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Web3.0、Web2.0、Web1.0 の違いとは. 概要や特徴を5分で解説

こんにちは、クラウドエース編集部です。

Google や Meta などが提供するサービスを使って自由に Web 検索をしたり、SNS で情報発信ができる現代は「Web2.0」の時代と呼ばれています。
しかし、この先間もなく時代は「Web3.0」へと移り変わると言われています。

今回は、Web3.0、Web2.0、Web1.0 の違いや、現状の Web2.0 から次世代の Web3.0 へと変わることでどのような変化が生まれるのかについて解説していきます。

Web3.0、Web2.0、Web1.0 の違い

まずは、Web3.0、Web2.0、Web1.0 それぞれの時代の違いについて詳しく見てみましょう。

Web1.0 とは

Web1.0 とは、インターネットができたばかりの時代の Web の在り方です。
簡単に言えば「静的で、情報の流れが一方通行な Web の時代」と言えるでしょう。

Web1.0 では、情報の送り手と受け手が固定されていました。
メールなどでコミュニケーションは取れるものの、今のようにインターネット上で個人同士が情報をやり取りすることはほとんどなかったのです。
新聞やテレビなどと同じようなものと考えればわかりやすいかもしれません。

また、テキストのみで作られたページがメインであり画像や動画といったコンテンツが少なかったことも特徴です。

Web2.0 とは

Web 2.0 は、私たちが現在利用しているインターネットの形です。
Web1.0 に対して「動的で、情報の流れが双方向な Web の時代」と言えます。

ここで言う「双方向な Web」は、SNS をイメージすると最もわかりやすいでしょう。
例えば、Instagram では友達の投稿に「いいね」をしたり、シェアしたり、コメントしたりと、情報を閲覧するだけでなくそれに気軽に反応することができます。
そして、アカウントさえ作成すれば誰であっても情報発信を行えます。
Web2.0 では、インターネットが情報を消費するだけのものから、参加するものへと変化したと言えるでしょう。

また、技術の発達によりインターネットの回線速度が高速化したことから、発信される情報もテキストだけでなく、画像や動画、音声などと多様化したこともポイントです。

Web3.0 とは

次世代の Web 3.0 とは、ひとことで言えば「分散型インターネットの時代」です。
これは、現在の Web2.0 が抱える課題を解決するインターネットの在り方と言えます。

Web2.0 が抱える課題とは、簡単に言えば Google や Apple、Meta などの巨大企業に情報と権力が集中していることです。
普段意識することは少ないかもしれませんが、これらのサービスを利用する際には、自身の個人情報や行動履歴が各企業に収集されています。
このようなサービス形態は、個人のプライバシーの侵害や、情報の一箇所集中によるセキュリティリスクなどがあると懸念されています。
Web3.0 では、このような中央集権的なインターネットから脱却し、各個人に権力を分散することを目指します。

これを実現する重要な鍵となるのがブロックチェーン技術です。
ブロックチェーンとは、「暗号技術を用いて取引履歴を 1 本の鎖のように繋げて記録することで、改ざん不可能なデータ保存を実現する技術」のことです。
ブロックチェーン上でやり取りされたデータは、世界中のネットワーク上にあるコンピュータ同士で分散的に保存されます。

これが実現されると、個人情報は特定の企業ではなくブロックチェーンの参加者に分散管理されます。
つまり、サービスの提供基盤が特定企業ではなく、ユーザー 1 人ひとりが参加するネットワークとなるのです。
結果として、現在の Web2.0 で問題視されているプライバシー侵害や情報漏えいのリスクといった問題が解消されると期待されています。

Web2.0 から Web3.0 になることで生まれる変化

現在は、Web2.0 から Web3.0 に変わりつつある時代と言えます。
ここからは、Web3.0が 実現されることで、具体的にどのような変化が生まれるのかについて詳しく見てみましょう。

非中央集権型のインターネットやDAOの実現

1 つ目は、非中央集権型のインターネットが実現されることです。

先述の通り、Web3.0 の目指すところは、中央集権的なインターネットからの脱却と言えます。
中央に管理者を置く必要のない Web3.0 では、個人情報の流出や不正アクセス、データの改ざんなどのリスクを低減できるというメリットがあります。

また、これにより従来の組織の在り方の基本であった株式会社に代わるような、新たな組織体制も実現されています。
その代表として挙げられるのが DAO(非中央集権型自律組織)です。
DAO とは、ブロックチェーンを利用して作られる、中央集権的な管理者がいない組織のことです。
国籍や性別に縛られず誰でも組織に参加できる、民主的な意思決定が可能、取引の透明性を維持できるなどさまざまなメリットがあることから、Web3.0 の潮流において DAO は大きな注目を集めています。

NFT 市場の拡大

2つ目は、NFT 市場が拡大することです。

NFT(=Non Fungible Token)とは、簡単に言えば「ブロックチェーンを用いて発行された唯一無二性を持つデジタルデータのこと」です。

Web2.0 では、インターネット上の画像や動画などのコンテンツは簡単に複製・偽装することができました。
しかし、「書き換え不可」というブロックチェーン技術により、複製できないデジタルデータを生み出せるようになりました。
これが NFT です。

NFT の登場により、これまで値段が付けられなかったデジタル上のデータに資産価値を持たせることができるようになったのです。
実際に、デジタルアートに数十億円の値段が付けられたり、日本の小学生が書いた絵が数百万円で取引されたりといった事例も出ています。

NFT は、ゲーム内のアバターやアイテムを NFT 化してお金を稼げるサービスが登場したり、NFT のトレーディングカードが人気を集めたりと、さまざまな新しい市場が作られています。

個人情報の自己管理化によるビジネスモデルの変化

3 つ目は、個人情報を自己管理できるようになることにより、従来のテック企業のビジネスモデルが変化することです。

GAFA に代表される巨大企業は、サービスを提供する代わりに、ユーザーの個人情報や趣味嗜好、購買履歴などのデータを得て、それを利用して収入を得るビジネスを行ってきました。

しかし、非中央集権的なインターネットを実現する Web3.0 では、個人情報や購買履歴などのデータは全て個人で管理できるようになります。
これにより、自分で広告を非表示にしたり、個人情報の提供の対価として報酬を受け取ったりすることもできるようになるのです。

このような時代の変化から、Google や Meta などの大企業は、従来の広告ビジネスだけでなく、新たなビジネスモデルを展開していくと予測されています。
例えば Google は、YouTube に NFT トークン機能を導入し、ファンが発信者の動画や写真を所有したり、発信者とファンが参加する DAO を形成したりできる場の提供を検討しています。
 NFT マーケットプレイスとして、新たなビジネスを構築していると言えるでしょう。
また、Meta でも NFT を売買したり、展示したりできるメタバースのプラットフォームを構築しています。

金融プラットフォームの自由化・DeFi の実現

4 つ目は、金融プラットフォームの自由化や DeFi が実現されることです。

DeFi(分散型金融)とは、これまで銀行などが担っていた仲介業務を、ブロックチェーン上のプログラムで行うものです。
DAO の仕組みを金融に適用したものと考えるとわかりやすいかもしれません。

DeFi を支える重要な技術としてブロックチェーン上のシステムの「スマート・コントラクト」があります。
これは、事前に決められた条件に基づき自動的に契約を執行する技術のことです。
これにより、仲介者なしでも透明性の高い安全な金融取引が実現されるのです。
 
このような金融システムが普及することで、今まで銀行に支払っていた手数料などがかからなくなります。
また、貸付や借受における承認プロセスなども迅速化するというメリットもあります。

まとめ

ここまで、Web3.0、Web2.0、Web1.0 の違いについて解説してきました。Web3.0 時代に起こり得る変化を理解・対策しておくことで、新たな事業の創出やビジネスモデルの変革など、企業の成長に繋げられるかもしれません。

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