- クラウドサーバーの選び方
【2022年】AWS、Azure、GCP の無料枠とクーポンを比較
こんにちは、クラウドエース編集部です。
クラウドサービス選びで迷った際に、ひとつのポイントとなるのが無料枠の有無です。各クラウドでは、初回登録者に向けた無料クーポンを発行したり、特定のプロダクトを制限付きで無料提供したりしています。
今回は、代表的なクラウドサービスである AWS 、Azure、GCP における無料クーポンや各種プロダクトの無料枠について紹介していきます。
3大クラウドの無料クーポン・無料枠の特徴
まずは、AWS、Azure、GCP、それぞれの無料クーポン・無料枠の特徴について見ていきましょう。
AWS(Amazon Web Services)
AWS では、以下の 3 つのタイプの無料枠が用意されています。対象となるプロダクトはそれぞれ異なります。
- 使用量上限まで常に無料
- アカウント登録から 12 か月間使用量上限まで無料
- 短期間の使用量上限まで無料トライアル
AWS には Azure や GCP のように、初回登録者向けの無料クーポンは用意されていません。また、各無料枠や無料期間を超過して利用した場合には、自動的に課金に切り替わってしまうため、注意が必要です。
Microsoft Azure
Azure では、以下の 3 つのタイプの無料枠が用意されています。
- 使用量上限まで常に無料
- アカウント登録から 12 ヶ月間使用量上限まで無料
- 30 日間有効な 200 ドル 分のクーポン
Azure の特徴は、最大 30 日間利用できる、 200 ドル分のクーポンが用意されていることです。Azure 無料アカウントに登録することでクーポンが付与され、各種有料プロダクトをトライアルできます。
200ドル分を使い切った場合や、30 日を過ぎた場合にはサービスの提供が停止されますが、従量課金制に切り替えることで継続利用が可能です。自動で課金されることはないため、安心して利用開始できるでしょう。
GCP(Google Cloud Platform)
GCP では、以下の 2 つのタイプの無料枠が用意されています。
- 使用量上限まで常に無料
- 90 日間有効な 300 ドル 分のクーポン
GCP のメリットは、最大 90 日間利用できる 300 ドル分のクーポンが用意されていることです。無料トライアル期間は、GCP への登録が完了すると自動的に開始されます。
Azure 同様に、300 ドル分を使い切った場合や、90 日を過ぎた場合に自動で課金されることはないため、安心して利用開始ができます。
そのほか、GCP では 20 以上のプロダクトを毎月の上限枠まで期間の制限なく無料利用することも可能です。AWS、Azure と違ってアカウント開設から何ヶ月後までという制限がないので、GCP の無料枠のみで簡単なサービスを構築することも可能です。
無料枠が用意されているプロダクト
続いては、各クラウドサービスにおいて、無料枠が用意されている代表的なプロダクトを紹介していきます。
仮想マシン
まずは、クラウド利用において基本的なサービスとなる仮想コンピュータについてです。各クラウドにおいて、以下の無料枠が用意されています。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | Amazon EC2 | Azure Virtual Machines | Compute Engine |
無料期間 | 12 ヶ月間 | 12 ヶ月間 | 無期限 |
月間の使用上限 | 750 時間 | 750 時間 | 750 時間 |
条件 | t2.micro または t3.micro インスタンス |
B1S インスタンス | e2-micro インスタンス |
仮想コンピュータ利用時には、別途データを保存するブロックストレージやネットワークも使用することになるでしょう。そのため、関連する他のサービスの無料枠もチェックしておくことが大切です。
サーバーレスサービス
サーバーレスサービスとは、イベントをきっかけとしてコードを実行するシステムを構築するサービスで、FaaS とも呼ばれます。各クラウドサービスでは、以下のように上限を設けて無料枠を用意しています。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | AWS Lambda | Azure Functions | Cloud Functions |
無料期間 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
月間の使用上限 | 100 万件の実行回数/320 万秒の コンピューティング時間 |
100 万件の実行回数/40万 GB 秒の コンピューティング時間 |
200 万回の実行回数/40万 GB 秒、 20万 GHz 秒のコンピューティング時間 |
なお、「GB秒のコンピューティング時間」とは、関数が実行される秒数に消費された RAM メモリの量を掛けた値を、「GHz 秒のコンピューティング時間」とは、関数が実行される秒数に使用された CPU のクロック数をかけた値を示します。
アプリケーション基盤(PaaS)
続いては、アプリケーション開発基盤についてです。それぞれ、以下の内容の無料枠が用意されています。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | AWS Elastic Beanstalk | App Service | App Engine |
無料期間 | 無期限 | 無期限 | 無期限 |
内容 | 仮想マシン、関連するストレージ、ネットワークリソースの使用分に対して課金 | 10 個の Web、モバイル、または API アプリ、1 GB のストレージ | 1日あたり28 時間分の「F」クラスのインスタンス、9 時間分の「B」クラスのインスタンス |
AWS Elastic Beanstalk では、アプリケーションの保存や実行に必要な AWS リソースの利用に対して料金が発生します。Amazon EC2 や Amazon S3 などの無料枠を参考にしましょう。
コンテナ基盤
コンテナ基盤については、各クラウドサービスで複数のプロダクトが提供されています。それぞれ、以下のプロダクトを無料で利用することができます。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | Amazon Elastic Container Service | Azure Kubernetes Service | Cloud Run |
無料期間 | 無期限 | 無期限 | 無期限 |
内容 | 仮想マシン、関連するストレージ、ネットワークリソースの使用分に対して課金 | 仮想マシン、関連するストレージ、ネットワークリソースの使用分に対して課金 | 1ヶ月あたり200 万リクエスト、36万 GB 秒のメモリ、18万 vCPU 秒のコンピューティング時間、1 GB の北米からの下りネットワーク |
AWS やAzure では、アプリケーションの保存と実行の際に利用されるリソースの利用に対して料金を支払います。それぞれの仮想マシンやストレージサービスの無料枠をチェックしてください。
オブジェクトストレージ
ここからは、ストレージサービスについて見てみましょう。まずは、オブジェクトストレージの無料枠についてです。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | Amazon S3 | Blob Storage | Cloud Storage |
無料期間 | 12 ヶ月間 | 12 ヶ月間 | 無期限 |
容量 | 5GB | 5GB | 5GB |
なお、オブジェクトストレージは、利用開始時に容量を決めず、実際にデータを保存した容量に対して課金される仕組みとなっています。
ブロックストレージ
続いてはブロックストレージについてです。仮想コンピュータの HDD としても使用されるため、容量をよく確認しておきましょう。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | Amazon Elastic Block Storage(EBS) | Managed Disks | Persistent Disk |
無料期間 | 12 ヶ月間 | 12 ヶ月間 | 無期限 |
容量 | 30GB | 64 GB x 2 | 30GB |
なお、ブロックストレージは、オブジェクトストレージのように利用料に対して課金されるのではなく、最初に使用する容量を決め、その容量に対して料金が決まります。
ファイルストレージ
最後に、ファイルストレージの無料枠についてです。それぞれの無料容量・期間は以下の通りとなります。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | Amazon EFS | Azure Files | Cloud Filestore |
無料期間 | 12 ヶ月間 | 12 ヶ月間 | 無期限 |
容量 | 5GB | 5 GB | 1GB |
なお、Google では無料で 15GB まで利用可能なストレージサービス「Google Drive」も提供しています。
データウェアハウス
続いては、ビッグデータの分析などで利用されるデータウェアハウスについてです。それぞれ、以下の内容を無料で利用することができます。
AWS | Azure | GCP | |
---|---|---|---|
サービス名称 | Amazon Redshift | Azure Synapse Analytics | BigQuery |
無料期間 | 2 ヶ月間 | ー | 無期限 |
内容 | DC2.Large ノードの使用が月間 750 時間無料 | ー | 月間 1 TB のクエリ、10 GB のストレージが無料 |
Azure の Synapse Analytics では、現在無料枠の提供は行われていません。
まとめ
ここまで、各クラウドサービスの無料枠や無料クーポンについて紹介してきました。本記事を参考にしながら、無料枠を活用してクラウドサービス選びをしてみてください。
法人利用での無料枠を超える GCP のご利用につきましてはぜひクラウドエースまでご相談ください。
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