データの分散とサイロ化解消のために BigQuery と AutoML を活用したテレビ業界のケーススタディ

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今回のケーススタディでは、マスメディアにおいて、データの分散とサイロ化を解消するために BigQuery や Auto ML を活用したケーススタディをご紹介いたします。実際に Google Cloud の公開事例を参考にして、どのように Google Cloud のサービスやプロダクトが顧客のビジネスにメリットをもたらすかを要点をまとめてご説明いたします。

Google Cloud 導入以前の状況や背景・課題

ある テレビ放送局では、今後のビジネス戦略としてインターネット分野への注力が不可欠であると認識されていました。
そのため大量のデータを効率的に統合し、解析する能力が必要でした。
初期段階では、他社のデータ統合プラットフォームを活用し、MVP(Minimum Viable Product)開発手法を用いてデータ基盤を構築していました。このデータ基盤は、番組や広告の価値向上、迅速な事業判断、事業効率化などを目的に、編成部、宣伝部、営業部、報道部など、複数の部門で利用されていました。
はじめの半年は一定の成果を上げたものの、データが増えるにつれてリソースが制限され、高度なデータ解析を行うにはパフォーマンスが低下していました。また、データが分散してサイロ化するという問題も生じていました。

MVP(Minimum Viable Product)とは・・・製品開発のアプローチ手法で、初期ユーザーに提供するための最小限の機能を備えた製品のバージョンを指します。主な目的は、大きな投資を行う前に製品のアイデアを市場でテストし、ユーザーのフィードバックを得ることです。早期に製品を市場に出すことで、リソースを節約し、製品開発の方向性を早期に特定することができます。

データのサイロ化とは・・・データのサイロ化とは、組織内の異なる部門やシステム間でデータが分断され、共有されない状態を指します。サイロ化されたデータは組織全体でのデータの一貫性、アクセシビリティ、効率的な活用を妨げる可能性があります。組織内でのデータ共有と統合を促進することで、サイロ化を解消し、データの価値を最大限に引き出すことができます。

Google Cloud を採用した理由

データの分散とサイロ化の問題を解決するために Google Cloud を新たなデータ統合基盤として採用しました。
決定の主要な理由は BigQuery の存在でした。大量のデータを迅速に分析する能力を持つフルマネージド型のビッグデータ分析ツールで、高いコストパフォーマンスでビッグデータ解析を実現します。これによりデータ解析の効率と速度が大幅に向上します。
また、Google アナリティクス 360 や Google アドマネージャーなどのツールとの相性も採用理由となりました。これらのツールと連携することでデータ収集から解析、ビジネス意思決定までのフローを効率化することができデータ活用の幅を広げることにつながりました。

Google Cloud 導入時のエピソード

Google Cloud の導入は新しい技術やソリューションが実際のビジネス環境で期待通りに機能するかを確認するための試験的なプロジェクトである PoC(Proof of Concept)を約 1 ヶ月間行い、適合性を確認しました。エンジニアはこの期間で Google Cloud のサービスを試用し、性能や使い勝手を評価しました。また、データ統合や解析に必要な設定や操作を学び、新しいデータ基盤の設計と構築に向けた準備を行いました。
PoC 成功後、企業は Google Cloud の導入を決定しました。約1ヶ月後には、ユーザー部門に向けてダッシュボードを展開しました。これは統合データを視覚的に表示し、ビジネスの意思決定を支援するツールです。これによりデータ活用が進み、迅速な意思決定や効率化が可能となりました。

構築した Google Cloud の具体的な構成

基本構成としては、BigQuery を中心に、その前段に Cloud Storage があり、そこにデータを集めるために、App Engine、Cloud SQL、Cloud Scheduler、Pub/Sub、Compute Engine などを使っています。BigQuery に蓄積されたデータは、Cloud AutoML や Vision API などを使って解析しています。監視系にも、Google Cloud の各種サービスを活用しています。

導入によるメリット・効果

Google Cloud 導入により、企業はインフラコスト削減と解析効率化の 2 つの主要な効果を得ました。

1 つ目の効果は、インフラコストの大幅な削減です。Google Cloud はフルマネージド型サービスで、自社サーバーの設置・運用が不要で、リソースの自由なスケーリングが可能であるため、大幅なコスト削減が可能となりました。

2 つ目の効果は、AutoML による解析の効率化です。AutoML は機械学習モデルの訓練と適用を自動化し、高度な専門知識を必要とせずに利用できます。これにより、データ活用が進み、新たなビジネスインサイトの発見や意思決定の高速化が可能となりました。これらの効果により、Google Cloud の導入は企業のデータ戦略を推進し、ビジネスの成長と効率化を実現しました。

今後の展望や、Google Cloud に期待すること

今後、さらにデータ基盤を強化し、全てのデータを一元的に解析可能にすることでより大きなインサイトが得られる体制を整備していく予定です。
その他、自然言語での問い合わせと生成AI による適切な回答提供を可能にするために Dialogflow を用いたチャットベースの問い合わせシステムの実現も検討しています。

導入した Google Cloud のプロダクト一覧と構成

導入した Google Cloud のプロダクトは以下の通りです。
BigQuery: データの統合と解析
Cloud Storage: データの蓄積
App Engine, Cloud SQL, Cloud Scheduler, Pub/Sub, Compute Engine: データ収集
Cloud AutoML, Vision API: データ解析
Google Analytics 360, Google Ad Manager: ビジネスツール
Dialogflow: チャットボットの構築(予定)

※本ケーススタディは下記を参考にして作成いたしました。Google Cloud の導入を検討の上でお役に立っていただけると幸いです。
https://cloud.google.com/customers/ntv/?hl=ja

Google Cloud に関するご相談や、導入を検討されている方は、クラウドエースまでご相談いただけましたら幸いです。
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※ BigQuery、 Compute Engine、Google Analytics 360、Google Ad Manager は、 Google LLC の商標です。

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