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Cloud Run とは 概要や機能、活用事例を5分で入門
目次
こんにちは。クラウドエース編集部です。
サーバーレスのサービスについて調べていると、「 Cloud Run 」という言葉を目にする機会も多いのではないでしょうか。
具体的に何ができるのか、また Google が提供するその他のサービスとの違いがわかりにくいと感じる人もいますよね。
今回は、Cloud Run の概要や特徴、その他のサーバーレスサービスとの違い、活用事例について紹介していきます。
Cloud Run とは
Cloud Run とは、Google Cloud が提供するサーバーレスのコンテナ実行環境です。
自分で作ったコンテナを、Google の持つサーバー環境上で動かすことができるサービスとも言えます。
従来は、コンテナ化されたアプリケーションを展開したり、スケーリングしたり、管理の自動化をしたりするためには、Kubernetes というソフトウェアを利用することが一般的でした。
しかし、Kubernetes を扱うためには、学習時間やコストが発生します。
そこで、フルマネージドなコンテナの実行環境である Cloud Run を使えば、Kubernetes が提供する機能を手軽に利用することができます。
デプロイは数秒で完了し、 スケーリングも自動で行ってくれるなど、さまざまなメリットがあります。
ちなみに、Google Cloud では Cloud Run 以外にも様々なプロダクトを提供しています。
ここからは、その中でも特に Google Cloud との違いがわかりにくい、Cloud Functions および Google App Engine ( GAE ) との区別について見てみましょう。
Cloud Run と Cloud Functions との違いって?
CloudFunctions は、Google が提供する、クラウドを構築して接続するサーバーレスのサービスです。
Cloud Run が HTTP リクエストでコンテナを呼び出すのに対し、Cloud Functions はコードを Docker コンテナにパッケージ化せず、特定のイベントに基づいてアプリケーションを呼び出します。
その他、HTTP リクエストやバックグラウンドイベントをきっかけとして呼び出すことも可能です。
このように、Cloud Functions は Google Cloud が提供している各種サービスの状態・条件に基づき、アプリケーションを起動できることがメリットです。
一方で、Cloud Functions は Cloud Run に比べて、プログラミング言語や OS ライブラリの制約が多いというデメリットもあります。
Cloud Run と Google App Engine ( GAE ) との違いって?
Google App Engine ( GCE ) とは、Google Cloud による、アプリケーションをサーバーレスで提供するサービスです。
Cloud Run との違いは、Cloud Run はコンテナを個別に実行するためのプラットフォームであるのに対し、Google App Engine ( GAE ) はアプリケーションのためのプラットフォームであることです。
Google App Engine ( GAE ) では、アプリケーションを作成しデプロイするだけで、自動的に実行環境が完成されます。
また、ネットワーキングやアプリケーション、データベースのスケーリングやバージョン更新も自動で行われます。
一方で、Cloud Run はコンテナを作成・指定することでアプリケーションがデプロイされるサービスです。
Cloud Run よりも Google App Engine ( GAE ) の方が、より多くの部分が Google により管理される部分が大きいと言えます。
Cloud Run の機能・特徴
ここまで、Cloud Run の概要や、その他のサーバーレスサービスとの違いについて解説してきました。
続いては、Cloud Run の具体的な機能や特徴について見てみましょう。
プログラミング言語・OS ライブラリの制約がない
Cloud Run の1つ目の特徴は、プログラミング言語や OS ライブラリの制約がないことです。
Cloud Run はコンテナの実行環境であるため、任意の言語や OS ライブラリ、フレームワークを使用できます。
どんな言語でも利用可能というコンテナのメリットと、インフラを意識せずに利用可能・自動スケーリング対応というサーバレスのメリットの両方を享受できるのが、Cloud Run と言えます。
アプリケーションの移行が簡単
Cloud Run の2つ目の特徴は、アプリケーションの移行が簡単なことです。
Cloud Run は Knative と呼ばれる、イベント駆動型のプログラミングを実行しやすくするソフトウェアとオープンソースの API が実装されているため、アプリケーションの移行が容易にできます。
Cloud Run 上のアプリケーションをオンプレミスやその他のクラウド環境に移行した場合も、Cloud Run と同じように開発できるため、途中で載せ替えが必要になっても柔軟に対応できます。
高速自動スケーリング
Cloud Run の3つ目の特徴は、高速自動スケーリングが可能なことです。
Cloud Run では、デプロイされたサービスはリクエスト数に応じて自動スケーリングされます。
アクセスがない場合はコンテナのインスタンスはゼロとなり、リソースを使用しません。
インスタンスの管理が不要になるため、業務の生産性を向上できます。
シンプルなデプロイ
Cloud Run の4つ目の特徴は、シンプルなデプロイが可能なことです。
Cloud Run では、コンテナ化されたマイクロサービスを1つのコマンドでデプロイできます。
指定コマンドを利用してデプロイするだけで、 外部からアクセスできるアプリケーションが作成されます。
このように、サービス固有の構成不要で誰でも簡単にデプロイできることは、Cloud Run の大きなメリットのひとつです。
従量課金制
Cloud Run の5つ目の特徴は、従量課金制で無駄な出費を防げることです。
Cloud Run はコンテナインスタンスでリクエストが処理される間のみ料金が発生します。
トラフィックがない場合は料金が一切発生しないため、アプリケーションの初期開発などにも適していると言えるでしょう。
さらに、Cloud Run を提供する Google Cloud には無料枠もあります。
具体的には、無料トライアルとして $300 分のクレジットが付与されるサービスと、Always Free という一定量内であれば指定機能を無料で利用できるサービスがあります。
このような無料枠をうまく活用することで、料金を気にすることなくサービスのトライアルができるでしょう。
Cloud Run の始め方
ここまで、Cloud Run のメリットについて紹介してきました。
ここからは、Cloud Run の実際の始め方について、例として事前にビルドされたサンプルコンテナをデプロイする流れについて紹介します。
まずは、Cloud Run が提供されている Google Cloud Platform ( GCP ) にログインします。
初めて利用する場合は、アカウントを作成すると、Google Cloud の各種サービスで利用できる無料クレジット $300 分が付与されます。
Google Cloud Platform へのログインが完了したら、Cloud Run に移動します。
そして「サービスを作成」をクリックし、「サービスの作成」フォームを表示させてください。
「サービスの作成」フォームでは、次の操作を行います。
- 「既存のコンテナ イメージから 1 つのリビジョンをデプロイする」を選択
- コンテナ イメージとして[us-docker.pkg.dev/cloudrun/container/hello]を使用
- 「サービス名」テキストボックスで、サービスに付ける名前を指定
- 「リージョン」プルダウンメニューで、サービスを配置するリージョンを選択
- 「認証」から「未認証の呼び出しを許可」を選択
- 「作成」をクリック
- イメージを Cloud Run にデプロイ
デプロイの完了を待つと、URL リンクが表示されます。
リンクをクリックして、デプロイされたコンテナを実行してください。
これで、ウェブリクエストに応答するコンテナのデプロイが完了です。
Cloud Run の活用事例
Cloud Run の具体的な活用事例について見てみましょう。
ここでは、ソーシャルゲーム開発・制作等を行う K 株式会社 の事例について簡単に紹介します。
オンラインゲームにおいて数多くのヒット作を生み出す同社は、Cloud Run を活用してゲーム内チャットの迷惑ユーザー判定の自動化などを実現しています。
同社は Cloud Run の利点として、従量課金制でコストを抑えられること、任意のライブラリを導入できること、他のクラウド環境への移行が簡単なことを挙げています。
具体的には、迷惑ユーザー判定は数分で終わるため、常時起動のサーバーではなく、利用した分だけコストが発生する Cloud Run が適していたとのこと。
また、チャット内容を分析する必要があるため、自然言語処理が可能なライブラリを利用したいという希望があった同社。ライブラリの制約のない点も、 Cloud Run を選んだ理由のひとつだそう。
さらに、Cloud Run では Google Kubernetes Engine ( GKE ) などへの移行が簡単にできるため、今後規模が拡大しても対応できると見込んだとのこと。
Cloud Run の導入により、これまで人力で行われていた迷惑ユーザー判定を効率化し、コスト面も大きく抑えることができたようです。
このように、自社のニーズと Cloud Run の特性が合致すると、生産性や業務効率の大きな向上やコストカットを望めます。
まとめ
ここまで、Cloud Run の概要や特徴、活用事例について紹介してきました。Cloud Run の特性やメリットを理解した上で、サーバーレスサービス選びの参考にしてみてください。
サーバーレス によるアプリケーション・サービスのインフラ構築を検討している方は、クラウドエースがおすすめです!
Cloud Run や Google App Engineなど、非常に有用性が高い Google Cloud のサーバーレスサービスですが、導入には高い知識と経験が必要となります。
自社で内製できるエンジニアが揃っていない場合は、クラウドエースにぜひご相談ください。
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