【2022年】IaaS、PaaS、SaaSとは? 3 分でわかりやすく説明します
- クラウドコンピューティング基礎知識
目次
クラウドとは
クラウドとは「クラウドコンピューティング」や「クラウドサービス」の略称で、インターネットに接続することを前提とする各種のサービスのことです。
主体がインターネットの向こう側にあり、利用量に応じて柔軟にキャパシティを増やせることが特徴といえます。サービスは、コンピュータリソースだったり、アプリケーションだったり、OSであったり、様々なものを提供しています。
そこからクラウドの意味も人によって様々な捉え方をされているようです。
例えば、
- メールやカレンダーといったグループウェアなどのように捉えている
- データを保存するストレージのように捉えている
- 開発環境のように捉えている
などなど…。
言葉のみでみると、それらは別個のものであり、とても同じ「クラウド」を指しているようには見えないかも知れません。
しかし、実はこれらは全て「クラウド」を指しています。
「クラウド」で表す意味の範囲はとても広く、幅広く様々な意味で解釈されています。
そのため実際に仕事上の会話で利用する場合、現在では、利用形態によって分類した用語が使用されます。
それが、「IaaS」 「PaaS」 「SaaS」 に当たります。
この記事では 「IaaS」 「PaaS」 「SaaS」 それぞれの言葉の意味や違い、メリット・デメリットについて解説していきます。
IaaS とは (Infrastructure as a Service)
IaaSは「Infrastructure as a Service」の頭文字を取った略語で「イァース」もしくは「アイアース」と読みます。
IaaS とは、情報システムの稼動に必要な仮想サーバをはじめとした機材やネットワークなどのインフラを、インターネット上のサービスとして提供する形態のことを指します。
これまでのホスティングサービスと言われるサービスと提供範囲の区分は同じですが、
IaaS の場合、サーバを利用する際に必要なハードウェアのスペックやOSを、ユーザーが自由に選定して、ネットワーク経由で利用することが可能です。
IaaS のメリット・デメリット
IaaS を利用する上でのメリットとデメリットを紹介します。
◯ 自由度が高く環境構築がしやすい
◯ システム管理者の負荷軽減
IaaS は環境構築の自由度が非常に高いため、カスタマイズ性に富んでいます。
CPU やストレージなどのスペックも、ユーザーが必要なタイミングで必要な分を自由に選んで利用することができるので、様々なニーズに対しコストを最適化しながらシステムの開発・構築が可能です。
また、OS や インフラ部分についてはプロバイダー側にお任せできるので、システムの管理部門にとって大きな負担軽減につながります。
× 構築に専門性が必要
× メンテナンス範囲が広い
IaaS は、プラットフォームやプログラミング環境の構築を自社で行う必要があるため、専門知識を有するエンジニアが必ず必要になります。
また、メンテナンス範囲も広いので運用負荷は高くなってしまいます。
カスタマイズ性は高いですが、あくまでもコンピューティングリソースをクラウド上で使えるサービスであり自社で管理しなければならないのは PaaS やSaaS と比較すると管理コストは高いと言えるでしょう。
PaaS とは (Platform as a Service)
PaaS は「Platform as a Service」の頭文字を取った略語で「パース」と読みます。
PaaS とは、アプリケーションソフトが稼動するためのハードウェアや OS などのプラットフォーム一式を、インターネット上のサービスとして提供する形態のことを指します。
エンドユーザにオンライン上でサービスを提供する SaaS の考え方をさらに深化させたものとなり、プラットフォームを大規模なデータセンターなどに用意して外部に開放し、主に企業などのユーザーが、その上にサービスを開発するものになっています。
開発者は、あるシステム設計に沿った方法でアプリケーションを開発できるので、コストを抑えてかつ早くシステム開発をおこなうことができます。
PaaS のメリット・デメリット
PaaS を利用する上でのメリットとデメリットを紹介します。
◯ サービス・アプリケーションの開発に専念できる
◯ 初期費用や時間コストの削減が可能
PaaS は、クラウド環境のサーバー、OS、ミドルウェア、データベースなど、アプリケーション開発に必要な環境が揃っている(開発環境がプラットフォーム化されている)ため、インフラの設計や保守・管理を気にすることなくサービスやアプリケーションの開発に注力することができます。
また、いきなりアプリケーションの開発を開始することができるのでインフラ構築に関わる初期投資やリードタイムを抑えることができます。
× 開発の自由度が低い
メリットの多い PaaS ですが、最大の障壁は開発環境のカスタマイズ性の低さにあります。
インフラがプラットフォームとして開発環境に組み込まれてしまっているので CPU やストレージの選択ができなかったり、言語やミドルウェアが非対応だったりと、開発の要件を満たすことができないケースが多々あります。
SaaS とは (Software as a Service)
SaaS は、「Software as a Service」の頭文字を取った略語で「サース」と読みます。
SaaS とは、これまでパッケージ製品として提供されていたソフトウェアを、インターネット経由でサービスとして提供・利用する形態のことを指します。
SaaS の特徴としては、以下のようなものが考えられます。
- データをインターネット上に保存することができる
- PC、スマートフォン、タブレットなど端末を選ばずにデータにアクセスできる
- 複数の人間が同一データを共有し、更に編集もできる
SaaS のメリット
SaaS を利用する上でのメリットとデメリットを紹介します。
◯ 必要なサービスをサブスクリプションですぐに利用できる
◯ 時間・場所を気にせず利用できる
◯ 管理が不要、運用は全てプロバイダーにお任せ
SaaS はプロバイダーが提供するアプリケーションやサービスをアカウントを開設するだけでいつでもどこでも利用できるので開発コストやリードタイムを消費せずに簡単かつスピーディーに導入できます。
また料金は従量課金もしくは、サブスクリプション方式の場合が多く、初期費用をかけずに必要なリソースを享受することができます。
管理やアップデートも基本的に全てプロバイダーが行ってくれるので、運用面でのコストも必要ありません。
× カスタマイズができない
× データの移行が困難
SaaS のデメリットとしては基本的にはサービスのカスタマイズはできない(もしくはプロバイダー側によって明確に制約が設けられている)ので、自社の運用要件をサービス側に合わせてカスタマイズする必要があることが多いです。
当然サービス同士での連携は期待できないので、もしサービスを移行するとなると、データの移行に際し大きな手間とコストを要する可能性があります。
SaaS の代表的なサービス
代表的な SaaS のサービスとして以下のサービスが挙げられます。
- Office365
- Gmail
- Dropbox
- kintone(キントーン)
SaaS は非常に多種多様なサービスが存在しますが、多くはサブスクリプション(月額課金)の料金体系を採用しています。
そのため、「とりあえず一ヶ月お試しで使ってみる」といった運用が可能です。
まとめ (図解)
IaaS、PaaS、SaaS の区別についてまとめると、ソフトウェアサービスを提供するのに必要な構成要素の提供段階によって区別することができます。
その構成要素は大きく分けて、ネットワーク、ハードウェア、オペレーティングシステム(OS)、ミドルウェア、アプリケーション、の5つに区分されます。
基本的にはこの5つはこの逆順に依存関係にあります。アプリケーションはミドルウェアが無いと動作せず、ミドルウェアはOSが無いと動作しない、ということを覚えておくと良いでしょう。
SaaS は5つの要素がすべて含まれており、近年最も利用されているクラウドサービスです。
SaaS を導入することで、ソフトウェアを購入・インストールするコストや時間、セキュリティの問題などが大幅に改善され、ユーザーのサービス利用におけるハードルが劇的に緩和されるようになりました。
よりインフラ視点からの理解を深めるために、SaaS、PaaS、IaaS の各サービスやクラウドサービスごとに比較するのもおすすめです。
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【そのほか参考に】
- ご存じですか? クラウド導入のためのガイドライン
- プライベートクラウドとパブリッククラウドの違いとは
- あったら便利。クラウドでよく聞く用語集:クラウドサービス編
- あったら便利。クラウドでよく聞く用語集:ITインフラ編
- あったら便利。クラウドでよく聞く用語集:その他編

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