ChatGPT をはじめとする、生成系 AI (Generative AI) と呼ばれるサービスがあらゆるビジネスシーンで活用され始めています。アプリケーションの開発現場では、コードを書かせたりエラーを修正させたりといったシーンですでに活用されています。そんな中、各クラウド企業は開発支援に特化した AI ベースの機能を発表しています。
この記事では、「AI ベースの開発支援機能」とは具体的にどのようなものかについて解説した上で、Google Cloud が提供する AI を利用した開発支援サービス「Duet AI」の概要や、他社の類似サービスとの比較をしていきます。
目次
「AI ベースの開発支援機能」とは
AI ベースの開発支援機能とは、簡単に言えば「AI がアプリケーション開発をサポートしてくれるサービス」のことです。
Duet AI は、Google Cloud が発表した AI ベースの開発支援機能です。アプリケーション開発における執筆からコード作成までサポートしてくれるサービスです。
Duet AI の大きな特徴の一つは、スキルレベルを問わずさまざまな人が便利に利用できることです。開発者向けの適切なコードを推奨してくれる機能をはじめ、データエンジニア向けのプロンプトベースのインサイト機能、非エンジニアでもチャットベースでアプリを作成できる機能などが備わっており、あらゆる人が簡単に AI による開発支援を体験できます。
例えば、Duet AI for AppSheet を使えば、それぞれの業務において「こんな機能があったらいいのに」「これを自動化できたらな」と感じたことをすぐにアプリとして機能させることができます。また、各部門の人が自分で開発できるようになることで、開発部門の人はより高度な作業に集中できるようになるというメリットもあります。
Duet AI の類似サービスとの比較
このような AI を用いた開発支援機能を提供するのは Google Cloud だけではありません。各クラウド事業者が生成系 AI を活用した開発支援サービスを発表しています。ここからは、他社の Duet AI に似たツールについて見ていきましょう。
Copilot X とは、ソフトウェア開発のプラットフォーム「GitHub」と ChatGTP を開発した「OpenAI」の提携により誕生した AI 開発ツールです。
Copilot X の前身に「GitHub Copilot」というツールがあります。これは世界初の大規模な生成系 AI 開発ツールであり、コメントやコードの自動補完などを行うサービスです。GitHub Copilot はリリースから 2 年足らずでコードの 46% を記述し、開発者のコーディングを最大で 55% 高速化させるという大きな結果を残しています。
Copilot X は、このような GitHub Copilot を進化・改良させたものです。具体的には、Copilot X には GPT-4 が採用され、さらにチャットと音声機能が導入されています。開発者は Copilot X にコードを書いたり、コードにさせたいことを伝えるだけで、簡単に各コードの処理内容に関する詳しい分析や説明、テストの生成、バグに対する修正案を得られるようになります。