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オンプレとクラウドを比較検討しよう!社内システムはどちらを選べば良い?

こんにちは、クラウドエース編集部です。

社内で IT システムを構築したり運用したりするには、オンプレミスやクラウドといった方法があります。
オンプレミスは、自社内にサーバーを設置し、システムを自社で構築する仕組みです。
一方、クラウドはサーバーをインターネット上の仮想空間で保有し、システム構築もインターネット上の仮想空間で行います。

今回は、オンプレミスとクラウドを比較しながら違いについて解説します。
本記事を読めば、自社のシステムには、オンプレミスとクラウドのどちらが適しているか判断できますので、最後までお付き合いください。

また、こちらのクラウド活用お役立ちガイドではクラウドのニーズが高まる背景や、企業がオンプレミスを導入する理由など、データを元に深掘りしてオンプレとクラウドを比較しておりますので、ぜひ本記事と合わせてお読みいただくことをおすすめします。

オンプレとクラウドはどのように異なる?

オンプレミスとクラウドの大きな違いはサーバーです。
オンプレミスは物理サーバーであり、クラウドは仮想サーバーです。
この違いによって、それぞれのメリットやデメリットが生じます。

オンプレミス クラウド
イニシャル コスト ・サーバーやネットワーク機器などの購入費が高額
・ソフトウェアの購入費やライセンス取得費が必要
・初期費用は無料が一般的
・低コストでスタートができる
ランニング コスト ・ソフトウェア システムの利用自体にコストはかからない。
・人件費やサーバーの電気代などが必要
・従量課金制なので使用分のみ請求される
インフラ調達 ・機器調達などに数週間から数ヶ月必要 ・アカウント登録後すぐに利用できる
・Web 上でサーバーの増減やスペック変更などが可能
カスタマイズ性 ・自社で構築するため、自社の要望に合わせて自由にカスタマイズが可能 ・Google Cloud などは比較的に自由度が高い
冗長性 ・複数のサーバーを購入することが難しいため冗長性は低い ・複数の仮想マシンを稼働させることができるので冗長性は高い
セキュリティ ・自社内でネットワーク環境を閉鎖できるためセキュリティは高い ・データの種類によってパブリック クラウドやプライベート クラウドを使い分けすることでセキュリティを高めることができる
障害/災害リスク ・自社で復旧を行うため、常にシステムに精通した従業員が必要 ・クラウド事業者が復旧作業を行うため、ユーザーはインターネット経由で復旧を確認

オンプレミスの特徴を紹介

ここでは、システムの全てを自社で管理するオンプレミス独自の特徴を 3 つ解説します。

  • ハードウェアを自社で設置・管理
  • 高度なセキュリティを実現
  • カスタマイズ性が高い

ハードウェアを自社で設置・管理する

オンプレミスは、システムの全てを自社で構築する必要があります。
ハードウェアとソフトウェアの両方を自社で準備し、必要なライセンスも取得しなければ、システムを構築することはできません。

ソフトウェアにはライセンスの取得・インストール、ハードウェアには付属の機器が必要です。
それらを含めて全てのアイテムを自社で準備しなければならないためイニシャル コストが高額になり、システムを管理するスタッフも必要になります。

高度なセキュリティを実現できる

オンプレミスは、自社が所有する機器によってシステムが構成されているため、自社独自の高度なセキュリティ対策が実現できます。
閉域網での運用により、外部からの攻撃も受けにくくなります。
また、自社システムであるため、利用制限も自由自在に調整できるなどセキュリティ レベルを高めることが容易です。

カスタマイズ性が高い

オンプレミスのカスタマイズ性は非常に高く、制限がないといっても過言ではありません。
既存システムとの連携対応も容易です。また、システムの仕様を自由に決められることに加え、他企業とシステムやインフラを共有することもないため、安定した運用が可能となります。

ただし、相応の予算と構築期間、エンジニアなどの人材の確保が必要となります。
これらの要素が許される限り、社員の要望に応じたシステムの構築が可能です。

クラウドの特徴を紹介

クラウドは、インターネット上の仮想サーバーなどのサービスを自社が必要な分だけ利用し、システムを構築する仕組みです。
クラウドにはオンプレミスとは違った特徴があります。
その中で主なものが「初期投資不要」、「リソースの増減が自由」、「ハードウェアの管理が不要」です。

初期投資不要ですぐに導入できる

クラウドは、基本的に初期投資が不要です。
そのため導入が早く、予算内で運用できることが特徴の 1 つです。
ほとんどのクラウド サービスは従量課金制が採用されており使った分だけ支払えば良いので、計画的に使えば予算をオーバーすることがありません。

また、物理サーバーをはじめハードウェアを自社で準備する必要がないためイニシャル コストが削減できて、プロジェクトを開始するまでのリードタイムも短縮できます。

リソースの増減が自由

クラウドは、自社の需要に応じて自由にリソースを増減することが可能です。
ここでいうリソースとは、コンピューターなどの動作の実行に必要な処理システムの要素や機器を指します。
クラウドの場合は、このリソースをクラウド提供事業者がインターネット経由で提供しているため、ユーザーは必要なリソースのみ利用して、不要になれば解除すれば良いのです。

オンプレミスのリソース拡張は自社のインフラ環境に左右されるため、変更するためには専門知識を持った人材と多くの時間やコストが必要となります。

ハードウェアの管理が不要

クラウドは、サーバーなどのハードウェアをクラウド提供事業者からインターネット経由で提供されるため、ハードウェアの管理は不要です。
インターネットの環境とデバイスが正常に作動していれば、クラウドを利用することができます。

オンプレミスであれば、ハードウェアを自社で管理する必要がありますし、障害が発生した場合も自社で復旧しなければなりません。
クラウドであれば、障害が発生してもクラウド提供事業者が復旧します。

社内システムをクラウドに移行するときの注意事項


社内システムをクラウドに移行するにあたっては、注意事項があります。
特に、クラウドを提供する事業者によって、提供できるサービスが異なる点には注意すべきです。
自社にとってベストなクラウド サービスを知るためには、ここで解説する 4 つの注意事項を確認する必要があります。

また、冒頭で紹介したクラウド活用 お役立ちガイドでもクラウド導入時のポイントについてまとめておりますので、ご活用いただければと思います。

クラウドで使いたい機能を実装できるか確認する

クラウドに移行する場合、まず確認しておくべき事項は、自社にとって必要な機能を実装できるかどうかです。

一般的に、クラウドとオンプレミスのカスタマイズ性を比較するとオンプレミスの方が自由度は高いため、オンプレミスなら自社に必要な機能を 100%実装できます。

一方、クラウドの場合は、事業者が提供する機能の中から自社にとって必要な機能を選ぶため、必要な機能を実装できない可能性もあります。
必要な機能を実装できるかどうかは、クラウド導入支援事業者などに確認すると良いでしょう。

クラウドで既存のシステムを使えるか確認する

既存の社内システムをクラウドに移行する場合は、社内システムが問題なく移行できるかどうかを確認する必要があります。
また、クラウド化しない社内システムとクラウドを併用する場合は、セキュリティがしっかりしていて、問題なく連携できるかを確認する必要があります。

クラウド提供事業者によっては、安全・安心な手段で自社システムとクラウドを接続できるサービスを提供しています。
重要なのは、既存のシステムが使えるかどうかなので、上記の 2 点はしっかりと確認するようにしましょう。

セキュリティに問題がないか確認する

クラウド提供事業者の多くは、大手の IT 企業が運営しています。
そのため、セキュリティに関しては厳重な対策が施されているのが普通です。
しかし、移行段階のセキュリティについては、納得できるまで詳細に確認することをおすすめします。

また、クラウドはインターネット経由で利用するため、オンプレミス以上にセキュリティへの注意が必要です。
暗号化方式の種類やウイルス チェックの方法などを確認して慎重にクラウド提供事業者を選択しましょう。

コスト面で問題がないか確認する

オンプレミスは、システムの導入から運用まで大きなコストがかかります。
クラウドに移行することでコスト削減は可能ですが、クラウドは主に定額課金制と従量課金制の併用なので、使いすぎると予算以上のコストがかかるケースもあります。

社内システムは長期間運用するものです。
長期間にわたって予算通りにクラウドを運用できるように、クラウド導入支援事業者(ベンダー)などの力も借りながら移行するようにしましょう。
クラウド導入支援事業者によっては、予算を超えない仕組みや定額制などの制度を設けているケースもあります。

オンプレとクラウドを組みわせてハイブリッドクラウドを実現

社内の環境をクラウド移行したいと考えているものの、セキュリティやカスタマイズ性などへの不安から、なかなか踏み切れないという人もいるかもしれません。

そのような場合には、オンプレミスとクラウドを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」の採用がおすすめです。

ハイブリッドクラウドは、クラウドの仮想サーバーとオンプレミスの物理サーバーを組み合わせて利用するタイプのクラウドサービスです。そのため、クラウドとオンプレミスそれぞれのメリットを活かしながら、デメリットをカバーすることができます。

先述の通り、クラウドには初期投資が不要、リソースの自由な増減、ハードウェアの管理の委任などのメリットがあります。一方で、セキュリティやカスタマイズ性についてはオンプレミスに優位性があります。ハイブリッドクラウドでは、これらそれぞれのメリットを得られるのです。

例えば、公開している Web サーバーはクラウド上に置く一方で、機密性の高い情報はオンプレミスで保存するという使い分けが可能です。これにより、クラウドの高い処理能力やリソース増減の柔軟性と、オンプレミスの高いセキュリティ性の両方を活かすことができます。

このように、ハイブリッドクラウドでは、自社の要件や環境に合わせて、柔軟に利用する機能を組み合わせることが可能です。クラウド移行に不安を感じている場合は、システムの全てを移行するのではなく、ハイブリッドクラウドを採用することで、安心して導入できるでしょう。

社内システムをクラウド化するなら Google Cloud (GCP)!


社内システムをクラウド化するなら Google Cloud の導入を検討してください。
Google Cloud は、通信事業や金融サービス業をはじめ各種業界上位 10 社の 50%以上が導入しています。
また、200 を超える国と地域で導入されていて、今なお増え続けているクラウド サービスです。ここでは、GCP(Google Cloud) の主な特徴を解説します。

Google が使用するインフラをスムーズに導入できる

Google Cloud を導入すれば、Google 社が開発し使用している最先端のインフラを利用できます。
Google 社のインフラは、YouTube や Gmail など世界で数十億人に使用されているサービスを運用するインフラです。
そのインフラ環境をスムーズで安価に導入できるのは非常に大きなメリットではないでしょうか。

また、Google Cloud を導入することで、インフラを調達・設置・管理するコストが不要となります。
インフラを気にせずに開発に集中できれば、会社の業績向上の可能性も格段にアップするでしょう。

高度なセキュリティ技術搭載で安心

Google Cloud のインフラは、設計段階からセキュリティが考慮されています。
データの保存や保管転送などは、デフォルトで暗号化。
暗号化は Google 社の施設内で行い、暗号キーへの監査済みアクセス権が承認されている場合のみアクセスできるためセキュリティが高く安心して導入できます。

Google 社は独立機関によるセキュリティ・プライバシーなどの管理に関する監査を受けているため、コンプライアンス面でも安心して利用できます。

冗長性が高く災害・障害リスクに対応できる

Google 社は、世界中に複数の POP を配置して強力な冗長性を確保しています。
POP とは「Point of Presence」の略語で、インターネットやサーバーに接続する最寄りの接続点のことです。
また、データは複数の場所にある記憶装置や補助記憶装置に自動的にミラーリング(バックアップ)されています。

Google Cloud を導入すれば、Google 社が備えている高い冗長性も活用できて、災害や障害リスクにも対応できます。

事例から見える Google Cloud の魅力

事例1|基幹システムの高速化を可能にした!

三建設備工業株式会社は、環境に配慮した空調設備や給排水衛生設備の設計施工メンテナンスを行っている設備工事会社です。
基幹システムの速度が遅いというユーザーの声に対応するために、クラウドに移行することを決断しました。

クラウド導入の理由には、サーバー故障時の対応と社内資料の閲覧が社外からできなかったという事情もあります。
Google Cloud に決定した背景には、メンテナンスでのサーバー停止がないことが必須条件であったためです。
Google Cloud なら物理的なサーバー メンテナンスなどで仮想サーバーを停止させません。

Google Cloud の IaaS 環境である Google Compute Engine でテスト環境を構築し、実際に基幹システムの速度計測を行った結果、新規高速化サーバー導入で期待していた数値以上の応答速度が確認できました。
また、G Suite を導入したことで外出先でのメールやスケジュール管理、社内資料の閲覧が可能になっています。

企業名 三建設備工業株式会社
業種 空調設備工事・給排水設備工事・電気設備工事・建築工事
導入背景 「基幹システム速度が遅い」というユーザーからの声に対応するためクラウドに移行。
導入結果 Google Compute Engine をテストした結果、簡単にシステムが構築できて、期待していた以上の応答速度を確認できた。

事例2|IoT サービスを支えるシステム基盤を構築

京セラコミュニケーションシステム株式会社社会システム部は、エンジニア技術と ICT 技術を組み合わせて、地域活性化や安心安全なまちづくりを支援するエネルギー マネージメント ソリューションや防災ソリューションを提供しています。

Google Cloud 導入のきっかけは Google Cloud セミナーの参加ですが、当初の計画から IoT Cloud Platform をクラウド上で構築する予定でした。
検証には 1 年程度の期間を費やしています。

他社のクラウドでは、オンプレミスで使用していたインフラをクラウドでも再現できるというだけで、インフラを構築する労力は以前と変わらない印象でした。
Google Cloud は、Google App Engine や BigQuery などインフラを意識させないサービスが提供されています。
インフラを考えずにシステム構築に専念できることは、エンジニアにとって大きなメリットです。

企業名 京セラコミュニケーションシステム株式会社
業種 ICT、通信エンジニアリング、環境・エネルギー エンジニアリング、経営コンサルティングの事業
導入背景 IoT Cloud Platform をクラウド上で構築する予定であり、検証に1年程度を費やしていたところで、クラウドエースのセミナーに参加し Google Cloud の使い勝手の良さを感じたため。
導入結果 ・Google Cloud での IoT Cloud Platform 構築はインフラ基盤ではなくアプリとして利用。
機能としてコアな部分は Google Compute Engine で構築、
データ分析部分には Big Query を使い、Google Cloud の中でサービスを使い分けができている。
・クラウドエースの支払い代行も利用している。

3大クラウドをさらに比較したいという方はこちら

Google Cloud・AWS・Azure 3大クラウドサービス比較表では各社クラウドのあらゆるサービスや料金等の比較を網羅的に行なっております。よりクラウドサービスを体型的にご理解いただける内容となっておりますのでこちらもぜひお読みください。

クラウドへの移行をご検討中の方はクラウドエースにお任せください

システムを構築するにあたって、オンプレミスとクラウドでは、特徴やメリット・デメリットに違いがあります。
IT 活用の流れとしては、イニシャル コストのかからないクラウドへの移行が加速していますが、自社に必要なシステムが構築できるかなどの確認は必須です。

こちらのクラウド活用お役立ちガイドではクラウドのニーズが高まる背景や、企業がオンプレミスを導入する理由など、オンプレミスとクラウドを比較しておりますので、ぜひ本記事と合わせてお読みいただくことをおすすめします。

弊社クラウドエースは、クラウドの導入設計から運用・保守までをワンストップでサポートをする Google Cloud を専門としたクラウドインテグレーターです。
Google Cloud の全サービスが3% OFF になる総合支援サービスをはじめ、コンサルティング、システム開発、Google Cloud 認定トレーニングを提供しています!
クラウドに関する相談、サービスに関するご質問等がありましたら、お気軽にご相談ください。

※ Google Cloud、YouTube、Gmail、Google Compute Engine、Google App Engine、および、BigQuery は Google LLC の商標です。

参考URL

https://www.idcf.jp/cloud/column/onpre_to_cloud.html
https://www.kagoya.jp/howto/rentalserver/on-premises/
https://cloud.google.com/pricing
https://cloud.google.com/security
https://cloud-ace.jp/gcp-merit/
https://business.ntt-east.co.jp/content/cloudsolution/column-44.html
https://www.e-sales.jp/eigyo-labo/%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C%E7%82%B9%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89%E3%81%A8%E3%81%AE%E6%AF%94%E8%BC%83%E3%82%84-5474
https://engineer-club.jp/on-premises-cloud
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