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文字起こし業務を大幅に改善!文字起こしエディタ「もじこ」とは?

こんにちは、クラウドエース編集部です。

「もじこ」というサービスをご存知でしょうか。
もじこは、株式会社TBSテレビが開発した「文字起こしエディタ」で、番組製作の現場において必ず発生する文字起こしの業務をAIとアイディアによってシステム化したサービスです。TBSテレビが文字起こし業務の改善を目標に3年間の検証・改善を繰り返し、2019年 3月1日にTBSテレビ社内でリリースされました。

もじこによって、文字起こし業務は何が変わるのでしょうか。今回のコラムでは、もじこのサービス概要、そして魅力について説明します。

(2020/09更新)吉積情報株式会社がもじこの代理店販売を開始

2020年9月23日、弊社グループ会社の吉積情報株式会社が「もじこ」の代理店販売を開始しました。今後、放送局に限らず、あらゆる業種・業界の文字起こし業務の改善に「もじこ」を活用することが可能になります。もじこに関するお問い合わせについては公式ページから行うことが可能です。

プレスリリースについてはコチラをご参考ください。

文字起こし業務の現実とは

ニュース、バラエティ、情報番組等、私たちが普段テレビで見る放送コンテンツは、実は文字起こし業務によって成り立っています。なぜなら、番組製作は取材した音声を一言一句文字起こしした内容をベースに構成されていくからです。しかしながら、文字起こし業務の作業量は膨大で、多くの時間が文字起こしによって費やされています。本来クリエイティブな業務に価値を持つ放送業界において、それは大きな損失です。

もじこは放送局のニーズを取り入れたサービス

もじこは、取材した音声・動画ファイルを音声認識AIによってテキスト化し、その内容を簡単に修正・編集できるようにしたサービスです。AIと人による2重チェックにより、精度の高い文字起こしを実現します。AIによる自動化により文字起こしの業務が効率化され、結果として業務時間の削減にも繋がります。

また、もじこはTBSテレビが開発しているため、以下のような放送局ならではのニーズも取り入れています。こうした現場の要望を取り入れてサービスを開発できるのも、もじこの強みであると言えます。

  • タイムコードと連携したい
  • 話者の情報を記入したい
  • 放送で利用したい発言に印をつけたい
  • 誤変換を即時修正したい
  • シーンの説明を入力したい

サービスの特徴

前述した通り、もじこはAIによってテキスト化された文章を音声・動画ファイルを視聴しながら即時に修正することができます。これは他の音声解析サービスにはないもじこの魅力の一つです。また、もじこにはサービスとして、以下のような特徴を持っています。

  • 120ヶ国語に対応
    もじこは120ヶ国語に対応しているため、日本語以外のインタビュー音声・動画ファイルについても、文字起こしが可能です。対応言語の多様さは他のサービスにはない もじこ の大きな強みです。
  • 多くの音声認識AIに対応
    Google や Microsoft、アドバンスト・メディア社等、大手の音声認識エンジンを自由に選択することが可能です。ユーザは好みの精度によって認識エンジンを選択することができます。各社の音声認識AIは日々精度を増していますので、精度を確認しながらその時の優れたエンジンを選択できる もじこ の柔軟性はユーザにとって大きなメリットです。
  • 音声・動画ファイルを視聴しながらテキストの修正可能
    音声認識AIによってテキスト化された文章を音声・動画を視聴しながら修正することができます。おかしな文章、聞き直したい箇所があれば、繰り返し再生しながら適切な修正を行うことができます。もじこ は現場の声を取り入れて開発されているため、文字起こし作業者にとって非常にユーザライクなUIになっています。
  • テキスト変換のスピードが早い
    音声・動画ファイルからテキストを変換するスピードが優れているため、すぐに修正作業にあたることができます。人間手動で行う業務と比較すると、その差は歴然です。
  • インターネットがあればどこからでも接続可能
    もじこはブラウザベースのアプリケーションであるため、インターネットに接続していれば、どこからでも利用可能です。結果もクラウド上に出力されるため、全ての作業がクラウド上で完結します。

AIは間違えることを前提にしているのが大きな強み

TBSテレビは3年間の試行錯誤の中で、現場への取材を重ね「文字起こし業務において本質的に何を改善すべきなのか」の解決に取り組んできました。その過程の中で「音声認識で誤認識が完全に無くなることはない」というポイントに着目し、「AIで文字起こししたテキストを素早く修正できる」という機能を もじこ に実装しました。
AIのメリット・デメリットを理解しているからこそ、「AI」と「人」それぞれの強みを取り入れたサービスを開発することができたと言えます。

もじこの実績

もじこは TBS を含め、JNN16 社で導入されています(2020 年 1 月 14 日現在)。 1か月間で、約 1500 時間(187 日と 5 時間 ※一日 8 時間勤務換算)の労働時間を削減したという実績もあります。今後は代理店経由で販売を行って行くということも決まっています(※1)。

※1 現在は代理店販売は行われていません。

もじこは GCP と Google Workspace で構築されたサービス

もじこは Google Cloud Platform 上で構築されたWebアプリケーションです。
Google Workspace (旧 G Suite ) アカウントの認証によってユーザは管理され、もじこの解析結果は Google ドライブ上に出力されます。
音声解析AIを除くと、もじこはフル Google クラウドなサービスであると言えます。また、音声認識AIについては複数のサービスを搭載していますが、その中でも Google の Speech-to-Text API は特に精度が高いとの評価をいただいています。
YouTube 等、数多くのコンシューマー向けサービスを展開し、莫大な学習データを保持している Google だからこそ、このような高い精度を出せるのかもしれません。

Cmosy との連携

前述した通り、もじこ は Google Workspace と連携して動作するWebサービスです。
吉積情報株式会社は、もじこ と同様に Google Workspace ( Google ドライブ )と連携して動作するファイル共有サービス「Cmosy」を提供しています。
Cmosy を利用することで、もじこによって出力された結果ファイルを Cmosy 経由で安全に社外共有することができます。また、前述した通り Cmosy は もじこ と同様に Google Workspace アカウントによってユーザを管理することができるサービスであるため、もじこ の利用ユーザはそのまま Cmosy を利用することが可能です。

もじこの今後の展開

もじこは現在進行形で進化を続けているサービスです。現場の声を聞きながら日々成長を遂げています。次のマイルストーンとして、以下機能の開発を進めています。

  • もじぱ(=文字がパッ!と出る)
    もじぱ は「もじこ」の技術を活用したリアルタイム字幕作成システムです。生放送データに字幕を付与することを目標に現在開発を続けています。
  • モジオ(=スタ【ジオ】収録番組の「【もじお】こし」&【ラジオ】)
    モジオ はバラエティ、トーク番組等のスタジオ収録番組やラジオ番組の話者識別文字起こしを行うためのシステムで、こちらも現在開発中のシステムです。
  • もじダス(=字幕を出す)
    もじこを活用した話者別の制作字幕を作成するために開発中のシステムです。

もじこ はTBSテレビの業務改善を行うためだけでなく、放送業界全ての文字起こし業務を改善するために開発されたサービスです。今後、もじこの発展が放送業界全体の業務改善に繋ることが期待されます。今後の もじこ の動向については、本コラムでも追って報告させていただきます。

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