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Google Agentspace:企業内情報を活用する AI エージェントの登場

こんにちは! クラウドエース エモーショナルエバンジェリストのラリオスです。

米 Google は、2024 年 12 月 14 日(米国時間)、企業内の情報を検索・活用できる AI エージェント「Google Agentspace」を発表しました。これは、企業がもつ膨大なデータを有効活用し、従業員の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めたツールとして注目されています。

1. Agentspace の概要

Google Agentspace は、Google のもつ高度な AI 技術(Gemini モデル)と検索技術を組み合わせ、企業のもつ様々なデータソースを横断的に検索・分析できるプラットフォームです。従業員は、単一のインターフェースから、企業内のあらゆる情報にアクセスし、必要な情報を迅速に見つけ出すことができます。また、AI エージェントが、複雑なタスクの計画、調査、コンテンツ作成、アクション実行を支援し、従業員の生産性向上に貢献します。

そして、Agentspace には、企業のニーズに合わせて選べる、3 つのエディションが用意されています。

  1. NotebookLM Enterprise エディション
    こちらは、文書の管理や分析に強みを持つ「NotebookLM」を、企業向けにさらにパワーアップさせたエディションです。企業で安心してご利用いただけるよう、セキュリティやプライバシー保護機能が強化されています。Google アカウントはもちろん、企業でご利用中の他の ID でのログインにも対応。さらに、企業のネットワーク環境に合わせた設定や、Google のエンタープライズ向けサポートもご利用いただけます。より高度なセキュリティ基準である SEC4 や HIPAA にも、2025 年の第 1 四半期に対応予定です。このエディションでは、重要な文書をアップロードして一元管理したり、文書の内容から重要なポイントを自動で抽出したりすることが可能です。
  2. Google Agentspace Enterprise エディション
    こちらは、企業内のあらゆる情報源を横断的に検索し、必要な情報をすぐに見つけ出してくれる、まさに「AI 秘書」とも呼べるエディションです。社内の様々なシステム(ファイル共有システムや顧客管理システムなど)と連携することで、まるで専属の秘書がサポートしてくれるかのように、必要な情報を迅速かつ的確に探し出してくれます。検索結果を単に表示するだけでなく、内容を要約したり、情報の出所を明示したりしてくれるので、情報の確認や理解もスムーズです。さらに、テキストだけでなく、画像や音声など、様々な形式の情報を検索できるのも大きな特長です。このエディションでは、「NotebookLM Enterprise」で管理している文書や、他のシステムと連携したデータを活用することができます。
  3. Google Agentspace Enterprise Plus エディション
    こちらは、「Google Agentspace Enterprise」の全機能に加え、さらにインテリジェントな機能が追加された最上位エディションです。「Google Agentspace Enterprise」の機能に加え、より複雑な質問への対応や、AI によるタスクの自動実行などが可能になります。例えば、「先月の営業会議の議事録を要約して」と指示した後、「その内容を基に報告書の下書きを作成して」といった、一歩踏み込んだ指示にも対応できます。さらに、「〇〇株式会社の担当者に、新製品の案内メールを送付」といったタスクを、AI が自動で実行してくれます。特定の業務に特化した、独自の AI アシスタントを作成することも可能です。もちろん、「NotebookLM Enterprise」で管理している文書や、他のシステムと連携したデータも活用できます。

日本語対応について
これらのエディションは、日本語にも対応しています(ただし、Audio Overview など一部機能は現時点では英語のみの可能性があります)。また、日本国内でも対応予定となっていますので、国内の企業様でも安心してご利用いただけます。

2. 何ができるのか

Google Agentspace は、従業員の生産性を向上させるために、以下の様々な機能を提供します。

  • 情報検索と統合:Google の高度な検索技術を活用し、企業内の様々なデータソース(Google Drive、Microsoft SharePoint、Confluence、Salesforce、ServiceNow など)から、必要な情報を迅速かつ正確に検索できます。構造化データと非構造化データの両方を統合的に扱うことができ、データの形式を気にせずに必要な情報にアクセスできます。
  • AI による分析とインサイト:Gemini モデルの高度な推論能力を活用し、複雑な質問への回答、データからのインサイト抽出、トレンド分析などを実行できます。NotebookLM Enterprise と連携し、アップロードされたドキュメントから情報を合成し、インサイトを導き出すことができます。
  • コンテンツ生成とアクション実行:AI エージェントが、プレスリリースの作成、プレゼンテーション資料の作成、メールの送信、会議のスケジュール設定などのタスクを支援します。ユーザーは、単一のプロンプトで、複雑なタスクを完了できます。
  • 多言語対応:組み込みの翻訳機能により、様々な言語で書かれた情報にアクセスできます。
  • マルチモーダル対応:テキストだけでなく、画像、音声、動画などのマルチモーダルな情報を処理できます。

3. ユースケース

Google Agentspace は、様々な業界や職種で活用できます。以下にいくつかのユースケースを挙げます。

  • ビジネス アナリスト:業界トレンドの発見、データに基づくプレゼンテーションの作成。
  • 人事担当者:新入社員のオンボーディング プロセスの効率化、福利厚生プランに関する情報提供。
  • ソフトウェア エンジニア:バグの早期発見と解決、システム最適化の支援。
  • マーケター:コンテンツの最適化、キャンペーンのパフォーマンス分析、ターゲットを絞ったキャンペーンの展開。
  • 営業担当者:ターゲット企業に関する情報収集、顧客への提案資料の作成。

4. 今後期待できること

Google Agentspace は、まだ初期段階のツールですが、今後の発展に大きな期待が寄せられています。以下に、今後期待できることをいくつか挙げます。

  • AI エージェントのカスタマイズ性の向上:ローコード/ノーコード ツールにより、専門知識のない従業員でも簡単に AI エージェントを構築・カスタマイズできるようになるでしょう。
  • より多様なデータソースとの連携:Salesforce、ServiceNow といった主要なアプリケーションだけでなく、さらに多くのデータソースとの連携が進むでしょう。
  • 他の AI モデルとの連携:Google の Gemini モデルだけでなく、他の AI モデルも活用できるようになることで、より高度な機能が提供されるでしょう。
  • 業界特化型エージェントの登場:特定の業界のニーズに特化した AI エージェントが登場し、それぞれの業界の業務効率化に貢献するでしょう。
  • 消費者向けへの展開:企業向けだけでなく、将来的には消費者向けの利用も視野に入れているようです。

5. まとめ

Google Agentspace は、企業がもつ膨大なデータを有効活用し、従業員の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めた革新的なツールです。AI エージェントが複雑なタスクを支援し、従業員はより創造的な仕事に集中できるようになります。また、企業の規模や業界を問わず、様々な場面で活用できる汎用性の高さも魅力です。
Agentspace の登場により、企業は、データドリブンな意思決定を迅速に行い、より競争力を高めることができるでしょう。今後の Agentspace の進化から目が離せません。

そして 私たちは Google Cloud のプレミア パートナーとして、常に Google Cloud の最新技術に注目しています。この Agentspace は、まさにゲーム チェンジャーと言えるでしょう。社内情報の活用は、企業の競争力を左右する重要な要素です。しかし、多くの企業が情報過多に悩まされ、必要な情報にアクセスできないという課題を抱えています。Agentspace は、この課題を解決するだけでなく、従業員のエンゲージメント向上、ひいては企業全体の成長に大きく貢献する可能性を秘めていると感じています。

特に、日本企業においては、暗黙知の共有やナレッジ マネジメントが重要な課題となっています。Agentspace を活用することで、ベテラン社員の知識や経験を若手社員にスムーズに継承したり、部門間での情報共有を促進したりすることが可能になるでしょう。

クラウドエースは、Agentspace の導入支援を通じて、日本企業のデジタル トランスフォーメーションを加速させていきたいと考えています。

ご興味のある方は、是非クラウドエースまでお問い合わせください。
https://cloud-ace.jp/general-contact/

注記:現時点で入手可能な情報に基づいています。Google Agentspace はまだ開発中のツールであり、今後、機能や仕様が変更される可能性があります。最新の情報は、Google の公式発表をご確認ください。

※Google および Google Cloud、Gemini、NotebookLM、Google Drive は Google LLC の商標です。
※SharePoint は Microsoft Corporation の商標です。
※Confluence は Atlassian Pty Ltd の商標です。
※Salesforce は Salesforce, Inc.の商標です。
※ServiceNow は ServiceNow, Inc.の商標です。

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