Web3.0ではDAOに参加して報酬をトークンで貰う!?どういう意味?
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こんにちは、クラウドエース編集部です。
IT 関連の話題において「 Web3.0 」「 DAO 」など、聞き慣れない言葉を耳にする機会も増えているかもしれません。
なんとなく「新しい技術を使った次世代のインターネットの世界」というイメージはあるものの、具体的にどんなものか説明するのは難しいと感じる方も多いですよね。
今回は、「 Web3.0 では DAO に参加して報酬をトークンで貰う」という文章を例に取り、それぞれの単語の意味や、これらの新しい技術により時代はどう変わっていくのかということについてわかりやすく解説していきます。
「 Web3.0 では DAO に参加して報酬をトークンで貰う」とは?
これからのインターネットの在り方が語られる際に登場する「 Web3.0 」「 DAO 」「トークン」といった言葉。
まずは、「 Web3.0 では DAO に参加して報酬をトークンで貰う」という文章で使用されている単語の意味を一つずつ分解してみましょう。
Web3.0 とは:分散型インターネットの時代
「 Web3.0 」とは、簡単に言えば「分散型インターネットの時代」のことです。
現代のインターネットの在り方は「 Web2.0 」と称されており、Web3.0 とは Web2.0 が抱える問題点を解消するような次世代の Web の仕組みと言えます。
現在の Web2.0 が抱える問題点とは、具体的には「情報が中央集権的で、GAFA を中心としたメガテック企業が権力を握っていること」と言えます。
Google や Apple といった巨大企業は、便利な機能を提供してくれると同時に、サービスの利用時に氏名やメールアドレス、Web 上の行動履歴といったデータを収集しています。
このような大手企業に個人情報が集中してしまうことにより、サイバー攻撃を受けやすくなることによるセキュリティリスクや、個人情報のプライバシーが独占されるなどの問題が指摘されています。
これらの問題を解消すると言われているのが Web3.0 です。
Web3.0 では、「インターネット上の取引データを不正なく記録できる」という特徴を持つブロックチェーン技術を活用して、中央に管理者を置かずにネットワークに参加しているユーザー同士が互いの取引をチェックし合うシステムを構築します。
これにより、Web2.0 が抱えている特定企業が個人情報を握ることによるプライバシーの問題や、情報漏洩のリスクを減らすことを目指すというものです。
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DAO とは:中央集権的な管理者がいないコミュニティ
DAO とは、Web3.0 により実現される新たな組織の形です。
DAO では、中央に権力者や管理者を置かず、ネットワークに参加するメンバー全員に対して同等の発言権を与え、民主的に意思決定を行います。
トップに社長などの代表者を立てずに運営できる「従来の株式会社に代わる新たな組織の形」としても注目を集めています。
「中央に権力を置かない」という Web3.0 の世界だからこそ成立する組織と言えますね。
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トークンとは:DAO に参加すると付与される暗号通貨など
トークンとは、仮想通貨においては「デジタルコイン」のことを意味します。
「Web3.0 では DAO に参加して報酬をトークンで貰う」という文脈においては特に、「ガバナンストークン」のことを指します。
ガバナンストークンとは、ある組織における意思決定権を持っていることを証明するために発行されるトークンのことです。
その組織のトークンを所有することで、運用方針などの意志決定に参加できるようになったり、取引手数料の一部がトークン保有者に分配されたりするのです。
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結論:「Web3.0 では DAO に参加して報酬をトークンで貰う」とは
それぞれの単語の意味がわかれば、冒頭の文章の意味も理解しやすくなるはずです。
「Web3.0 では DAO に参加して報酬をトークンで貰う」を噛み砕いて言えば、「ブロックチェーンを用いて実現される非中央集権的な組織への参加の権利・証明書として、仮想通貨を受け取る」と言えるでしょう。
Web3.0 での DAO を実現している技術
ここで、Web3.0 や DAO といった新たな仕組みを実現している技術について簡単に紹介します。
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、一言でいえば「暗号技術を用いて取引履歴を 1 本の鎖のように繋げて記録することで、改ざん不可能なデータ保存を実現する技術」のことです。
また、ブロックチェーンでは、1 つのデータがネットワークに参加している複数のコンピュータに分散されて保存されます。
ネットワークの参加者全員が同じ取引情報を共有する仕組みであるため、どこかで不正なデータの改ざんが行われたとしても、誰かがすぐに気づくことができるのです。
このような仕組みにより、Web3.0 では中央に管理者を置く必要がなくなります。
現在は Google や Amazon などの巨大企業を中心として情報がやり取りされていますが、ブロックチェーンを利用した Web3.0 では、ユーザ同士がネットワーク上で正確かつ不正のない形で直接やり取りを行えるのです。
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スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上にあらかじめ設定された条件に基づき、それが満たされた場合に自動的に取引が行われるという技術のことです。
DAO においては、スマートコントラクトは組織に集まった資金の使途や管理方法に関わる意思決定の際などに利用されています。
ある条件を設定しておき、例えば投票により賛成が過半数を超えるとその条件に基づいて自動的に意思決定が行われるということです。
民主的な組織運営を実現するための仕組みと言えます。
Web3.0 で DAO が発展する理由
最後に、Web3.0 と DAO の関係性について見てみましょう。
Web3.0 においてなぜ DAO が発展すると考えられているのでしょうか。
中央集権的な管理者がいない組織を実現できる
1 つ目の理由は、中央集権的な管理者がいない組織を実現できるためです。
先述の通り、現在のインターネットの世界では、GAFA をはじめとする巨大企業に権力が集中しています。
また、企業運営の在り方も、社長や経営者層の意思によって方針が決められる、株式会社という形が一般的です。
しかし、DAO では、参加者全員の多数決による民主的な意思決定が可能となります。
また、インターネット上で形作られる組織であるため、住んでいる場所や国籍、性別、年齢関係なく、すべての人が組織運営に参加できるようになります。
さらに、中央管理者を排除することで、取引におけるコストや処理にかかる時間を削減できるというメリットもあります。
このように、完全な民主主義の組織運営を実現できることが、Web3.0 で DAO が発展する大きな理由です。
意思決定や取引の透明性の維持が可能
2 つ目の理由は、取引の透明性の維持を実現できるためです。
ブロックチェーン上で運営される DAO は、すべての取引履歴が改ざん不可という形で記録・可視化されます。
現状の企業をはじめとする中央集権的な組織では、経営者層のみが集まる密室での会議で意思決定が行われることもあるでしょう。
これでは、なんらかの不正が行われたとしても、それを知ることは難しいです。
しかし、DAO では全ての意思決定プロセスや取引履歴がブロックチェーン上に記録され、全員に対して公開されています。
もちろん書き換えもできないため、不正も起こりにくいでしょう。
このように、組織の取引の透明性を維持できることも、DAO の大きなメリットの 1 つです。
トークンの発行で資金調達ができる
3 つ目の理由は、トークンの発行で資金調達ができるためです。
先述の通り、DAO では参加者に対して発行されるガバナンストークンを使用して意思決定が行われます。
このガバナンストークンは、意思決定の際だけでなく、組織の立ち上げ時の資金調達としても活用することができます。
例えば新たな DAO を立ち上げた際に、将来性が高いと期待されたり、共感を得たりできれば、ユーザーや投資家がトークンを購入してくれるのです。
また、将来的にその DAO の価値が上がればトークンの価値も上昇するため、その差益を目的に投資が行われるケースもあります。
このように、組織の立ち上げ時に法定通貨での資本金を用意する必要がなくなることが、Web3.0 で DAO が発展する理由の 1 つでもあります。
まとめ
ここまで、Web3.0 や DAO の仕組みについて詳しく紹介してきました。
新たな形のインターネットの在り方や、それによって作られる新しい形の組織体系について理解を深めて、新たなビジネスモデルの創出などに繋げてみてください。

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