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Cloud OnAir 第16回 〜「-ビッグデータ事例紹介-」〜 速報まとめ

こちらの記事は弊社技術ブログに掲載していた内容となります。一部を除き、投稿当時の情報となりますので、紹介内容の最新情報については別途公式情報等をご参照下さい。

こんにちは。クラウドエース編集部の高木です。

2017年10月5日より、【隔週木曜 18:00~18:45】に、Google社のエンジニアが、Google Cloud Platformの製品、サービスや導入事例等について解説する番組が始まっています。
ユーザー参加型の生放送番組となっており、視聴者からのリアルタイムQ&Aも受け付けています!

この記事では、動画を見逃した方や、見る時間が無い方向けに、要点をかい摘まんで、クイックに紹介したいと思います。
講師は、Google Cloud カスタマーエンジニアの田中 宏樹さん、事例紹介は株式会社IDOM 菱沼 大さんです。

今回のテーマ: ビッグデータ事例紹介 株式会社 IDOM さんのデータ分析と運用

今回は、今までのデータ分析基盤の説明や、機械学習のプロセス等を活用したビッグデータの事例紹介をします。
実際のビッグデータを活用した取り組みに関して、株式会社IDOM の菱沼 大さんが紹介してくれました!

株式会社IDOM 紹介

IDOM Inc. とは
一度は見たことがあると思いますが、IDOM社は、もともとは中古車のGulliver です。
2016年に名前を変更し、IDOM となりました。

中古車の販売、買取、車に関する流通関連を主な業務としています。

以下のようなサービスを展開しており、スライド上部に記載してある「クルマコネクト」や「Gulliver フリマ」は最近初めた、デジタルサービスと呼ばれる新規事業です。

海外への展開もしています。

現在、IDOM社が抱える問題として、3つがあります。

  • 消費者の関心が所有・リサイクル・体験へ
  • 移動が手段化、自動化により車内空間の過ごし方が重要に
  • 2030年前後には95%が都市圏在住、自動車販売台数は40%減少

そのため、販売からシェアや自動化といった新しい価値の創造が課題となっています。

ニーズの変化によってサービスの多角化に取り組んでいる。
サービスが多角化したことにより、多種多様なデータをどう集めるか、どう活用するか、データを利用してどうビジネスを作っていくかが課題となっています。

マーケティングの課題

今回は、買取・小売についての事例を中心に紹介します。

IDOM社では、マーケティング活動の中心が検討期間に寄っていました。つまり車の購入直後、直前の数週間から3ヶ月に偏っています。
検討段階から、大体3ヶ月程度でユーザーは車を購入しているとのことです。

検討期間の中でも、車種が決まるまでを検討前期と定義し、個車が決まってからどの在庫から選ぶかを検討後期と定義しています。

下記スライドは、検討前期から後期でWebサイト経由で、問い合わせ、成約したユーザーの営業利益のパフォーマンスを指数(利益率の値)で表したものです。

  • メーカーと車種の候補があったユーザーは、指数が1、成約率も1
  • メーカーもしくは車種の候補があったユーザーは、指数が10、成約率が2
  • 全く候補がないユーザーは、指数が1.5、成約率も1.5

検討前期では、「いずれかの候補があったユーザー」、「全く候補がないユーザー」からの問い合わせがあり、検討後期は、「いずれかの候補があったユーザー」と「メーカーと車種の候補があったユーザー」からのお問い合わせがあります。
成約率や利益率を比較すると、倍近くの差があることがわかります。

以下の課題が大きくIDOM社ではあったとのことです。

  • Web サイトの問い合わせは本来の収益に貢献できているのか?
  • 検討初期ユーザーにリーチし、どのようにコミュニケーションを取ることで収益に貢献できるか?

課題がわかったところで、これらの課題に対して、ビッグデータを活用してどう解消したか、その取り組みを見ていきましょう。

ビッグデータ活用方法

IDOM社では、ビッグデータを活用する方法として、以下の構成を構築しています。

まずはじめにBigQuery を使用しました。

BigQuery を使用した理由として、以下があるとのことです。

  • 集計が早い
  • 使いやすいインターフェース
  • 使い始めるまでの負担が少ない

BigQuery はサーバレスサービスのため、同様の要望がある場合はぴったりなサービスですね。

ビッグデータを活用した結果がこちらとなっています。

右下に売上予測レポートがあり、こちらを確認することでどれぐらい売上が上がっているか、営業の稼働状況が可視化されています。
ファネルレポートは、オンライン経由で問い合わせがあり、商談、成約に繋がるまでをフォールアウトで示したレポートになっています。
これらを確認することで誰でもボトルネックを探り対策をとることや、売上の傾向がわかりやすくなったとのことです。

次は、検討前期の評価方法に関して説明します。

評価した結果はこちらのスライドになります。

次にコンテンツ別の評価の結果を紹介します。

コンテンツで何を作ると効果があるのかは、マーケティングを行う際に悩む部分だと思います。
上のスライドは、車選びのHow to コンテンツなどの、車の購入を考え始めたときに見るコンテンツ、特定の車の購入を検討しているときの、購入時の税金はどの程度かかるかなどの購入を後押しするコンテンツ、それぞれに対してどの程度効果があるのかを評価したものとなります。
この評価方法で、どのコンテンツがユーザーの購買に影響を与えたのか分析したとのことです。

ビッグデータを活用して得られた情報で、下のスライドは、初めてwebで閲覧した車両と実際に購入した車両の価格差をグラフに表したものです。
実際のweb画面を見ながら解説してくれました

  • 初めて見た車に比べ、購入した車は10万円ほど低くなる傾向にある
  • 価格差は前後30万円で落ち着く

この情報を活用することにより、現場レベルの提案方法にも活かすことができるとのことです。

他にも、車種の詳細ページを見て問い合わせしたユーザーと車種の一覧ページのみを見て問い合わせしたユーザーの成約率の差のグラフも紹介がありました。

下記スライドは、よく閲覧するサイトや閲覧するコンテンツで、車の探し方のタイプを分類化したものです。
各タイプによって利益率が変わってくることがデータの活用によってわかりました。

データを活用して得られた情報をもとに、検討前期のユーザーにどう提案するか、検討後期であればどう提案するかの方針がわかり、傾向の分析や新規顧客の開拓、最適な施策に対して参考にできます。

今後の展望

この割合は、Webサイトを閲覧して最初に問い合わせた車から、実際に購入した車が同じかどうかの割合です。
割合の 4 は、同じ車を購入した値で、6 が別の車を購入した値となっています。

この結果から、問い合わせから同じ車を購入する割合は半分以下とわかり、Webサイトの情報だけでなく、実店舗でユーザーがどのように利用するかやりとりしないとわからない部分も多いことがわかります。
そのため、Webサイトでの分析も大事ですが、現場でどのように提案し、どのような車を決めていくかが重要になってきます。

最後に、実際にデータを活用してわかったことについて3つ紹介がありました。

  1. 分析しすぎに注意
    データの指標を細かくすると運用コストがかなりかかる
  2. 店頭の車両や顧客の言動による態度変容を見定める
    どの程度やるか、どこを自動化するか、運用不可を見ながら行なっていく必要がある
  3. Google Colaboratory でもっとライトに
    時間コストについては、Colaboratory を使って、まずは簡単にやってみる

最後にひとこと

いかがだったでしょうか。
今回は、今まで紹介したデータの活用方法等について、株式会社IDOMが実際に行なった事例を元に紹介しました。

今回紹介した方法を行えば正解 というわけではなく、業界業種によって分析する指標や取り組み方が異なると思います。
今回事例をご紹介してくれた菱沼さん自身、なにが正解かわからず、不安の中で試行錯誤を繰り返しているとのことです。

ユーザー向けサービスが増え、データの量が増えている昨今、そのデータを分析し、最適な方法でビジネスを展開してくことは重要になってきています。
今回の事例紹介は、データが分析を行うためにどういったことをするのか、データの活用方法の参考になるのではないでしょうか。

参考リンク

Youtube視聴

Cloud On Airの放送は、今回分含め、バックナンバーも全てYoutubeで視聴できます。
スライドと合わせて進行する解説を、是非ご覧ください!
Youtube URL:https://www.youtube.com/watch?time_continue=3598&v=IwEDEVztpbc

SlideShare

今回の動画で説明に使用されたスライドについても、SlideShareでいつでも閲覧可能です。
登場した用語について振り返りたい、用語同士の関係性を確認したい等、大変参考になります!
スライドURL:https://www.slideshare.net/GoogleCloudPlatformJP/cloud-onair-idom-live-2018621

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