こんにちは、クラウドエース編集部です。
本記事では最近よく耳にするメタバースについて 5 分でわかるように解説していきたいと思います。

メタバース は未来のインターネット

メタバースを一言で表すならば、インターネット上で提供されている仮想空間や仮想現実の世界です。
そしてそれは遠くない未来におけるインターネットの当たり前の姿になると言われています。

メタバースではリアルな社会同様、世界中から参加者が集い、一人一人アバターとしての人格をもち、社会活動や経済活動を行うことが可能な空間になっています。
映画『サマーウォーズ』や、『竜とそばかすの姫』、アニメ『ソードアート・オンライン』などで描かれていた仮想世界が現実のものとなっています。

また、2021 年 10 月に Facebook 社が社名を『meta(メタ)』に変更したことからも推測できるように、次世代の SNS の多くはメタバース上に展開されると言われています。


(引用元:「竜とそばかすの姫」公式サイト,”ストーリー キャラクター&キャスト”,https://ryu-to-sobakasu-no-hime.jp/character/ ,2021.12.21)
映画「竜とそばかすの姫」にて描かれた『U』という仮想世界のイメージ。
インターネット上のVR空間にビルが乱立している様子が描かれている。

 

進化する テクノロジー が創り出すリアルな仮想現実

メタバースは、meta(超越した・高次の)と universe(宇宙・世界)を組み合わせた造語で、1992 年に SF 作家のニール・スティーヴンスン氏の作品で使用されたのが始まりです。

2000 年代後半にはメタバースの先駆けとして『セカンドライフ』という仮想空間サービスが世界的にブームとなり、サービス上で土地の売買なども行われていましたが、2010 年代に入る前にブームは終息を迎えました。

しかし、ここ数年 VR・AR 技術の進歩や、ブロックチェーンなど新しいテクノロジーの普及に伴い、より高度なレベルでのメタバースの可能性が見えてきています。

メタバースに該当するゲームとして有名な『フォートナイト』や『あつまれどうぶつの森』などでは、実在するアーティストがゲーム空間でライブイベントを行ったり、アバター衣装を人気ブランドが提供したりとゲーム内における仮想現実が成立しています。

しかしそれらゲームにおけるアバターやゲーム内通貨などはそのゲーム内でしか価値を保有できませんでした。そこで今注目されているのが、ブロックチェーン技術と NFT を活用したメタバースのプラットフォームです。

NFT とは?
NFT(非代替性トークン)はブロックチェーン技術によって唯一性を付与したデジタルデータを指します。仮想通貨が代替性をもつのに対し、アートや音楽などのデジタル作品に”公的な所有権の証明”を持たせることが可能です。
『NFT とは 概要や仕組みを5分で入門』

 

メタバースは資産の共有やリアル同様の経済活動ができる世界

ブロックチェーン技術とNFTを活用したメタバースでは、プラットフォームから別のプラットフォーム、またメタバースから現実世界へとシームレスにアバターや NFT、資産(仮想通貨等)を所有・取引をすることが可能になります。

これまでの仮想プラットフォームでは不正取引(ハッキングによる複製やルール変更など)及びビジネスモデル保持の観点からプラットフォーム事業者がリアルマネートレードを自主規制することが一般的でしたが、ブロックチェーン技術の登場によりデータに資産性を持たせることが容易になったことでプラットフォームを越えて価値の保有ができるようになりました。

これによりメタバース上の一意の個性(アカウント)が様々なプラットフォームで使用できるようになり、現実世界と同じような価値の創造活動や経済活動がどんどん発展していくことが予想されます。

一人一人がメタバース上にアバターを作り、自分の土地や通貨を所有し、ファッションを楽しみ、デジタルアートを所有し、イベントに参加する。所有するデータには全てブロックチェーンにより所有権が証明され、リアル同様に個人が確立されていく。そのような世界がメタバースで実現されていくと考えられています。

様々なシーンにおけるメタバースの動向

アート

CryptoPunks(クリプトパンク)
(引用元:Larva Labs,”CryptoPunks”,https://www.larvalabs.com/cryptopunks ,2021.12.21)
CryptoPunks は昔のゲームを彷彿とさせるドット絵のキャラクター画像で構成される NFT アートで、最古の NFT プロジェクトと言われています。同じキャラクターは1つとして存在せず、人気のキャラクターは 10 億円以上の価値がついていたりもします。

購入した CryptoPunks のキャラをメタバース上や Twitter などの SNS でプロフィール画像に設定するというのが一部のユーザーの間でブームになっているとのことです。

ゲーム

Axie Infinity(アクシーインフィニティ)
(引用元:Axie Infinity,https://axieinfinity.com/,2021.12.21)
Axie Infinity は、ブロックチェーン上に構築されたゲームで、世界で最も人気のある DApps となっています。Axie と呼ばれるモンスターを集めて戦わせるゲームで、プレイすることでゲーム内の仮想通貨を獲得したり、手持ちの NFT(Axieやアイテム)を売ったりすることで仮想通貨を稼ぐことができます。

これまでは ”Earn-to-Play”(遊ぶために稼ぐ)だったのが、メタバースの世界では ”Play-to-Earn” (稼ぐために遊ぶ)になっていくと言われており、実際に平均所得の低い国では、Axie Infinity で生計をたてている人もいると言われています。

※DApps…Decentralized Application
日本語では分散型アプリと呼ばれ、ブロックチェーン上でプログラム(スマートコントラクト)によって構築されたサービスやアプリケーションのことを言います。主にイーサリアムのネットワーク上で提供されています。

音楽

『MetaverseFestival』

Decentraland #MetaverseFestival 2021 The Harrison Acoustic Stage Day 1
Metaversefestival は、イーサリアムブロックチェーン上の 3D ソーシャル空間 Decentraland  にて 2021 年 10 月に開催された音楽フェスです。80 名以上のアーティストと、5 万人以上の観客がメタバース上のフェスに参加し、ゲストにはセレブ女優のパリス・ヒルトンが登場したことでも話題になりました。

ファッション

BEAMSバーチャルショップ in「バーチャルマーケット2021」

(引用元 :BEAMS Co., Ltd,”BEAMSバーチャルショップの2階はNetflix映画『浅草キッド』の世界観を再現 世界最大のVRイベント「バーチャルマーケット2021」”, https://www.beams.co.jp/company/pressrelease/detail/593 2021.12.21)

人気セレクトショップである BEAMS もメタバース事業に注力をしており、世界最大のメタバース上の VR イベント『バーチャルマーケット』にてバーチャルショップの出店をしています。

Netflix 映画『浅草キッド』とのコラボでは、映画の世界観をバーチャルで体験できるほか、「ちびまる子ちゃん」、「ODD TAXI」などとのコラボ商品をリアル商品 と3DCG 商品両方で購入できたり、実際の BEAMS 社員によるバーチャル接客を展開したりと、メタバース上でのショッピングの楽しさを演出し、ワードローブのメタバース化を提案しています。

 

メタバースの今後の市場とメガテックの展望

仮想通貨の高騰や、Facebook 社による社名変更もあり、2021 年は世界中でメタバースの注目度や認知度が急上昇した1年でした。そしてこの勢いはこれからますます大きくなっていくと言われています。

米国の市場調査・コンサルティング会社 Emergen Research によると、2020 年度の世界のメタバースの市場規模は約 476 億ドル(日本円で約 5.5 兆円)でしたが、2028 年にはその規模が 8,289 億ドル(日本円で約 95 兆円)になると予測しています。

また米大手金融機関のモルガン・スタンレーが2021年10月に発表したレポート、将来にわたり約 8 兆ドル(920 兆円)まで拡大する可能性があることを発表しています。アメリカの2020年度の国家予算が485兆円であることを考えると、とんでもない可能性を秘めた市場であることがわかります。

当然 Facebook 社以外のメガテック企業もそれぞれの分野の強みを活かしてメタバースに本格参入しようとしています。

例えばデバイスの分野における王者 Apple は (AR)/VR レンズを 2022 年にリリースすると言われていますし、Microsoft は 3D アバターと仮想空間でオンラインミーティングに参加できる Mesh for Microsoft Teams を 2022 年にリリース予定です。Google も AR 関連の技術力や Google Maps の強みを生かし、仮想空間ではなく、拡張現実という方向性からメタバース市場に参入するだろうと言われています。

また、メタバースの世界を支える仮想空間や、アプリケーション、サービス、そしてそこで行われる膨大なデータ通信に至るまで、いずれもインフラストラクチャを担っているのがクラウドコンピューティングリソースであることも注目に値します。

Amazon の AWS をはじめ、Micorosoft Azure、そしてデータの処理に圧倒的な強みをもつ Google Cloud などもメタバースのインフラとして市場の大きな部分を占めていると考えられます。

このように GAFAM が巨額の投資やサービスの投入を進めている状況からも、メタバースを取り巻く技術の進化や新しいプラットフォームの供給は 2022 年以降さらに加熱していくと思われます。今後メタバースの普及によって我々の生活がどのように変わっていくのか、まだまだ未知数な部分も多いですが、引き続き注目していきたいと思います。

 

まとめ

  • メタバースはインターネット上の仮想空間や仮想現実の世界
  • 次世代のソーシャルメディアプラットフォームになると予想されている
  • ブロックチェーンと NFT によってデジタル資産がメタバース上で持てるようになった
  • メタバース上でリアル同様のコミュニケーションや経済活動が行われるようになる
  • 市場の成長規模は極めて大きく、GAFAM も意欲的に参入してきている

 

【参考資料】

※Google Cloud、Google および Google Maps は、Google LLC の商標です。

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