• クラウド導入お役立ち記事
10分で読める

クラウドサービスで変わる仕事環境!導入するメリットや企業向きシステム

こんにちは。
クラウドエース編集部です。

最近はクラウド サービスが注目を集めビジネスでも多く利用されており、多数の企業で導入効果があったとの見方を示しています。
しかし、まだクラウド サービスを導入していない企業も多く、「サービスを取り入れるとどのように仕事環境が変化するのか」ということが実感しにくい担当者の方も多いのが現状です。
そこで今回はクラウド サービスの概要や、種類とメリットなどを紹介していきます。

クラウドサービスとは?概要や誕生の背景

ここでは、クラウド サービスの概要や誕生の背景について説明します。

クラウドサービスはインターネット上で利用できるサービス

クラウド サービスとは、サービス提供者が運営・管理する機能・リソース(資源)を、利用者がインターネットを介して利用できるサービスです。

そもそもクラウドとは簡単に言うと「ユーザーがサーバーやネットワークやソフトウェアを持っていなくても、インターネットを通して必要な時に必要な分だけサービスを利用することができる」という仕組みです。
クラウドは「雲」を意味する「cloud」が由来で、「雲のようにデータや機能が集約されたもの」という特徴が表されています。

クラウド サービスは、サービス提供会社が提供するアプリケーションやソフトウェア、ハードウェアなどに、利用者がインターネットを通してアクセスして利用する仕組みです。
これにより、従来は利用者がハードウェアを用意したりソフトウェアを購入したりしなければ使えなかったサービスを、そういった手間をかけず利用することができます。

クラウドサービスが誕生した経緯

「クラウド コンピューティング」が広く普及するようになったのは 2006 年頃です。
当時、Google の CEO だったエリック・シュミット氏が、その概念を広めたとされています。
クラウド コンピューティングが誕生するまでには長い経緯がありました。

1950 頃は、多くのユーザーがメインフレームという大型コンピューターを同時に利用していました。
そして技術の改新は進み、1990 年代に入るとクライアント サーバー時代へ移行します。1990 年代後半には Web ブラウザを通じてサーバーへアクセスすることが可能となり、通信速度も向上したため、多くの企業で利用されるようになりました。
しかし、サービスが増えた結果、サーバーが乱立してしまい、サーバーの管理が課題となります。

そこで、その問題を解決するために誕生したのが、クラウド コンピューティングです。
クラウド コンピューティングを利用すれば、ユーザーが個別にサーバーを設置・保有しなくても、クラウドを通してコンピューターを利用することができます。
いわばコンピューターの保有と利用の分離で、ユーザーにとってはさまざまなサービスを自由に選ぶことができ、なおかつ機器を設置・保有するコストや運用・メンテナンスの負担が減らせるメリットもあり、普及につながったのです。

クラウドサービスと物理サーバーの違い

クラウド サービスと物理サーバーの違いは、どのようなところにあるのでしょうか。

まず物理サーバーは、使用したい量に応じてサーバーを設置するための物理的なスぺースを確保しなければなりません。
一方、クラウド コンピューティングは、1 つの物理サーバーに対して仮想的に複数のサーバーを構築できます。
物理サーバーに近い環境を仮想的に作ることで、ユーザー側がスペースを拡張することなく、複数の仮想サーバーを管理することが可能になるのです。

クラウドサービスの4つの種類


クラウド サービスにはどのような種類があるのでしょうか。
提供されているクラウド サービスを大別すると以下の種類があります。

SaaS PaaS IaaS
特徴 インターネット経由でアプリケーションやソフトウェアを提供 インターネット経由でアプリケーションを開発するためのプラットフォームを提供 インターネット経由でサーバやネットワーク機器などのインフラ部分を提供
利用可能な
リソース
・ソフトウェア
・アプリケーション
・サーバなどのハードウェア
・OS
・仮想サーバや回線などのインフラ設備一式
メリット ・パッケージのインストールなどの手間が不要
・サービスを即時導入・利用できる
・アプリケーション開発に集中できる
・開発コストや期間を抑えられる
・必要なハードウェアのスペックや OS を自由に選べる
・拡張性が高い
デメリット ・カスタマイズ性が低い
・サービスを利用するための OS やハードウェアは自社で用意する必要がある
・使用言語や OS など希望する開発環境を自由に選べない ・開発やサーバ管理などの専門知識が必要
料金体系 利用プランやオプション、利用 ID 数などにもとづく定額制が一般的 CPU 利用率、ディスク利用率、ネットワーク帯域幅、トランザクションなどにもとづく従量課金制が一般的 利用時間、ストレージ容量、ネットワークトラフィックなどにもとづく従量課金制が一般的

ここでは、それぞれのサービスについて詳しく解説していきます。

ソフトウェアを利用できる SaaS(Software as a Service)

インターネット経由でソフトウェアやアプリケーションを提供するサービスが SaaS(Software as a Service)です。
従来は利用者が購入して自社の端末にインストールしなければ使えなかったソフトウェアでも、SaaS を用いればインストールなどをせずアクセスすることができ、複数人がデータを共有して作業を行えるというメリットがあります。
例えば、離れた場所でも同時に作業ができるので、業務の効率化が可能です。

アプリやソフトの PaaS(Platform as a Service)

アプリケーションやソフトウェアを作動させるためのハードウェアや OS(オペレーティング システム)を、インターネット上のサービスとして提供するのが PaaS(Platform as a Service)です。
PaaS のクラウド サービスを利用すれば、自前の OS などを用意しなくても、さまざまなアプリケーションやソフトウェアを稼働させることができます。
コストを抑えて素早くシステム開発を行えるので、多くの企業で PaaS 型のサービスが活用されています。

仮想サーバーや回線を提供する HaaS(Hardware as a Service)

仮想サーバーや回線といったハードウェアをインターネット上で提供するのが HaaS(Hardware as a Service)です。
HaaS を利用すれば、IT サービスの運営に欠かせないサーバーやネットワークといった機器を設置する費用や労力を抑えることができます。
利用者はサーバーや回線といった機器の煩雑な管理業務を省略できるのに加えて、セキュリティ向上や災害復旧といった有事対策の点でも評価されています。

情報システムの役割を果たす IaaS(Infrastructure as a Service)

情報システムをインターネット上で提供するのが IaaS(Infrastructure as a Service)です。
情報システムを稼働させるためには機材やネットワークが必要ですが、自前でこれらのインフラを用意するには多くの費用や労力を必要とします。
IaaS を利用すれば、それらを全てインターネット上で調達・利用することが可能です。
必要に応じて利用する機器のスペックや OS を柔軟に変更することもできます。

クラウドサービスを利用するメリット


クラウド サービスを利用する上でのメリットは、主に以下のものがあります。

  • 初期費用を抑えられる
  • サーバーを拡張しやすい
  • 場所や端末を選ばない
  • メンテナンスや更新をしなくて良い

ここではそれぞれのメリットについて解説していきます。

初期費用を抑えられる

クラウド サービスを利用する上での大きなメリットは、初期費用を抑えられるという点です。
インフラやシステムを自社で保有・管理する必要がないため、多額の初期投資を必要としません。
サービスによっては、一部のクラウド ストレージのように無料で利用できるタイプも存在します。

サーバーの拡張がしやすい

サーバーの拡張がしやすいという点もクラウド サービスの大きなメリットです。
例えば、クラウド サービスを利用した時にアクセスが集中して負荷がかかったとしても、一時的にサーバーのスペックを上げることで対処することが可能です。

場所や端末を選ばない

インターネット接続ができる場所であれば、場所や端末を選ばずサービスを利用できる点もメリットの 1 つです。
従業員のスマートフォンやタブレットなどの端末からアクセスすることも可能で、テレワークにも役立ちます。

メンテナンスや更新をしなくて良い

クラウド サービスを利用すれば、システムそのもののメンテナンスは不要です。
ストレージの管理などは必要となりますが、システムのメンテナンスや更新をしなくて良いということは、長期間サービスを利用する上で業務負担の大きな軽減効果を期待できます。

クラウドサービスを利用するデメリット


クラウド サービスを利用する場合においてメリットばかりではありません。
クラウド サービスを利用するデメリットとしては主に以下のポイントが挙げられます。

  • 自由にカスタマイズはできない
  • サービス停止のリスクがある
  • 情報漏洩リスク対策が必要となる

ここでは、それぞれ詳しく説明していきます。

自由にカスタマイズはできない

複数の企業で共有されるクラウド サービスの場合、自由にカスタマイズできないというデメリットがあります。
特に、SaaS で提供されるシステムは複数の企業で共有されることが多く、自社の業務プロセスに沿って細かくカスタマイズすることはできません。

サービス停止のリスクがある

クラウド サービスは安価で便利ですが、サービス停止のリスクもあります。
運営している企業の業績や都合により、サービスが縮小・譲渡されてしまう場合もあるので、そのリスクも考えておかなければなりません。
「サービスが停止した場合、代替的なサービスが存在するか」など、あらかじめ対策を立てておきましょう。

情報漏洩リスク対策が必要となる

クラウド サービスを利用する場合、情報漏洩などセキュリティ面でリスクがあります。
システムの脆弱性を突いた攻撃に対してどのような対策を行うかを検討しておくことは必須です。
また、マルウェアを定期的にチェックするなど、セキュリティ面において具体的な対策をしておかなければなりません。

企業に向いているクラウドサービスの例


多くのクラウド サービスがありますが、企業に向いているクラウド サービスにはどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、企業向けのクラウド サービスを紹介していきます。

オンラインストレージ

オンラインストレージとはインターネットさえつながっていれば、どこにいてもデータやファイルのやりとりができる便利なサービスです。
代表的なサービスには Google Drive™ や Dropbox などがあり、ファイルの編集やアップロードをすることも可能です。
無料で使えるものも多く、多くの企業で導入されています。

勤怠管理システム

勤怠管理に特化したサービスもあります。
勤怠をタイムカードなどで管理していた場合でも、タイムレコーダーのデータをクラウド上に保存・集計するといった利用方法が可能です。
業務効率化はもちろんコストカットにもつながるので、幅広い企業で導入されています。

グループウェア

スケジュール管理やタスク共有など、社内のコミュニケーションを円滑に行うためのグループウェア系のサービスもあります。
クラウド上に情報を集約することで、社内での情報共有をリアルタイムで行えるようになり、連絡する手間を省くことが可能です。
組織統制を図る上で便利なサービスといえます。

バックオフィス

経理や人事、総務など管理業務を担当するバックオフィス向けのクラウド サービスもあります。
バックオフィス業務をクラウド化することで情報の一元管理がしやすくなり、手間がかかる情報の付き合わせや集計業務などの効率化によってコスト削減効果も見込めるでしょう。
代表的なサービスに、freee などの会計ソフトがあります。

メール配信システム

クラウド型のメール配信システムもあります。
自社のサービスや情報を発信するためにメール配信をしている企業も多いですが、クラウド サービスを活用することで、効果測定やマーケティングなどのさまざまな機能を利用することが可能です。
インストール不要で利用できるため、豊富な機能を手軽に利用することができます。

社内 SNS

社内のみで利用する社内 SNS もクラウド上で利用することが可能です。
会社の規模が大きくなれば、社内で情報を共有することが難しくなります。
クラウド型の社内 SNS サービスであれば、情報を手軽に集約できるため、他部署との連携強化などの効果が期待できるでしょう。

オンライン学習システム

これまでは社内で研修や勉強会をしていた場合でも、クラウド サービスを利用することで従業員がいつどこにいてもインターネット環境さえあればカリキュラムを受講できるようになります。
実施する企業側と受講する従業員側のどちらにとっても利便性が高いため、近年ではオンライン学習システムの導入を進める企業が増えている状況です。

営業管理システム

営業管理のためのクラウド サービスもあります。
顧客情報や商談の記録、日報など営業に必要な機能が搭載されており、外出先でも最新の情報を共有することが可能です。
手間のかかる業務をサポートしてくれるので、営業に集中することができます。

顧客管理システム

顧客の属性や記録などを管理する顧客情報管理システムも多くの企業で取り入れられています。
クラウド サービスを利用すれば最新の顧客情報を社内で共有できるため、各顧客情報の管理はもちろん、顧客対応や顧客満足度、顧客ロイヤルティを向上させるためにも非常に有益です。

名刺管理システム

クラウド上で名刺を管理できるサービスもあります。
クラウド型の名刺管理アプリを利用すれば、名刺の写真を撮るだけでクラウド上にデータが共有され、自動的にデータベースを整理させることも可能です。
名刺を持ち歩く手間や、管理する手間が省ける上、社外にいても情報にアクセスできます。

人材管理システム

クラウド型の人材管理システムを利用すれば、社内の人事情報を戦略的かつ有効に活用することが可能です。
従業員の基本情報はもちろん、スキルや実績などをクラウドで一元管理できます。
効率的に従業員の情報を保存・分析できるので、データを活用してモチベーションを高める施策を発見することも可能です。

採用管理システム

採用管理向けのクラウド サービスも登場しています。
クラウド上で採用情報を一元管理できるため、面接前や社外にいる時でも応募者の情報をリアルタイムで確認することが可能です。
また、選考状況や履歴書、選考フローなども社内で共有しやすくなるため、業務効率化にもつながります。

プロジェクト管理システム

クラウド型のプロジェクト管理システムもあります。
クラウド サービスのプロジェクト管理システムを利用すれば、参加者がいつ、どこにいても進行状況を入力・確認することが可能です。
あらかじめアクセス権限を設定しておけば、必要なグループだけにリアルタイムで情報を共有するといったきめ細かい対応もできます。
特にプロジェクトの管理者にとっては、進捗状況の可視化がしやすくなるため、管理業務の効率化にもつながるでしょう。

在庫・生産管理システム

在庫・生産管理向けのクラウド サービスもあります。
製造業や小売・卸売業において特にコストや手間がかかるのが在庫・生産管理業務です。
クラウド サービスを利用すれば、初期費用や運用コストを抑えた上で、高性能な在庫・生産管理システムを利用することができます。
業態や取り扱い規模に即した在庫管理を行えるようになり、管理業務も効率的になります。

文書管理システム

文書管理に特化したクラウド サービスもあります。
ビジネスにおいて誓約書や請求書などの文書を扱う際は、必要な時にすぐにアクセスできる利便性と、改ざんや漏洩を防ぐセキュリティの両立が欠かせません。
クラウド サービスは、いつでもどこでもアクセスしやすいのに加えて、近年はセキュリティも大きく強化されているサービスも増えています。

クラウドについてさらに知りたい方はこちら

ここまで、クラウド導入のメリットやデメリット等をご紹介しましたが、下記の資料ではさらに詳しくまとめられていますので、ぜひご覧になってください。
クラウドの今がわかる!クラウド活用お役立ちガイド

初めてのクラウドサービスなら GCP で決まり!


初めてクラウド サービスを導入する際は Google Cloud Platform™(GCP)の利用をおすすめします。
GCP とは、Google™ がクラウド上で提供するサービス群の総称で、Google 社内で使われているものと同じ機能やインフラを、インターネットを通じて提供するサービスです。

クラウドエースでは、GCP 導入を総合支援しており、円建て請求書での決済をはじめ、GCP 利用にあたってさまざまな特典も用意しています。
GCP に特化したプロフェッショナル集団が、「早く、丁寧に、正確に」をモットーに、クラウドの導入における疑問や悩みを解決に導きます。

まとめ


クラウド サービスは、広いビジネスにおいて業務効率化やコスト最適化などに役立ちます。
クラウドというと、「セキュリティ面に不安がある」、「導入の仕方が分からない」という悩みを持つ担当者様も多いですが、そのような場合は運用実績のある事業者に相談することをおすすめします。
クラウドエースは GCP のプレミアムパートナーで、技術面のサポートも充実しています。
クラウド サービスの利用を検討している際は、ぜひご相談ください。

※ Google、Google Cloud Platform、および、GCP は Google LLC の商標です。

 

この記事を共有する

合わせて読みたい