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ラジオ同録をクラウド化!GCP と Google Workspace で作られたCmosy同録システムについて

 

 

こんにちは、クラウドエース編集部です

弊社(クラウドエース株式会社)のグループ会社である吉積情報株式会社がTBSラジオ様と共同で開発した「Cmosy同録システム」がCmosyの関連サービスとして昨年4月にリリースされました。今回の記事ではCmosy同録システムがラジオ同録にもたらす効果について解説します。

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ラジオ同録とは

ラジオ同録(法定同録)とは、ラジオ局が放送した音声を3ヶ月間保管することを義務付けられた法律のことです。問題発生時の確認のために保管される意図もあります。ただし、保管された素材には著作権があるので、視聴者個人が録音した音声を YouTube 等にアップロードしたり、二次販売することは禁じられています。法定同録はあくまで放送局に対して義務付けられた法律です。

ラジオ同録の課題

現在、ラジオ局は売上規模縮小による経費削減や人材不足をはじめとした様々な問題を抱えています。その中でもラジオ同録はオンプレ環境で構築されるケースが多く、設備に対するメンテナンス業務や費用が大きな負担になっています。本来、クリエイティブな作業がメインの業務であるラジオ局にとって、これらは大きな問題です。Cmosy同録システムはこのような課題を解決するために開発されました。

ラジオ同録を Google Workspace / GCP で構築した理由

  • Google Workspace (旧 G Suite ) を採用した理由
    TBSテレビ様では、既に G Suite Business (当時) が導入されていたため、このサービスの大きなメリットの一つである「無制限ストレージ( Google ドライブ)」(※1)をベースにシステムを構築することになりました。ラジオ音声は日々放送され蓄積されているため、無制限にファイルを保管できるのは非常に大きなメリットです。もちろん、ストレージの増減等のメンテナンス作業も発生しないため、管理者は煩雑な保守業務から解放されます。
    ※1 現在では、当時の G Suite Business と同等とされるプランの、Google Workspace Business Standard では2TB/ユーザー、Business Plus では5TB/ユーザーの容量制限がかけられています。無制限ストレージにするためには、Enterprise での契約が必要です。
  • GCP を採用した理由
    第一のメリットとして、Google Workspace と GCP は同一の Google ネットワーク上で繋がっているため、高速にファイルを処理することができます。また、今回採用した GCP サーバは(当たり前ですが)全てクラウド上で動作します。
    これらのサーバの保守は Google が行うため、管理者がサーバ上で動作するソフトウェアのアップデート等を行う必要はありません。

Cmosy同録システムが提供する3つの機能

Cmosy同録システムはラジオ同録に関する業務を Google クラウドを活用し自動化した SaaS サービスです。Cmosy同録システムは以下3つの機能を提供します。
これらは全てクラウド上で構築され、ユーザはブラウザから操作を行うことができます。次章以降はこの3つの機能の詳細な概要について説明します。

  • 法定同録機能
  • CM素材送付機能
  • アーカイブ機能

機能①法定同録機能の概要

法定同録機能は、音声ファイルを定期的にクラウド( Google ドライブ )上にアップロードする機能です。機能の概要図は以下の通りです。ファイルの保管先は Google ドライブ を前提にしています。

  • 社内NWからクラウドへのアップロード
    クラウドへのアップロードは、事前にセットアップしたクライアントアプリケーションから実行します(自動定期実行)。AirRecで録音した音声が所定マシンのフォルダに出力されると、クライアントアプリは1時間に一回の頻度でクラウドに同録ファイルをアップロードします。アプリはあくまでクラウドにファイルをアップロードすることに専念しており、録音についてはAirRecが行なっています(※2)。
    ※2 録音に必要なアプリケーションについてはAirRecに限りません。アップロード機能と録音機能は疎結合になっているため、他の録音アプリとの連携も可能です。
  • クラウド上の音声視聴
    Google が無料で提供する File Stream を利用すれば、作業PCと Google ドライブをローカル上に同期することができます。ディスクが同期されると、作業PC上にインストールされた任意のメディアプレイヤーで音声ファイルを再生することができます。再生にはAirPlayを推奨しています(※3)。AirPlayを利用すれば分割された音声を繋げて横断的に再生が可能です。また、音声ファイルへのアクセス制御は Google ドライブの権限設定に依存します。これにより、任意のユーザのみにアクセス権限を与えることが可能です。
    ※3 音声ファイルの再生はご利用のプレイヤー(mp3対応)で再生可能です。プレイヤーがない場合でもブラウザがあれば再生することができます。

機能②CM素材送付機能の概要

クラウド上の音声からCM部分だけを切り取り、CM音声を任意のユーザに転送する機能です。機能の概要図は以下の通りです。

  • 時間跨ぎの音声切取りが可能
    法定同録機能によってアップロードされる音声ファイルは、1時間単位で保管されますが、音声切取を行う場合時間跨ぎで音声の切り取りが可能です。数時間に及ぶ
    尺でも切り取ることができます。
  • 送付前のプレビューが可能
    切り取りが完了すると、送付前に切取った音声のプレビューが可能です。切り取り素材をプレビュー後、問題なければファイルを送付することができます。
  • 社外ユーザにファイル送付が可能
    切取ったCM素材を広告会社等のお客様に送付することが可能です。もちろん外部ユーザ(同一 Google Workspace ドメイン外)に対しても素材の送付が可能です。

機能③アーカイブ機能の概要

クラウド上の音声から番組音声を切り取り、アーカイブ化します。アーカイブ化されたファイルは Google ドライブの検索機能からいつでも簡単に取り出すことが可能です。機能の概要図は以下の通りです。

  • 時間跨ぎの音声切取りが可能
    番組音声を任意の時間範囲で切り取ることができます。CM音声と同様に、時間跨ぎの切り取りが可能です。
  • 素材を Google ドライブにアーカイブ
    切り取られた番組音声は Google ドライブにアーカイブ化されます。アクセス権限は Google ドライブの権限設定で管理します。
  • カレンダーの予定に番組音声の公開時間と素材をリンク
    Google カレンダーに番組音声の公開日時で番組の情報が予定として保存されます。これにより Google カレンダーの予定から音声の再生を行うことができます。
  • 番組音声はブラウザからいつでも再生可能
    保管された番組音声はブラウザがあれば、どこからでも再生可能です。また、前述した File Stream を利用すれば、PCローカル上に音声ファイルを同期し、普段使いの音声プレーヤーで再生することも可能です。

Cmosy同録システムによって改善されること

Cmosy同録システムによって、ラジオ同録に関する業務では以下のメリットを享受することができます。

  • 運用・管理コストの削減
    オンプレミスのシステムでは必要となる運用保守、及び機器故障に伴うメンテナンス作業が一切不要になります。作業工数が削減され、本来のクリエイティブな業務に集中することができます。
  • 作業効率化
    CM音声切取りから広告会社への納品、番組音声アーカイブまでをクラウドで一括管理することができます。CD-R等で送付するコストが削減できます。
  • セキュリティ向上
    Cmosyの機能によって、セキュアにファイルを送信することができます。送付した履歴はログとして永続保管されます。また、音声ファイルのアクセス制御については Google ドライブの権限設定によってセキュアに管理することができます。

まとめ

このようにCmosy同録システムは、法定同録だけでなくCM送付やアーカイブ等、様々な機能を実装しています。既に本システムが導入されているTBSラジオ様では高い費用対効果を発揮しており、日々の業務において工数削減や業務効率化を実現しています(※3)。

※3 TBSラジオ様の事例については以下をご参考ください。
https://cmosy.jp/case_tbsradio

Cmosy同録システムは吉積情報株式会社がSaaSサービスとしてサービス展開しています。
資料請求等、ご興味がある場合は以下お問い合わせ先からお気軽にご連絡ください。

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