Google は、Vertex AI と Google AI Studio の 2 つのツールを通じて、開発者が Gemini モデルをカスタマイズして展開することを可能にしています。
Vertex AI はマネージドサービスとなっているため AI モデルの学習やアプリケーションの実行をインフラ部分の管理や設定をせずに利用することが可能です。
Google AI Studio は開発者自身でインスタンスの設定を行いモデルの学習ができるため、よりカスタマイズ性の高いアプリケーションの構築などに適しています。
いずれにしても Gemini Pro の公開によってテキスト、コード、画像、音声、動画など、マルチモーダルな情報の出入力を可能にし、革新的かつ特徴的なアプリケーションを構築することが可能になります。
現時点では 32K ウィンドウテキストが有効となっており、テキストの入出力に対応しています。
さらに、今回発表されたマルチモーダル機能のための Gemini Pro Vision を活用することでテキストだけでなくイメージの入力にも対応できるようになります。
Gemini ProとVertex AIの組み合わせが可能にすること
多様なモデルの選択と利用
Vertex AIを利用すると、開発者は Google の Gemini Pro をはじめ、130 種類以上の厳選された高品質モデルから開発ニーズにあったものを選ぶことができます。これらのモデルは、アプリケーションに容易に統合できるAPIを提供しています。
Vertex AI Extensions やコネクタを使用して、外部 API、データソース、コードベースの関数に接続することで、Gemini Proを特定のコンテキストやユースケースに適応させることができます。また、企業のデータソースを基にしたモデルの出力の精度と関連性を向上させるための「グラウンディング」機能も提供しています。
モデルの管理とスケーリング
新しい「Automatic Side by Side (Auto SxS)」機能により、モデルを自動で比較して評価することができます。これにより、手動でのモデル評価よりも速く、コスト効率的にモデルを評価できます。
ローコード/ノーコード環境でのエージェント構築
Vertex AIを使用することで、あらゆるスキルレベルの開発者が Gemini Pro を使用して、数時間から数日でエンゲージメントの高い AI エージェントを作成できます。近い将来、Gemini Pro は Vertex AI の検索要約や回答生成機能を強化するオプションとして利用できるようになり、会話型の音声およびチャットエージェントの基盤モデルとしてもプレビューで利用可能になる予定です。
責任あるイノベーションの提供
Vertex AI の安全フィルターやコンテンツモデレーション API などの責任ある AI ツールを使用して、不適切なコンテンツの出力を防ぎます。
データの保護
顧客は自分のデータをコントロールし続けることができ、Google は顧客データをモデルのトレーニングに使用することはありません。Vertex AI は、Customer Managed Encryption Keys や VPC Service Controls など、顧客が自分のデータを一元管理できるさまざまなメカニズムを提供します。
生成モデルの出力に対する補償
Google は、顧客が安心して生成AI 製品を使用できるよう、業界初の二重の著作権補償アプローチを採用しています。これにより、PaLM 2 や Vertex AI Imagen のモデル出力に対する補償が提供され、トレーニングデータの使用に関連するクレームに対する補償も含まれます。Gemini API が一般に利用可能になった際には、補償の範囲が拡大される予定です。
この発表により、開発者は Google の最先端の AI 技術を活用して、企業や組織が直面する複雑な問題を解決するためのアプリケーションをより迅速に、かつ簡単に構築できるようになります。Gemini Pro と Vertex AI の組み合わせは、AI の潜在能力を最大限に引き出し、新しい価値を生み出すための強力なツールとなるでしょう。