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内製開発でサービス価値の最大化を図るユアマイスター、Google Cloud 移行がもたらした効果とは

「人々の大事なものがより大切にされる社会へ導く。」というミッションを掲げ、大切なモノを大切にしたい“人”と、さまざまな業界で活躍する職人“マイスター”をつなげるサービス EC プラットフォーム「YOURMYSTAR(ユアマイスター)」を展開するユアマイスター株式会社。既存システムが内包する課題を解決して事業をより推進させたいと考える同社は、サービスの基盤として活用しているパブリック クラウド サービスの移行を計画。サービス開発の効率化や、クラウド利用コストの最適化を図るためのソリューションや機能が充実した Google Cloud を採用し、クラウドエースの Google Cloud 導入支援カスタマー サービスを採用。トレーニング コース受講を含め多角的なサポートを得ながら、サービス基盤インフラの刷新に取り組んだ。(左)ユアマイスター株式会社 プロダクト部 部長 星 永亮氏
(右)クラウドエース株式会社 事業推進本部/第一事業部 サブリーダー 吉田 彩音氏

サービス開発環境のモダナイゼーションに向けて、インフラ基盤の移行を検討

2016 年 8 月に創業したユアマイスターは、サービス EC プラットフォームである「ユアマイスター」と、暮らしの不便を解決するためのアイデアや商品を紹介する Web メディア「ワタシト」を中心に事業を展開し、サービス産業の IT 化を推進し続けてきた。商品(モノ)を販売する EC サイトとは異なり、ハウス クリーニングや修理・メンテナンスなど無形の役務(サービス)を顧客に届けるという、“B to B to C” のマーケット プレイス型ビジネスモデルで新規市場の開拓・醸成を目指す同社では、サービスの基盤となる既存システムに課題を抱えていた。サービス開発・運用の責任者で、自身もエンジニアとして業務に従事しているユアマイスター プロダクト部 部長の星 永亮氏は、創業当時から運用を続けてきたレガシーな開発環境に端を発するビジネス課題について、次のように語る。

「私たちがこれまで運用してきたシステムは、スケールアウトが考慮されていない構成で、例えば弊社のサービスがテレビで取りあげられて、急なアクセス増があった場合などに対応しきれないという課題を抱えていました。また Web アプリケーション開発も、 CakePHP などレガシーなフレームワークを使用しており、エンジニアの採用を考えてもモダナイゼーションが急務となっていました。こうしたシステム面での課題を解決するには抜本的な見直しが必要と判断し、インフラ基盤となるパブリック クラウド サービスへの移行を検討することになりました」(星氏)

「ユアマイスター」が扱うサービスのなかでも、特に引き合いが強いハウス クリーニングやエアコン清掃などの専門サービスは繁忙期と閑散期があり、スケールの柔軟性を担保することが不可欠であると星氏は言う。繁忙期に合わせてシステムのスペックを揃えた場合、閑散期は費用対効果が見合わないという課題が生じていたと、当時を振り返る。

「もちろん、従来のパブリック クラウド サービス自体がこうした課題を引き起こしていたわけではありませんが、開発環境のモダナイゼーションが求められていたこともあり、インフラ基盤の全面的な刷新に踏み切りました。クラウド利用のコスト最適化を図るため、サーバーレスのソリューションに着目して移行先となるパブリック クラウド サービスの選定を進めていきました」(星氏)
ユアマイスター株式会社
プロダクト部 部長
星 永亮氏

インフラ基盤とデータ基盤の連携強化と一元管理に向け、パブリック クラウドを Google Cloud に統一

サービス EC プラットフォームという新たな市場の開拓に挑むユアマイスターでは、システム開発・運用の内製化に舵を切り、市場ニーズの変化に応じたサービスを提供できる環境を構築。同社に在籍するエンジニアは、フロントエンド・バックエンドからインフラまでフルスタックに開発を担当するというポリシーに基づき業務を遂行してきた。このためインフラ基盤となるパブリック クラウド サービスの移行プロジェクトは、新たな技術・開発スキルの習得が必須になるという意味でも、難易度の高いミッションであった。

こうした状況のなか、同社がインフラ基盤として採用したのが Google Cloud だ。星氏は選定の決め手として、優れたサーバーレスのソリューションがあることや、効率的なサービス提供に資する機能や技術が備わっていることなどを挙げる。

「サーバーレスの導入によるコストの最適化はもちろん、先ほどお話ししたモダンな開発環境の実現も視野に入れて、Google Cloud の採用を決めました。弊社では、以前より Google Analytics や BigQuery を用いてデータ分析基盤を構築しており、ビジュアライズも Looker Studio で行うなど、Google のプロダクトを数多く活用していました。我々が展開する事業においても、データ分析の重要度が高くなっていくことを想定しており、データのライフサイクルを考えても、データ基盤と親和性が高く連携も容易な Google Cloud は最適な選択肢でした」(星氏)

クラウドエースの導入支援カスタマー サービスとトレーニングで、Google Cloud への移行は円滑に進行

こうしてインフラ基盤の再構築に着手したユアマイスターは、2022 年半ばから Google Cloud のエンジニアとディスカッションを進めてアーキテクチャの設計とプロジェクトの方向性を詰めていった。そのなかで、クラウド利用のコスト最適化と、内製開発に向けた Google Cloud のスキル習得に向けた施策として、2023 年初頭にクラウドエースとパートナーシップを結び、インフラ基盤の移行プロジェクトを本格的にスタートさせた。

Google Cloud に特化したシステム インテグレータであり、数多くの Google Cloud 認定トレーナーが所属するクラウドエースでは、導入支援カスタマー サービスをはじめ、Google Cloud 認定トレーニングや生成 AI 活用ソリューションなど、Google Cloud の効果的な活用を支援するサービスを幅広く展開している。ユアマイスターを担当するクラウドエース 事業推進本部/第一事業部 サブリーダーの吉田 彩音氏は、本プロジェクトにおける同社のサポートについて次のように説明する。

「ユアマイスター様にはカスタマー サービスの支払代行プランをご利用いただき、Google Cloud 利用料金の割引などコスト面での支援のほかにも、ハンズオンや有償のトレーニングも受講していただいており、技術支援や教育面も含めてトータルでサポートしています」(吉田氏)
クラウドエース株式会社
事業推進本部/第一事業部 サブリーダー
吉田 彩音氏

星氏も、クラウドエースが提供するトレーニング サービスを受講したことが、今回のプロジェクトをスムーズに進められた要因の一つと喜びを口にする。

「移行プロジェクトを推進するにあたり、エンジニア1人ひとりに Google Cloud のサンドボックス環境を用意し、自主的に試してもらえる開発環境を提供しました。私を含めてGoogle Cloud を使ったことがないエンジニアが多かったため、併せてクラウドエースさんのトレーニングを受講し、スキルの習得を図りました。基礎的なコースから中級・上級コースまで多様なプログラムが用意され、エンジニアのスキルに応じて選べるのは非常に有効でした。体系的に基礎から学べる機会があったことは、Google Cloud への移行をスムーズに進めるうえでも大きな効果があったと感じています」(星氏)

また、Slack の専用チャンネルを開設し、クラウドエースがキャッチアップした Google Cloud 関連の最新技術やアップデート情報が共有されることも、非常に大きなメリットであると星氏は言う。「単純にサービスを契約して終わりと考えていましたが、その後も継続的にコミュニケーションを取っていただき、膨大なリリース情報のなかから私たちが必要なものを提示してくれるなど、手厚い支援には感謝しています」と、充実したサポート内容を高く評価する。

約 20% のコスト削減効果に加え顧客体験の向上にも寄与、Google Cloud 移行でビジネスが加速する

Google Cloud への移行プロジェクトはスムーズに進み、2024 年 2 月には「ユアマイスター」のシステム移行が完了。同年 9 月にはメディアサイト「ワタシト」の移行も完了し、検討開始から約 2 年でメインシステムの移行に成功している。

「サーバーレスのコンテナ実行環境である Cloud Run が非常に使いやすく、もともと開発環境をコンテナ化していたこともあって、スムーズにインフラ基盤を構築できました。現在は全システムの約 95% が Google Cloud 上で稼働している状況です。スケーラビリティやモダナイゼーションといった当初の目的に加えて、サービス基盤とデータ基盤を Google Cloud の管理画面から一元的に管理できるようになったことは非常に大きなメリットです。データが集約されて、すべてのログを容易に追えるようになったことで運用や開発がしやすくなり、エンジニアは大変喜んでいます」(星氏)

サーバーレス化によるコストの最適化は効果が高く、約 20% のコスト削減を実現。オート スケーリングでトラフィックの急増にも対応できるようになり、管理の一元化によって運用効率も向上した。さらにログを総合的に調査できるようになったことで、顧客からの問い合わせ対応や、不具合の原因究明にかかる時間も大幅に短縮されたという。

「今の環境ではアプリケーションもデータベースもバランサーも、すべてのログを統合的に見ることができ、運用のレベルは大幅に向上しています。お客様へのレスポンスも早くなり、サービス品質、顧客体験の向上という意味でも効果が出ていることを実感しています」(星氏)

Web アプリケーション開発のモダナイゼーションに関しては、PHP ベースから TypeScript と Nuxt を使ったモダンな構成への移行を進めており、エンジニアはアプリケーションの作り替えに注力している状況だ。星氏は今回のプロジェクトを踏まえ、今後の展望についてこう語る。

「お客様の満足度向上に向けた取り組みとしては、注文の体験を変える UX の改善や、多様なサービスから検索する際に有効な情報をレコメンドしてくれるサービスなど、いくつかのプロジェクトが進行中です。そのなかでは Gemini をはじめ、Google Cloud の AI を活用していく必要があると考えており、クラウドエースさんには最新の技術トレンドに関する情報連携を期待しています」(星氏)

クラウドエースの吉田氏も、内製開発をポリシーとするユアマイスターを支援するため、今後も最新情報の提供からトレーニング、エンジニア向けの勉強会まで幅広いサポートを提供していきたいと力を込める。

「Google Cloud では、小売業向けの AI 検索サービス『Vertex AI Search for Retail』など、生成 AI 系のソリューションも増えてきており、引き続き最新情報を提供していきたいと考えています。まずはシステム面でのサポートを充実させ、将来的には AI を活用した業務効率化やサービス品質の向上など、ユアマイスター様のビジネス発展に貢献できるような支援をしていければと思っています」(吉田氏)

内製開発を通じて、市場の変化に迅速に対応できるサービス環境の構築を目指す、ユアマイスター。そのうえで顕在化していた課題を解決するため、Google Cloud への移行に踏み切り、コスト削減と運用効率の向上を実現させた。最新技術を駆使し、より一層価値のあるサービス提供に向けて歩み続ける同社と技術面で支援するクラウドエースの連携による先進的な取り組みには、今後も注視していく必要がありそうだ。

※Google Cloud および Google Cloud 製品・サービス名称は Google LLC の商標です。
※Slack はSlack Technologies, Inc.の登録商標です。
※PHP はThe PHP Group の登録商標または商標です。
※TypeScript は Microsoft Corporation の商標または登録商標です。
※その他製品名は各社及び商標権者の登録商標あるいは商標です。

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