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2021年の GCP(Google Cloud)の事例を振り返る

こんにちは。クラウドエース編集部です。

Google が提供するクラウドサービス、GCP(Google Cloud)。
世界中の企業で導入されているサービスで、利用を検討している人も多いのではないでしょうか。

今回は、実際に GCP(Google Cloud)を導入した5社の具体的な事例について紹介します。

事例1:CMS 開発基盤として Google Cloud を導入

最初に紹介するのは、CMS の開発やインターネットサイトの企画や運営などを行っている A 社。新たな CMS を開発する際の基盤として、Google Cloud が採用されました。

Google Cloud 導入の背景

ヘッドレス CMS という新しいタイプのCMSの開発を決めたA社。
開発にあたり、拡張性やメンテナンス性、変化への対応のしやすさを重視したいと考えた A 社は、クラウドネイティブで Kubernetes を使い、マイクロサービス化することを決めました。

中でも、Google Cloud を選んだ決め手は、レイテンシが低いことと、確実にログが取得できることだったそうです。

Google Cloud 導入後の効果

A 社は Google Cloud の魅力として、低レイテンシ、サービス間の認証が統合できること、BigQuery でログ解析を取得できることを挙げています。

レイテンシの低さは、クラウド開発においては特に重視される項目です。
Google Cloud はサービス間のレイテンシが小さく、ユーザーへのレスポンスが悪くなったり、利用できるサービスの選択肢が少なくなったりする心配がありません。

サービス間の認証については、Google Cloud の「プロジェクト」という階層構造が便利だったそう。
プロジェクトは API の管理やリソースに対する権限の管理など、すべての Google Cloud サービスの作成や管理の基礎となるもので、これらがシームレスに認証できることが開発のしやすさに繋がったようです。

また、A 社では BigQuery でのログ管理の機能も利用しています。
複数のコンテナやサービスを組み合わせたアプリケーションは、非同期部分が多くなりブラックボックスが大量に発生してしまいます。
しかし、Google Cloud ではログが細かく自動的に収集されるため、そのようなブラックボックスを解消できます。

今後の展望

Google Cloud で開発した CMS の評判は上々とのこと。
今後の見通しとしては、ユーザーによるカスタマイズのしやすさ向上のため、Cloud Functions を CMS からコントロールできるようにする予定だそうです。

さらに、今回開発した CMS を欧州と米国にも本格展開していく計画です。
海外展開の際にも環境を簡単に複製できるのは、Kubernetes を使っているからこそのメリットでしょう。

事例2:製造現場における DX 化で Google Cloud を導入

電子部品を製造する大手メーカー B 社。人手不足や技術継承の断絶などの課題解決のため、生産性を倍増するプロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトのポイントは、「自動化」ではなく「自律化」すること。
つまり、製造不良を未然に防ぎ、ラインを止めないことを目指します。

Google Cloud 導入の背景

生産性を倍増させるためには、データの収集・分析・活用が不可欠です。
B 社はそれを行う基盤を、Google Cloud 上に構築することに決めました。

製造現場でも容易に活用できる基盤の開発が必要だった B 社にとって、迅速な機能リリースが可能でスケールも容易なクラウドを利用することは当然でした。

その中でも Google Cloud を選んだ理由として、高いセキュリティ性を挙げています。
外部への情報漏洩を確実に避ける必要がある製造現場において、グローバルな海底ケーブル網を持ち、専用回線を利用できる Google Cloud は魅力的でした。

Google Cloud 導入後の効果

B 社で開発された基盤は「データ収集」「データ活用」「サービス」の3層構造となっており、その全てで Google Cloud のプロダクトが活用されています。

事業部ごとの基幹システムや、工場設備の各種センサーなどからデータを取得する「データ収集部分」では、BigQuery が活用されています。
特に膨大なデータに対して瞬時に応答する点や、マルチクラウドでのデータソース連携ができる点が好評だそう。

「データ活用部分」では、 Compute Engine や Cloud SQL を利用し、収集したデータをAI 分析します。
そして分析結果を機能として提供する「サービス部分」では Cloud Functions や Google アナリティクスなどが活用されているようです。

Google Cloud の導入により、コストが大幅に減り、フルマネージドで全てを委任できるようになったという B 社。
Google Cloud がなければ、開発には現在の 2〜3 倍の人員が必要だった可能性もあるそうです。

開発者からは、メニュー構成のわかりやすさや、データベースが巨大化、分散化していく中での BigQuery の結合性の高さや使いやすさが特に評価されています。

今後の展望

デジタルプラットフォームも含めて現場を変える仕組み作りをしてきた B 社。今後は、仕組みを使って製造の現場を実際に変えていく予定です。

また、開発したプラットフォームのうち、汎用性のあるものについては、独立したサービスとしてアプリ化し、将来的には外販も考えているそうです。

事例3:分散したデータを統合・可視化してデータ分析業務を効率化

続いて紹介するのは、多数のアパレルブランドの企画から販売までを行う C 社です。
C 社では、ブランドイメージや顧客満足度の向上を目的に、顧客1人ひとりに最適な商品を提案する取り組みが始められました。

その実現のためには、顧客データが欠かせません。
しかし、当初は各店舗にデータが散在していたり、担当者ごとに使っているツールが異なったりしていたため、意思統一が困難という課題があったそうです。
この課題を解決するための基盤として、Google Cloud の導入が決定されました。

Google Cloud 導入の背景

C 社の最大の目的は、散在したデータを整理すること。
大量のデータソースから必要なものを統合・可視化し、全員が同じ KPI を見ることができれば、作業負荷も軽減され、マーケティング施策の精度向上にも繋がると考えられました。

データ収集・分析のツールとして Google Cloud の採用を決めた理由としては、顧客データの統合・活用ができるプラットフォーム「 KARTE Datahub 」によるデータ統合・可視化の仕組みが Google Cloud 上で構築されていたこと。
また、KARTE Datahub と BigQuery を連携できることや、BigQuery による高速データ処理で、リアルタイムなデータ分析が叶う点も魅力的だったそう。

具体的な活用方法としては、まずは散在するデータを Cloud Storage に収集し、Cloud Functions を使って BigQuery に統合、そしてBigQuery に統合されたデータは、Looker を使って可視化しています。

Google Cloud 導入後の効果

Google Cloud 導入の効果として、データ分析に関する業務が大幅に削減されたことが挙げられています。
データソースの収集から集計までを自動化することで、作業工数や負荷が軽減され、1 人あたり 1日30 分程度の業務短縮に繋がったそうです。

今後の展望

今後は、データだけでなく、売り上げのプロセスも可視化して、より効果的なマーケティングを予定しているとのこと。
EC サイト上での顧客の遷移や離脱のプロセスも分析し、課題に対する施策の実施、検証を繰り返すことで、改善のサイクル作りを狙います。

改善のサイクルができたら、人が考える部分と、システムに任せる部分を分け、後者は自動化などで強化していきたいとのこと。
また、最終的には、AI や機械学習を用いたデータ分析で、顧客に最適な商品を提案できる仕組み作りを目指すようです。

事例4:歌で会話をするロボット開発の音声認識に Speech-to-Text を利用

大手楽器メーカーの D 社では、言葉をメロディーにのせて会話するコミュニケーションロボットを開発しました。
その音声認識技術をサポートするために、 Google Cloud が提供する Speech-to-Text が使われています。

Google Cloud 導入の背景

D 社は、開発経験の少なさから、当初は既存のプラットフォームを利用することを検討していたそうです。

しかし、ロボットの返答時のメロディーや符割りなどのオリジナリティを高い精度で実装すべく、D 社独自の技術も駆使しながら進めていくことになりました。
そして結果的には必要な機能を選別し、適したプロダクトを組み合わせて開発する方法が取られます。

Speech-to-Text は、特に音声認識、自然言語処理に使用されています。
複数のプロダクトを比較・テストした結果、圧倒的に優れた認識精度と予算内で導入できる価格設定から、導入を決定したそうです。

Google Cloud 導入後の効果

Speech-to-Text を利用した開発については、エンジニアから、操作性がよく、使いやすいと好評だったとのこと。
細かい問い合わせにも Google Cloud の担当者からタイムリーにアドバイスをもらえることもメリットだったそうです。

開発されたロボットは、認識したユーザーの音声をテキストに変換し、自然言語処理で意味解析を行い、返事となるテキストを作成し、音声で返すという仕組みで動きます。

そして、返事となる音声を歌に変換する技術には、D 社が開発した歌声合成技術が用いられています。
ユーザーごとの発音や、言葉の判別の揺らぎは、随時チューニングを施しながら対応を重ねているとのことです。

今後の展望

楽器メーカーである D 社は、音楽の可能性を広げたいと考えています。
今回、音楽と技術を組み合わせて新しい価値を創出したように、今後もさまざまな音楽の新しい価値を創出していきたいとのことです。

事例5:Web 辞書サービスの開発に Cloud Run を利用

大手電子機器メーカーの E 社は、提供している辞書アプリを Web サービス化するにあたって、Google Cloud を導入しました。

Google Cloud 導入の背景

E 社が Google Cloud を選んだ最大の理由は、将来的なサービス規模の拡大に耐えられるスケーラビリティが期待できたからとのこと。

電子辞書の潜在顧客となるのは主に高校生で、その人数は約 300 万人。
しかし、300 万人の利用に耐えうるインフラを構築するのは非現実的です。
そこで、スケーラビリティに優れた Google Cloud でサービスを構築することが決定されました。
加えて、保守運用などの負担を小さくしたいという狙いもあったそうです。

このような目的を踏まえ、オープンな Knative と互換性を持ち開発しやすく、ビジネス規模の拡大にメンテナンス不要で追従できる Cloud Run の利用が決定されました。

一般的には、新たなプロダクト導入時には、それに合わせた実装方法が求められたり、アップデートごとにメンテナンスが発生したりします。
一方 Cloud Run ではコンテナでパッケージングできるため、上記のような問題が発生しないこともメリットだったそうです。

Google Cloud 導入後の効果

E 社は Google Cloud 利用のメリットとして、柔軟性の高さ、検索のレスポンスの向上、検索結果の一貫性を保てることを挙げています。

開発された辞書サービスは、Cloud SQL や Cloud Datastore などのサービスを活用しながら、表示を担当するフロントエンドと機能を担当するバックエンドに分割しています。
こうすることで、将来的に機能を他のサービスに応用・拡大した場合も、コストを抑えつつ、信頼性やメンテナンス性が担保されます。

また、フロントエンドに修正やメンテナンスが入った場合に、バックエンドの修正も必要になると、手間がかかり信頼性も落ちてしまいます。
しかし、分割することでこのような懸念を解消できます。

次に、辞書サービスでは検索に対する高速レスポンスが大切です。
Google Cloud のパフォーマンスを活かすことで、レスポンスの高速化を実現できているそうです。

さらに、今回開発した辞書サービスでは、サーバーサイドの検索ロジックを WebAssembly を用いてそのままフロントエンドから利用可能とすることで、一貫した検索結果の表示も実現しています。

今後の展望

今後は、検索結果の分析や、音声認識を利用した発音認識・採点機能など、クラウドならではの特性を活かした機能強化も進めていく予定とのこと。

将来的には BigQuery を活用しながら、辞書だけでなく、トータルで学習をサポートするサービスの提供も検討しているとのことです。

まとめ

ここまで、GCP(Google Cloud)の 2021年の導入事例について振り返って紹介させていただきました。

近年の急成長もあり、そしてパブリッククラウドのニーズの拡大もあり、GCP(Google Cloud)を導入するエンタープライズも急増しています。

GCP(Google Cloud) を活用したさまざまなサービスやシステムの開発は、弊社クラウドエースが非常に得意としている分野でもありますので、お困りごとやご相談がございましたら、ぜひこちらよりお問い合わせいただけますと幸いです。

お問い合わせ窓口

クラウドエースって何?っていう方に向けてここから少しだけ弊社の紹介をさせていただきますので、もしご興味がある方はあと30秒ほどお付き合いください。

クラウドエースとは

弊社クラウドエースは2016年に吉積情報株式会社よりGCP 事業の部門を分社化して誕生した会社です。

当時まだ GCP がマイナーなサービスだった時代から Google Cloud と強固にパートナーシップを組み、GCP 一筋で事業を行って参りました。

創業時から現在に至るまで、1,000社を超える企業様への GCP の導入や開発に携わらせていただきましたが、技術力とナレッジにおいては国内ではナンバーワンを自負しております。

まだまだ社員200名弱の中堅ITベンチャーですが、機動力と豊富な実績を武器に、そして”正直力”をモットーに、お客様のビジネスの価値創造に寄与していきますので何卒よろしくお願いいたします。
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