クラウドコンピューティングの意味や種類とは?導入時のポイント解説

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こんにちは。クラウドエース編集部です。

クラウド コンピューティングとは、クラウド上に集約されたコンピューターの資源を、インターネットを経由して利用する仕組みを指します。クラウド コンピューティングの導入形態やサービスの種類は数多く、導入する際はそれぞれの特徴を知っておくことが大切です。本記事では、クラウド コンピューティングの基本的な意味や種類、導入を検討する上で知っておくべきメリットや注意点、そしてサービスの選び方を紹介します。

クラウドコンピューティングとは?

ここではクラウド コンピューティングの定義と、多くの企業でクラウドの導入が進んでいる現状について紹介します。

クラウドコンピューティングの意味

クラウド コンピューティングとは、インターネット経由でコンピューターのリソース(資源)を利用することです。コンピューター リソースには、インターネット上で利用できるアプリケーションや、開発環境などのプラットフォーム、クラウド サーバーや仮想マシンなどの IT インフラが含まれます。

また、クラウド コンピューティングの形で提供されるサービスを特にクラウド サービスと呼びます。ここでいうクラウドとは、インターネットとほぼ同じ意味です。「クラウド」という用語が使われているのは、もともとインターネットを示す図形に「雲」(cloud)の形が用いられていたことが由来だとされています。

企業のクラウド化が進んでいる

近年、自社サーバーやパソコンにシステムをインストールするオンプレミス型の運用から、クラウド コンピューティングを利用した運用に移行する企業が増加しています。総務省の「令和元年 通信利用動向調査」によると、クラウド サービスを「全面的に利用している」、「一部の事業所または部門で利用している」と回答した企業は 64.7%で、半数を超えているという結果した。2017 年の調査では 56.8%だったことと比較すると、着実に増加していることが分かります。

【出典】https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/200529_1.pdf(P5)

クラウドコンピューティングの導入形態

クラウド サービスを導入する方法は、大きく分けて 3 つあります。ここでは、それぞれの特徴とメリットやデメリットを比較しましょう。

パブリッククラウドプライベートクラウドハイブリッドクラウド
特徴共有サーバ設備を提供専有サーバ設備を提供共有サーバと専有サーバを提供
利用形態不特定多数のユーザーが物理的に同じサーバを共用する特定のユーザーだけが専有サーバを利用するパブリック型とプライベート型を併用する
メリット・導入が早く工数が少ない・カスタマイズの自由度が高い
・セキュリティが強固
・用途に応じてパブリック型とプライベート型の長所を活かせる
デメリット・カスタマイズが難しい
・セキュリティ上のリスクが比較的高い
・導入・運用の手間・工数がかかる・管理が煩雑
・パブリックとプライベートの切り分けを行う必要がある
費用安い高い用途に応じて最適化できる

パブリッククラウド

パブリック クラウドとは、不特定多数の利用者に対して提供されるクラウド サービスです。サービス事業者が提供するクラウド コンピューティング環境を、多くの利用者が共有して利用します。

利用者側は、自社でハードウェアを調達することなくクラウド コンピューティング資産を利用できるので、初期費用を低く抑えることができ、導入のハードルが低いことがメリットです。ただし、不特定多数の契約者が同じ環境を利用するため、セキュリティ面で注意が必要です。

プライベートクラウド

プライベート クラウドとは、特定の利用者に切り分けられた専用の環境で提供されるクラウド サービスです。パブリック クラウドと比べて、初期費用や導入までの手間が多くかかるデメリットがありますが、自社専用の環境を利用できるので、高いセキュリティ レベルを維持できることがメリットです。プライベート クラウドの中にも種類があり、ホステッド型とオンプレミス型の 2 つに大別できます。

ホステッド型のプライベート クラウドは、インターネット上の環境を利用するという点ではパブリック クラウドと同じですが、専用に区切られた環境を仮想的に構築することが大きな特徴です。利用者はサーバーなどのハードウェアを購入せずにクラウド サービスを利用できます。

オンプレミス型のプライベート クラウドとは、自社でハードウェアを購入して、専用のクラウド環境を構築する方式です。ハードウェアを購入するための初期費用が必要で準備に時間もかかりますが、ホステッド型よりもさらに高いセキュリティ環境を構築できます。自社専用のハードウェアを使用することから、カスタマイズの自由度が高いこともメリットです。

ハイブリッドクラウド

ハイブリッド クラウドとは、上記 2 つのタイプを組み合わせて提供されるクラウド サービスです。必要に応じて 2 つのタイプを使い分けることで、高いセキュリティと低いコストを両立できるというメリットがあります。

例えば、基本的な業務では低コストで利用できるパブリック クラウドを活用しながら、高いセキュリティが必要な部分はプライベート クラウドを利用するなどの形で使い分けることで、クラウド サービスにかける費用を節約できます。

クラウドコンピューティングで利用できるサービスの種類

クラウド コンピューティングは、SaaS、PaaS、IaaS の 3 種類があります。それぞれの定義を詳しく見ていきましょう。

1)SaaS

SaaS とは、「Software as a Service」の略語で、インターネット経由でアプリケーションやソフトウェアを提供するサービスです。パソコンやスマートフォンへのインストールが不要で、例えばインターネット上で利用できる Web アプリケーションが該当します。

SaaS は場所を選ばず、インターネット環境があれば気軽に利用できることがメリットです。ただし、基本的に完成したアプリケーションを利用するだけなので、カスタマイズ性が低いというデメリットがあります。

代表的な例としては、Gmail™ や Yahoo!メールなどのメールソフト、Twitter や Instagram などのSNS、Google Drive™ や Dropbox などのクラウド ストレージが挙げられます。

2)PaaS

PaaSとは、「Platform as a Service」の略語で、インターネット経由でアプリケーションを開発するためのプラットフォームを提供するサービスです。

アプリケーションを開発するには、バックアップ用のサーバーや、必要な OS などの環境を用意する必要があります。通常、高性能な環境を構築するには多くの初期費用が必要です。PaaS ではインターネット上に構築された高度な開発環境を、低コストですぐに利用できます。

代表的なサービスは Google App Engine™ や Amazon Web Services Lambda などです。

3)IaaS

IaaS とは、「Infrastructure as a Service」の略語で、インターネット経由でサーバーやネットワーク機器などのインフラ部分を提供するサービスです。

IaaS は他のクラウド サービスと比べてカスタマイズ性が高く、さまざまな使い道ができるというメリットがあります。自社でインフラを設置する場合と比べると、遠隔地にデータを保存することでバックアップとなり、災害対策にも有効なサービスです。具体的なサービスとしては Google Compute Engine™ や Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)などが挙げられます。

クラウドコンピューティング導入の具体例

クラウド コンピューティングを導入することで、どのようなことが可能になるのでしょうか。

SaaSPaaSIaaS
特徴インターネット経由でアプリケーションやソフトウェアを提供インターネット経由でアプリケーションを開発するためのプラットフォームを提供インターネット経由でサーバやネットワーク機器などのインフラ部分を提供
利用可能な
リソース
・ソフトウェア
・アプリケーション
・サーバなどのハードウェア
・OS
・仮想サーバや回線などのインフラ設備一式
メリット・パッケージのインストールなどの手間が不要
・サービスを即時導入・利用できる
・アプリケーション開発に集中できる
・開発コストや期間を抑えられる
・必要なハードウェアのスペックやOSを自由に選べる
・拡張性が高い
デメリット・カスタマイズ性が低い
・サービスを利用するためのOSやハードウェアは自社で用意する必要がある
・使用言語やOSなど希望する開発環境を自由に選べない・開発やサーバ管理などの専門知識が必要
料金体系利用プランやオプション、利用ID数などにもとづく定額制が一般的CPU利用率、ディスク利用率、ネットワーク帯域幅、トランザクションなどにもとづく従量課金制が一般的利用時間、ストレージ容量、ネットワークトラフィックなどにもとづく従量課金制が一般的

SaaS については、場所やデバイスを選ばずに、常にデータを連携しながらソフトウェアを活用したい場面で役立ちます。例えば会計ソフトや、マーケティングで使用する MA(マーケティング オートメーション)などです。

PaaS は、アプリケーション開発の現場で多く利用されていて、大企業だけでなくスタートアップなどの小規模な会社でも活用されています。IoT(モノのインターネット化) や、AI(人工知能) を活用したアプリケーションなどの高度な開発でも、リスクを抑えて始められるのが PaaS の利点です。

IaaS は大規模なデータの保存やバックアップのために活用され、自社サーバーの購入や維持管理などにかかるコストを抑えるために利用されるケースもあります。

クラウドコンピューティング導入のメリット

クラウド コンピューティングを導入するメリットについて、4 つのポイントに分けて解説します。

システム構築が不要・拡張性が高い

システム環境を構築・管理する手間やコストを削減できることが、クラウド コンピューティングの大きなメリットです。自社でシステムを構築する場合、アップデートや新しいパッケージの購入といった運用・管理の手間が必要ですが、クラウド コンピューティングではサービス提供会社が対応します。また一時的にサーバー容量を増やしたい場合などに、すぐに増強できる拡張性もメリットです。

複数のデバイスに対応

クラウド コンピューティングは、特にパソコンやスマートフォン、タブレットなど複数のデバイスを使用している場合、大幅な業務の効率化につながります。仮に使用しているデバイスごとにソフトウェアをインストールして業務を進めている場合、システム環境やデータを連携できないことがデメリットです。しかし、クラウド コンピューティングではソフトウェアとデータを一元管理できるため、関係するスタッフ全員のあらゆるデバイスから同じ環境とデータにアクセスでき、情報の引き継ぎがスムーズになります。

初期投資が不要

システムを構築するための初期投資が不要で、利用料金などのランニング コストだけで利用できることもメリットです。特にハイスペックな設備を用意する必要があり自社でハードウェアやソフトウェアを購入する場合と比べると、初期費用の差は大きくなります。クラウド サービスでは、初期投資のリスクを抑えながら高度な環境を契約してすぐに使えることが魅力です。また、多くのクラウド サービスは従量課金制のため、必要のない時期はコストを抑えながら、必要な時だけ容量を追加するなど、無駄な出費を抑えた運用ができます。

災害時の備えになる

台風や地震、火事などによる災害への備えになることも、クラウド コンピューティングの魅力です。災害によってインフラが破損すると、復旧に時間がかかり、場合によってはデータを失ってしまう可能性もあります。災害に備えたバックアップ体制を整えるのにも時間とコストが必要です。

その点、クラウド サービスでは、高度な管理体制によって、あらかじめバックアップ体制が充実しています。社内とクラウド サービスの両方にデータを保存することで、さらにバックアップ体制を強化することも可能です。

クラウドコンピューティング導入の注意点

クラウド サービスの弱点について把握しておくことも重要です。

特に注意しておくべきポイントは、「インターネットに接続しないと利用できない」ということが挙げられます。ネットワーク障害が発生したり、出張先の電波状況が悪かったりなど、インターネットに接続できない状況が発生すると業務に支障が出る可能性があります。その点を把握した上で、一時的にオフラインになっても問題ないように工夫しながら運用することが重要です。

また、クラウド サービスを利用する場合、提供元の都合でサービスが終了になる可能性はゼロではありません。クラウド サービスを選ぶ際は、サービス内容の良し悪しや、実績、セキュリティ、安定性などの点を意識し、それぞれのサービスを注意深く比較することが重要です。

クラウドコンピューティングサービスの選び方

クラウド コンピューティングを提供している会社はいくつかあります。自社に合ったサービスを選ぶ際に検討するべき 3 つのポイントを確認しましょう。

運用コストを計算する

クラウド サービスは大きな初期費用がかからない分、運用コストとして継続的に利用料金が発生します。料金体系はクラウド サービス会社ごとに異なりますが、基本的に使用量に応じて料金が発生する従量課金制なので、自社に必要なデータ転送量や稼働時間などの使用量を事前に把握しておきましょう。キャッシュ フロー計画も考慮しながら、自社のビジネス形態に合ったサービスを選ぶことが重要です。

必要な機能やサービスを明確にする

導入する目的や、必要な機能・サービスを明確にしておくことで、具体的なクラウド サービスを選びやすくなります。提供されているサービスの種類やラインナップは、提供会社ごとにさまざまです。使いたい機能が明確になると、自社に必要なのはクラウド コンピューティングのうち IaaS、PaaS、SaaS のどれなのかが明確になるでしょう。事前に必要な機能と不要な機能を洗い出すことで、必要以上にコストをかけることを避けられます。

自社に合ったセキュリティやサポートで選ぶ

自社に合ったセキュリティ レベルが確保できるかどうか、事前によく確認することが重要です。扱うデータの内容や、関係する法律、プライバシー ポリシーなどによって必要なセキュリティのレベルは異なります。必要なセキュリティ レベルが明確になると、パブリック型でも十分か、それともプライベート型が必要かの判断がしやすくなります。困った時に、24 時間すぐにサポートを受けられるかどうか、サポートの範囲はどこまでなのかについても、運用開始前に調べることが重要です。

クラウドについてさらに知りたい方はこちら

下記の資料では、今回ご紹介したクラウドコンピューティングだけでなく、クラウドについての情報が詳細にまとめられていますので、ぜひご覧になってください。
クラウドの今がわかる!クラウド活用お役立ちガイド

クラウドコンピューティングなら「Google Cloud Platform」がおすすめ!

世界トップクラスのクラウド サービスとして知られる Google Cloud Platform™(GCP)は、日本国内でも多くの企業に導入されています。

従量課金制なのでスケールアップやスケールダウンがしやすいというメリットはもちろん、Google™ の提供する、Gmail™、YouTube™ などのサービスと同じ IT インフラを低コストで利用でき、次々と進化する Google の革新的な技術をすばやく取り入れられることが大きなメリットです。

世界中に複数の配信拠点を配置してデータを自動的にミラーリングすることで、万全な災害・障害対策も行われています。

まとめ

クラウド コンピューティングは、自社で初期投資をしなくても高性能なシステムや IT インフラを利用でき、災害対策にもなる便利な仕組みです。セキュリティ面のリスクや、将来的なサービス終了のリスクもありますが、その点を回避するために提供会社を良く選ぶことが重要です。

クラウドを導入する際は、Google が提供する世界最大クラスのネットワークと最新技術を利用できる GCP を候補として、導入を検討してみてください。

クラウドエースは、GCP の日本初プレミアパートナーとして、多くの企業様の GCP 導入をサポートしてきた実績があります。お客様のご要望に合わせたプランでサポート サービスを提供しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

※ Google、Gmail、YouTube、Google Drive、Google App Engine、Google Compute Engine、Google Cloud Platform、および、GCP は、Google LLC の商標です。

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