今回は、ゲーム業界で活用できる Google Cloud のさまざまなソリューションについて解説していきます。
目次
優れたゲームの開発
ゲーム開発の負担を減らすためには、自動化ツールや機械学習・AI などが役に立ちます。
クラウドベースでのゲーム開発に活用できる Google Cloud のサービスを紹介します。
オープンソースのマッチメイキング
対戦型のオンラインゲームでユーザーの満足度を上げるには、同じレベルのプレイヤー同士をスムーズにマッチさせることが重要です。
Google Cloud とUnity が共同で設立した 「 Open Match 」を利用すれば、コードの記述によりフレキシブルかつスケーラブルなマッチメイキングを実現できます。
AI を活用した快適なゲーム体験の実現
Google Cloud で提供している各種機械学習ツールを統合したプラットフォーム「 Vertex AI 」。
これを利用することで、コンテンツの管理、チャットの翻訳、有害コンテンツの検出などを AI に任せ、プレーヤーにこれまで以上に快適なゲーム体験を提供できるようになります。
業務生産性の向上
大規模なタイトルの開発では、多岐にわたる部門、あるいは海外拠点との共同作業が必要な場合もあるでしょう。
グループウェアの「 Google Workspace 」 を使用すれば、各地に分散したチームでのリモートワークの生産性を向上できます。
【事例】株式会社ディー・エヌ・エー
プレイヤー体験の向上を目的に、Google Cloud 上に AI 基盤を構築した株式会社ディー・エヌ・エーの事例を紹介します。
同社は、オセロの要素を持った戦略対戦ゲームアプリ「逆転オセロニア」の「デッキ編成」に Google Cloud の AI 機能を導入しました。
このような課題のソリューションとして選ばれたのが Google Cloud が提供する AI 機能です。数ある AI サービスの中でも Google Cloud を選んだ理由は、フルマネージドなサービスであったことだそう。ゲームサービスはイベント時にリクエスト数が一気に 10 倍になるなど、予想が難しい分野です。そのようなゲーム特有の急激なアクセス増にも耐えるスケーラビリティを備えていることが決め手になったそう。
同アプリの AI 基盤には、Google Cloud プロダクトが数多く活用されています。具体的には、データの収集・蓄積には 「 BigQuery 」、データの加工・モデリングには「 Google Compute Engine 」、モデルのデプロイには「 ML Engine 」、最適なデッキ編成を行うサーバーには 「 Google App Engine 」を利用しているとのこと。
これらの機能の活用により、デッキ構築を AI でサポートする「オススメ編成」機能が実装されました。これは、AI が上位プレイヤーのデッキのデータを参考に、手持ちのキャラクターから最適なデッキを自動的に作ってくれるという内容。この新機能の導入により、初心者の勝率が明らかに向上したそうです。
同アプリ開発では今後も AI を活用したプレイヤー体験向上を追求し、将棋の感想戦的な指導機能や、まったく新しいゲーム体験につながる機能も検討しているとのことです。