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【実際どうなの GCP】GCP 導入における4つの不安とは

こんにちは。クラウドエース編集部です。

導入ハードルが低く、コスト削減にも繋げられると人気のクラウドサービス。中でも GCP(Google Cloud) は、Google 社内でも利用されている安定したインフラを使えることで高い評価を得ています。

そんな GCP(Google Cloud) へ、オンプレミス環境からの移行を検討している人もいるでしょう。しかし中には、初めてのクラウドサービス利用で不安に思う部分が多いと感じる人もいるかもしれません。

今回は、GCP(Google Cloud)導入の際によく挙げられる4つの不安の声を紹介し、どのように心配を解消できるのかについて解説していきます。

GCP 利用開始にあたってのよくある4つの不安

GCP を初めて利用する際によく聞かれる不安の声としては、主に以下の4つが挙げられます。

  • セキュリティに対する不安
  • 運用の安定性への不安
  • コストに関する不安
  • サポート体制への不安

それぞれの不安を、導入前にどのように解消できるのかについて見てみましょう。

セキュリティに対する不安

クラウドを初めて導入する際に、もっとも不安に感じることのひとつは、セキュリティ面についてでしょう。自社にサーバーを置くオンプレミス環境と異なり、クラウドサービスではインターネット上の第三者の持つサーバーにデータを預けることになるため、安全に情報管理されるのか、災害時にはどうなるのかなど、気になる部分も多いですよね。

しかし、GCP(Google Cloud)のような大手クラウドサービスでは、常に万全の体制でセキュリティ対策が行われています。特に Google ではユーザーが抱える不安を解消するためにセキュリティに関するホワイトペーパーが公開されています。

ホワイトペーパーの内容から、ここでは簡単に、GCP で行われている以下の4つのセキュリティ対策について見てみましょう。

  • データ・通信経路の暗号化
  • データセンター保護など物理的対策
  • 不正アクセスの防止
  • 社内ルールの徹底遵守

1つ目は、データや通信経路の暗号化です。GCP(Google Cloud) では、データが保存される際にデフォルトで暗号化されるようになっています。また、通信経路についても全て SSL / TLS で暗号化されているなど、第三者に解読させない仕組みが整っていると言えます。

2つ目は、データセンターの保護やハードウェアの破棄といった、物理的なセキュリティ対策です。GCP(Google Cloud)のデータセンターでは、生体認証、金属検知やレーザーなどを利用した侵入検知システムや、侵入者を検知し追跡するカメラが屋内外に設置され、厳重に情報が保護されています。

また、データセンター内の全ての機器はバーコードにより追跡され、探知機や動画監視システムを活用して持ち出しができない仕組みになっています。ディスクを破棄する際には破砕機やシュレッダーが利用されて細かく砕かれるため、修復されることもありません。

3つ目は、 不正アクセス防止です。一般的なセキュリティ対策ツールと社内の専用ツールを用いながら、外部監査と組み合わせて自動・手動両方で常にセキュリティの脆弱性がないか常に探索されています。このような脆弱性の追跡・対処のために専門チームが用意され、改善が必要な問題が発見された場合には、解決が確認されるまで対応作業が続けられています。

4つ目は、セキュリティに関するルール遵守の徹底です。Google では、採用活動や新人教育の段階からセキュリティ教育を行っており、全従業員に対して高いセキュリティ意識を持たせる仕組みを作っています。加えて、第三者による監査も行われています。
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このように、GCP(Google Cloud)ではさまざまな方法で厳重なセキュリティ体制が取られています。不正が起きない仕組み作りがされており、安心して利用できると言えるでしょう。

ただし、GCP(Google Cloud)に限らずクラウドを利用する際にはサービスに依存せずに自分でセキュリティ対策を行うことも重要です。GCP であれば、Google アカウントの2段階認証を設定することや、ソフトウェアを最新の状態に保つことで対策が可能です。

また、より強固なセキュリティ対策が必要な場合は、別途セキュリティ認証サービスを導入するなどの工夫をすることで、更なる安心に繋げられるでしょう。

運用の安定性への不安

2つ目のクラウドサービス導入に対する不安として、運用の安定性が挙げられるでしょう。特に、重要性の高いシステムにおいてクラウドを利用する場合には、安定性は気になるポイントです。

GCP(Google Cloud)の大きな特徴は、世界最大級のデータセンターと独自のネットワークシステムを持つ Google の安定的なインフラを利用できることです。そのため、クラウドサービスの中でも快適な通信と安定性が確保されたサービスと言われています。

具体的には、GCP(Google Cloud)ではサービスレベル目標(SLO)、サービスレベル契約(SLA)、 サービスレベル指標(SLI)という軸で安定性が常に評価されています。

サービスレベル目標とは、システムの可用性の正確な数値目標のことで、この目標を満たすことをユーザーに約束するのがサービスレベル契約です。万が一、サービスレベル契約を満たさなかった場合には、サービス利用料金の一部払い戻しや、利用時間の無料延長などが行われます。

サービスレベル契約について言えば、例えばGCPが提供するコンピューティングエンジンの「 Google Compute Engine(GCE)」では、99.99% の月間稼働率の提供が約束されています。このことからも、非常に高い安定性を誇るサービスであると言えるでしょう。

サービスレベル指標とは、サービスの動作を直接測定したものです。Google(Google Cloud)では、システムが過去 1 週間に SLO が達成されているかどうかを評価する際に、SLI を調べてサービス可用性の割合を取得します。SLO を下回る場合は、システムに何らかの問題が生じているということであり、可用性を高めるための対策が取られます。

GCP(Google Cloud)では、このように日々サービスの安定性を評価する仕組みが整っています。問題が生じた場合には、早急な対処が行われたり、場合によっては返金対応が行われたりすることで、常に快適なサービスの提供を約束しています。

コストに関する不安

3つ目に、コスト面での不安が挙げられます。GCP(Google Cloud)を含めほとんどのクラウドサービスは、利用した分だけ料金が発生する従量課金制が取られています。

具体的に言うと、GCP(Google Cloud)では利用するサービスごとに、使用量もしくは使用時間あたりの金額が定められています。また、一定量以上を使用した場合や、長期契約をした場合には単価を下げるサービスも用意されています。このように GCP(Google Cloud)の導入目的や利用方法によって料金は大きく異なるため、予算の見通しが立てにくいと感じることがあるかもしれません。

しかし、GCP(Google Cloud)ではクラウドサービスならではの予算の立てにくさ、高額請求のリスクなどに対処するサービスが用意されています。

「 GCP Pricing Calculator 」で予算を立てる

GCP(Google Cloud)導入前に予算の見通しに役立てられるのが、「 GCP Pricing Calculator 」というサービスです。GCP Pricing Calculator では、利用する機能・容量・マシンタイプ・リージョンなどの項目を入力するだけで、瞬時に月額の概算を出してくれます。クラウド移行をすることで、本当にコスト削減になるか不安に思っている場合には、事前にこのサービスを活用すべきと言えるでしょう。

「予算アラート」で高額請求を未然に防ぐ

従量課金制度のサービスのリスクのひとつは、使い過ぎや料金の勘違いなどによる思わぬ高額請求です。このような予期しない高額請求を未然に防ぐために、GCP では「予算アラート」という機能が用意されています。これは、あらかじめ予算を設定して、それを超えた場合にはアラームで通知してくれるサービスです。予算アラートをうまく活用することで、想定外の高額請求を防ぎ、予算を適正化しながら運用することができるでしょう。

「 Always Free 」の活用でコスト削減

GCP では、コスト削減に直結するようなサービスも用意されています。例えば「 Always Free 」というサービスでは、GCP の20以上のプロダクトを、毎月一定使用量まで無料で使うことができます。使用予定量が少ない機能であれば、この無料枠を活用することでコストをかけずに導入することも可能でしょう。

初利用の場合は300ドルの無料クレジットを活用

さらに、GCP では初めて登録した人に対して、90日間利用できる300ドル分の無料クレジットも用意しています。クラウド移行に迷いがある場合には、まずはこのクレジットを利用して、いくつかの機能をお試し利用してから本格的な導入を決めても良いでしょう。クレジットを使い切ったからと言って自動で課金に切り替わることもないため、安心してトライアルを開始できます。

予算を明確化してコスト削減を

利用した分だけ料金が請求される従量課金制は、うまくコスト管理ができれば無駄な出費を抑えることができます。一方で、「オンプレミスからクラウドに移行すれば、コスト削減に繋がる」という漠然としたイメージで利用開始してしまうと、思わぬ高額請求に繋がってしまうリスクもあります。

事前にクラウドを利用して実現したいことや予算感を明確にした上で、ここで紹介した GCP で用意されているさまざまなサービスを利用して、確実なコスト削減に繋げましょう。

サポート体制への不安

初めてクラウドサービスを利用する場合には、サポート体制への不安を感じる場合もあるでしょう。GCP(Google Cloud)では、対応範囲の異なる4つのサポートサービスが用意されています。具体的には、以下の4段階のサポートから、任意のものを選択して利用できます。

月額
ベーシックサポート 無料
スタンダードサポート 29ドル + 純使用料の 3%
エンハンストサポート 500ドル + 純使用料の 3%
プレミアムサポート 12,500ドル + 純使用料の 4%

例えばプレミアムサポートでは、優先度の高い質問に対して15分以内に初回応答が約束されたり、サポート対応言語が日本語のほか英語、中国語、韓国語も選択できたり、運用の健全性の確認が行われたりと、手厚いサービスを受けられます。

また、GCP(Google Cloud)では機能ごとの詳しい利用方法が記載されたドキュメントが用意されています。有料のサポートサービスに加入せずとも、これらは無料で閲覧可能です。Google らしい、シンプルでわかりやすい説明となっているため、初めての利用でも安心して操作を行えるでしょう。

まとめ

ここまで、GCP 導入に際して、多くの人が感じる不安について紹介してきました。この記事を参考に、ひとつずつ懸念点を解消していってください。

また、他のクラウドと比較して不安を払拭したいという方は、下記の「3大クラウドサービス比較表」をダウンロードの上、ご覧ください。

AWS・GCP・Azure 3大クラウドサービス 比較表

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