情報システム部門の課題あるあるを一気に解決した Google Workspace によるグループウェアの刷新
業種:
- 小売・流通/
- 製造業・メーカー/
今回のケーススタディでは、製造業・メーカーおよび小売・流通業界において、グループウェアの刷新とデータ分析基盤の最適化をするためにGoogle Workspace と Google Cloud を導入したケーススタディをご紹介いたします。実際に Google Cloud の公開事例を参考にして、どのように Google Cloud のサービスやプロダクトが顧客のビジネスにメリットをもたらすかを要点をまとめてご説明いたします。
Google Cloud 導入以前の状況や背景・課題
本ケーススタディの企業では、Google Cloud を導入する以前、情報システムの運用に複数の課題が存在していました。旧式のグループウェアが用いられており、メーラーとカレンダーが並行して利用されていることをはじめ、カレンダー機能と会議室予約機能が非同期であったり、ビデオ会議ツールも利用しづらい状態にあるなど、社内コミュニケーションと業務効率の低下を招き、情報の一元管理と共有を困難にしていました。
それによって情報システム部門への問い合わせも多く、その対応にも工数がかかっていました。
また、社内に本格的なデータエンジニアを擁していなかったため、既存のデータ分析基盤は十分に活用されず、コストだけがかかっている状態でした。
データ分析基盤の契約終了が迫っていたこともあり、企業全体での将来を見据えたデータ活用を進めていくためには、新たな方向性を模索する必要がありました。
Google Cloud を採用した理由
これらの課題を解決するために、企業は新たな情報システムの導入を検討し始めました。しかし、その選択は簡単なものではありませんでした。様々な製品とサービスが市場に存在し、それぞれにメリットとデメリットがあったため一つ一つ検討していく必要がありました。
検討の結果、グループウェアについては Google Workspace の導入を決定しました。これは、端末や場所に依存しない柔軟なワークスタイルを実現し、運用保守コストの削減を目指すためです。また、データ分析基盤として BigQuery を選択し、従量課金制で柔軟性のある仕様を活用することで、全社的なデータ活用を進めることができました。
Google Cloud の具体的な構成と導入のメリット
グループウェアの刷新では、Google Workspace により、従来の複数のコミュニケーションツールを統一しました。これにより、Gmail、Google Calendar、Google Drive、Google Meet などのアプリケーションを通じて、端末や場所に依存しない柔軟なワークスタイルが実現されました。特に Google Meet の導入は、新型コロナウイルスの感染拡大によるリモートワークの増加に伴い、業務の継続はもちろんのこと、社内外のコミュニケーションの活性化にも大きく寄与しました。
データ分析基盤の構築では、BigQuery が中心となり、巨大なデータセットに対するリアルタイム分析を実現しています。Cloud Storage がデータの安全な保管場所として機能し、Cloud Functions により、データの処理と BigQuery への自動連携が可能になりました。Cloud Scheduler が定期的なデータ処理のトリガーとして、Pub/Sub と組み合わせてイベント駆動型アーキテクチャを構築し、データフローの自動化と効率化を実現しました。
これにより、業務に必要なレポーティングの自動化、セルアウトデータの分析、在庫予測の精度向上、CRM 戦略の強化など、ビジネスの意思決定を支えるデータ活用を加速することができ、データドリブンによる成長基盤の構築に成功しました。
今後の展望や、Google Cloud に期待すること
将来的には BigQuery とデータポータルを活用し、より高度なデータ分析を実現することを目指しています。
また、中期経営計画で掲げる DTC(Direct To Consumer)事業の拡大のために基幹システムとして選定した RISE with SAP を Google Cloud 上で運用することで、SAP のデータを BigQuery に直接取り込むことが可能になるので、より多くの社員がデータを活用できる環境を作り出すことを期待しています。
導入した Google Cloud のプロダクト一覧と構成
・Google Workspace: コラボレーションツールとして、Gmail、ドライブ、Google Meet、カレンダー、Google Chat、ドキュメント、スプレッドシート、スライドなどが活用されています。
・BigQuery: データ分析基盤の中心として、データの集約、分析、可視化を担っています。
・Cloud Storage: 分析用データの保管場所として使用されています。
・Cloud Functions: データの連携と加工を自動化するために使用されています。
・Cloud Scheduler: データ連携・加工処理の自動実行のスケジューリングに利用されています。
・Pub/Sub: データ連携・加工処理のトリガーとして活用されています。
これらのプロダクトを組み合わせることで、企業はデータ駆動型の意思決定を支える強固な基盤を構築しています。
今後、Google Cloud の機能拡張を活用し、データ分析の民主化を進めるとともに、若いエンジニアが中心となり、デジタルによる変革を起こせる環境を作り上げることを目指しています。Google Cloud との連携を深め、次世代のエンジニアに向けたサポートを期待しているとのことです。
この導入事例を通じて、Google Cloud の多様なプロダクトが企業のビジネス変革をどのように支えるかがわかります。Google Cloud の導入により、企業は柔軟で効率的なワークフローを確立し、コスト削減を実現しました。さらに、データを活用した意思決定の迅速化や、顧客へのより適切なサービス提供が可能になりました。
Google Cloud の導入は、単に技術的な改善にとどまらず、企業文化の変革を促すきっかけともなっています。社内のコミュニケーションが活性化し、データに基づいた意思決定が日常的に行われるようになることで、企業全体の競争力が向上しています。
また、Google Cloud のプラットフォーム上で SAP を運用することで、基幹システムのモダナイゼーションが可能になり、ビジネスプロセスの最適化が進んでいます。これにより、Direct to Consumer 戦略をより効果的に展開し、顧客との直接的な関係構築を図ることができます。
今後 Google Cloud のさらなる機能拡張を見越し、データ分析のさらなる高度化や、ビジネスの迅速な意思決定を目指しています。Google Cloud の進化とともに、デジタルトランスフォーメーションは新たなステージへと進んでいくでしょう。
※本ケーススタディは下記を参考にして作成いたしました。Google Cloud の導入を検討の上でお役に立っていただけると幸いです。
https://cloud.google.com/customers/descente/?hl=ja
Google Cloud に関するご相談や、導入を検討されている方は、クラウドエースまでご相談いただけましたら幸いです。
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