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【2022年最新】クラウドストレージの仕組みと主なサービス
こんにちは、クラウドエース編集部です。
今まで自社環境に保存していたデータをクラウドストレージに移行しようと考えている人も多いでしょう。クラウドストレージには、用途・目的によって使い分けられる 3 つのタイプがあります。
この記事では、3 種類のクラウドストレージについて解説し、各タイプにおける代表的なサービスについて紹介します。
目次
クラウドストレージには 3 種類ある
クラウドストレージには、大きく分けて以下の 3 つの種類があります。
- ファイルストレージ
- オブジェクトストレージ
- ブロックストレージ
上記は、データを保存するという目的は共通しますが、データを保持、整理、提示する方法や用途が異なります。
それぞれのストレージの内容と違いについて、詳しく見てみましょう。
ファイルストレージ
ファイルストレージとは、データをフォルダ内の「ファイル」という形式で階層的に整理し、保存するストレージです。
紙の書類をバインダーに整理するように、フォルダ内に情報の 1 ピースとしてデータを保存します。オフィスでは、多くの書類がキャビネット、引き出し、フォルダ、紙束といったように特定の決まりに基づいた階層に基づき整理されているはずです。ファイルストレージでも同様に、データはこのような階層構造に基づき保存されます。
ファイルストレージは最も歴史の長いストレージシステムであり、誰しも一度が利用したことがあるでしょう。Word や Excel といったファイルを保存・共有する場合に使用されるのもファイルストレージです。
ファイルストレージのメリットは、階層構造が取られているため、小中規模のデータであれば直感的に管理できることです。また、保存の際にはファイル名、作成日、サイズ、データの種類なども同時に保存されます。
オブジェクトストレージ
オブジェクトストレージとは、フォルダ内のファイルやサーバー上のブロックではなく、データを「オブジェクト」という単位で整理し保存するストレージです。
他のストレージとの大きな違いはデータの格納方法です。先述の通り、ファイルストレージではデータをフォルダ内で階層的構造で保存します。それに対してオブジェクトストレージは、保管場所となる空間に、階層構造ではなくフラットな状態で各オブジェクトを保管するのです。
各オブジェクトには「オブジェクトI D」と呼ばれる個別識別子が付与され、この ID を用いてデータを管理します。ファイルストレージでは、データを格納した階層やフォルダを覚えておく必要がありますが、オブジェクトストレージは ID さえわかっていればデータを取り出せます。
また、オブジェクトストレージではデータ量が増えた場合もノードを追加するだけでスケールアウトが簡単に可能です。そのため、大量データの保管に適していると言えます。
ブロックストレージ
ブロックストレージとは、データを任意の均等な大きさのボリューム(=ブロック)に切り分けて整理し保存するストレージです。
ブロックストレージは、3 つのストレージサービスの中でも特に応答時間が短く、データ取得が迅速であるため、更新頻度が高いデータの保存に向いています。具体的には、プログラムを用いた計算やアプリケーションの処理などに適しているでしょう。
また、各ブロックは独立して存在するため、異なる OS からでもアクセスできます。そのため、大規模なデータベースをデプロイする企業や、大規模な取引を実行する企業にも適しています。
主要ファイルストレージ5選
ここからは、各タイプのストレージの推奨サービスを紹介していきます。
まずはファイルストレージサービスを見てみましょう。ここでは、主に企業向けに提供されている代表的なファイルストレージサービスを紹介します。なお、本記事で記載する料金は全て月額料金となります。
無料プランの容量 | 月額料金例 | |
---|---|---|
Google ドライブ | 15GB | 680円/30GB 1,360円/2TB |
OneDrive for Business | 5GB | 540円/1TB 1,090円/無制限 |
Amazon Drive | 5GB | 250円/100GB 1,300円/1TB |
Dropbox Business | 2GB | 1,250円/5TB 2,000円/無制限 |
Box | 10GB | 550円/100GB 1,710円/無制限 |
それぞれのサービスについて、詳しく見ていきましょう。
Google ドライブ
Google ドライブは、Google によるファイルストレージサービスです。Google のグループウェアである Google Workspace の機能として提供されており、プランに応じて以下の容量を利用できます。
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また、個人で利用する場合には、無料で 15GB まで利用可能です。
そのほか、Google が提供するクラウドサービス GCP では、「FileStore」というファイルストレージサービスも用意されています。
よろしければこちらも合わせてお読みください Google ドライブと Google Cloud Storage を比較!GCP 構築時のストレージの最適解は? |
OneDrive for Business
OneDrive for Business は、Microsoft により提供されるファイルストレージサービスです。Microsoft が提供する Word、Excelなどの Office 製品と連携しやすいことが特徴です。
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また、個人で利用する場合には無料で 5GB のストレージを利用できます。Microfost が提供するクラウドサービス Azure では、「Azure Files」というサービスも利用可能です。
Amazon Drive
Amazon Drive は、Amazon により提供されるファイルストレージサービスです。100GB プラン、1TB〜10TB までの 1TB 刻みのプラン、20TB、30TB のプランが用意されています。料金目安は以下の通りです。
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なお、 Amazon 会員の場合は無料で 5GB まで、Amazon プライム会員の場合は写真を容量無制限、その他は合計 5GB まで保存可能です。
このほか、Amazon が提供するクラウドサービス AWS では、「Amazon Elastic File 」も利用できます。
Dropbox Business
Dropbox Business は、Dropbox により提供されるファイルストレージサービスです。以下のプランがあり、すべて最低利用人数は 3 名からです。なお、料金は 1 名あたりの金額です。
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無料の場合は、2GB まで利用可能です。
box
Boxは、Box 社により提供されるファイルストレージサービスです。1 つのファイルごとのアップロード上限によって料金が以下のように異なります。
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無料の場合は、10GB まで利用可能です。
主要オブジェクトストレージ3選
続いて、オブジェクトストレージについて見ていきます。
無料プランの容量 | |
---|---|
Cloud Storage |
5GB/無期限 |
Blob Storage |
5GB/12ヶ月間 |
Amazon S3 |
5GB/12ヶ月間 |
Cloud Storage は、GCP のオブジェクトストレージです。指定した条件に達した場合に、より低料金のストレージクラスに自動的に移行されるよう構成できたり、データを場所と方法を自由にカスタマイズしたりできます。
Blob Storageは、Azure のオブジェクトストレージです。自然災害などでリージョンやデータセンターがアクセス不能になった場合、Microsoft 側が同期先に切り替え作業を行うため、利用者が接続先を変更する必要がないことが特徴です。
Amazon S3 は、ASW のオブジェクトストレージです。全オブジェクトに対し、99.999999999% の耐久性を実現できるよう設計されているため、データ損失のリスクがほとんどないと言えます。
主要ブロックストレージ3選
最後に、ブロックストレージサービスについて見ていきましょう。
無料プランの容量 | |
---|---|
Persistent Disk |
30GB/無期限 |
Managed Disks |
64 GB x 2/12ヶ月間 |
Amazon Elastic Block Storage(EBS) |
30GB/12ヶ月間 |
Persistent Disk は、GCP の機能のひとつです。ディスクを追加するだけで利用可能であり、ディスクサイズや vCPU 数に比例して自動でスケールするという使いやすさが特徴です。
Managed Disks は、Azure で提供される機能です。99.999% という高い可用性と、スケーラビリティが高いことが特徴です。
Amazon Elastic Block Storage は、ASW のサービスのひとつです。SAP、Oracle、Microsoft など多くのワークロードに対応しており、パフォーマンスに合わせて最適なコストプランを選ぶことが可能です。
まとめ
ここまで、クラウドストレージの3つの種類と、それぞれの代表的なサービスについて紹介してきました。本記事を参考に、自社の目的にあったタイプのストレージサービスを選択してください。
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