クラウドエースのマーケティング部では、非エンジニアでも自らがAIを活用して現場の課題を解決する「AI駆動開発」を推進しています。本プロジェクトでは、商談用資料の作成にかかる時間や、部内におけるAI活用状況の非可視化といった課題に着目。エンジニア向けの特殊な開発環境を使わず、GAS(Google Apps Script)とGoogle AI Studioを組み合わせて「ペライチ資料自動生成アプリ」と「AI導入効果集計&社内共有ツール」を自作しました。アイデアを自分たちの手で素早く形にすることで、現場の不便を解消し、より本質的なマーケティング活動へ集中できる体制を構築しています。

課題

  • お客様の業界に合わせた提案資料の作成に多くの時間を要し、また作成者による質のバラつきも課題だった。一方で汎用的な資料では、お客様ごとの状況にあわせた提案ができないことが悩みだった。
  • チーム内で個々人がAIを活用し始めていたものの、誰がどんな用途で効果を上げているかが可視化されず、ノウハウが個人の知識にとどまっていた。
  • エンジニア向けの開発ツールや環境構築のハードルが高く、非エンジニアであるマーケター自身が業務課題に応じたツールをスピーディーに自作・改修できていなかった。

対応と結果

  • GASとGemini APIを連携したアプリを開発。業界・役職を選ぶだけで、画像付きの業界特化提案資料を3分ほどで自動生成できる環境を構築した。
  • AI導入効果集計&共有ツールを構築し、部内の削減時間や活用事例を一元化。個人の知恵をチームの資産へ昇華させ、部全体のAI活用を推進した。
  • 開発ツール(Cursor等)を使わず、GASとGoogle AI Studioの組み合わせにより、非エンジニアでも社内権限の範囲内で安全に使えるツールを作成した。

専門ツール不要!GAS×Google AI Studioによる非エンジニアのAI駆動開発

業務課題を最も理解している現場のマーケター自身が、AI駆動開発により自分たちの手でツールを開発。開発にあたっては、CursorやWindsurf、GitHub、VSCodeといったエンジニア向けの専門的な開発ツールや複雑な環境構築は一切使用していません。Webブラウザ上で直感的にプロンプト検証ができる「Google AI Studio」でUIのたたき台やロジックを構築し、アプリのデプロイ環境として「Google Apps Script(GAS)」を活用。すでに付与されている社内のIAM権限をそのまま利用できるため、セキュリティを担保しつつ、スムーズに開発を進められました。
高度なプログラミング知識ではなく、「何が不便か」を言語化し、AIと対話しながら開発することで、現場の課題に合わせたツールを素早く作り上げることが可能となりました。

お客様の情報を選択・入力していくと資料が完成する「ペライチ資料自動生成アプリ」

マーケティング部内をはじめ、営業現場からの「お客様の状況にあわせたAI活用提案をスピーディーに行いたい」というニーズに応え、GASとGemini APIを連携させたWebアプリを開発しました。
ユーザーがフォーム上でお客様の業界や役職を選択・入力すると、Geminiが業界特化のユースケースを3件考案し、画像も自動生成してGoogleスライドのテンプレートへ自動で差し込みます。従来は0から作成するのに数時間かかっていた資料作成が、わずか3分ほどで完了。ハルシネーション対策として参照ドメインを限定し、さらに編集可能なリアルタイムプレビュー機能やCTAの切り替え機能も搭載しました。
このアプリのおかげで、誰でも均一なクオリティで資料を作成でき、すぐにお客様へご提案をすることが可能になりました。

個人の知恵をチームの資産へ変える「AI導入効果集計&社内共有ツール」

チーム内で各自がAIを活用しはじめたものの、「誰がどのように活用し、どれほどの成果が出ているのか」が見えにくいという課題が生じていました。 そこで、メンバーが実践内容や削減時間を入力することで、簡単に共有・集計・可視化ができるダッシュボードツールを構築。
各自の削減効果やおすすめプロンプト(Gem)がチーム内で一目で共有される仕組みを整えたことで、個人のノウハウがチーム全体の資産へと昇華しました。チーム内のAI導入効果や削減時間がリアルタイムに定量化されるとともに、優れた活用ノウハウが横展開される環境が整い、チーム全体のAI活用文化とさらなる業務改善へのモチベーションが大きく向上しました。

プロジェクトリーダーの声

現場で業務を行っていると、「ここがもっと効率化されればいいのに」と思う瞬間が何度もあります。しかし、エンジニアに頼むほどではない小規模な課題は放置されがちでした。
今回、GASとGoogle AI Studioを活用したAI駆動開発に取り組み、専門的な開発環境を構築することなくツールを自作できたことで、非エンジニアであっても「自分たちの手で課題を解決できる」という大きな手応えを得ることができました。高度な開発環境を用意することなく、普段使い慣れているGoogleのエコシステム上で、言葉によってツールを形にしていける体験は非常に刺激的でした。

石島 楓香


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