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Web5 とは. 分散型 Web プラットフォームの概要や仕組みを 5 分で入門
こんにちは、クラウドエース編集部です。
ブロックチェーンの登場により、現代の GAFA 中心のインターネットの在り方から、分散型インターネットを目指す「 Web3 」への変遷が注目されています。
しかし、最近ではさらにその次の「 Web5 」という概念も広まっています。
今回は、Web5と はどのような概念なのか、それが実現されることでどのような世界がやってくるのかについて解説していきます。
Web5 とは?概念をわかりやすく解説
まずは、Web5 の概念や、最近よく耳にする Web3 との違いについて見てみましょう。
ジャックドーシーが提唱する「真の分散型インターネット」
Web5 とは簡単に言えば「真の分散型インターネット」です。
Twitter の創業者であるジャック・ドーシー氏が CEO を務めるモバイル決済企業「 Block 」の子会社、TBD が発表した概念です。
具体的には、「自分のデータや ID を管理できる非中央集権的な Web プラットフォームを目指す取り組み」です。
「 Web2 」と呼ばれる現在のインターネットの在り方は中央集権的であり、個人のデータや ID が、各種サービスを提供している企業に握られている状態と言われています。
例えば、Google アカウントを作成して YouTube を視聴すると、いつ、どこで、誰が、どんな動画を観たのか、その人がどんな趣味趣向を持っているのかといった情報が Google に収集されますよね。
Web5 では、このようにサービスの提供者が個人情報を握るのではなく、ブロックチェーンを活用して個人同士が直接繋がる、分散型のネットワークの実現を目指します。
Web3 との違い
「分散型インターネット」と聞くと、「Web3 と何が違うの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
TBD の説明によると、Web5 と Web3 との違いは、ビジネス展開におけるトークンの存在の有無、そして Web5 では ID の自己管理化を目指すことにあると言えそうです。
ちなみになぜ、4じゃなくて5なの?と思われる方もいるかもしれないですが、「Web2 + Web3 = Web5」ということらしいです。
Web3 も Web5 も、ブロックチェーンを活用してインターネットの分散化を目指す点では同じです。
しかし Web3 では、ビジネスモデルにおいて各種サービスが発行する「トークン」を利用することが一般的です。
イーサリアムやリップルなどをはじめとして、今やサービスごとにあらゆるトークンが発行されており、その数は世界で 20,000 種類にものぼると言われています。
このような状況からジャック・ドーシー氏は「 Web3 は出資している一部の大手ベンチャーや投資家しか恩恵を受けられない」「究極的に Web3 は名前が違うだけの中央集権的な存在だ」と、Web3 に対する批判的な姿勢を示していました。
確かに、Web3 は GAFA に集中していた権力が、一部のベンチャーキャピタルに移動しているだけと捉えることもできるかもしれません。
一方で Web5 では、ビットコインのみを利用する ID ベースのシステム構築を目指します。
具体的には「 ION 」と呼ばれる、ビットコインのブロックチェーンの上で動く分散型 ID ネットワークを利用することで、各種ID やデータなどのデジタル上の個人情報を真に自己管理することを目標とします。
これが実現されると、Web3 のように特定のベンチャーキャピタルや投資家が権力を持つことがなくなるということです。
Web5 を構成する要素と仕組み
ここまで紹介した通り、Web5 の重要なコンセプトは「デジタル上の ID やデータの自己管理化」と言えます。
それでは、これはどのような技術・仕組みによって実現されるのでしょうか。
分散型識別子
1 つ目の要素は、分散型識別子です。
これは、中央集権的なサービスに依存せずに、自分が自分であることや、自分に関する情報を証明することを実現できる識別子です。
TBD によると、分散型識別子の特徴は以下の 5 つです。
- 自分で生成できて、自分で所有できる
- 中央集権的なプロバイダや権威が存在しない
- 特定のトークンや主観的な同意が不要
- あらゆる攻撃に対して高い耐性がある
- ID を普遍的に発見可能なものにできる
このような識別子は、主にデジタル上の ID やデータの正当性を証明するために活用されます。
VC
2 つ目の要素は VC です。
VC とは「 Verifiable Credentials 」の略称で、日本語にすると「内容の検証可能な証明書」です。
自己主権型のデジタルな個人情報・各種証明書と言えます。
現在は、銀行の残高証明や運転免許証などの証明書は個人により紙ベースで管理されています。
しかし Web5 では、ブロックチェーンを活用して、デジタルでも各種証明書を信頼できる形で発行・保存・提出できるようになるのです。
また、「デジタルウォレット」と呼ばれる保管場所にこれらの個人情報や証明書を保存することにより、いくつかの機関・サービスに証明書を提出する必要がある場合、それらを都度発行し直す必要もなくなります。
デジタルウォレット
3 つ目は、デジタルウォレットです。
Web5 におけるデジタルウォレットとは、 VC などの各種データを保存・管理する場所です。
例えば Web5 では、あるサービスへの利用登録を行う際、氏名や住所などの個人情報をサービスごとに登録するという従来のやり方ではなく、個人が所有しているデジタルウォレットへのアクセス権を各種サービスに付与する形で実行します。
これにより、各サービスを利用する度に個人情報を入力したり、パスワードを設定したりする手間がなくなるというメリットもあります。
分散型ウェブノード
4 つ目は、分散型ウェブノードです。
これは、データを保存・やり取りするための新たな形です。
これまで、情報のやり取りは中央に置かれるサーバーを経由して行われていました。
しかし、一箇所に情報が集中していることによりハッキングリスクが増大したり、企業にデータを追跡されたりするデメリットがあります。
分散型ウェブノードでは、中央にサーバーを置かず、複数のコンピュータを直接接続することで、データのやり取りを実現します。
複数のコンピュータが同じデータベースを保持し、変更が発生すると各コンピュータのデータも更新されていく仕組みです。
分散型ウェブノードを利用することで、特定のサービス・企業に自身の個人情報を提供する必要や、行動履歴などのデータを監視される恐れがなくなるのです。
Web5 により実現できること
ここまで見てきた通り、Web5 の大きなメリットは、自分の ID や各種データ、外部アプリや接続のための認証を自己所有して、安全に管理できるようになることです。
現状は、各種サービスを利用する度に、要求される証明書をアップロードしたり、ID やパスワードを設定して覚たりしておく必要がありますよね。
しかし、Web5 では分散型 IDアプリを通じて作成されたすべての情報がデジタルウォレットに保管されます。
先述の通り、各種サービスの利用時には、自分の個人情報を登録するのではなく、サービスに対して自身の分散型ノードへのアクセスを許可します。
そのため、サービス利用時にはロックを解除するだけで良くなるため、サービスごとにパスワードを設定したり、プロフィールを作成したりする必要がなくなるのです。
具体的な活用例を見てみましょう。
例えば現在、 旅行の手配をするとなると、ホテルの予約、航空券、観光施設のチケットなどを異なるサービスでそれぞれ取得し、それぞれ別のアプリに保存することになります。
Web5 では、このような煩雑な管理をより快適に行えるようになります。
つまり、ホテル、航空券、観光施設の予約サービスに対して自身の分散型 ID アプリへのアクセス権限を付与することで、各種サービスがチケット購入に必要な情報をすべて見つけてくれるのです。
これにより、ユーザーは新たに個人情報を登録してアカウント作成をする必要がなくなります。
また、旅行に必要なチケット情報を一括でシームレスに確認することも可能となります。
このように、Web5 では個人の ID を自己所有することにより、アプリを跨いで自由に各種サービスを利用できるようになるのです。
まとめ
ここまで、Web5 の概念やそれを構成する要素、メリットについて紹介してきました。
この記事を参考に、これからやってくるかもしれない新たな世界への理解を深めてください。
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