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3大クラウドの データベースを比較してみた【AWS・Azure・GCP】
こんにちは、クラウドエース編集部です。
本記事では、Google Cloud Platform(以下、GCP)・Amazon Web Services(以下、AWS)・Microsoft Azure(以下、Azure)の3大クラウドにおける、データベース関連サービスについてご紹介します。
また、こちらのダウンロード資料『GCP・AWS・Azure 3大クラウドサービス比較表 』ではデータベース関連サービスだけでなく、あらゆるカテゴリ・サービスごとに比較を行なっておりますので、ぜひお読みいただければと思います。
データベースとは、コンピューターが自動で学習してデータのルールやパターンを発見する手法です。3大クラウドは数多くのデータベース関連サービスを展開しており、本記事では以下の3種類のデータベース関連サービスをご紹介します。
- NoSQL
- RDBMS(Relational Database Management System)
- インメモリ DB
まず、3大クラウドのデータベース関連サービスについて書いたのち、主要サービスである NoSQL について詳しく特徴を比較します。
3大クラウドのデータベース関連サービス
3大クラウドが展開する代表的なデータベース関連サービスとして、NoSQL・RDBMS・インメモリ DB があります。3大クラウドは以下の表のサービスを展開しています。
GCP | AWS | Azure | |
---|---|---|---|
NoSQL | Cloud Bigtable | Amazon DynamoDB | Azure Cosmos DB |
RDBMS | Cloud SQL | Amazon Aurora | Azure SQL Database |
インメモリDB | Memorystore | Amazon ElastiCache | Azure Cache for Redis |
以下、各サービスについて掘り下げていきます。
NoSQL
【GCP】Cloud Bigtable
Cloud Bigtable は、フルマネージドでスケーラブルな NoSQL データベースです。Hadoop、Dataflow といったツールと容易に統合可能です。
【AWS】Amazon DynamoDB
Amazon DynamoDB は、レイテンシーが10ミリ秒未満と高速に動作する NoSQL データベースです。99.999%の可用性が保証されています。
【Azure】Azure Cosmos DB
Azure Cosmos DB は、最新のアプリ開発に対応するフルマネージドの NoSQL データベースです。アプリ開発に使用される言語向けの SDK や MongoDB、Cassandra に対応した API を搭載しています。
RDBMS
【GCP】Cloud SQL
Cloud SQL は、MySQL、PostgreSQL、SQL Server と互換性のあるフルマネージド型リレーショナルデータベースです。数分でデータベースの作成、接続が可能です。
【AWS】Amazon Aurora
Amazon Aurora は、標準的な MySQL データベースと比べて最大で5倍、標準的な PostgreSQL データベースと比べて最大で3倍高速なリレーショナルデータベースです。
【Azure】Azure SQL Database
Azure SQL Database は、SQL Server と互換性のあるリレーショナルデータベースです。MySQL、PostgreSQL 向けには別のサービスが提供されています。
インメモリDB
【GCP】Memorystore
Memorystore は、オープンソースの Redis / Memcached と完全互換性のあるインメモリDBです。アプリケーションの拡大に合わせて、100万件を超える QPS までスケール可能です。
【AWS】Amazon ElastiCache
Amazon ElastiCache は、Redis および Memcached と互換性のあるインメモリDBです。レイテンシーがマイクロ秒と非常に短いことが特徴です。
【Azure】Azure Cache for Redis
Azure Cache for Redis は、Redis と互換性のあるインメモリ DB です。毎秒数百万のリクエストをミリ秒未満のレイテンシーで処理可能です。
NoSQLの特徴比較
ここでは、3大クラウドのNoSQLについて詳しく特徴を比較していきます。比較項目は以下の5項目です。
- 料金
- 処理能力
- 他ツールとの連携性
- AI/ML
- 利用実績
【GCP】Cloud Bigtable
料金
インスタンスクラスタに存在するノード1つの1時間利用あたり、0.85USドルです。SSDストレージは1GBあたり、0.22USドルです。HDDストレージは1GBあたり、0.034USドルです。
処理能力
レイテンシーは10ミリ秒程度で、99.999%の可用性が保証されています。
他ツールとの連携性
BigQuery、Dataflow、Apache Hadoop といった他ツールと容易に連携可能です。
AI/ML
機械学習アプリケーションのストレージエンジンに適した設計がされています。
利用実績
Dow Jones、Ravelin、OpenX 等の企業で利用されています。
【AWS】Amazon DynamoDB
料金
データ読み込みは100万リクエストあたり、0.285USドルです。データ書き込みは100万リクエストあたり、1.427USドルです。SSDストレージは1GBあたり、0.285USドルです。
処理能力
レイテンシーは10ミリ秒未満で、99.999%の可用性が保証されています。
他ツールとの連携性
AWS Amplify と連携可能です。
AI/ML
一度データウェアハウスに移行する必要があります。
利用実績
Zoom、Disney、Dropbox、Netflix、Samsung 等の企業で利用されています。
【Azure】Azure Cosmos DB
料金
データ読み込み・データ書き込み共に100万リクエストあたり、0.285USドルです。SSDストレージは1GBあたり、0.283USドルです。
処理能力
レイテンシーは10ミリ秒未満で、99.999%の可用性が保証されています。
他ツールとの連携性
アプリ開発に使用される言語向けの SDK や多様なデータベースに対応した API を搭載しています。
AI/ML
一度データウェアハウスに移行する必要があります。
利用実績
Mercedes-Benz、Chipotle、Symantec、ASOS 等の企業で利用されています。
上記の内容をまとめたものが、以下の表です。料金については、Cloud Bigtable がストレージ料金において最もお得で、Azure Cosmos DB、Amazon DynamoDB と続きます。処理能力については、Cloud Bigtable が他サービスにわずかに劣っていると言えます。他ツールとの連携性については、多様なツールと容易に連携できる点から、Cloud Bigtable が優れていると言えます。AI / ML については、機械学習アプリケーションのストレージエンジンとして適した設計が施されている Cloud Bigtable が優れていると言えます。
* 料金は全て東京リージョンで計算
まとめ
本記事では、GCP・AWS・Azure の3大クラウドにおけるデータベース関連サービスについて紹介してきました。NoSQL・RDBMS・インメモリ DB の全てにおいて、似た内容のサービスが展開されていますが、細かな機能を見ていくと大きな差があります。
本記事で徹底比較した NoSQL は、料金、処理能力、他ツールとの連携性、AI / ML に違いがありました。
自社のデータベースに必要な機能を明確にした上で、最適なクラウドを選択しましょう。
GCP・AWS・Azure 3大クラウドサービス比較表 では各社クラウドのサービスや料金等の比較を網羅的に行なっております。よりクラウドサービスを体型的にご理解いただける内容となっておりますのでこちらもぜひお読みください。
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