こんにちは。クラウドエース編集部です。
近年、オンラインビジネスの発達やテレワークの推進に伴って、企業やサービス事業者におけるクラウドコンピューティング導入の機運が高まっています。
ガートナー ジャパンによる 2021 年の調査においても今後1~2年かけて外部クラウドの利用を増やすとの回答が過去最高の 55 %に上ったという結果が出ており、クラウドコンピューティングに対する注目度やニーズは今後も高まっていくことが予想されます。
オンプレミス環境に不便さを感じ、クラウド移行を検討しつつも、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのか、どのサービスを選ぶべきかと悩んでいる人も多いのでないでしょうか。
今回は、クラウドコンピューティングの概要を解説した上で、利用メリットや導入形態、代表的なサービスについて紹介します。

クラウドコンピューティングとは。初期費用を抑えて迅速な導入が可能に

クラウドコンピューティングとは、インターネット上で提供されるコンピューティングサービスのことです。ここで言うコンピューティングサービスには、 サーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェア、データベース、アプリケーションなどが含まれています。
導入時に物理的なサーバーを用意する必要のあったオンプレミスに対して、クラウドコンピューティングでは、初期投資を抑えつつ、スピーディに導入できることが大きな利点です。
クラウドコンピューティングを実現するのに欠かせないのが、仮想化という仕組みです。仮想化とは、複数のハードウェアを仮想化ソフトウェアで統合する技術のことです。例えばサーバを仮想化すると、仮想サーバーごとに CPU 処理量やメモリ容量を振り分けられ、2つ以上のシステムの同時処理が可能になります。

クラウドコンピューティングのメリットはコスト・スピード・拡張性

ここまで、クラウドコンピューティングの概要を解説してきました。それでは、クラウドを利用すると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

コストを抑えられる

1つ目のメリットは、コストを抑えられることです。
オンプレミスの場合、導入時にはハードウェアやソフトウェアの購入費用が、運用管理のためには電気代や人件費など、大きなコストが必要でした。
一方、クラウドコンピューティングは、自社で設備を用意する必要がないため、初期費用を抑えて導入できます。また、利用量に応じて支払う従量課金制を取っているサービスが多いため、無駄な出費を防げます。

スピーディに導入できる

2つ目のメリットは、スピーディな導入が可能なことです。
多くのクラウドサービスは、インターネットでの申し込み完了後、すぐに利用開始できます。ハードウェアなど物理的な準備の必要がないため、スムーズに導入でき流のです。また、システムのアップデートも自動更新されるため、自社での対応不要で常に最新バージョンを使えることもメリットです。

柔軟に拡張性できる

3つ目のメリットは、拡張性が高いことです。
オンプレミスでは、ストレージなどのリソースの増減をしたい場合、契約サーバーの変更や新しい機器の購入が必要でした。
一方、クラウドコンピューティングでは、リソースが常に適切な量に増減されます。そのため、必要に応じて拡張し、柔軟性のあるシステムを構築が可能となります。

生産性を向上できる

4つ目のメリットは、ビジネスの生産性を向上できることです。
オンプレミスでの課題の1つに、情報共有しにくいことがありました。必要なデータが個人のローカルに保存されていたり、会社のパソコンでなければファイルに接続できなかったりすることから、データの共有がスムーズに行えなかったのです。また、ハードウェアのセットアップや障害発生時の復旧作業など、 IT 管理の業務が膨大という課題もありました。
クラウドコンピューティングでは、仮想環境にデータを保存するため、いつでも、どこでからでもデータへアクセスできます。データ取得のためのやり取りや、出勤時間などを削減できるため、生産性の向上に繋げられます。また、運用管理やメンテナンス、障害発生時の復旧作業もクラウド事業者に委任できるため、 IT 管理の業務負荷低減にも繋げられます。

クラウドコンピューティングのデメリットは、通信障害・プロバイダ依存・既存システムの連携

様々なメリットがあるクラウドコンピューティングですが、オンプレミスにはないリスクもあります。ここからは、クラウド利用前に知っておきたいデメリットを見ていきましょう。

利用にはインターネットに接続が必須

デメリットの1つ目は、インターネットに接続されていなければ利用できないことです。
クラウドサービスはインターネット上で提供されるため、ネット環境がない状況では、データベースに一切アクセスできなくなります。平常時は特に不便に感じることはないかもしれませんが、災害や障害が発生した際には、一時的に利用が制限される可能性があります。

サービスが終了する可能性がある

デメリットの2つ目は、利用しているサービスが終了する可能性があることです。
クラウドコンピューティングでは、自社サーバーを持たず、クラウド事業者が提供するサービスを利用します。そのため、万が一、利用しているサービスが提供終了すると、今まで使っていた機能が使えなくなります。
ただし、大手企業によるクラウドサービスであれば、唐突な終了のリスクは少ないでしょう。また、サービス提供が終了する場合でも、多くは事前に通知されるため、突然データが失われる可能性は低いです。

カスタマイズやシステム連携に制限がある

デメリットの3つ目は、カスタマイズやシステム連携に制限があることです。
クラウドコンピューティングとは、クラウド事業者が提供するサービスを利用するため、企業ごとに機能を細かくカスタマイズすることは難しいです。また、社内システムとどこまで連携できるかも、サービスによって異なります。
自社に合わせてカスタマイズをしたい場合は、オンプレミスで運用するか、後ほど紹介するハイブリッドクラウドという形での導入を検討しましょう。
また上記以外にもこちらの図にメリット・デメリットをまとめたので、ぜひご参考にしていただければと思います。

  オンプレミス   クラウド  
自社で設備投資が必要 導入コスト サービス利用で低コスト導入
自社に設備を導入するため期間を要する 導入期間 サービス利用で短期間立ち上げ
スケーラブルな構成が採りにくい 拡張性 データセンターのリソースを柔軟に利用
システム運用管理コスト、人件費が必要 運用コスト 月額料金が必要、大規模利用だと高額に
自社の要件に併せてカスタマイズ可能 カスタマイズ性 サービスの枠組みの中で限定的に利用
社内ネットワークで堅固な利用が可能 セキュリティ インターネットなどを介するリスクあり

クラウドコンピューティングの導入形態の種類

クラウドコンピューティングと言っても、いくつかの種類があります。ここでは、4つの導入形態について紹介します。

パブリッククラウド

パブリッククラウドとは、不特定多数が利用可能なクラウドコンピューティングサービスの形態です。
パブリッククラウドでは、ハードウェアやアプリケーションなどの全てをクラウド事業者提供のサービスを利用することになるため、導入時にコストや時間がかかりません。また、システムの更新やメンテナンスもクラウド事業者が担当するため、運用管理のコストも削減できます。
ただし、クラウド事業者が提供するサービスに依存する部分が大きいため、システムをカスタマイズできる範囲が少ないです。

プライベートクラウド

プライベートクラウドとは、1つの企業や個人が専有するクラウドコンピューティングサービスの形態です。
プライベートクラウドの特徴は、オンプレミスのように自社に合わせてサービス内容をカスタマイズしたり、サーバーを設置したりできることです。そのため、パブリッククラウドよりもセキュリティを高められるでしょう。
ただし、サーバーの設置費用や運用のための人件費は自社負担となるため、コストはパブリッククラウドよりも大きくなる傾向です。

ハイブリッドクラウド

ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせた形態です。
ハイブリッドクラウドでは、利用する機能やデータの機密性を踏まえ、クラウドを使い分けることで負荷やリスク分散ができます。要件に合わせて柔軟に組み合わせることで、自社にとって最適な運用を実現できるでしょう。
ただし、複数のサービスを組み合わせて利用するため、システム構成が複雑になることは、留意する必要があります。

マルチクラウド

マルチクラウドとは、複数のクラウドサービスを組み合わせて利用するクラウドコンピューティングサービスの形態です。
この説明を聞くと「ハイブリッドクラウドとどう違うの?」と疑問に思う人もいるでしょう。両者の違いは、ハイブリッドクラウドはプライベートクラウドとパブリッククラウドの両方を活用するのに対して、マルチクラウドでは、複数のパブリッククラウド事業者が提供するさまざまなサービスを利用するということです。
マルチクラウドの例としては、「本番環境では高額・高品質のサービスを使い、バックアップ環境では安価なサービスを使う」などが挙げられます。

主要クラウドコンピューティングサービス 3つ

現在、さまざまな企業がクラウドサービスを提供しています。ここでは、その中でも代表的な3つのサービスを紹介します。

Google Cloud


Google Cloud は、 Google が提供するクラウドサービスです。 GCP (= Google Cloud Platform )とも呼ばれます。 Gmail や Google Maps 、 YouTube などを普段から利用している人も多いでしょう。これらも、 Google Cloud を基盤として提供されるサービスの一部です。
Google Cloud の強みは、世界最大級のデータセンターを持ち、独自開発のネットワークが使用されているため、インフラが安定していて反応が速いことです。加えて、ビッグデータの分析や AI 系のサービスも充実していることも特徴のひとつと言えます。

AWS


AWS (= Amazon Web Services )は 、 Amazon が提供するクラウドサービスです。数あるクラウドサービスの中でもシェアが最大で、歴史も長いです。そのため、クラウドサービスを導入する際の基準となることも多いと言われます。
AWS の強みは、提供しているサービス・機能が多いことです。日々、新しい機能・サービスの追加が行われ、カスタマイズ性も高いです。また、国内でも広く利用されており、日本語対応の相談窓口もあります。

Microsoft Azure


Microsoft Azure は、 Microsoft が提供するクラウドサービスです。 
Microsoft Azure の強みは、 Windows を利用している企業にとって使いやすい点です。社内で Windows Server や Active Directory を利用している場合、連携も容易で、クラウド移行後も違和感なく使えるでしょう。また、ハイブリッドクラウドとして使われるケースも多いです。
加えて、高いセキュリティ性も特徴です。情報管理が徹底されており、政府機関や大企業でも利用されています。
上記主要3サービスについて、公平な観点でまとめた比較表を弊社で作成しておりますので、クラウドコンピューティングの導入をご検討中の方はぜひダウンロードいただけますと幸いです。
Google Cloud・AWS・Azure 主要3サービスを徹底比較.pdf

クラウドコンピューティングサービスを選ぶ基準はコスト・サポート・セキュリティ

ここまで、クラウドサービスの代表例を紹介してきました。しかし、いざクラウドを利用しようと思うと、どのサービスが自社に最適かと迷ってしまうことも多いでしょう。ここからは、クラウドサービスを選ぶ際のポイントを紹介します。

コスト

1つ目のポイントは、コストを最適化できるかどうかです。利用したい機能や容量を事前に洗い出し、どのサービスのどの機能を利用するとコストを下げられるかを事前に検討しておきましょう。また、サービスごとに料金体系や割引制度も異なります。利用期間や使用料を踏まえて、適切なコストで運用できるサービスを選びましょう。

サポート体制

2つ目のポイントは、サポート体制です。導入前の相談ができるか、トラブル発生時にすぐに相談できるかなどを確認しましょう。特に、初めてクラウドサービスを利用する場合は、電話相談や日本語での相談に対応しているサービスを選ぶと安心できるでしょう。

セキュリティ

3つ目のポイントは、セキュリティの高さです。クラウドサービスでは、企業情報をインターネット上に保管することになります。暗号化通信やIPアドレス制限、端末認証など、どのような対策が行われているのかを確認しましょう。

まとめ

ここまで、クラウドコンピューティングの概要やメリット、代表的なサービス例について紹介してきました。この記事を参考に、自社に最適なクラウドコンピューティングサービスを検討してみてください。その際、もし何かお困りごとやご相談がありましたら、ぜひ弊社クラウドエースまでお気軽にお問い合わせください。
弊社は、Google Cloud の最も多くの認定を保有するパートナー企業として、これまで 1000 社以上の企業様に Google Cloud Platform(GCP)の導入支援を行って参りました。オンプレミスからクラウドサービスへの移行や、クラウド環境におけるシステム開発等をご検討中の企業様、ぜひ一度弊社までご相談いただけましたら幸いです。
(よろしければこちらより 弊社と Google Cloud に関するご紹介資料をダウンロードいただけますと大変嬉しく思います。)
Google Cloud と クラウドエース のご紹介資料

参照元

ZDNet Japan 日本企業のクラウド利用率、2020年から4ポイント増の22%–ガートナー調査

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