ヤッホーブルーイング株式会社

ヤッホーブルーイング株式会社

  • 伴走型支援(Cloud Booster)
  • AI・機械学習
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  • クラウドネイティブアプリケーション開発
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  • 技術支援・開発
  • トレーニング
  • 流通・小売
  • 製造

非エンジニアでも内製でクラウド上に ETL 環境構築を成功できた秘訣とは

ヤッホーブルーイングは、長野県の軽井沢に本社を置くクラフトビールの製造メーカーで、「ビールに味を!人生に幸せを!」をミッションに掲げ、日本のビール市場に新たなビール文化を提供しています。そんなヤッホーブルーイングでは、約 2 年前クラウドエースの支援の元、非エンジニアのチームでありながら自社製品の需給管理システムを内製でクラウド上に構築をしました。今回はそのデータ基盤の根幹を支える *ETL 部分を Cloud Build を用いて、内製で構築されたお話を伺いました。

(左から)
クラウドエース株式会社
技術本部 システム開発部
リーダー 吉村 恒平

株式会社ヤッホーブルーイング
システム管制塔(情報システムユニット)
岸 拓郎 様
荻野 直人 様

クラウドエース株式会社
技術本部 システム開発部
大平 蓮

需給管理システムの内製化を決意


岸様:
当初、弊社では製品の製造、出荷、在庫管理などをするための需給管理システムを Google のスプレッドシートを中心に関数や Google Apps Script を用いて独自に作成をしたものを使っていました。継ぎ足しに継ぎ足しを重ねていたため、シートが何層にも分かれたものになってしまっていました。
そして、スタッフが入れ替わるなかで完全にブラックボックス化していき、誰も裏の仕組みが理解できておらずメンテナンスもできない状態、さらには新しい倉庫要件などが出てきたときに拡張性がないことが見えていました。

それらを踏まえて、2019 年の秋頃からこれらの課題を解決すべく、システム構築をアウトソーシングする方向で検討を開始しました。しかし、弊社の求めている要件が特殊だったこともあり、数社からお見積もりをいただく中で、予算内で進めることが難しいことがわかりました。

行き詰まってしまい、どうしようか悩んでいた際に、スプレッドシートは活用しつつ、データベースの部分をGoogle Cloud に移行するように作り直せば、コストを抑えつつマイクロシステム化できるのではないか、という案が出ました。

そこでクラウドエースに相談したところ、「できますよ!むしろコア領域は自社で内製化した方が、市場競争力が高まるんじゃないか。」と心強い声をいただきました。一方、自社でシステムを構築する経験値が低かったこともあり、クラウドエースには内製化の支援を依頼しました。
システム開発経験のない非エンジニアの 3 名で、勉強をしながらプロジェクトを進めることになり、私自身もシステム部門に配属されて 1 ヶ月ほどだったので、本当にこのプロジェクトを成功させられるのか不安でしたが、クラウドエースの支援のもと成功を納めることができました。

業務を分かっている人が一番使いやすいかたちにできる、というシンプルな発想


吉村:
「できますよ!」とお伝えしたのは、使う人が作ったらより使いやすいものができますよね、というシンプルな発想に基づいています。
理想かもしれませんが、このシンプルな発想に基づいて進めることができれば、DX(デジタルトランスフォーメーション) やデベロッパーエクスペリエンスを最大化する仕組みやシステムを作り上げることができると思っています。
クラウドブースターでは「どうしたら使う人が使いやすいものを自分たちで作り上げることができるのか」を追求するコンサルティングをしています。
今回もヤッホーブルーイング様にはそういった支援をさせて頂きました。
ナレッジ共有やスキルトランスファーを行うことによって、ご自身の力でシステムの改善や機能追加をして頂けるような、最も使いやすい究極の形まで持っていける力をつけていただくご支援をしました。

クラウドブースターとは?

データ基盤の根幹を支える ETL 部分を内製でクラウド上に移行を決意


荻野様:
ETL 以外にも取り組みたいことは沢山ありましたが、データ基盤の根幹を支える ETL 部分は重要度、緊急度ともに高く、全社に展開する上で必須な機能だったので、最優先のプロジェクトとして進めました。
もともと、ローカル PC 上で実行できるサードパーティ製の ETL ツールを利用していました。実行環境がクライアントの PC に依存していたため、その PC が壊れてしまったら一番大事にしているデータの部分が止まってしまうので、実行環境をなんとかクラウド上に移行させることで安定的に稼働できる状態を作り出したいと考えていました。
チーム内で知恵を振り絞り議論を重ねたのですが、出たアイディアが本当に構築できるのかが確証がなく、不安でした。また、並行して様々なツールを調査したり、デモをしていく中で、自分たちの要件と合わないということも分かってきて、なんとか自前で構築することはできないかと考えました。そこで前回、内製化で需給管理システム構築をご支援頂いたクラウドエースに、データ周りのシステム全体設計をお見せしながら、自社の思想にマッチした ETL の仕組みは何か、という相談からさせて頂きました。

岸様:
取り扱うデータは、オンプレミスのサーバー上で取得できる受注や売上のデータもあれば、SaaS から取り出すもの、取引先からメールで頂くもの、と様々で、まだまだデータソースの要件も増える見込みもあり、試しながら利用している段階でした。
一方、ローカル環境に依存してしまうと当然保守性、可用性に課題があり、クラウド移行を前提とし、乗り換え可能なマイクロシステムであること、かつ求める変換機能が備わったツールが必要になっていました。
加えて、まだまだ開発途上で、取り扱うデータの量もそこまで多くないため、迅速性、柔軟性のある小回りの利いた仕組みでスタートを切りたいという思いがありました。

更にコストを抑えるべく、GKE から Cloud Build へと方針転換

岸様:
元々、GKE のコンテナ環境で ETL のジョブを実行する方向で進めていましたが、非エンジニアのチームにとっては、まだまだ技術的ハードルが高く、知見として得られるものは大きかったものの ETL の課題に対しての打ち手としては採用しづらさを感じていました。
正直、当初は、”今回は難しいけど今後に向けた投資だな”、という割り切りも考えつつクラウドエースとのワークショップ初日を終えていたのを覚えています。
なので、GKE は発展的な可能性を感じつつも、本プロジェクトに最適なのかは少し疑問を感じていました。
そこを正直にお伝えする中で、クラウドエースから GKE ではなく、Cloud Buidを利用して既存の ETL ツールをクラウド上で実行する案を提案いただき、今の自社のステージにとっては一番いい方向性ではないかと思い、採用に至りました。


大平:
プロジェクトが開始し、お話をする中で GKE は使用していない時でも、常時使用コストがかかってきてしまうので、今回はよりコスト面での最適化を図るため Cloud Build への変更の提案をさせて頂きました。
非エンジニアのチームでいらっしゃるため、GKE より学習コストを抑えたかたちで活用することができました。

アジャイルでとにかくまずはやってみる!の第一歩に

岸様:
コスト削減が出来たのは述べた通りですが、ローカル PC 上でしか動かせなかった ETL のジョブをクラウド環境で実行できるように構築できたので、保守性、可用性も良くなりました。端末が故障した際、復旧作業に追われるリスクから解放されました。
また、IT の技術的なスキルがそこまで高くなくとも、運用可能な道筋がひとつ見えたのも大きな発見でした。
一方、今後 ETL の要件が増えてくるなかで、実行ジョブの作成にリソースがかかったり、技術ハードルを抱えるようになれば、IT ツールへの投資も前向きに考えています。自社の成長に合わせて、適した選択ができればと考えています。
そういった意味でも、自社要件を正しく理解し、アジャイルでまずやってみたのは正解でした。
今回のプロジェクトでいかにしてデータを導入するかという段階はクリアすることができたので、今後はデータ活用を通して、経営判断の材料として活かせるような運用をしていきたいと考えています。

内製化したシステムの改善サイクルを回していく

岸様:
チームの成長としては、機能単位で PDCA を回しながらクラウドエースと共に需給システムを構築していった経験を元に、今度はシステム単位と規模を大きくしていったり、改良を自分たちで行ったりと、どんどんやりたいことを見つけて、ブラッシュアップをしていくことができており、チームの成長を実感しています。
個人個人の能力でみても、これまでエンジニアリングに一切関わりがなかったような社員でも、このプロジェクトによってチャレンジする場を設けることができ、成果を出すことができるようになったのは、会社のリソース的な観点からも大きな成長だと考えています。
プログラミングや SQL における知識を通じて、現場の課題を解決していくための武器を手に入れることができ、視野も広くなりました。システム関連のことだけではなく、データ活用や分析などにおいても自分たちの能力を使えるようになってきた、というのは今後の会社の成長にとっても、大きなメリットだと感じています。

荻野様:
IT 企業ではないので新しい技術や、仕組みをビジネスに取り入れていくことへの不安が当初はありました。しかし、クラウドエースに支援して頂いたことによって、私たちだけでは選択できなかったところをサポートしてくださり、成功体験を重ねることができたことによって、チームとしての選択の幅を広げることができました。
AWS は使ったことがありましたが、Google Cloud は初めてだったので、ワークショップ中にハンズオンで、実際に触りながら教えていただいたことですぐに業務で実践することができたので助かりました。

吉村:
新しいプロダクトやソリューションは日々生まれていっているので、情報をキャッチアップし、常により良いものを探し、最適化させていくというサイクルを回すことで、初めてクラウド上でシステムを構築することの意味があると思っています。
今回は 4 回のワークショップで 1 ヶ月という短期間で、全体の仕組みの理解からツールの選定、実装までを行いましたが、これこそがクラウドエースが目指している「SI 2.0」であり、ヤッホーブルーイング様はこれから先もきっとこのサイクルを回して、大きく成長されていくと思っております。

今後に向けて

岸様:
今までデータが部門や個人にサイロ化している状態だったものを、ようやく BigQuery に集約していくことが出来ました。これまでの KPI は一つの部門ごとに持っているデータを見ていましたが、今後は全社戦略に基づいた指標から自部門の活動に繋がる KPI を持ち、様々なデータを掛け合わせることができるプラットフォームをつくり、新たなビジネスアイディアの創出や、課題解決に繋げていきたいと考えています。

荻野様:
やっとデータの基盤を作ることができたので、色んなデータベースを取り込んでいくことにより、ビジネス面でもっと還元していきたいと思っています。
ビールを楽しんでもらえる方がもっと増えるように、新しいビジネスの種を作ったり、既存サービスをグロースできるようになっていきたいと考えています。

新しい仲間も募集中!


IT スキルを持った人材も求めていきたいですが、ビジネスの観点から社内の現場ニーズを把握し、スタッフとも議論していけるような人材を求めています。
立場や役割に関わらずフラットに議論ができる文化があるので、IT チームと現場のチームが共同で同じ課題にコミットして成果をあげられるようなチームが理想です。
とくに、IT チームはデータのエンジニアリング領域しかしない、現場チームはビジネス領域しか見ない、ではなく、お互いがビジネス成果を目指してシームレスに連携ができる活動を目指していきたいです。それが弊社のような事業会社の醍醐味だと考えています。
ローコード開発やITの民主化が進んできたけれども、まだまだ技術領域で壁も感じるので、今回のように他社の知見やリソースをうまく活用させて、社内のビジネス改善に繋げていきたいと思います。

Google Cloud エンジニアの内製化なら

クラウドエースは、Google Cloud専門のシステムインテグレーターとしての技術力と知見を活かし、クラウド導入から設計開発まであらゆるご要望にお応えいたします。弊社の Google Cloud 技術支援サービス「 Cloud Booster」 では、経験豊富なエキスパートがご要望にあわせてフレキシブルに技術支援と共同制作を行い、プロジェクトの実現をサポートいたします。

Cloud Booster の詳細はこちら

Google Cloud とクラウドエースについて、さらに知りたい方は下記の資料をご覧いただくことをおすすめいたします。

GCP(Google Cloud)とクラウドエースのご紹介

*ETL ツールとは
ETLツールとは、組織の内外に散在するデジタルデータを抽出・収集(Extract)し、用途に応じて変換・加工(Transform)した上で、その先にある格納先に有用な情報として配信・送出(Load)してくれる、IT プロダクトのカテゴリーの一つです。

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