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クラウドでファイル共有すれば業務効率アップ!企業向けサービスの選び方は?

 

 

こんにちは。クラウドエース編集部です。

ファイルを複数人が共有するには外付け HDD や USB メモリなどを使う方法がありますが、より利便性が高く導入数も多いのがクラウドでファイルを共有する仕組みです。クラウドでファイルを共有する方法は、コスト削減や利便性の向上などさまざまなメリットがあり、実際に多くのサービスが提供されています。しかし、導入にはセキュリティや容量など確認しておかなければならないポイントもあり、導入を迷っている企業の担当者の方も多いのではないでしょうか。本記事では、クラウドでファイルを共有するメリットやデメリットを解説し、クラウド型のファイル共有サービスの選び方や 5 つのサービス例を紹介します。

クラウドでファイル共有するとは?

クラウドでのファイル共有とは、クラウド上でファイルを保管・管理する仕組みを通じて複数の利用者がファイルを共有することを指します。クラウドでファイル共有する際、最も一般的な方法はクラウド ストレージ(オンライン ストレージ)を用いる方法です。クラウド ストレージとは、通常は端末の HDD(外部記憶装置)や社内サーバーなどが担っているファイルの保管・管理といった機能を、クラウド上のサーバーが代替する仕組みです。

クラウドは、事前に権限さえ設定されていれば端末や場所を問わずアクセスできるので、複数の利用者が効率的にファイルを共有することができます。総務省「通信利用動向調査」によると、2019 年時点でクラウド サービスのうち「ファイル保管・データ共有」の利用内訳が最も大きいという結果でした。このことから、クラウドでファイルを共有するサービスは普及している状況だといえます。

クラウドでファイル共有をするメリット

現在人気のクラウドでファイル共有する仕組みですが、この方法を取り入れるとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは 7 つのメリットを紹介します。

コストが削減できる

まず、コストを削減できる点が大きなメリットです。ファイルを共有する仕組みを自社で用意するためには、社内でファイル サーバーを用意し、またファイルのデータが増えていくのに応じて容量も増やさなければなりません。そのためにはサーバーの設置費用やメンテナンスのための人件費など、さまざまなコストが発生します。一方、クラウドのファイル共有サービスを用いれば、こういった作業はサービス提供会社が行い、自社のコストは利用料金だけで済むのです。また、導入自体は無料のサービスもあり、オプションなどの必要がなければコストはかかりません。

インターネットがあればどこでも利用できる

また、インターネットに接続可能な環境であればどこからでもファイルにアクセスできる点もメリットです。クラウド上のサービスはインターネットを介して利用する仕組みのため、そのサービスを利用するために特別な端末やネットワークを用意する必要がありません。外付け HDD や USB メモリなどの物理的な記憶媒体も不要です。

複数人での共有が容易

複数の利用者でファイルを効率的に共有できるようになります。1 対 1 でファイルを共有する際、メールでファイルを送受信したり、あるいは USB メモリを使ったりする方法もありますが、この方法で複数人が同じファイルを管理するのは手間がかかります。クラウド上でデータを共有すれば、全員が同じファイルを閲覧・編集できるため、共有がスムーズです。

データの一元管理が可能

データの一元管理ができるというメリットもあります。クラウド上にファイルを保管すれば、ファイルを関係者全員が複製して手元に保管しなくても、クラウドにアクセスすれば全員が最新データを常に確認することが可能です。複数人が重複したファイルを保管したり、更新があった場合に他の部署に問い合わせたりする必要がありません。

サーバー管理の負担がなくなる

サーバーを管理する負担がない点もメリットです。自社でファイル サーバーを管理する場合、サーバーの構築、増設、保守・点検といった手間を社内リソースで実施しなければなりません。しかしクラウドのファイル共有サービスを用いれば、そういった管理は全てサービス提供会社に任せることができるため、自社の負担を減らせるのです。

容量無制限のサービスもある

さらに、容量無制限のサービスがある点も魅力です。社内に膨大なデータがある場合、自社サーバーを設置すると、機器の調達やスペースの確保にコストがかかり、高額になるケースもあります。一方、クラウド サービスであれば容量無制限のプランを提供している会社もあり、追加コストをかける必要がありません。また、無制限プランの場合は容量を気にする必要がないため、こまめに過去のファイルを削除せずバックアップとして活用することもできます。

災害対策になる

他にも、災害対策としても優れています。自社でファイル サーバーを用意する場合、地震・豪雨といった災害や火災・停電などの要因でダメージを受け、ファイルの損傷・消失につながる可能性はゼロではありません。しかしクラウド サービスの事業者の多くは堅牢なデータセンターを用意し、複数拠点でバックアップを取るといった対策を講じています。そのため、物理的な要因によるデータの消失リスクを低減できるのです。

クラウドでファイル共有をするデメリット


クラウドでファイルを共有する方法には多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。ここでは 3 つのポイントを紹介しましょう。

カスタマイズに制限がある

まず、カスタマイズには制限があります。クラウドでファイル共有ができる仕組みを提供している事業者は数多くありますが、それらはパッケージ化されているサービスが多く、自社サーバーのように細かいカスタマイズができないことが普通です。そのため、特殊な利用方法を想定している場合は事前に確認する必要があります。

セキュリティ面で注意が必要

また、セキュリティ面で注意する必要があります。自社のファイル サーバーを使う場合は、社内 LAN などの限られたネットワーク内にファイルを制限することも可能ですが、クラウド サービスを利用する場合はインターネットを経由するため、情報漏洩リスクはゼロにはなりません。サービスによって暗号化や認証強化などの対策を講じているケースもありますが、事業者によってセキュリティ強度には差があるのが現実です。

自社で障害対応ができない

自社で障害対応ができない点もデメリットです。自社のサーバーやネットワークに不具合が発生した場合、すぐにその原因を調査し対応することができます。しかしクラウド サービスを利用していて提供会社側で障害が発生した場合、それらはサービス提供会社の管理下です。原因の特定や復旧作業などはサービス会社の対応を待つしかありません。

ファイル共有に適したクラウドサービスの選び方


ファイル共有ができるクラウド サービスは数多くあり、自社に導入する際には自社の目的や使い方に合うサービスを選ぶことが大切です。ここではファイル共有に適したクラウド サービスを選ぶ際に意識すると良い 5 つのポイントを紹介します。

利用コストで選ぶ

利用コストはクラウド サービスを選ぶ際に重要なポイントの 1 つです。利用料金は、主にデータ容量と機能、ユーザー数などによって変わります。中でもファイル共有サービスは利用容量ごとに利用プランが定められているのが普通で、コストを抑えたいなら利用したいデータ容量をあらかじめ想定しておくことが大切です。

サービスによっては、導入そのものは無料であっても容量無制限のプランにするには有料であるケースや、初月は無料でも継続する場合には年会費がかかるケースなどがあります。サービスを検討する際は、基本料金やオプション料金など、料金体系を細かく比較しましょう。

データ容量で選ぶ

ファイル共有サービスではデータ容量も重要です。クラウド ストレージのサービスであっても、その最大容量は提供会社によってさまざまで、個人や小規模事業者にしか対応していないのか、あるいは大企業でも対応できるのかはサービスによって異なります。サービスを選定する際は、自社の利用容量をシミュレーションした上で、自社の利用方法に合うデータ容量プランが用意されている事業者を選びましょう。

求める機能で選ぶ

また、機能面をチェックすることも大切です。例えば、外出先や自宅といったリモート環境での利用を想定しているなら、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレット端末など、あらゆる端末に対応しているかチェックしておく必要があります。また、さまざまな役職・立場の社員がサービスを利用する予定の場合、アクセス制限ができるのか、権限設定は簡単にできるのかといったポイントを確認しておくことも欠かせません。

セキュリティで選ぶ

クラウド サービスを利用する上で最も重要な要素の 1 つとして、セキュリティの高さにも意識する必要があります。先述した通り、社内のファイル サーバーは社内ネットワークという閉じられた空間のため不正アクセスや情報漏えいなどのリスクが比較的低いのに対して、クラウドのサービスはインターネットを経由する分、リスクに備える必要があるのです。強固な対策を講じている事業者も存在しますが、サービスの提供会社によって水準は異なります。サービスを選ぶ際は、自社の求めるセキュリティ レベルが満たされているかを確認しましょう。

無料サービスには注意!

ビジネスでファイル共有サービスを選ぶ際は、無料サービスには注意する必要があります。確かに無料で使えるものもありますが、多くは機能や容量などに制限があるのが普通で、さらにセキュリティ対策という観点からも望ましいとはいえません。ビジネス目的でファイル共有サービスを利用するなら、安さだけでなく機能や容量、セキュリティといった要件を満たすものを選定する方が適しており、業務効率化や安全確保にもつながります。

ファイル共有に人気のクラウドサービス5選を比較!


ファイル共有サービスの選び方が分かったところで、実際にどのようなサービスがあるのでしょうか。ここでは主な 5 つの種類について、金額やプラン、機能を紹介します。導入を検討中の方はサービスを比較するための参考にしてください。

Google
Drive
Dropbox One
Drive
Direct
Cloud-
BOX
Box
プラン・
金額
・Business Starter:月額 680 円
・Business Standard:月額 1,360 円
・Business Plus:月額 2,040 円
・Enterprise:応相談
・Professional(個人用):月額 2,400 円
・Standard(チーム):月額 1,500 円
・Advanced(チーム):月額 2,400 円
・Enterprise(チーム):応相談
・OneDrive Basic 5 GB(家庭向け):無料
・OneDrive Standalone 100 GB(家庭向け):月額 224 円
・OneDrive for Business (Plan 1)(一般法人向け):月額 540 円
・OneDrive for Business (Plan 2)(一般法人向け):月額 1,090 円
・ベーシック:月額 10,000 円
・スタンダード:月額 30,000 円
・ビジネス:月額 90,000 円
・プレミアム:月額 180,000 円
・エンタープライズ:月額 300,000 円
・Starter:月額 550 円
・Business:月額 1,800 円
・Business Plus:月額 3,000 円
・Enterprise:月額 4,200 円
機能・
特徴
・ドキュメント、スプレッド シート、スライドなど多様な形式に対応
・リアルタイムでの共同編集
・マルチデバイス対応
・Google Workspace 加入で豊富なサービスをまとめて利用可能
・マルチデバイス対応
・リアルタイムでのファイル閲覧・共同編集
・形式が異なるファイルを一元管理
・ドキュメント、スプレッド シート、スライドなど多様な形式に対応
・Microsoft Word や Microsoft Excel など Office 系ファイルを連携して管理
・全プランでユーザー数無制限
・セキュリティ対策に強み
・ドキュメント、スプレッド シート、スライドなど多様な形式に対応
・リアルタイムでの共同編集
・協働するための機能が豊富
対応
容量
30 GB から応相談 3 TB から応相談 5 GB から無制限 100 GB から 30 TB 100 GB から無制限

Google Drive

Google Drive™️(グーグル ドライブ) は、Google™️ が提供するオンライン ストレージ サービスです。ドキュメントやスプレッド シート、スライドをはじめさまざまなファイル形式に対応しています。パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末からでもアクセス可能で、リアルタイムでの共同編集にも最適です。

Google Drive は、Gmail™️ やカレンダー機能などさまざまなサービスをまとめて利用できる Google Workspace™️ というサービスに加入するとビジネス利用ができるようになります。料金プランは以下の 4 種類です。

  • Business Starter:月額 680 円
  • Business Standard:月額 1,360 円
  • Business Plus:月額 2,040 円
  • Enterprise:応相談

Dropbox

Dropbox(ドロップ ボックス) は、Dropbox が提供する、世界的シェアを持つオンライン ストレージ サービスです。マルチデバイスでいつでもどこからでもファイル閲覧・共同編集ができるのに加えて、Google 系ファイルや Microsoft Office 系ファイルなどを一元的に管理できるという特徴があります。

料金プランは、以下の 4 種類です。

  • Professional(個人用):月額 2,400 円
  • Standard(チーム):月額 1,500 円
  • Advanced(チーム):月額 2,400 円
  • Enterprise(チーム):応相談

OneDrive

OneDrive は Microsoft が提供するオンライン ストレージ サービスです。OneDrive を単体で利用することもできますが、Microsoft Word や Microsoft Excel などがまとめて利用できる Microsoft 365 に加入していれば OneDrive にも紐づけられ、書類やスライド、メールなどを OneDrive 上に保存することができます。

OneDrive のみが利用できるプランの種類は以下の通りです。

  • OneDrive Basic 5 GB(家庭向け):無料
  • OneDrive Standalone 100 GB(家庭向け):月額 224 円
  • OneDrive for Business (Plan 1)(一般法人向け):月額 540 円
  • OneDrive for Business (Plan 2)(一般法人向け):月額 1,090 円

DirectCloud-BOX

DirectCloud-BOX とは、ダイレクト クラウドが提供するユーザー数無制限のオンライン ストレージ サービスです。インフラに AWS 環境を採用しており、高い稼働率と耐久性を実現しています。また、ワンタイム パスワードやパスワード暗号化など多くのセキュリティ対策も導入済みです。

料金プランは以下の通りで、ユーザー数無制限の金額です。

  • ベーシック:月額 10,000 円
  • スタンダード:月額 30,000 円
  • ビジネス:月額 90,000 円
  • プレミアム:月額 180,000 円
  • エンタープライズ:月額 300,000 円

Box

box(ボックス)は、box が提供する、世界 10 万社への導入実績があるオンライン ストレージ サービスです。ファイル共有や共同編集だけでなく、ワークフロー作成や電子サインなど、社内外の人物と協働するために役立つ機能が豊富に揃っています。

料金プランは以下の通りです。

  • Starter:月額 550 円
  • Business:月額 1,800 円
  • Business Plus:月額 3,000 円
  • Enterprise:月額 4,200 円

ファイル共有だけじゃない!サービス展開の網羅性で選ぶなら「GCP」


ファイル共有サービスを導入する時に重要なのがプラットフォームという視点です。プラットフォームとは、アプリケーションを実行したりデータを保存したりといったさまざまな機能・作業の基盤を指します。例えばクラウドという仕組みは、オンライン ストレージだけでなくデータ編集などあらゆるアプリケーションの土台です。もしプラットフォームが性能やセキュリティ面で優れていれば、同じように優れた数多くのサービスが生まれやすくなります。

Google は、高い技術力を用いてクラウド型のプラットフォームである Google Cloud Platform™️(GCP)を提供しており、これを用いれば利便性が高く優れたアプリケーションやインフラをまとめて利用することが可能です。オンライン ストレージに加えて、抜本的なクラウド化を検討する際は、GCP の網羅性の高さは大きく役立ちます。

まとめ


ファイル共有をクラウド上で実施するためには、その機能を実現するためのプラットフォームの存在が必要です。プラットフォームが優れていればファイル共有サービスの潜在力も高く、さらに他サービスとの連携も期待できます。本記事で紹介した GCP は Google が提供するクラウドのプラットフォームで、高い技術力と信頼性を誇るサービスです。クラウド ストレージなど、クラウド サービスの導入を検討中の方はぜひご検討ください。

※ Google Drive、Google、Gmail、Google Workspace、Google Cloud Platform、および、GCP は Google LLC の商標です。

 

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