日本政府における「Web3」の議論や動向まとめ

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こんにちは、クラウドエース編集部です。

2022 年、ニュースなどで耳にすることの多い「Web3.0 」。新たな時代のインターネットの在り方として、また新たな巨大なビジネス市場として世界で大きく注目を集めています。

今回は、日本政府の Web3.0 の推進について、直近の議論や動向についてまとめていきます。

「 Web3.0 」とは?

Web3.0 とは、簡単に言えば「分散型インターネットの時代」のことです。

情報の発信者と閲覧者が固定され、一方向であった「Web1.0 」、そして現代のアプリや SNS を用いて情報の発信者と閲覧者の双方向なコミュニケーションが可能となった「 Web2.0 」の次の次元のインターネットの在り方です。

Web3.0 の最大の特徴は、「非中央集権」であることです。Web2 では、Google や Apple などの巨大企業が中央に置かれ、そこに権力が集中していました。しかし Web3.0 では、書き換え不可能でデータの正当性を維持できるブロックチェーン技術を利用することで、中央に管理者を置かずに個人同士で情報のやり取りを行うようになります。

また、ブロックチェーン技術を活用することで、デジタル資産に替えが効かない「唯一無二性」を持たせることも可能となります。この仕組みを利用した代表的な例として、複製・改ざんができないデジタルデータの「NFT」が挙げられます。

日本政府による Web3.0 にまつわる政策・議論

現在、世界ではこのような新しいインターネットの在り方である「Web3.0」への移行が進んでいます。ここからは、日本においては、具体的にどのような取り組みが行われているのかについて見てみましょう。

【2021 年 9 月】デジタル庁の発足

2021 年 9 月、行政機関のひとつとして新たに「デジタル庁」が発足しました。

この省庁の主な目的は日本のデジタル化を推進することで、同庁の公式 HP には「デジタル社会形成の司令塔として、未来志向の DX を大胆に推進し、デジタル時代の官民のインフラを今後 5 年で一気呵成に作り上げることを目指します」と記載されています。

デジタル庁が取り組む具体的な施策はさまざまありますが、以下のような例が挙げられます。

  • 行政手続のオンライン化
  • データを誰でも扱いやすくする
  • 自由なデータ流通
  • 国際競争力の強化

このような施策を実現するためには、ブロックチェーン技術を使う Web3.0 への移行が必要不可欠と言えるでしょう。例えば、「行政手続のオンライン化」のためには、重要な個人情報が他人に改ざんされたり、不正入力されたりすることがあってはなりません。

また、デジタル庁で 2022 年 4 月に提出された次期重点計画の策定に向けてという資料では、追加が想定される主な事項のひとつに「Web 3.0 などの新技術を踏まえた施策の研究」が挙げられています。具体的には、「Web3.0 など新技術への対応として日本が出遅れているところを勉強していくべき」と記載されています。

もちろん、デジタル庁は Web3.0 の推進のみを目的としているわけではありませんが、日本での Web3.0 普及において重要な役割を担うでしょう。

【2021 年 12 月】「デジタル社会の実現に向けた重点計画」

2021 年 12 月、政府はデジタル政策の道筋を示した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」を閣議決定しました。今後の日本のデジタル政策は「デジタル庁が司令塔となり各省庁と連携して、策定した工程表に沿ってデジタル社会に合う形に法制度からシステム、データ基盤まで再構築する」ことが示されています。

さらに、2022 年 6 月にはこの計画が改定される予定で、その追加項目として「NFT に代表される Web3.0 のスタートアップ企業の振興を促すための政策対応」が挙げられています。

アニメやゲーム、漫画など多くのコンテンツを所有している日本において、デジタル資産に唯一無二性の価値を持たせる NFT を活用できれば、Web3.0 という新たな市場において世界をリードできるチャンスがあると期待されています。

【2022 年 3 月】「 NFT ホワイトペーパー」の承認

2022 年 3 月、自民党の NFT 政策検討プロジェクトチームが提出した「 NFT ホワイトペーパー」案が承認され、翌月には岸田首相に提言されました。

このホワイトペーパーでは「Web3.0 時代を見据えた日本 の NFT 戦略」として、今後の日本の NFT 分野に関するルールや、社会基盤の整備などを早急に行うべきと記されています。

岸田首相への提言では、「Web3.0 時代の到来は日本にとって大きなチャンス。しかし今のままでは必ず乗り遅れる」と指摘した上で、NFT の決済手段となる仮想通貨の高額な税制度など、ブロックチェーンを取り巻くエコシステム全体について規制を整備すべきだと説明されています。

また、提言書では諸外国との連携を深めるべきとも指摘されました。例えばアメリカでは、すでに国を挙げての NFT に関するルール整備が行われています。一方、日本では NFT に対しての規制がなく、どのような行為が違法になるのかなどの基準がないため、ビジネスが行いにくいという懸念の声が上がっています。

ホワイトペーパーが承認されたことにより、現状の日本が抱えるこのような課題を解消し、NFT 関連のビジネスを立ち上げやすい環境へと変わっていく可能性があります。

【2022 年 5 月】ロンドンで Web3.0 の推進を明言

2022 年 5 月、岸田首相は外遊先のイギリスで、銀行家や投資家に向けて日本への投資を呼びかけました。官民連携で社会課題を解決し、課題とされる分野に新たなマーケットをつくると語り、その中のひとつとして「制度改革を通じた、Web3.0 の推進」が挙げられました。

具体的には、「ブロックチェーンや NFT、メタバースなどにおけるビジネスの環境整備を行い、新たなサービスが生まれやすい社会を実現する」と述べられています。

Web3.0 に関する新たなデジタル経済圏の覇権をめぐっては、国際的な競争が広がっています。アメリカのバイデン大統領は 3 月にデジタル資産の研究開発の加速を命じ、イギリスでは 4 月に財務相が、イギリスを世界的なハブにする計画を発表しています。

日本がこの Web3.0 におけるビジネスの競争に引けを取らないためには、急速な環境整備が必要とされるでしょう。

【2022 年 5 月】自民党が「岸田トークン」を配布

2022 年 5 月、自民党が初めて NFT の「岸田トークン」を青年局での研修会で配布しました。

これは、政府の関係者が NFT に慣れることを目的に作られており、譲渡や売却はできず、出席の証明や記念バッジとして使われるとのことです。しかし今後は、NFT を使って会議の出席や意思決定、投票の場にも活用する可能性があるとしています。

また、自民党は Web3.0 の技術のひとつである「メタバース」を用いた「メタバース演説会」を 6 月に行いました。この演説会では、クラスターのメタバースプラットフォーム「Cluster」を活用することで、市民は街頭演説会場に足を運ぶことなく、演説の傍聴が可能となりました。

【2022 年 6 月】「骨太の方針」に Web3.0 環境整備を明記

2022 年 6 月、政府が策定する経済財政運営の指針「骨太の方針」において、Web3.0 の推進に向け環境を整備する方針が盛り込まれます。

これは、NFT に関する環境整備が各国で進められている中、日本の出遅れを防ぎ競争力を高めることが狙いです。現状の国内環境では、利用者保護や新技術を用いた取引の法的位置付けが不明確であったり、他の金融資産に比べ暗号資産の税負担が重かったりすることから、起業家の海外流出が相次いでいるという課題がありました。

環境整備が実現されれば、このような現状も改善され、次世代を見据えた新たな国家戦略に繋げられるでしょう。

まとめ

ここまで、日本政府の Web3.0 に関する動向について紹介してきました。 NFT やブロックチェーンへの理解が進み、税金制度の改正などが行われれば、国内においてもさらなる Web3.0 市場の成長が期待されます。

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