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Google Cloud で実現する AI 駆動型ワークスタイル!NotebookLM Enterprise でセキュリティとガバナンスも強化!
こんにちは!クラウドエースのエモーショナルエバンジェリスト、ラリオスです。
最近のビジネス環境は、かつてないほどのスピードで変化し、情報量は爆発的に増加しています。このような状況下では、膨大なデータの中から必要な情報を効率的に抽出・分析し、迅速な意思決定を行うことが求められます。 そこで注目されているのが、Google から提供されている AI 搭載のリサーチ・ライティング ツール、NotebookLM です。NotebookLM は、大量の資料やデータから重要な情報を抽出したり、要約を作成したり、さらにはインタラクティブな議論を生成したりすることが可能です。そして、NotebookLM には「NotebookLM」「NotebookLM Plus」「NotebookLM Enterprise」と、3 つのエディションが提供されていますが、「NotebookLM Enterprise」を契約すれば、なんと Google Workspace を契約していない企業でも、ガバナンスを効かせた状態で NotebookLM を利用することができます。
では、NotebookLM Enterprise を利用すると、一体どんなメリットがあるのでしょうか?今回はこの NotebookLM Enterprise に絞って、じっくりと解説していきますので、ぜひ楽しみにしていてください。
NotebookLM:AI が実現する、未来のドキュメント活用
まずはじめに、そもそも NotebookLM は何ができるのかご紹介します。NotebookLM は、従来のドキュメント活用に AI の力を加えることで、全く新しいレベルの効率性とインサイトを提供します。
多様なソースへの対応:PDF、Google ドキュメント、Google スライド、Web サイトの URL など、さまざまな形式のソースを NotebookLM にアップロードして統合的に管理できます。例えば、あるプロジェクトに関する資料が、PDF の報告書、Google スライドでのプレゼンテーション資料、そして関連ウェブサイトの情報に散らばっていたとしても、NotebookLM なら、これらをまとめて一つのノートブックとして扱うことができます。
AI による効率化:AI がソースを分析し、要約、FAQ、タイムライン、ブリーフィング・ドキュメントなどを自動生成します。例えば、100 ページの技術文書から、AI が重要なポイントを抽出して 1 ページの要約を作成してくれるので、多忙なビジネス パーソンでも短時間で内容を把握できます。さらに、AI が FAQ を自動生成してくれるので、資料を読み込む際に生じる疑問をすぐに解決することができます。
インタラクティブな議論:AI が生成するインタラクティブな議論を通じて、複雑なトピックを深く理解することができます。例えば、ある製品の市場投入戦略について検討する場合、AI が競合製品や市場トレンドに関する情報を提供し、さらに複数の視点からの議論を提示してくれるので、多角的な分析と戦略立案が可能になります。
オーディオ概要:音声で要約を聞けるため、移動中やマルチタスク時にも情報収集が可能です。例えば、満員電車での移動中や、他の業務と並行して情報収集する必要がある場合でも、オーディオ概要機能を使えば効率的に学習を進めることができます。
チームでの共有と共同作業:ノートブックをチームで共有し、共同で編集・議論することができます。例えば、プロジェクト メンバー間でノートブックを共有し、AI が生成した要約や FAQ に対するコメントや意見交換を行うことで、チーム全体での理解を深め、より質の高い成果物を生み出すことができます。
これらの機能は、それぞれ独立して存在するのではなく、互いに連携し合ってより大きな価値を生み出すように設計されています。それぞれの機能が連携することで、単独で使用するよりもはるかに大きな効果を発揮し、ユーザーに最高の体験を提供することを目指しています。
例えば、あるチームが新しい市場に参入するプロジェクトを立ち上げたとします。彼らはまず、市場調査レポート、競合他社のウェブサイト、社内の過去のプロジェクト資料などを NotebookLM にアップロードします。AI がこれらの資料を分析し、市場の現状、競合の強みと弱み、過去の成功と失敗事例などをまとめた要約を自動生成します。チームメンバーはこの要約を基に議論を行い、AI が提供するインタラクティブな議論機能を活用することで、多角的な視点から市場参入戦略を検討することができます。さらに、議論の内容や決定事項はノートブックに記録され、チーム全体で共有されます。このように、NotebookLM は、情報収集から分析、議論、意思決定、そして共有まで、プロジェクトのあらゆる段階を効率化し、成功へと導きます。
それでは、NotebookLM がどのようにビジネスの現場で活用されているのか、次の章で詳しく見ていきましょう。
NotebookLM の活用事例
NotebookLM は、さまざまなビジネスシーンでその真価を発揮します。
- 従業員研修:従来の研修では、膨大な量の資料を事前に読み込む必要があり、学習者にとって大きな負担となっていました。NotebookLM を活用すれば、AI が資料の要点を自動的に抽出し、要約や学習ガイドを生成してくれるため、学習者は効率的に学習を進めることができます。また、個々の学習者の理解度に合わせて学習内容をカスタマイズすることも可能です。これにより、研修の効果を高め、人材育成を加速することができます。
- 研究開発:研究者は、常に最新の論文や研究データに目を通し、膨大な情報の中から必要な知識を抽出しなければなりません。NotebookLM は、AI を駆使して論文やデータを分析し、重要な情報を効率的に抽出・整理します。これにより、研究者はより多くの時間を研究活動に充てることができ、研究開発の進捗を加速させることができます。
- 営業:営業担当者は、顧客のニーズを的確に把握し、最適な提案を行う必要があります。NotebookLM を活用すれば、AI が顧客情報や過去の商談記録を分析し、営業担当者に必要な情報を提供します。これにより、営業担当者はより的確な提案を行い、顧客との信頼関係を築くことができます。また、営業活動の効率化にも繋がり、売上向上に貢献することができます。
- 市場調査:市場調査では、市場トレンドや競合他社の動向を常に把握しておくことが重要です。NotebookLM は、AI を駆使して市場レポートや競合情報を分析し、市場動向を可視化します。これにより、企業は市場の変化をいち早く捉え、競争優位性を築くことができます。
- 戦略立案:経営戦略の立案には、過去の業績データや市場トレンドなどを分析し、将来を予測することが必要です。NotebookLM は、AI を駆使してこれらのデータを分析し、経営判断を支援します。これにより、企業はより精度の高い戦略を立案し、持続的な成長を遂げることができます。
このように、NotebookLM は、さまざまなビジネスシーンで活用することで、業務効率化、意思決定の迅速化、そしてイノベーションの創出に貢献することができます。
NotebookLM、NotebookLM Plus、NotebookLM Enterprise の違い
さて、先ほどもお伝えした通り、NotebookLM には 3 つのエディションがあります。ここではその違いについて見ていきましょう。(比較の詳細は、コラムの最後に比較表を掲載しておりますので、そちらをご確認ください)
- NotebookLM:個人が無料で使えるエディションです。
- NotebookLM Plus:Google One AI プレミアム、もしくは、Google Workspace の特定のエディションで標準機能として利用することができる有料エディションです。
- NotebookLM Enterprise:Google Cloud を経由して利用することができるエンタープライズ向けの有料エディションです。(Agentspace Enterprise の一部、または単体製品として利用できます)
コラム:Google Agentspace:企業内情報を活用する AI エージェントの登場
動画:5分でわかる!Google Agentspace / まずは何ができるのか、プランなどを簡単にご紹介!
特に NotebookLM Enterprise は、Google Cloud を経由して提供されるので、エンタープライズ ユーザーにとってさまざまなメリットがあります。
では、NotebookLM Enterprise を支える Google Cloud の強みについて見ていきましょう。
Google Cloud が実現する、エンタープライズレベルのセキュリティと信頼性
NotebookLM Enterprise は、Google Cloud の堅牢なセキュリティ基盤上で動作し、企業のセキュリティ要件を満たすためのさまざまな機能を提供しています。
データの保護:NotebookLM Enterprise で扱うデータは、ユーザーの Google Cloud プロジェクト内に保存され、アクセス制御により保護されます。Identity and Access Management(IAM)によるアクセス制御で、ユーザーの役割に応じて NotebookLM Enterprise へのアクセス権限を細かく設定できます。また、データは転送時および保管時に暗号化されるため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを低減できます。
ネットワークのセキュリティ:VPC Service Controls を利用することで、NotebookLM Enterprise へのアクセスを組織内のネットワークに限定することができます。これにより、外部からの不正アクセスを防止し、セキュリティを強化することができます。
コンプライアンス:Google Cloud は、ISO 27001、SOC 2、PCI DSS などの主要なセキュリティおよびコンプライアンス基準を満たしています。NotebookLM Enterprise を利用することで、企業はこれらの基準に準拠し、コンプライアンスを確保することができます。
これらのセキュリティ機能により、企業は安心して機密データを NotebookLM Enterprise にアップロードし、分析することができます。
Google Workspace の契約不要
先ほどもお伝えした通り、NotebookLM Enterprise は Google Cloud を経由して、Google Agentspace の一部、もしくは単体製品として利用することができます。つまり、Google Workspace を契約しなくても利用できるということです。そのため、Google Workspace 利用分のコスト増加を避けることができ、NotebookLM Enterprise を直接利用することができます。これは NotebookLM Enterprise の利用に対するハードルを一つ飛び越えたといってもよいのではないでしょうか。
では、Google Workspace を利用していない企業はどのように NotebookLM Enterprise を利用すればよいのでしょうか?答えは簡単です。Cloud Identity やサードパーティの ID プロバイダと連携するだけです。
Cloud Identity との連携:Google Workspace を利用していない企業の場合、Google Cloud プロジェクトで Cloud Identity を有効化し、Cloud Identity ユーザーを作成することで、NotebookLM Enterprise を利用することができます。Cloud Identity は、Google Cloud が提供する ID 管理サービスであり、Google Workspace のアカウント管理機能を Google Cloud 上で利用できるものです。Cloud Identity を利用することで、Google Workspace を利用していない企業でも、Google アカウントと同様に、ユーザーの認証、アクセス制御、シングルサインオンなどの機能を利用することができます。
サードパーティの ID プロバイダとの連携:Azure AD、Okta、Ping などのサードパーティの ID プロバイダを利用している場合は、Workforce Identity Federation を使用することで、NotebookLM Enterprise と連携することができます。Workforce Identity Federation は、Google Cloud が提供する ID フェデレーションサービスであり、サードパーティの ID プロバイダと Google Cloud を連携させることができます。Workforce Identity Federation を利用することで、既存の ID プロバイダで認証されたユーザーが、NotebookLM Enterprise にアクセスできるようになります。
このように、NotebookLM Enterprise は、Google Workspace を利用していない企業でも、Cloud Identity やサードパーティの ID プロバイダと連携させることで、簡単に導入することができます。
※詳しくは公式ドキュメントをご覧ください。
IAM によるきめ細やかなアクセス制御
とはいえ、多数のユーザーがノートブックを共有する場合、情報漏洩のリスクをどのように抑制すればよいのでしょうか?
NotebookLM Enterprise では、Google Cloud の IAM を利用することで、この課題を解決できます。IAM を使用すると、ユーザーやグループに対して、ノートブックの閲覧、編集、共有などの権限を個別に設定することができます。
NotebookLM Enterprise には、5 つの IAM ロールが事前定義されています。そのうち、NotebookLM Enterprise へのアクセスに関連するロールは 2 つあります。
- Cloud NotebookLM 管理者:このロールを持つユーザーは、NotebookLM Enterprise の利用に必要な設定を行い、ユーザーにアクセス権を付与し、ユーザーが利用する画面の URL を取得できます。
- Cloud NotebookLM ユーザー:このロールを持つユーザーは、ユーザー インターフェースにサインインしてノートブックを作成できます。NotebookLM Enterprise にアクセスするには、ユーザーにこのロールが付与されている必要があります。
そして、ノートブックに関連するロールは 3 つあります。これらのロールは個々のノートブックを細かく制御することを目的としています。
- Cloud NotebookLM ノートブック所有者:このロールを持つユーザーは、ノートブックの作成と削除、ソースのアップロード、コンテンツとのチャット、音声要約の生成を行うことができます。ノートブックを共有するには、ユーザーはこのロールを持っている必要があります。
- Cloud NotebookLM ノートブック エディター:このロールを持つユーザーは、ソースをアップロードし、コンテンツとチャットし、音声要約を生成します。
- Cloud NotebookLM ノートブック閲覧者:このロールを持つユーザーは、ソースを表示したり、音声概要を聞いたり、コンテンツとチャットしたりできます。
例えば、
- 特定のユーザーにのみ、特定のノートブックへのアクセスを許可する。
- 特定のグループに、すべてのノートブックの閲覧権限を付与する。
- 特定のユーザーに、ノートブックの編集権限を付与するが、共有権限は付与しない。
といったことが可能です。
IAM によるきめ細やかなアクセス制御は、企業のセキュリティポリシーに準拠したノートブックの管理を可能にし、情報漏洩のリスクを低減します。
特に、機密性の高い情報を含むノートブックを扱う場合、IAM によるアクセス制御は非常に重要です。管理者は、IAM を使用することで、適切なユーザーに適切な権限を付与し、データへのアクセスを適切に管理することができます。
IAM を効果的に活用することで、NotebookLM Enterprise をより安全に、そしてより効率的に利用することができます。
※詳しくは公式ドキュメントをご覧ください。
データのサイロ化を解消し、外部データとの連携を実現するエンタープライズコネクタ
さらに、NotebookLM Enterprise では、エンタープライズ コネクタと呼ばれる機能により、多様なデータソースに接続し、そのデータを検索、分析することが可能になります。
Google ソース以外との連携
従来の NotebookLM や NotebookLM Plus では、接続できるデータソースは Google Drive のファイルなどに限られていました。しかし、エンタープライズコネクタを利用することで、Box や Slack、Salesforce などの外部サービスのデータも NotebookLM Enterprise に取り込むことができます。
アプリケーション側の ACLs を利用したアクセス制御
エンタープライズ コネクタは、アプリケーション側の ACLs (アクセス コントロール リスト) を利用して、ユーザーごとにアクセス可能なデータを制御することができます。これにより、機密性の高いデータへのアクセスを制限し、セキュリティを強化することができます。
IT 管理者による簡単なセットアップ
エンタープライズ コネクタは、IT 管理者によって簡単にセットアップすることができます。複雑な設定は不要で、直感的なインターフェースでコネクタの設定を行うことができます。
高度なコネクタ設定
インデックス取り込み時のコンテンツ フィルタなど、高度なコネクタ設定も可能です。これにより、必要なデータだけを効率的に取り込み、分析することができます。
エンタープライズ コネクタは、NotebookLM Enterprise をより強力なツールへと進化させる重要な機能です。多様なデータソースを統合的に管理し、分析することで、企業はより深いインサイトを得て、ビジネスの意思決定を加速させることができます。
その他のメリット
NotebookLM では、Google スライド、PDF ファイル、テキストファイル、Markdown ファイル、Web サイトの URL、YouTube の公開動画の URL、音声ファイル (MP3、WAV など) といったさまざまな形式のデータソースに対応していますが、NotebookLM Enterprise ではさらに、DOCX (Microsoft Word ファイル形式) や PPTX (Microsoft PowerPoint ファイル形式) といった Microsoft Office ファイルも、直接アップロードして利用することができます。
NotebookLM Enterprise の利用開始方法とライセンスについて
では、NotebookLM Enterprise は、どのように利用を始めればよいのでしょうか。また、料金も気になりますよね。まず、利用を開始するためには Google Cloud のウェブサイトから利用申請をする必要があります。(執筆時現在、早期利用申請の扱いとなり、Google により承認されることで利用を開始することができます)
- Agentspace の一部として利用する場合:https://cloud.google.com/products/agentspace?hl=ja
- 単体製品として利用する場合:https://cloud.google.com/resources/notebooklm-enterprise?hl=ja
そして、ライセンスはサブスクリプションで提供されるようです。公式ドキュメントによると、1 つのサブスクリプションには 5,000 ライセンスが含まれており、30 日間の無料トライアルが提供されます。また、有料のサブスクリプションは、月額または年額で支払うことができますが、具体的な金額は公開されておりません。クラウドエースでは、お客様のニーズに合わせた最適なライセンス プランをご提案できますので、お気軽にご相談ください。
※現在、サブスクリプションの地域は、US(米国)、EU、グローバル リージョンの 3 つの選択肢がありますが、グローバル リージョンの場合、ノートブックやデータの保存場所は自動的に決まり、ユーザーが指定することはできません。ノートブックやデータの保存場所を管理したい場合は、US(米国)、EU のみ指定ができます。
※詳しくは公式ドキュメントをご覧ください。
NotebookLM Enterprise への期待
さて、ここまでは NotebookLM Enterprise のメリットについてお話をしてきましたが、いかがだったでしょうか?ここからは、NotebookLM Enterprise に対する私の期待についてお話したいと思います。
私が特に期待しているのは、Vertex AI との連携です。Vertex AI は、Google Cloud が提供する機械学習のプラットフォームです。Vertex AI には、高精度な LLM を構築するためのツールやリソースが豊富に用意されています。NotebookLM Enterprise が Vertex AI と連携すれば、ユーザーは Vertex AI で開発した LLM を NotebookLM Enterprise に組み込むことができるようになるかもしれません。これにより、NotebookLM Enterprise の分析能力は飛躍的に向上し、より複雑なタスクにも対応できるようになると期待しています。
例えば、専門性の高い論文や技術文書を分析し、要点を抽出したり、顧客からのフィードバックを分析し、製品開発に活かしたり、市場トレンドを分析し、新たなビジネスチャンスを見出すといったことが、より効率的かつ高精度に行えるようになるかもしれません。
そして、BigQuery との連携も、非常に楽しみです。BigQuery は、Google Cloud が提供するデータウェア ハウスです。ペタバイト規模のデータを超高速で分析することができます。NotebookLM Enterprise が BigQuery と連携すれば、ユーザーは BigQuery に保存されている大規模なデータセットを NotebookLM Enterprise で直接分析できるようになるかもしれません。顧客の購買履歴を分析し、パーソナライズされたマーケティング施策を展開したり、Web サイトのアクセスログを分析し、ユーザー エクスペリエンスを向上させたり、センサーデータなどを分析し、製造工程の効率化を図るといったことが、NotebookLM Enterprise の直感的なインターフェースで実現できるようになったら嬉しいですよね。
さらに、LLM 開発との連携によって、NotebookLM Enterprise で作成されたノートブックが AI モデルの学習データとして活用され、AI モデルの精度向上に貢献する未来にも大きな期待を寄せています。NotebookLM Enterprise で作成した顧客対応のノートブックを、チャットボットの学習データとして活用したり、NoteBookLM Enterprise で作成した技術文書のノートブックを、技術サポートの自動化に活用したりといったことが可能になるかもしれません。
これらの連携が実現すれば、NotebookLM Enterprise は単なるリサーチツールを超え、Google Cloud の AI エコシステムの中核を担う存在へと進化する可能性を秘めていると感じています。そして、企業のビジネス変革を促進することになると信じています。
まとめ
NotebookLM Enterprise は、Google Cloud を経由して提供されるため、エンタープライズ ユーザーにとってさまざまなメリットがあります。 Google Workspace の契約不要で、エンタープライズレベルのセキュリティと信頼性を提供します。 さらに、Microsoft Office ファイルを含むさまざまな形式のデータソースに対応しており、業務効率化、意思決定の迅速化、そしてイノベーションの創出に貢献することができます。 NotebookLM Enterprise の導入を検討されている方は、ぜひクラウドエースまでお問い合わせください。
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NotebookLM エディション比較表
機能 | NotebookLM | NotebookLM Plus | NotebookLM Enterprise |
---|---|---|---|
対象ユーザー | 個人ユーザー | Google Workspace ユーザー(企業) Google One AI プレミアムユーザー(個人) |
Google Cloud のユーザー企業 |
提供形態 | 無料 | Google Workspace の標準機能 (特定のエディション) |
Google Cloud 上のサービス (Agentspace Enterprise の一部、または単体製品) |
入手方法 | notebooklm.google.com にアクセス | notebooklm.google.com にアクセス (Workspace 管理者からアクセス権を付与される必要あり) |
Google Cloud のウェブサイトから利用を申請 |
セキュリティ | Google アカウントのセキュリティ設定に準拠 | Google アカウントのセキュリティ設定に準拠 | エンタープライズグレードのセキュリティ(データの暗号化、アクセス制御、VPC Service Controls 対応など) |
アクセス制御 | ノートブックの共有は、閲覧者または編集者権限を持つユーザーに制限 | ノートブックの共有は、閲覧者または編集者権限を持つユーザーに制限 | 組織全体で、ユーザーの役割に応じたきめ細かなアクセス制御が可能 |
Google Workspace との連携 |
Google ドキュメント、Google スライド、Google Drive 内のファイルのアップロード | Google ドキュメント、Google スライド、Google Drive 内のファイルのアップロード、ノートブックの Google ドキュメントへのエクスポート、Workspace ユーザーとのノートブック共有、Workspace のセキュリティ機能との連携 | Google ドキュメント、Google スライド、Google Drive 内のファイルのアップロード、ノートブックの Google ドキュメントへのエクスポート、Workspace ユーザーとのノートブック共有 |
データソースの 種類 |
Google ドキュメント、Google スライド、PDF ファイル、テキストファイル、Markdown ファイル、Web サイトの URL、YouTube の公開動画の URL、音声ファイル (MP3、WAV など) | Google ドキュメント、Google スライド、PDF ファイル、テキストファイル、Markdown ファイル、Web サイトの URL、YouTube の公開動画の URL、音声ファイル (MP3、WAV など) | Google ドキュメント、Google スライド、PDF ファイル、テキストファイル、Markdown ファイル、Web サイトの URL、YouTube の公開動画の URL、音声ファイル (MP3、WAV など)、DOCX (Microsoft Word ファイル形式)、PPTX (Microsoft PowerPoint ファイル形式) |
ノートブック数 | 最大100件 | 最大500件 | 最大500件 |
ソース数/ノートブック | 最大50件 | 最大300件 | 最大300件 |
1日あたりの チャットクエリ数 |
最大50件 | 最大500件 | 最大500件 |
1日あたりの 音声要約生成数 |
最大3件 | 最大20件 | 最大20件 |
プレミアム機能 | なし | チャットのみのノートブック共有、高度なチャット設定(応答スタイルと出力長のカスタマイズ)、ノートブック分析 | NotebookLM Plus の全機能に加え、エンタープライズグレードのセキュリティとコンプライアンス |
VPC Service Controls 対応 |
– | – | 対応 |
IAM によるアクセス制御 | – | – | 対応 |
補足
- NotebookLM Plus は、Google Workspace の Business Standard、Business Plus、Enterprise Standard、Enterprise Plus エディションのいずれかを利用することでアクセスできます。
- NotebookLM Enterprise は、単体製品として、または Google Agentspace Enterprise の一部として購入できます。
※Google Cloud および Google Cloud 製品・サービス名称は Google LLC の商標です。
※Microsoft および Microsoft 製品・サービス名称は 米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※Okta は Okta, Inc. の米国およびその他の国における商標または登録商標です。
※PingFederate は Ping Identity Corporation の登録商標です。
※このコラムは Gemini Advanced と Gemini 1.5 Pro with Deep Reserch を活用しています。
ラリオス 川口
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Google Cloud 認定トレーナーとして年間 100 本以上の講義を開催。2024 年には前人未到の 3 年連続 Trainer of the Year を受賞。聴きやすい声とわかりやすい説明で、受講者の方から高評価をいただいています。YouTube 『5分でわかる Google Cloud』でも活躍中!