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「HACK WITH TOKUSHIMA 2024」レポート〜学生向けハッカソンイベントを開催〜

こんにちは、クラウドエース編集部です。
本記事では、2024 年 3 月 6 日〜8 日の 3 日間にわたって実施された学生向けハッカソンイベント、HACK WITH TOKUSHIMA 2024「地域の未来を支える新たな絆~徳島~」をレポートします。
今回のハッカソンは、大日本印刷株式会社(以下、DNP)、国立大学法人徳島大学(以下、徳島大学)、クラウドエース株式会社(以下、クラウドエース)、吉積情報株式会社(以下、吉積情報)のコラボレーションによって実現しました。
大日本印刷株式会社からは 7 名、クラウドエースから 4 名、吉積情報から 2 名がプロジェクトに参画。徳島大学にて、およそ 20 名の学生たちと徳島の地域課題を解決するための、熱いチャレンジが繰り広げられました。

コラボレーションのきっかけ

「HACK WITH」は全国の学生を対象に、地域の未来を支える新たな絆を創出するアイデアとプロトタイプを開発するイベントです。今回で 3 回目の開催となりますが、ありがたいことに DNP より私たちにご提案いただき、共催することとなりました。
また、クラウドエースの会長である吉積は徳島出身であり、徳島大学とも交流があることから、今回のコラボレーションおよび徳島でのイベントが実現しました。

「HACK WITH」のコンセプト

  • 学生を中心に地域、教育機関、企業が一体となり地域の社会課題を解決する。
  • 全国の学生のアイデアというエネルギーを集め、ハッカソンでアイデアをカタチにすることで社会全体を明るく元気にする。
  • 「HACK WITH」の各回の参加学生がコミュニティでつながり、新たな価値を創出する。

ハッカソンスタート!

1 日目 〜フィールドリサーチで課題を発見〜

アイデアの種を集めるために、徳島県の勝浦町と小松島市にてフィールドリサーチを実施。参加した学生たちは、徳島大学の北岡先生・石原先生より各地域の情報についてインプットしたのち、実際に地域の方々と交流し、地域の課題やニーズについて直接お話を伺う貴重な時間を過ごしました。それから、学生たちは現地での経験をもとに、それぞれが感じたことや発見した課題を共有し、ハッカソンで取り組むべきテーマや課題解決の方向性について議論を交わします。
実際に地域の実態にふれ地元の方々との対話を通じて、学生たちはより視野を広げることができ、課題を自分ごととして捉えられるようになったようです。
夜には懇親会もあり、参加者同士で親交を深められたこともあって、和気あいあいとした雰囲気のなかで活発な議論が行われ、その様子をみて「絶対に良いサービスが生まれる」と確信したスタッフもいたようです。
勝浦町 地域活性化協会 大友さまから勝浦町のビッグひな祭りについてのレクチャータイム

徳島大学 石原先生より説明を受けながら小松島市の港を散策

夜に開催された懇親会では、料理と会話を楽しみました

2 日目 〜アイデアをカタチに〜

1 日目で収集した地域の課題をテクノロジーの力で解決すべく、具体的なアイデアに発展させることを目標に取り組みます。ときにはお互いに思い切って正直な意見をぶつけ合い、真剣な議論が会場のあちこちでなされていました。そして、各チームでアイデアを整理し、独自の解決策を練り上げていきます。

チームごとにアイデアを発表し、ほかの参加者やスタッフからフィードバックを受けました。このプロセスでアイデアが洗練され、より具体的な開発方針が描きやすくなったと言います。

DNP とクラウドエースおよび吉積情報のエンジニアは、各チームの開発作業をサポートしました。学生たちは前線で活躍するエンジニアのアドバイスを受けながら、Google Cloud の AppSheet などを用い、アイデアを実現可能なサービスに落とし込む作業を開始します。

また、中間発表の時間では各チームが進捗状況を報告し、オーディエンスからの質問に答えることで、よりインタラクティブな雰囲気のなかで開発作業が行われました。
開発作業を進める参加者

3 日目〜最後のプレゼンテーションへ〜

イベントのクライマックスとなる開発サービスの発表会に向けて、参加者たちは資料の準備に取り組みます。なかには、前日の夜中まで熱心に開発作業に取り組んだ学生もいて、寝不足のため疲れた様子でしたが、それでも各自が最後まで一生懸命に取り組む姿が印象的でした。
各チームが 3 日間の開発成果を発表していきます。開発したサービスの説明にくわえて、なぜその課題に着目し、どのように解決しようとしたのかなど、それぞれのチームが地域課題に対する独自のアプローチをプレゼンテーションしました。

各チームの発表

今回参加した 4 チームのうち 3 チームは徳島大学の学生で、1 チームは東京からこのイベントのために徳島まで来た東京海洋大学の学生で構成されていました。

最優秀賞は チーム GI でした。徳島県勝浦町のみかんが特産品であるにもかかわらず、認知度が低いという課題に着目し、需要と地域の特色を結びつけるためのアプリを、Google AppSheet を用いて開発。このアプリではみかんの購入、加工品の注文、みかんを使用したレシピの投稿や参照、さらにはみかんの木の購入も世界中から可能になります。
このアプリのポイントは、ユーザーは購入したみかんの木を育てている生産者が投稿した成長過程のコメントや、写真を見られることです。これによりユーザーは生産者とのつながりを強く実感し、地域への関心を高めることができます。
特産品を活用し、地域経済を活性化させるための創造的なアプローチをとった革新性と、実現可能性が審査員から高く評価され、副賞として 10 万円分のギフト券が贈呈されました。

【最優秀賞】
チーム:GI(徳島大学)
「Mikan Store」
​〜勝浦町の特産品の需要と地域の特色をつなげるストア〜
みかんの購入からレシピ集の参照まで一連の流れを詰め込んだアプリ

【優秀賞】
チーム:前向き☆パラダイス(徳島大学)
「わたカツ!」
〜勝浦町と若者の絆を深めるスタンプラリー〜
若者世代の増加による地域活性化を期待できるアプリ

【優良賞】
チーム:MPE(徳島大学)
「パナシス」​
〜個人向けのお手伝いマッチングサービス〜
地域貢献、地域の絆を深めるお手伝いアプリ

【入賞】
チーム:NePP(東京海洋大学)
「クエストをこなして勝浦の魅力を知ろう」
〜地域の住民と観光客を繋ぐクエストやスタンプラリー〜
AppSheet を使わず、独自に開発したアプリ

参加者の声

最優秀賞チームの 3 名
なんと全員が徳島大学の 1 年生

参加した学生の声

「ハッカソン」と聞くとプログラミングをがっつりやるイメージで…。私は文系のためイベントへの参加を迷っていましたが、「地域創生」というキーワードにひかれて参加を決めました。今回の参加で* App Sheet を使い、ノーコードでアプリ開発ができることを体験できたので、個人でもなにか作ってみようと思っています。

一見、地域創生とテクノロジーは関連性が乏しいように思えますが、実際に参加してみると、地域の課題を解決するための新しいアプローチや、地域とテクノロジーの組み合わせの可能性を感じられました。

企画からプログラムの実装まで一連した作業を短期間で体験したことで、アイデアが形になっていくのを実感でき、チームで行うことで大きな達成感があり…。忘れられない思い出です。

学校という枠を超え、ビジネスの第一線で活躍しているエンジニアの方々から現場でのナレッジを交えたアドバイスをいただき、とても勉強になりました。

*コードなしでアプリケーションを構築、拡張可能にするツール。
詳細はこちら https://cloud.google.com/appsheet?hl=ja
DNP が制作した HACK WITH ノベルティ
「全国で地域課題を解決し、社会全体を明るくしていく」がコンセプト

運営側の声

DNP の佐藤さまは、学生のサポートやイベント進行役として関わり、「今回のフィールドリサーチを通して体験したデザインリサーチは、エンジニアにとって極めて重要ですが、その価値がまだ広く認識されていない現状があります。このようなイベントを通じて、吸収力のある学生にデザインリサーチの重要性を伝え、将来のエンジニアリングにおける基盤を築いていきたいです」と話してくださいました。

「地域に足を運ぶことで得られる実地体験は非常に重要であり、その価値は計り知れません。短期間での集中的な体験は、学生の意識を変革し、私たち運営側も刺激を受ける良い機会となりました」と語るのは DNP の伊藤さま。このような取り組みが地域と学生の両方にとって有益であると考え、今後も継続的に開催していきたいとのことでした。

これが初の共催となった徳島大学も、今後もこういった取り組みを続けていきたいとのこと。担当された石原さまからは「学校だとどうしてもリソースに限界があるため、運営から開発まで一貫したサポートを提供していただき、とても助かりました。企業のサポートによって学生たちは学校内では得られない実践的な経験を積むことができたと思います。また、ビジネスの現場で活躍されているエンジニアの皆さんからの実用的なアドバイスは、学生にとって大きな刺激になったと思います。皆さんの経験や知識から学ぶことで、学生たちの技術力や問題解決能力が向上し、将来のキャリアにも良い影響があるのではないでしょうか」とお話しいただきました。

「今回のテーマは『地域の未来を支える新たな絆』でしたが、素晴らしい成果が出たと思います」と語るのは、吉積情報の伊藤。
「特に 2 日目のアイデア発表後の感想やチーム間のコラボレーションが印象的で、各チームの課題設定や構想がバラエティに富んでいて面白かったです。技術面では、AppSheet の学習期間が短いなかでも、サポートメンバーの支援や学生さんたちの試行錯誤により、多くのことを実現できたことが喜びでした。テクノロジーの力が実生活で直接的に役立ち、そのワクワクを体験できたこと。これが、学生さんにとっての財産になってくれたら最高ですね。このようなスピード感で形にできる取り組みがもっと増えるといいなと思っています」

この記事では、「地域の未来を支える新たな絆」をテーマに、産学共同で 実施した 3 日間にわたるイベントの様子をご紹介しました。クラウドエースは今後も地域社会との連携を強化し、革新的なアイデアと最新技術を活用して、地域の発展と持続可能性に貢献していきます。

ハッカソンイベントについてのお問い合わせはこちら

クラウドエース株式会社 事業推進本部 マーケティング部
event@cloud-ace.jp

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※Google Cloud、AppSheet は Google LLC の商標です。

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