※この記事は、最新情報をもとに内容を見直し、2025/10/22に更新いたしました。 こんにちは、クラウドエース編集部です。 先日、Googleが画像編集・生成の分野で大きな進化を遂げた、新たなAIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」を発表しました。 この新技術は、これまでの画像生成AIが抱えていた「一度生成したキャラクターの顔や服装が一貫しない」といった課題を克服し、より直感的でクリエイティブな表現を可能にするものです。 本記事では、コミュニティで「Nano Banana」とも呼ばれるこの新技術が持つ可能性と、それが私たちのクリエイティブに何をもたらすのかを紐解いていきます。 目次 Toggle Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)とはGemini 2.5 Flash Imageの4つの特徴Gemini 2.5 Flash Imageの具体的な活用事例(ユースケース)Gemini 2.5 Flash Imageの始め方・使い方Gemini 2.5 Flash Imageの性能を検証Gemini 2.5 Flash Image APIの料金体系まとめ Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)とは Gemini 2.5 Flash Imageとは、「Nano Banana」と呼ばれる、Googleが開発した最新のAIモデルです。実はこの「Nano Banana」という名は、公式発表前の2025年8月中旬にAIモデル評価プラットフォーム「LMArena」で正体不明ながら非常に高性能なモデルとして突如現れ、AIコミュニティで大きな話題となった経緯があります。 このモデルは、自然言語を使った高度な画像編集・生成機能に特化しており、単にテキストから画像を生成するだけでなく、既存の画像に対して、まるで人間と対話するように細かな修正を加えられるほか、一貫したキャラクターを複数の画像で登場させることも可能です。 この革新的な技術は一般ユーザー向けには Gemini アプリで利用でき、開発者向けには Google AI Studio(Gemini API)または Google Cloud の Vertex AI から利用できます(提供段階はモデルやプラットフォームにより GA/プレビューが異なります)。 また、現在はさらに高度な推論能力を備えた上位モデルとして「Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)」も正式に発表されました。 人や物の一貫性を保つ機能が追加 従来の画像生成AIでは、同じキャラクターを異なるシーンやポーズで描こうとすると、顔立ちや服装が微妙に変わってしまうという大きな課題がありました。 nano-bananaは、まさにこの課題を解決します。一度生成した人物やペット、オブジェクトの外見的な特徴を記憶し、一貫性を保ったまま複数の異なる画像を生成する機能が追加されたのです。 例えば、「宇宙飛行士の猫」という画像を生成したあと、「今度はその猫が月面を走っている様子を描いて」と指示するだけで、元の猫と同じ特徴を維持した新しいシーンの画像を作成できます。 この機能は、絵本や漫画のキャラクター制作、あるいは企業のブランドマスコットを使ったキャンペーン展開など、一貫したビジュアルでのストーリーテリングを強力にサポートするものです。 自然言語による編集が強化 Nano Bananaの最も革新的な点の一つが、専門的な編集ソフトの知識を一切必要とせず、日常会話のような自然な言葉(プロンプト)で画像を自在に編集できる機能です。Nano Bananaではその精度と範囲が飛躍的に向上しており、生成した画像に対し、例えば以下のような対話形式での修正を行えます。 オブジェクトの操作:「この猫にバックパックを追加して」 背景の変更:「背景を森に変えて」 色彩・質感の変更:「宇宙服の色を青に変更して」 光と影の調整:「森に差し込む日差しの量を増やして」 AIが文脈から修正箇所を自動で判断するため、ユーザーによる細かな選択(マスキング)作業も不要です。この直感的な操作性こそ、まるでAIと対話しながら作品を創り上げるような、新しいクリエイティブ体験を生み出すのです。 Gemini 2.5 Flash Imageの4つの特徴 Nano Bananaの強力な画像編集・生成能力には、主に4つの大きな特徴があります。これらは、従来の画像生成AIが抱えていた課題を解決するだけでなく、クリエイティブな表現の可能性を新たな次元へと引き上げるものです。 ここからは、その4つの特徴を一つずつ詳しく見ていきましょう。 特徴1:キャラクターの一貫性維持 物語のイラストやブランドのキャラクター制作において、画像生成AIが抱えていた最大の課題の一つが「同じキャラクターを別のシーンで描かせると、顔や服装が変わってしまう」という点でした。 Nano Bananaは、この「一貫性」の問題を解決。生成した人物やペットなどの外見的特徴を記憶し、複数の画像にわたって維持する能力が、従来モデルから大幅に向上しました。 この機能は、絵本や漫画の制作、広告キャンペーン用のビジュアル作成など、一貫したストーリーテリングが求められる場面で絶大な効果を発揮するでしょう。 特徴2:プロンプトベースの精密な画像編集 Nano Bananaの最も革新的な点の一つが、専門的な編集ソフトの知識を一切必要とせず、日常会話のような自然な言葉(プロンプト)で画像を自在に編集できる機能です。 例えば、画像内にある人や物を「画像の反対側に動かして」と指示して移動させたり、「この猫にバックパックを追加して」と新しい要素を描き加えたりすることが可能です。さらに、「背景を森に変えて」と命じれば被写体はそのままに背景だけを瞬時に差し替え、「宇宙服の色を青に変更して」と伝えれば特定部分の色や質感を自由に変更することもできます。これらに加え、「Tシャツの汚れを消す」といった写真のレタッチのような実用的な作業も簡単に行えます。 AIが画像全体の文脈と構造を理解してこれらの編集を実行するため、ユーザーは修正箇所を細かく選択する必要がなく、非常に自然な仕上がりとなります。 特徴3:ネイティブな世界知識の活用 Nano Bananaは、単に言葉の指示を画像に変換するだけではありません。物理法則や光の当たり方といった、現実世界に関する知識を「ネイティブに」理解し、それを編集結果に反映させるのが大きな特徴です。 その能力を象徴するのが「影」の自動描写。例えば、「ロビーの天蓋の下に影を追加して」と指示するだけで、Nano Bananaは光源の位置を自動で判断し、影の向きや濃さ、形を極めて自然に描き出します。 従来のツールでは光源の計算など手動での調整が必須だった高度な作業が、AIの持つ世界知識によって、一言の指示で完結するのです。 特徴4:複数画像の融合(マルチイメージ・フュージョン) Nano Bananaは、単一の画像を編集するだけでなく、異なるビジュアル要素を自然に融合させる高度な能力も備えています。ある画像のスタイルを別の画像に適用する「スタイル転写」や、全く新しい要素を違和感なく溶け込ませる「オブジェクト追加」などがその代表例です。 例えば、自分で撮影したペットの写真に「ゴッホ風のタッチで」と指示してアート作品に変えたり、「この風景写真にUFOを追加して」と命じてSF的な一枚を創り出したりすることが可能です。 この高度な融合は、AIが各画像の構図や質感まで深く理解しているからこそ実現するもの。これにより、単なる画像の切り貼りでは不可能な、一体感のある独創的なビジュアルを簡単な指示で作成できるのです。 Gemini 2.5 Flash Imageの具体的な活用事例(ユースケース) Nano Bananaが持つ、キャラクターの一貫性維持やプロンプトによる精密な編集といった革新的な機能群は、単なる技術的な進歩に留まりません。 それらは、ビジネスの現場から個人の創作活動まで、あらゆるクリエイティブ作業のあり方を大きく変える可能性を秘めています。その具体的な活用事例を「ビジネス」と「個人・開発者」という2つの側面から見ていきましょう。 ビジネス活用例 Nano Bananaの機能は、企業のクリエイティブ制作やマーケティング活動を劇的に効率化します。 その代表例が、広告やEコマースサイトにおける商品画像の量産です。一度撮影した商品写真に対し、「背景をスタジオ風に」「商品の色を青に」といった指示だけで、無数のバリエーションを低コストで生成。これにより、季節ごとのキャンペーンやA/Bテスト用の広告素材も、再撮影することなく迅速に準備できるようになります。 また、ブログ記事の挿絵やプレゼン用の図解なども、デザイナーに依頼せずスピーディに内製化することが可能に。「キャラクターの一貫性も維持できる」ので、企業のオリジナルマスコットを様々なシーンで活躍させる一連のコンテンツも、簡単に作成できるでしょう。 さらに、GoogleはGemini 2.5 Flash ImageがAdobeの生成AI「Firefly」および「Adobe Express」に統合されたことも発表しています。これにより、プロのクリエイターが多用するAdobe PhotoshopなどのCreative Cloud製品群においても、nano bananaの持つ高度な画像編集・生成能力が利用可能になり、制作ワークフローの革新が期待されます。 個人・開発者向け活用例 個人クリエイターにとって、Nano Bananaはアイデアを瞬時に視覚化するための強力なパートナーです。専門的なスキルがなくても、趣味の漫画でキャラクターの一貫性を保ったり、自分の写真からSNS用のユニークなプロフィール画像を生成したりと、質の高い創作活動が手軽に楽しめます。 一方、開発者にとっては、Nano BananaのAPIを利用することで、全く新しいアプリケーションを構築する道が開かれるでしょう。 例えば、ユーザーの写真にAIが編集を提案する写真加工アプリや、物語に沿ってAIが挿絵を生成する絵本作成サービス、さらには自分の写真を使ってECサイトの服をバーチャル試着するといった、革新的なサービスの開発が考えられます。実際に、GoogleのAI技術を活用したバーチャル試着はすでに実現されており、以下の記事でその実装方法が詳しく解説されています。 参考記事:誰でも簡単!GoogleのVirtual Try-Onを使ってバーチャル試着アプリを作ってみよう! また、nano bananaの技術はAPI提供だけでなく、GoogleレンズやNotebookLMといったGoogleの既存サービスにも順次統合されています。これにより、Googleレンズでの高度な画像認識や、NotebookLMでの学習ノート作成(資料内の画像の分析やノート用画像の生成など)が強化され、より身近なツールでその性能を体験できるようになっています。 Nano Bananaは、個人の創造性を解放するツールであると同時に、次世代のサービスを生み出すための強力な基盤ともなるのです。 Gemini 2.5 Flash Imageの始め方・使い方 Nano Bananaは、専門家でなくても気軽に試せる方法から、開発者が自身のサービスに組み込む本格的なAPIまで、幅広い利用方法が提供されています。 その利用方法を「無料での試用」と「本格的な開発」という2つのステップに分け、それぞれ解説していきます。 ステップ1:まずは無料で試す(Google AI Studio) Nano Bananaの高度な機能を試すのに、専門的な開発環境やプログラミング知識は必ずしも必要ありません。Googleが提供するウェブベースのツール「Google AI Studio」やGemini Appを利用すれば、誰でも無料でその性能を体験することが可能です。本記事ではGoogle AI StudioでNano Bananaを利用する方法を紹介します。 Google AI Studioは、GoogleアカウントでのログインだけでAIモデルをすぐに試せるプロトタイピングツールです。チャットのような画面で指示(プロンプト)を入力したり、手持ちの画像をアップロードして編集したりと、直感的な操作でNano Bananaの能力を確かめることができます。 赤枠部分に、生成したい画像のプロンプトを入力。Run Ctrlをクリックすれば生成が開始されます。 また、+マークからローカルに保存されたファイルをアップロードし、既存の画像を編集することも可能です。まずはこのツールで様々な指示を試し、AIとの「対話」が生み出す、新しい画像編集・生成の世界を体感してみてください。 ステップ2:本格的に開発する(APIの利用) Google AI Studioでの基本操作に慣れ、さらに本格的なサービス開発にNano Bananaを活用したい場合は、API(Application Programming Interface)の利用が不可欠です。APIを用いることで、自社のウェブサイトやアプリケーションにNano Bananaの画像編集・生成機能を直接組み込めます。 例えば、ユーザーがアップロードしたプロフィール画像に対し、AIが自動で複数のデザイン案を提案する機能。あるいは、Eコマースサイトで商品の背景を自動で切り抜き、別の背景と合成する機能などを実装できます。 開発にあたっては、Google AI for Developers公式サイトからAPIキーを取得し、提供されているドキュメントを参考にプロジェクトを進めてください。 Gemini 2.5 Flash Imageの性能を検証 Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)が持つ、プロンプトの指示を忠実に再現する能力はどれほどのものなのでしょうか。今回、その性能を確かめるため、より複雑な指示を理解する必要があるプロンプトで、実際に画像を生成してみました。 指示(プロンプト)は「浮世絵風、東海道五十三次のようなタッチで、江戸の平穏な街並みに突如現れた現代の宇宙飛行士。宇宙船から降りてきた飛行士を、江戸の人々が大変驚いて見ている様子」という内容です。 比較対象には、同じGeminiファミリーで思考や推論を得意とするモデル「Gemini 2.5 Pro」を使用しました。Gemini 2.5 Proで生成したところ、約30秒を要し、宇宙飛行士が画像の中央にいなかったり、宇宙船が不自然に小さく描かれたりと、指示との間に若干のずれが見られました。 一方、Nano Bananaで生成したところ、生成時間はわずか約10秒に短縮。さらに、宇宙飛行士や驚く人々といった要素が指示通りに配置され、テーマである「浮世絵」のタッチや色使いも見事に再現されました。生成した画像は以下のとおりです。 (左:標準Gemini 2.5 Proの生成結果、右:Nano Bananaの生成結果) この結果から、画像生成タスクにおいては、Nano BananaはProモデルと比較しても、生成速度と指示の読解精度の両方で非常に優れた性能を発揮することがわかります。個人的な見解としては、複雑な画像生成においては、思考や推論よりも画像に特化したNano Banana(Flash Image)の方が適している場面が多いと感じました。 Gemini 2.5 Flash Image APIの料金体系 Nano Bananaは、非常に優れたコストパフォーマンスも大きな魅力です。Googleの公式情報によると、APIを利用した際の料金は、画像1枚の生成・編集あたり0.039ドル(1,290出力トークン相当)に設定されています。これは、例えばOpenAIの主要モデルである「DALL-E 3」のAPI利用料金が標準解像度で画像を1枚生成するのに0.04ドルかかるのと、ほぼ同等の価格帯です。 参照:Gemini Developer API の料金 テキストの入出力など画像以外の処理には別途料金が発生するものの、高性能な画像編集機能をこの価格帯で利用できる点は、多くの開発者や企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。 おまけにChatGPT 5(DALL-E 3)で生成した画像も載せておきます。 まとめ Gemini 2.5 Flash Image、通称「Nano Banana」は、単なる画像生成ツールを超えた、創造的な対話が可能なパートナーと言えるでしょう。 特に、これまでのAIが苦手としてきた「キャラクターの一貫性維持」と「自然言語による精密な編集」という課題を克服した点は、大きな革新です。ビジネスにおけるマーケティングやコンテンツ制作の効率化から、個人のクリエイティブな表現活動まで、その活用範囲は計り知れません。 1画像あたり0.039ドルという手頃な価格設定も後押しとなり、今後私たちの身の回りでは、Nano Bananaを活用したサービスが数多く登場することでしょう。AIによる画像編集・生成の分野で、また一つ、身近で便利な選択肢が登場したと言えます。 その「ひらめき」、ビジネスの最前線ではどう活かされていますか? Google Cloud 生成 AI 活用事例集 「Nano Banana」に、多くの活用アイデアが浮かんだかと思います。では、ビジネスの最前線ではAIがどう成果を上げているのでしょう?本資料では、マーケティングや製品開発など、様々な分野で「生成AI」を活用し、ビジネスを革新した企業の成功事例をご紹介します。 資料ダウンロードはこちらから