※この記事は、最新情報をもとに内容を見直し、2025/12/8に更新いたしました。 大量のPDF資料、散在するWeb記事、長時間の会議議事録…。ビジネスの現場は情報で溢れていますが、その全てに目を通し、本質を掴むには膨大な時間を要します。 そんな悩みを解決するために登場したのが、GoogleのAIリサーチツール「NotebookLM」です。 NotebookLMは、単なる要約ツールではありません。WebサイトからYouTubeやGoogleドライブ、ローカルの資料など、あなたが指定したありとあらゆる情報を“知識源”として学習し、あなた専用の「リサーチアシスタント」として機能する仕組みを持っています。 本記事では、その基本的な使い方から筆者がビジネスシーンで実際に活用した事例までを網羅的に解説し、NotebookLMで何ができるのかを紹介していきます。 目次 Toggle NotebookLMとは?基本を3分で理解NotebookLMの料金プランと無料版の範囲NotebookLMの機能一覧NotebookLMの基本的な使い方3ステップNotebookLMをビジネス活用してみた【実践事例】NotebookLMとGeminiの違い、どう使い分ける?NotebookLMのよくある質問と解決策まとめ NotebookLMとは?基本を3分で理解 NotebookLMとは、あなたが選んだ資料(ソース)だけを学習し、その情報に基づいて質問への回答や要約の作成、アイデアの整理などを行う、Google提供のAIアシスタントです。 その最大の特徴は、AIが回答の根拠とする情報の範囲を、ユーザーが完全にコントロールできる点にあります。デフォルトでは、あなたがアップロードした資料の内容だけを“根拠”として回答しますが、新たに追加された「Discover」機能を使えば、AIが文脈を理解し、関連性の高いWeb上の情報源を自動で探し出して推薦してくれます。 これにより、「手元の資料だけで分析したい」というクローズドな環境での高い信頼性と、「関連情報も集めてほしい」というオープンなリサーチ、その両方を一つのツールで実現できます。ハルシネーションのリスクを避けたい場面ではソースを限定し、視野を広げたい場面では外部情報を取り込む、といった柔軟な使い分けが可能です。 Q&AはGemini 2.5 Flash、音声解説は別モデルが担当 NotebookLMの頭脳として、Googleの最新AIモデル「Gemini 2.5 Flash」が搭載されていますが、実はすべての機能が全く同じ経路で処理されているわけではありません。 主に、チャットでの質疑応答やテキスト分析はGemini 2.5 Flashが担っています。 これにより、高速かつ高度な推論に基づいた回答が得られます。 一方で、「音声解説」や「動画解説」といったメディア生成機能は、Gemini 2.5 Flashが作成した脚本(スクリプト)を基に、別の専用AI(音声合成モデルなど)が処理を行うと考えられています。そのため、チャットの回答と音声解説のナレーションで、口調や表現のニュアンスが若干異なる場合があるのです。 このように、タスクに応じて最適なAIが連携して動作するのがNotebookLMの裏側の仕組みです。 あなたの資料が“知識源”になるAI 従来の生成AIがインターネット全体を知識源とするのに対し、NotebookLMの仕組みは全く異なります。最大の特徴は、あなたがアップロードした資料(ソース)の内容だけを“根拠”に回答し、その情報に関する「専門家」のように振る舞う点です。 この仕組みが、「ハルシネーション(AIがソースにない情報を生成する現象)」のリスクを大幅に抑制します。 さらに、生成された回答にはどの資料のどの部分に基づいているかを示すリンクがついているため、事実確認(ファクトチェック)がしやすく、ビジネスシーンでも安心して活用できるのです。 NotebookLMの料金プランと無料版の範囲 2025年9月現在、NotebookLMはGoogleアカウントがあれば誰でも無料で利用を開始できます。 より高度な機能や利用上限の緩和を求めるユーザー向けには、「NotebookLM in Pro(旧Plus)」と「NotebookLM Enterprise」という2つの上位プランが用意されています。 個人ユーザーがNotebookLM in Proを利用するには、月額2,900円の「Google AI Pro」に加入します。すると特典として、お使いのNotebookLMがPro版にアップグレードされる仕組みです(初めての方は1ヶ月無料、学生は1年間無料のキャンペーンも実施中)。 このセクションでは、無料版とPro版(有料版)の具体的な違いと、ビジネス利用で特に重要なセキュリティについて詳しく見ていきましょう。 無料版と有料版の機能比較 無料版と有料版(NotebookLM in Pro)の主な違いは、一度に扱える情報量の上限と、有料版限定の機能にあります。具体的な違いは以下の表の通りです。 機能・上限 無料版 NotebookLM in Pro ノートブック作成数 最大100個 最大500個 ノートブックあたりのソース数 最大50個 最大300個 1日の質問(クエリ)数 最大50〜100回程度 最大500回 1日の音声生成回数 最大3回 最大20回 高度なチャット設定 なし あり ノートブックの分析機能 なし あり チャットのみ共有モード なし あり このように、無料版は個人的な学習や日常的な情報整理には十分な機能を提供しています。一方で、大量の専門資料を扱う研究者や、複数のプロジェクトでAIの分析能力を頻繁に活用したいビジネスパーソンには、Pro版が推奨されます。 ビジネス利用でのセキュリティ NotebookLMでは、無料版・有料版を問わず、Googleの堅牢なセキュリティインフラによってデータが保護されます。また、アップロードした資料がAIの学習データとして利用されないというプライバシー方針も、すべてのユーザーに適用されます。 ビジネス利用で重要なのは、これに加えて組織の管理者が利用できる「管理・統制機能」です。有料のGoogle Workspaceプランと連携させることで、管理者は「どの部署の誰がNotebookLMを利用できるか」といった権限設定や、利用状況の監査ログの確認、データ保護ルールの適用など、企業として求められる高度なガバナンスを効かせることが可能になります。 つまり、データの安全性そのものに差はありませんが、企業としてのセキュリティポリシーや統制を重視する場合には、管理者機能が充実している有料プラン(Workspace連携)が推奨される、と理解するとよいでしょう。 NotebookLMの有料プラン、NotebookLM in Proに関する具体的な機能やアップグレード方法は以下の記事にて紹介しておりますので、気になる方はぜひご覧ください。 【徹底解説】NotebookLM in Pro(旧Plus)とは?無料版との5つの違い、料金、活用方法を紹介 NotebookLMの機能一覧 NotebookLMは、単に質問に答えるだけでなく、インプットした情報から新たなアウトプットを生み出す、多彩な機能が搭載されています。 WebサイトやPDF、さらにはYouTube動画といった多様なソースを読み込み、AIが自動で要点や関連性を整理。その内容を基に、「音声解説」や「動画解説」を生成したり、複雑な関係性を「マインドマップ」で視覚化したりすることが可能です。 NotebookLMが持つこれらの代表的な機能について、一つひとつ詳しく見ていきましょう。 「音声解説」でインプットのスピードと質の向上 「音声解説」は、指定したソースの内容を基に、AIが自動で音声コンテンツを生成する機能です。生成にかかる時間はソースの情報量によって変動しますが、数分から十数分程度で完成します。ちなみに、この記事をソースとして形式は「詳細」で長さを「短め」で作成したところ、およそ4分半で生成されました。 単なるテキストの読み上げとは異なり、AIが複数のペルソナ(人格)を使い分け、対話形式のポッドキャストのように内容を解説。難しい論文や長文のレポートも、まるでラジオ番組を聴くように耳からインプットできます。 2025年9月のアップデートでは多彩なカスタマイズ機能が追加され、より目的に合った音声コンテンツの作成が可能になりました。AIに焦点を当ててほしい内容を指示できるだけでなく、主に以下の会話形式からスタイルを選択できます。実際に、この記事の内容をもとにNotebookLMで音声解説を作成してみましたので、それぞれの音声を聞き比べながら、違いを確認してみてください。 スタイル①:詳細 2人のホストがトピックを掘り下げ、関連付ける活発な会話形式。 detail.mp3 https://cloud-ace.jp/wp-content/uploads/2025/09/detail.mp3 スタイル②:概要 要点を短くまとめ、素早く内容を把握したい方向け。 overview.mp3 https://cloud-ace.jp/wp-content/uploads/2025/09/overview.mp3 スタイル③:評論 専門家の視点から、資料の改善点など建設的なフィードバックを提示。 descussion.mp3 https://cloud-ace.jp/wp-content/uploads/2025/09/discussion.mp3 スタイル④:議論 異なる視点からの思慮深い議論で、テーマへの理解を深める形式。 criticism.mp3 https://cloud-ace.jp/wp-content/uploads/2025/09/criticism.mp3 これらの会話形式に加え、AIに焦点を当ててほしい内容を指示したり、音声の長さ(短め・デフォルト)や言語を選択したりすることも可能です。 生成された音声は音声ファイルとしてダウンロード可能、実際に弊社(クラウドエース)では、この機能を活用してコラム記事に「聴くコラム」を設置しています(後述)。これにより、記事を読む時間がない方でも、耳から手軽に情報をインプットできる環境を提供しています。 「動画解説」でプレゼンテーションを自動生成 NotebookLMの画期的な機能の一つが「動画解説」です。この機能は、指定した複数のソースからAIがキーポイントを自動で抽出し、ナレーションとスライド付きの短い解説動画を生成します。 AIはソースから主要な画像や引用を自動で抜き出してスライドを構成し、合成音声によるナレーションを付与。当初は英語のみの対応でしたが、2025年8月のアップデートにより、日本語を含む80言語で利用できるようになりました。 この機能を使えば、プレゼンテーションの構成案や、調査内容を共有するためのダイジェスト動画などを効率的に作成できます。生成時間はソースの情報量で変動しますが、例えばこの記事をソースにした場合、およそ8分半で動画が完成しました。 これにより、資料作成の準備にかかる時間を大幅に削減できます。 「マインドマップ」で複雑な情報を視覚化 「マインドマップ」機能は、指定したソース群の内容をAIが分析し、トピック間の関係性や階層構造を自動で視覚化するものです。 長文のレポートや複雑な論文を読む際にこの機能を使えば、全体の骨子や議論の流れを一目で把握可能に。テキストだけでは見えにくかった情報の繋がりが可視化され、内容への深い理解を助けます。この記事をソースとしてマインドマップを作成いたしましたので以下画像をご覧ください。 生成されたマインドマップは単なる静的な画像ではないことがわかります。各項目(ノード)はクリック可能で、そこから追加の質問をしたり、関連するソース箇所へジャンプしたりできます。 企画書の構成案を練る際や、プレゼンテーションのアウトライン作成など、思考を整理するためのサポートツールとなるでしょう。 さらに応用的な使い方として、マインドマップの構造をテキストでコピーし、それをGeminiなどの他の生成AIに「プロンプト」として渡すのも有効です。NotebookLMが整理した骨子に沿って、より詳細な文章を生成させることができます。 4種類のレポートを自動生成 NotebookLMは、ソースの内容を分析し、ワンクリックで目的に合わせた資料を自動生成する機能も充実しています。2025年9月、3つの形式に加え「ブログ投稿」と「おすすめの形式」が追加されました。 1.独自に作成 構造からスタイル、トーンなどを指定し自分好みにカスタマイズしてレポート作成が可能です。 2.概要説明資料 重要な分析情報と引用を含むソースの概要をまとめてくれます。以前のバージョンで「Briefing Doc」として提供されていた機能です。 3.学習ガイド 小テスト、推奨エッセイ問題、主要な用語集など学習するのに最適なレポート作成が可能です。 4.ブログ投稿 指定したソースをもとに、ブログ記事のような形式でレポートを作成してくれます。 5.おすすめの形式 こちらはAIが「こんなレポートどう?」と提案してくれる機能です。試しに社内向け導入ガイドを作成してみました。 これらの自動生成機能を活用することで、これまで手作業で行っていた情報整理や資料作成の時間を、大幅に削減できるでしょう。 フラッシュカード 2025年9月に追加された新機能が、ソースの内容から自動で「フラッシュカード」を作成する機能です。 英単語の暗記などで馴染みのある、表に「問い」、裏に「答え」が書かれたカードをAIが自動生成。短時間で繰り返し復習する、効率的な暗記学習が可能になります。 さらに、生成するカードの枚数や、内容の難易度(例:「基本的な用語のみ」「専門的な内容も含む」など)を事前に指定することも可能です。これにより、資格試験の重要用語を覚えたり、専門的な文書のキーポイントを記憶したりと、目的に合わせた暗記用ツールを瞬時に作成できます。 テスト こちらも2025年9月に実装された、新しい機能「テスト」です。フラッシュカードが単語や短い概念の暗記に向いているのに対し、こちらはソースの内容に基づいた選択式のクイズをAIが自動で作成してくれます。 正解だと思う選択肢をクリックすると、即座に正誤が判定されます。もし間違えてしまっても、AIがなぜその答えになるのかを、ソースの該当箇所を引用しながら解説してくれるため、自分の理解度を客観的に測りながら、知識を定着させることができます。 DeepResearch(2025年11月に追加された新機能) DeepResearchは、複雑なオンライン調査を自動化し、AIが専門の研究者のように詳細なレポートを作成する機能です。NotebookLMにも2025年11月に新機能として実装されました。 使い方は簡単。ノートブックの「ソース」追加エリアにある検索バーで、ウェブを選択し、調査対象を従来の「Fast Research(迅速な調査)」から「DeepResearch」に切り替え、調査したいキーワードを入力し右矢印ボタンをクリックするかエンターキーで検索するだけです。 するとAIが調査を実行し、完了すると詳細なレポートが生成され、それが新しいソースとしてノートブックに追加されます。 必要であればアップロードした資料(PDFや議事録など)や、Google Workspace状にあるファイルを、NotebookLM上でシームレスに組み合わせて分析できるようになります。 インフォグラフィック(2025年11月に追加された新機能) 2025年11月に実装された「インフォグラフィック」は、追加したソースの内容をAIが分析し、要点をまとめた1枚の視覚的な画像(サマリー)を自動生成する機能です。なお、NotebookLM公式Xアカウントでは本機能の展開に合わせて「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」というモデル名に言及しており、最新モデルの高度な画像生成能力が活用されている可能性が示唆されています。 Infographic and Slide Decks have officially started rolling out to ALL USERS! When the power of Nano Banana Pro meets the utility of NotebookLM. We can't wait to see what you make! pic.twitter.com/36G9YEQkOI — NotebookLM (@NotebookLM) November 21, 2025 インフォグラフィック機能は、複雑なデータや長文レポートを直感的に理解できるインフォグラフィックに瞬時に変換します。作成された画像はPNG形式でダウンロードでき、SNSでの発信や、会議資料の挿絵としてすぐに活用可能です。 操作方法は他の機能と同様に「Studio(スタジオ)」パネルから行います。 ノートブックを開き、画面上の「Studio」パネルにある「インフォグラフィック」を選択します。 鉛筆アイコンをクリックすると、生成前に以下のカスタマイズが可能です。 詳細度:「簡潔」「標準」「詳細」から選択 向き:「正方形」「縦」「横」から用途に合わせて指定 プロンプト:「青色を基調に」「統計データを強調して」など具体的な指示が可能 設定後、生成ボタンを押すと数分で画像が完成します。 実際にこの記事をソースとして追加しインフォグラフィックを作成してみました。 生成された画像を見ると、本記事の構成要素である「NotebookLMとは」「主な機能」「Geminiとの違い」が、きれいに構造化されていることが分かります。 プロンプトで「和風スタイルで作成して」と指示しての作成も試してみました。 「和風スタイルで」と指示を加えただけで、和紙や巻物を模したデザインがあしらわれ、フォントや色使いも大きく変化しました。このように、プレゼン相手や媒体のトーン&マナーに合わせて、デザインの雰囲気を柔軟に調整できるのも大きな魅力です。 この機能は無料版でも利用可能ですが、生成回数に制限があります(筆者確認時点では1日3回まで)。4回目の生成を試みると制限がかかるため、何度も試行錯誤したい場合はPro版の検討をおすすめします。 スライド資料(2025年11月に追加された新機能) 「スライド資料(スライドデッキ)」は、ソースを追加するだけでその内容を要約したプレゼンテーション用のスライド資料を自動生成してくれる機能です。インフォグラフィック同様、公式Xで言及された「Nano Banana Pro」などの最新モデルが活用されている可能性があり、ソースの文脈を理解した高品質なスライド作成を実現しています。 使い方は「Studio」パネルから「スライド資料」を選択するだけです。 鉛筆アイコンからは以下のスタイル指定が可能です。 詳細なスライド (Detailed Deck):テキストや詳細情報が充実しており、読み物として配布する資料やメール送付用に適しています。 プレゼンタースライド (Presenter Slides):要点を絞った視覚的なデザインで、口頭でのプレゼンテーション補助に適しています。 実際にスライド機能を使用して生成されたスライド画像の一部を見てみましょう。 生成されたスライドを見ると、タイトルの配置、要点の整理、そして内容に即したイラストの配置など、プレゼンテーションの「骨子」として十分使えるクオリティで出力されていることが分かります。白紙の状態から構成を考える手間が省けるため、作成時間の短縮に大きく貢献します。 こちらの機能も無料版で利用可能ですが、インフォグラフィックと同様に生成回数は1日3回までに制限されています。また、現時点ではPDF出力が基本となるため、レイアウトをPowerPointなどで微修正したい場合は、内容をコピーして調整する工夫が必要です。 NotebookLMの基本的な使い方3ステップ NotebookLMを使い始めるのは非常に簡単で、Googleアカウントがあれば特別な登録は不要。すぐに利用を開始できます。基本的な操作は「ノートブックの作成」「ソースの追加」「AIへの質問」という3つのステップで完結します。 以下、最初の質問を行うまでの流れを、手順を追って見ていきましょう。 Step1:新しいノートブックを作成する まずは、情報ソースやAIとの対話を保存しておくための、プロジェクトの器となる「ノートブック」を作成します。調べたいテーマや案件ごとにノートブックを作成すると良いでしょう。 1.NotebookLMのホーム画面を開く NotebookLMにアクセスすると、ノートブックを作成する画面が表示されます。筆者はすでに何度か利用しているため、作成済みのノートブックが表示されています。 2.「+ 新規ノートブック」をクリック 画面の左上にある「+ 新規ノートブック」というボタンをクリックしてください。 3.ノートブックの作成完了 これだけで、新しいノートブックが作成され、ソースを追加する画面に切り替わります。ノートブックの名前は、画面上部の「無題のノートブック」をクリックすれば、後からいつでも自由に変更可能です。 Step2: ソース(資料)をアップロードする ノートブックを作成したら、次はAIの知識源となる「ソース」の追加です。 NotebookLMでは、以下のような多様な情報源に対応しています。 ドライブ:Googleドライブに保存されているドキュメントやスライド PDF・テキストファイル:お使いのPCに保存されているファイル ウェブサイトのURL:分析したいWebページのリンク 貼り付けテキスト:クリップボードから直接テキストを貼り付け YouTube:動画のURL(動画の文字起こしがソースになります) 目的に合ったソースを選択し、アップロードやリンクの貼り付けを行えば、AIによる分析準備が完了します。 Step3: AIに質問・要約させてみる ソースの準備が完了すると、いよいよNotebookLMの核心的な機能を使うステップです。AIとの対話を通じて、ソースの内容を深く理解していきます。 1.自動生成された要約と質問候補を確認する ソースを追加すると、チャット画面に全体の自動要約と、AIが生成した質問候補が自動で表示されます。まずはこれを確認するだけで、ソースの全体像を素早く掴むことが可能。 2.チャットで質問する より詳しく知りたい点は、画面下部のチャットボックスに直接質問を入力します。例えば、「この資料の要点を3つにまとめて」「〇〇に関する記述を抜き出して」といった指示が有効です。 回答テキストの横に表示される数字(例:①)が引用元を示す出典。カーソルを合わせれば、ソースのどの部分に基づく情報かを具体的に確認できます。 3.回答をメモに保存する AIの回答で特に重要なものは、ピンのアイコンから「メモ」に保存できます。保存したメモは後から編集・並べ替えもでき、自分だけの知識ベースを構築していくことが可能です。 NotebookLMをビジネス活用してみた【実践事例】 ここまではNotebookLMの基本的な機能や使い方を解説してきました。では、これらの機能を実際のビジネスシーンでどのように活かせるのでしょうか。 ここからは、筆者が実際に業務でNotebookLMを活用した6つの事例を紹介。日々の情報収集から社内規定の問い合わせ対応まで、皆さんの業務に応用できるヒントがきっと見つかるはずです。 ①コラム記事を「聴くコラム」として音声化 「記事を読む時間がない」「移動中に耳で情報をインプットしたい」といった読者ニーズに応えるため、私たちはNotebookLMを「聴くコラム」の制作に活用しています。 手順は非常にシンプル。まず、音声化したい自社コラムのURLをソースとして追加します。次に「音声解説」機能を実行して会話形式を選択し、音声を生成。 最後に、生成された音声ファイル(m4a)をダウンロードして記事内に埋め込むだけで、読者は耳からでもコンテンツを楽しめるようになります。これは、アクセシビリティ向上とユーザーの滞在時間の向上に繋がる施策です。 ②海外サイトの英語ページも、翻訳不要 海外の最新情報や専門的な情報を集めたい時、頼りになる一次情報が英語のWebページしかない、という場面は少なくありません。 NotebookLMを使えば、そんな言語の壁を越えることができます。内容を知りたい英語のWebページのURLをソースとして追加し、あとは知りたいことを日本語で質問するだけ。AIがページの内容を理解し、自然な日本語で回答を返してくれます。 試しに、NotebookLMにGoogle Cloud公式ドキュメント、NotebookLM Enterpriseに関するページをソースとして読み込ませ、日本語で質問をしてみました。 出展:What is NotebookLM Enterprise? | Google Agentspace | Google Cloud わざわざページ全体を翻訳ツールにかける手間が不要になり、必要な情報だけをピンポイントで効率的に収集できます。 ③就業規則を学習させ、社内向け質問ボットを作成 「フレックスタイム制のコアタイムは何時から何時までですか?」「年次有給休暇の申請はいつまでに、誰にすればよいですか?」など、社内規定を確認したい場面に分厚い就業規則から該当箇所を探すのは一苦労。 NotebookLMを使えば、この課題を解決できます。就業規則のPDFをソースとしてアップロードし、あとは知りたいことを普段の言葉で質問するだけで、AIが該当箇所を探し出して分かりやすく回答してくれます。 ここで重要になるのがセキュリティです。NotebookLMでは、アップロードしたソースがAIモデルの学習に使われることは一切ないと公式に明言されています。Googleの堅牢なセキュリティで保護されるため、社内情報も安心して取り扱うことが可能です。 ただし、一点注意が必要です。 NotebookLMのノートブックは他のユーザーと共有できるため、ソースに人事情報や給与ファイルといった、特定の権限を持つ人しか閲覧できない情報を含める際は、そのノートブックの共有範囲に細心の注意を払う必要があります。 この点さえ注意すれば、担当者の手を煩わせることなく、従業員が必要な時に自分で疑問を解決できる「社内向け質問AI」が完成します。 上記は、実際のノートブック画面ですが、社内の機密情報保護のため、規定の内容がわかる部分にはモザイク処理を施しています。 ④資格試験のテキストを読み込ませ、学習アシスタント化 業務の合間に資格取得を目指す際、専門用語の多いテキストの読解と暗記は大きな負担です。 NotebookLMは、そんな資格学習のアシスタントになります。実際に筆者は、資格の公式ドキュメント(英語)と、社内トレーナーが作成した日本語のスタディガイドの両方を同時にソースとして読み込ませ、学習に活用しています。 これにより、「〇〇という用語の定義を、日本語のガイドと英語の公式ドキュメントの両方から引用して説明して」といった、複数言語・複数ソースを横断した高度な質問が可能になります。さらに、「この内容から想定問題を5つ作って」と依頼すれば、AIが重要箇所を分析し、オリジナルの練習問題まで自動で作成してくれます。 受動的なインプットを、AIとの対話を通じた能動的な学習へと変えることができるのです。 ⑤長文資料も、質問するだけで欲しい情報がピンポイントに見つかる 複数の調査レポートを読み解き、共通点や相違点を見つけ出すのは大変な作業です。NotebookLMは、そのプロセスを効率化します。 例えば、異なる2つの市場調査レポートを読み込ませ、「両方のレポートで共通して述べられている市場の課題は何ですか?」と質問するだけで、AIが瞬時に長文資料を比較し、共通の論点だけを抽出してくれます。 筆者も、業界別に6つに分かれた「生成AIの費用対効果」に関する調査資料群を分析する際にこの機能を活用しました。通常であれば全てに目を通す必要がある膨大な情報も、「知りたいこと」を質問するだけで即座に答えを得られるため、分析作業が非常に捗りました。 テーマに関連性の高い資料群を比較させることで、より精度の高い、深い洞察を得られます。 ⑥イベントの基調講演動画から、要約と想定問答集を作成 イベントの基調講演などは貴重な情報源ですが、1時間近い動画の要点を後から掴んだり、内容を他の人に共有したりするのは骨が折れる作業です。 NotebookLMに基調講演のYouTube URLをソースとして追加すれば、AIが動画の文字起こし(トランスクリプト)を自動で読み込み、分析準備を整えます。 あとは「この講演の要点を3つに絞って教えて」と指示するだけで、瞬時に要約が完成。さらに、「講演者が最も伝えたかったメッセージは何?」「この講演について、聴衆から出そうな質問と回答案を3つ作成して」と依頼すれば、FAQコンテンツまで自動で生成可能です。 下の画像は、Google Cloud Japanが主催する「AI Agent Summit ’25 Spring」の基調講演の動画をNotebookLMに読み込ませて情報を要約してもらったものです。 これにより、動画視聴の時間を大幅に短縮できるだけでなく、講演内容をブログ記事や社内報告書として二次利用する際の手間を大きく削減できます。 NotebookLMとGeminiの違い、どう使い分ける? 「どちらもGoogleのAIで、Geminiモデルを搭載している。結局、NotebookLMとGeminiは何が違うの?」これは、多くの人が抱く当然の疑問でしょう。 両者の最も本質的な違いは、AIが回答の根拠とする「知識の範囲」にあります。 Geminiは、インターネット全体の膨大な知識を持つ「博識な司書」。あらゆる質問に答えてくれますが、時には不正確な情報(ハルシネーション)を事実であるかのように話すことがあります。 一方、NotebookLMは「あなたが持ち込んだ数冊の専門書」だけを完璧に読み解く「専門家」です。知識はその専門書の中に限定されるものの、回答は必ず出典と共に示されるため、ハルシネーションのリスクが極めて低いのが特徴。 この違いを理解することで、それぞれのツールが持つポテンシャルを最大限に引き出せます。ここでは、両者がそれぞれどのようなタスクを得意とするのか、具体的な使い分けのシーンを見ていきましょう。 NotebookLMが得意なこと(深掘りと分析) NotebookLMが特に得意とするのは、与えられた情報源の内容を深く、そして正確に理解・分析するタスクです。Geminiがアイデアの壁打ちや未知の分野を幅広く知るのに適しているのに対し、NotebookLMは「この資料に何が書かれているか」という問いに、極めて高い精度で応答します。 例えば、専門用語が多い契約書から重要な条項を抜き出したり、複数の学術論文を横断的に比較して主張の違いを分析したりすることが可能。長時間の議事録から特定の人物の発言だけを時系列で整理するといった、緻密な情報整理も得意としています。 このように、NotebookLMは「正解」が資料の中に存在するタスクにおいて、その情報を見つけ出し、整理・分析するアシスタントと言えるでしょう。 Geminiアプリが得意なこと(アイデア出しと壁打ち) 一方、Geminiが得意なのは、特定の資料に縛られない、自由な発想や広範な知識が求められるタスクです。先ほどの例えで言えば、「図書館全体」の知識を持つ博識な司書としての役割を果たします。 例えば、「新しいサービスのキャッチコピーを10個考えて」「〇〇というテーマでブログ記事の構成案を作って」といった、ゼロからアイデアを生み出す場面で非常に有効。自分の考えをAIに投げかけ、その返答をもとに思考を整理する、思考の「壁打ち」相手としても最適です。 このように、Geminiは「正解」が一つではない創造的なタスクや、未知の分野についてリサーチする際の第一歩として活用するのが最も効果的でしょう。 NotebookLMのよくある質問と解決策 最後に、NotebookLMを使い始めるにあたって、多くの人が抱く疑問や、発生しがちな問題とその解決策をQ&A形式で解説します。利用中に不明な点があれば、まずはこちらをご確認ください。 Q. スマートフォン用アプリはありますか? はい。2025年5月に公式スマートフォンアプリ(iOS/Android対応)がリリースされました。 これにより、PCのWebブラウザ版とほぼ同等の主要機能(ソース追加、AIへの質問など)を、スマホに最適化された環境で利用できます。外出先や移動中でも、手軽に情報整理や分析を行えるようになったのは大きな進歩です。 ただし、2025年9月現在、一部ユーザーから「アプリ版ではメモ機能にアクセスできない」との報告もあり、今後のアップデートによる機能拡充が期待されます。 Q. 日本語の精度はどのくらいですか? はい、高い精度で利用可能です。NotebookLMは2024年6月に日本語へ正式対応済み。UIの表示はもちろん、日本語で作成された資料の読解や、日本語での質問応答も高精度に実行します。 搭載されているAIモデル「Gemini 2.5 Flash」は複雑な日本語の文脈理解にも優れており、専門的な資料を読み込ませても的確な要約や回答が期待できるでしょう。もちろん、AIである以上、稀に不自然な表現が生まれる可能性はゼロではありませんが、ビジネスや学習のアシスタントとして、実用上十分な精度だと言えます。 Q. ファイルがアップロードできません ファイルのアップロードがうまくいかない場合、いくつかの原因が考えられます。以下の点をご確認ください。 ・ファイル形式には対応していますか? 対応形式はPDF、.txt、Googleドキュメント/スライドです。Word(.docx)などは、一度Googleドキュメント形式に変換するか、PDFとして保存してからお試しください。 ・ファイルのサイズが大きすぎませんか? アップロードできる1ファイルあたりのサイズには上限があります(1ソースあたり50万語までなど)。大きなファイルは、章ごとに分割するなどの対応をご検討ください。 ・ソースの数が上限に達していませんか? 一つのノートブックに追加できるソースの数には上限があります(無料版では50個)。不要なソースを削除するか、新しいノートブックを作成してお試しください。 ・ファイルにパスワードがかかっていませんか? パスワードで保護されたPDFなどは、NotebookLMが内容を読み取ることができません。保護を解除してからアップロードしてください。 Q. 「サービスが許可されていません」と表示されます このエラーメッセージが表示される場合、主にご利用のGoogleアカウントの種類や、組織の設定が原因と考えられます。 主な原因は、会社や学校のGoogle Workspaceアカウントを利用しているケースです。組織の管理者(情報システム部門など)によって、NotebookLMへのアクセスが制限されている可能性があります。 この場合、ユーザー側での解決は難しいため、組織のIT管理者へ「NotebookLMの利用を許可してほしい」と申請・相談する必要があります。その他の原因としては以下のようなことが考えられます。 ・年齢制限 アカウントに登録されている生年月日が、利用要件(13歳以上など)を満たしていない。 ・複数アカウント 複数のGoogleアカウントに同時にログインしている。一度すべてのアカウントからログアウトし、利用したいアカウントのみで再ログインをお試しください。 Q. 情報漏洩はしないの? NotebookLMにアップロードした資料や、AIとの対話内容は、GoogleのAIモデルの学習データとして使用されることは一切ありません。これにより、企業の機密情報が、意図せず他のユーザーへの回答に利用されるリスクを防ぎます。ノートブックの共有設定も自身が管理するため、意図せず情報が外部に公開されることはありません。 このように、NotebookLMはユーザーのデータプライバシーを最優先に設計されています。特にGoogle Workspaceアカウントで利用する場合は、組織のセキュリティポリシーも適用されるため、企業の機密情報や個人情報も安心して扱うことができます。 参照:NotebookLM 公式サイト Google Workspace 公式サイト – NotebookLM紹介ページ まとめ 本記事では、GoogleのAIリサーチツール「NotebookLM」について、基本的な使い方から料金プラン、そして具体的な活用事例までを解説しました。 NotebookLMの最大の特徴は、インターネット全体の情報から回答するGeminiとは異なり、指定した資料だけを情報源とする点です。これにより、AIが不確かな情報を生成する「ハルシネーション」のリスクを抑え、出典に基づいた信頼性の高い回答を得ることができます。 資料の分析や要約、社内ナレッジの検索など、情報の正確性が求められる場面で、NotebookLMは有効な選択肢となるでしょう。 「資料と対話する」便利さを知った今、次は「ビジネスを変える」実例を。 Google Cloud 生成 AI 活用事例集 NotebookLMでの文書活用は、生成AIの入り口です。本資料では、GoogleのAI技術を活用し、社内ナレッジの検索システム構築や業務プロセスの自動化を実現した、最先端企業の具体的な成功事例を多数ご紹介します。 資料ダウンロードはこちらから