2024 年 2 月 15 日(米国時間)、Google は Gemini の新たなバージョン『Gemini 1.5』を発表しました。 今回の発表は先進的な AI モデルの開発と応用における Google の継続的な取り組みを体現する内容となっており、先日発表となった Gemini Ultra 1.0 に続いて世界に衝撃を与える発表となりそうです。
Gemini 1.5 は、以前のモデルと比較して計算リソースを大幅に減らしながら、同等かそれ以上の性能を発揮することを目指しています。とりわけ長いコンテキストの理解能力においては顕著な進化を遂げたとされています。これによって、開発者や事業者は、より複雑で多様な AI アプリケーションの開発が可能になるということです。Gemini のアップデートによって AI がもつポテンシャルを最大限に活かした革新的なアプリケーションが次々と登場し、私たちの生活や仕事における利便性や生産性を飛躍的に向上させることが期待されています。
また、Gemini 1.5 Pro は Needle In A Haystack(NIAH)評価においても 99 %の正確性を示しています。これはコンテキスト ウィンドウが増加してもそのパフォーマンスを維持することができることを証明しており、トークンが増えたことで処理できる情報量が増えただけでなく、出力の精度・品質も高いということが言えます。
Google は AI 技術の革新が私たち人類にとって利益をもたらすことを前提とし、あらゆる安全性と倫理性の確保に取り組んでいます。Gemini 1.5 の開発、及びリリースにおいても安全性と倫理性は最優先事項として考えられています。広範な倫理と安全性のテストを実施し、その設計初期段階から、利用可能な最高の安全基準とガイドラインに沿って開発が進められてきました。具体的には生成内容への偏りの軽減や、プライバシーの保護、情報の透明性の確保なども含まれています。
また、Google と Deep Mind チームでは、Gemini 1.5 が社会にポジティブな影響を及ぼすために、様々なシナリオにおけるモデルの振る舞いを徹底的にシミュレーションし、テストや評価を行っています。モデルが不適切なコンテンツを生成したり、ハルシネーションを拡散するリスクを最小化するための対策も講じられています。このプロセスには、潜在的な安全リスクを特定し、対処するためのレッドチームの技術も含まれています。
さらに Google は Gemini 1.5 の責任ある使用を確実にするために、開発者と利用者に対してガイダンスとサポートを提供しています。これには、適切な使用事例の推奨や、倫理的な懸念に対応するためのリソースの提供、リスクを緩和するための教育プログラムなどが用意されています。
Gemini 1.5 のプレビュー開始と一般提供について
Google は、Gemini 1.5 のアクセスと利用を拡大するため、Google Cloud と Vertex AI を通じて一部のユーザーへのプレビュー提供を開始しました。
ユーザーは AI Studio や Vertex AI を介して Gemini 1.5 Pro モデルのプレビューとテストの機会にアクセスすることができます。プレビュー期間中、直感的なインターフェースを通じて、テキスト、画像、オーディオ、ビデオなど、複数のモダリティによる交差的な入力と生成が本番環境で 100 万トークンまで実行できます。これにより、コンテンツの生成、編集、要約といった従来の一般的な用途を越えて、より複雑なデータ分析やマルチモーダルなインタラクションの設計まで幅広い用途での活用が想定されます。
Google から Gemini のアップデート『Gemini 1.5』が発表されました。また、一部のユーザー向けに Gemini1.5 アップデートの中核となる Gemini 1.5 Pro が AI Studio や Vertex AI を通じてプレビュー提供が開始され、最大 100 万トークンのマルチモーダルなタスク実行が可能になりました。一般提供のタイミングは現時点では未定ですが、標準となる 128,000 トークンでの提供をベースに、最大 100 万トークンまでの料金プランの導入が検討されているとのことです。
最後に、本記事をお読みいただき、ありがとうございます。
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