要なコラム記事やSNSの投稿文作成は、多くの時間とアイデアを要する業務です。Opalを使えば、こうしたコンテンツ作成のプロセスを自動化し、あなただけの「執筆アシスタント」を瞬時に作成できます。

例えば、以下のようなミニアプリが考えられます。

・コラム記事の構成案ジェネレーター
キーワードをいくつか入力するだけで、SEOを意識した記事タイトルと見出し構成(H2, H3)の案を複数パターン出力するアプリ。

・X(旧Twitter)投稿文作成アプリ
伝えたいトピックやURLを入力すると、ターゲット読者の心に響くような、魅力的な投稿文を複数パターン(例:ユーモラスな調子、真面目な調子など)生成するアプリ。

情報収集・分析業務の効率化

競合の動向調査や業界ニュースのキャッチアップは、マーケティング戦略に不可欠ですが、多くの時間を要する作業です。Opalを使えば、こうした日々の情報収集からSNSでの発信までを自動化する、あなた専用の「リサーチアシスタント」を構築できます。

例えば、以下のようなマーケティング業務用AIアプリをOpalで作成可能です。

・競合や業界ニュースの自動リサーチ&要約レポート生成アプリ
特定のキーワード(例:「マルチクラウド 最新動向」「金融業界 生成AI活用」)を入力すると、OpalがWebを検索して関連する最新ニュースを複数ピックアップし、その要点を箇条書きで分かりやすく要約したレポートを生成してくれます。

これまで数時間かかっていた情報収集、複数サイトの読解、そして社内報告用の要約作成といった一連の作業を、数分に短縮できます。これにより、常に最新の業界動向を、最小限の労力でチーム内に共有できるようになります。

Google Opalと他のAI開発ツールとの違いは?

Opalの独自性を理解するために、同じGoogleが提供する「Google AI Studio」や、競合であるMicrosoftの「Microsoft Copilot Studio」と比較してみましょう。これらは一見似ているようで、解決しようとしている課題が明確に異なります。

OpalGoogle AI StudioMicrosoft Copilot Studio
解決する課題個人のアイデアやタスクの超高速プロトタイピング開発者による生成AIモデルの実験とプロンプト調整企業データと連携したカスタムCopilot(AIボット)の構築・拡張
メインターゲットビジネスパーソン、企画担当者など(非エンジニア)開発者、AIエンジニアビジネスユーザー、IT管理者、プロの開発者(エンタープライズ)
開発スタイル/思想自然言語での指示(バイブコーディング)GUIでのプロンプト試行とコード生成グラフィカルな対話ビルダーとプラグイン/コネクタによる拡張
強み圧倒的な手軽さとスピード。アイデアを即座に形にする力。最新のGeminiモデルへの迅速なアクセスとAPI統合の容易さ。Microsoft 365との緊密な連携。エンタープライズ向けの管理機能。

この比較からもわかるように、各ツールはその目的とターゲットユーザーが明確に異なっています。

まずGoogle Opalは、プログラミング知識のないビジネスパーソンが主役の「アイデアの実験場」です。「こんなことができたら便利かも」という個人のひらめきを、その場で即座に形にすることに特化しています。

一方、Google AI Studioは、開発者が最新AIモデルの性能を試し、自社のアプリに組み込むための調整を行う「AIモデルの性能評価ラボ」と位置づけられます。最終的なゴールは、あくまでAPIを介したシステムへの統合です。

そしてMicrosoft Copilot Studioは、Teamsのような社内システムと深く連携させ、企業独自のAIチャットボットを構築・管理するための、より大規模なエンタープライズ向けプラットフォームと言えるでしょう。

つまりOpalの真価は、大規模なシステム開発ではなく、あくまで個人やチームレベルの業務を、手軽に、そして素早く効率化する点にあるのです。

Google Opalがビジネスの現場にもたらす効率化3選

Google Opalは、ビジネスの現場に革命的な効率化をもたらす可能性を秘めています。特に、これまでIT専門部署を持てなかった中小企業やスタートアップにとって、その価値は計り知れません。

Opalがもたらす無数のメリットの中から、特に代表的な3つのポイントをご紹介します。

  • 現場主導の「超高速DX」が実現する
  • PoC(概念実証)のコストと時間を大幅に削減
  • Google Workspace連携による無限の可能性

ここからは、これらのメリットがビジネスの現場でどのように活用されうるのか、一つずつ解説します。

現場主導の「超高速DX」が実現する

これまでDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるには、現場の課題をIT部門に伝え、開発を依頼する…という長いプロセスが不可欠でした。

Opalがあれば、現場の担当者が自らの手で、その日のうちにアイデアをアプリとして形にすることが可能です。これにより、業務改善のサイクルは劇的に加速します。

PoC(概念実証)のコストと時間を大幅に削減

「このアイデアは本当にうまくいくのか?」を検証するための試作品(プロトタイプ)開発には、少なくないコストと時間が必要でした。

Opalを使えば、ほぼゼロコストで、数時間後には関係者に動くアプリを共有してフィードバックを得ることが可能です。これにより、イノベーションの種をリスクなく、スピーディに育てていくことができるでしょう。

Google Workspace連携による無限の可能性

将来的にはGoogleドキュメント、スプレッドシート、GmailといったGoogle Workspaceとの連携がさらに強化されると見込まれています。

例えば、「受信した請求書の内容を自動でスプレッドシートに転記し、承認依頼のメールを作成する」といった一連の業務フローを自動化できる未来もそう遠くはないでしょう。

Googleサービス内でデータが完結するため、セキュリティ面での安心感が高いのも企業にとっては大きなメリットです。

Google Opalの提供状況と今後の展望

Opalは2025年7月に米国で初めて公開された後、わずか数ヶ月後の2025年10月7日には日本を含む15カ国へとグローバルに展開されました。

現在はGoogle Labsの実験的なプロジェクトとして提供されており、誰でも無料でその全機能を利用できます。

利用上の注意点として、指示は自然な日本語で行えますが、2025年10月現在、Opalの操作画面(UI)や、作成されたアプリからの出力は基本的に英語となります。 英語の出力結果を日本語で表示させたい場合は、アプリのワークフローの最後に「生成した結果を日本語に翻訳してください」といった指示を追加する工夫が必要です。

このスピード感のある多言語展開からも、GoogleがOpalにかける期待の大きさが伺えます。今後の展望としては、以下のような進化が期待されます。

・多言語対応の強化: UIや出力の完全な日本語対応。

・Google Workspaceとの連携深化:GmailやGoogleドライブ、スプレッドシートといったツールとさらにシームレスに連携し、より高度な業務自動化が実現する可能性。

・機能の拡充:より多くのツールやAIモデルが利用可能になり、作成できるアプリの種類がさらに広がること。

Opalはまだ発展途上のツールですが、AIアプリ開発を誰もができる「当たり前」のものに変える、大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。

まとめ

今回は、GoogleのノーコードAIアプリ構築ツール「Opal」について解説しました。

  • Opalは、プログラミング不要で「会話」するようにAIミニアプリを作れるツール
  • 2025年10月7日より日本でも利用可能に
  • Googleアカウントがあれば、誰でも「無料」で今すぐ始められる
  • 日常の面倒な作業(情報収集やコンテンツ作成)を自動化できる
  • 注意点として、UIや出力は英語が基本(ただし指示は日本語でOK)

Opalは、一部の専門家のものであったAI開発を、すべてのビジネスパーソンに解放する「民主化」の象徴になるかもしれません。「アイデアを即アプリ化して検証する」「ちょっとした日々のタスクを自動化する」それを誰もが当たり前のように日々行う未来。それはすぐそこまでやってきていると思います。

私たちクラウドエースは、引き続きGoogleの最新動向をウォッチし、皆様の業務効率化のヒントになるような情報をお届けしていきます。本記事で紹介したOpalについても引き続き最新情報のアップデートを行っていきたいと思いますので、ぜひクラウドエースのコラムをチェックしていただけると嬉しいです。