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5分でわかる!AIOpsとは – クラウドエース株式会社

こんにちは、クラウドエース編集部です。

AI を活用して IT システム運用管理を自動化する「 AIOps 」(読み方:エーアイオプス)。言葉自体は耳にするものの、具体的にどういったものかイメージしにくいと感じている人も多いのではないでしょうか。

今回は、AIOps とは何なのかについてわかりやすく解説した上で、どのようなメリットがあり、どのようなシーンで活用されるのかについて紹介していきます。

AIOps とは何か?


まずは、AIOps という言葉について、その具体的な内容や、なぜ現在、大きく注目を集めているのかについて説明します。

AIOps の概要

AIOps とは、「 Artificial Intelligence for IT Operations 」の略称であり、直訳すると「 IT運用のための人工知能」となります。

これは 2016 年にアメリカの調査会社であるガートナー社により提唱された言葉で、AI や機械学習の技術を用いて、システム運用に関する大規模で複雑なビッグデータを分析し、従来は人の手で行われていた IT 業務の自動化・効率化を目指すことを指します。
 
AIOps を導入することで、ビッグデータの統合・集約からデータ分析までのプロセスを自動化できます。システム運用にあたって日々出力される大量のデータを自動分析することで、パターンを検出して、発生している障害の根本的な原因を特定したり、将来的に起こる可能性のある問題を予測をしたりすることも可能となります。

AIOps が注目を集める理由

このような AIOps が、なぜ現在大きく注目を集めているのでしょうか。
その理由は、IT 業務における収集されるデータの急増とエンジニア不足にあると言えます。

DX 化の推進が叫ばれている近年、企業における情報システムが多様化・複雑化しています。企業内の部署やチームごとに、異なるシステムで運用を行っていることもあるでしょう。また、システムが多様化すると、そこから生成されるデータ量も増加していきます。

このような状況において、エンジニアが手作業であらゆるシステムから出力される膨大なデータを分析・解析し、その安定性を保ち続けることが難しくなっています。また、「アラート疲れ」と呼ばれる問題に代表されるように、システムが複雑化することでエンジニアにかかる負荷も重くなってしまいます。

さらに、IT 人材の不足が叫ばれている現代では、多くの企業においてシステム運用に割ける人材やコストの削減も必要とされています。

このような問題のソリューションとなるのが、AI によりデータの正確な高速処理を自動で行ってくれる AIOps です。情報システムから生み出される大量・多様なデータを収集し、機械学習により分析・活用することで、IT 業務の負荷を軽減することが期待されているのです。

ちなみに、先述のガートナー社はレポートにおいて「 2022 年までに、大企業の 40% が監視、サービスデスク、自動化のプロセスやタスクをビッグデータと機械学習機能を組み合わせたものに部分的に置き換える」と予測しています。

AIOps の導入メリット

続いては、AIOps を導入するメリットについて見てみましょう。

生産性の向上

1 つ目のメリットは、業務生産性を向上できることです。

先述の通り、AIOps を導入することで、IT の運用管理にまつわる業務を自動化することができます。

具体的には、サーバーの構築やデプロイ、必要リソースのスケーリング、運用データに基づいたパフォーマンスの向上などを AI に任せられます。このように、さまざまな業務を自動化することで、システム運用管理に割くエンジニアを減らし、基幹業務に集中してもらうことができます。

また、アラートが発生した場合にも、その対処方法を AI が分析してくれるようになります。例えば、対処不要なアラートと重大な脅威のあるアラートを自動振り分けしたり、アラート予測を行い未然に対処したりすることで、発生回数を削減することができるようになります。

人的ミスの削減

2 つ目のメリットは、人的ミスを削減できることです。

AI・機械学習の大きな強みのひとつは、その正確性です。これにより、ヒューマンエラーの防止ができます。

例えば先述の「アラート疲れ」とは、対応しなければならないアラートが過剰に鳴ることで、エンジニアが疲弊してしまうことです。アラート疲れが原因で、アラートに慣れてしまい重要な警告を見落としてしまったり、無視してしまい大きなインシデントに繋がってしまったりするリスクもあります。

このように、人の手による作業は、どうしても環境や体調によりパフォーマンスが左右されてしまいます。しかし、AI・機械学習であれば、常に一定の品質での運用管理を行えます。

複数システムからのリアルタイムなデータ集約・分析が可能

3 つ目のメリットは、複数システムからのリアルタイムなデータ集約・分析が可能となることです。

DX 化が進められている企業では、サーバーやクラウド、仮想マシン、アプリケーション、ネットワーク機器など、さまざまなプラットフォームからさまざまなログやデータが収集されているでしょう。

AIOps では、このようなあらゆる場所から集められたビッグデータを集約してくれます。さらに、集積したデータを大規模なデータセットとして取り込むことで、分析に活用しやすい形に迅速に整形してくれます。

このように、データの集約・整形・分析までのプロセスを全て自動化できるため、人の手では難しかったリアルタイム性のあるデータ分析も可能となります。
 

IT 運用管理のコスト・リソースの削減

4 つ目のメリットは、IT 運用管理におけるコストやリソースを削減できることです。

情報システムにおけるあらゆるデータ収集・分析を自動化することで、エンジニアにか かるコストや労力を削減することができます。また、AI の正確性・高速性を活かすことで、業務の品質向上も期待できるでしょう。

また、エンジニアのシステム運用にかかる負荷が軽減されることで、人の手でなければできないような付加価値の高い仕事に集中してもらうことができるようにもなります。

AIOps の活用シーン

このように、さまざまなメリットがある AIOps。ここからは、具体的に AIOps がどのような場面で活用され、どんなことを実現できるのかについて見てみましょう。

パフォーマンス監視


1 つ目は、パフォーマンスの監視や分析です。

システム運用のための監視業務では、常に複数の情報システムからアラートやログに関する大量のデータを収集・分析します。エンジニアにとって、複雑なネットワークやさまざまな機器の監視業務の負荷は、軽くありません。

これまでにも、アラートやログの監視・分析を行うツールはありました。しかし、既存のツールでは分析の方法を事前に定義する必要があるため、変化の激しいシステム運用に対応することが難しいという問題もありました。

しかし、AI や機械学習を用いれば、多様な形式の膨大なデータを、その時に必要としている視点での収集・分析を自動で行ってくれます。システムで発生する大量のデータを分析しながら、常にパフォーマンスが正常な値にあるかを監視してくれるのです。

異常検知


2 つ目は、システムにおける異常検知です。

これまでは、情報システムでアラートが検知された場合、エンジニアが一つずつ確認し、原因の分析を行っていました。

AIOps では、このような異常検知の判断も自動化できます。複数のシステムデータやスコアから AI が KP Iを学習し、一定条件において閾値を超えた場合に異常を判断させるのです。

加えて、AIOps ではアラートが検知された場合、その原因を特定することもできます。結果として、人の手による対処が必要か不要かの判断も自動化できるため、原因特定にかかる工数や人的リソースの削減にも繋げられます。

IT サービス管理( ITSM )


3 つ目は、IT サービス管理( ITSM )です。

IT サービス管理( ITSM )とは、企業内で従業員が利用する情報システムの設計・構築や運用・サポートなどのことです。

AIOps を導入すれば、情報システムにおいてインシデントが発生した場合にも、データ分析により原因の特定・対処をしてくれます。具体的には、インフラやデバイス、リソースの管理などを行うことが可能です。

このように社内システムの管理を AI に任せることで、利便性と生産性の向上が期待できるでしょう。

まとめ

ここまで、AIOps の概要やメリット、利用されるシーンについて紹介してきました。本記事を参考にしながら、AIOps の導入について検討してみてください。

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