BigQueryとAIモデル構築でデータドリブンな製造現場を実現した大手製造業のケーススタディ

業種:製造業・メーカー

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今回のケーススタディでは、大手製造業の生産ラインの自動化と効率化を目指し、データドリブンな意思決定をサポートするデジタルプラットフォームを構築しました。このプラットフォームの構築には、BigQuery を含む様々な Google Cloud プロダクトが活用されています。実際に Google Cloud の公開事例を参考にして、どのように Google Cloud のサービスやプロダクトが顧客のビジネスにメリットをもたらすかを要点をまとめてご説明いたします。

Google Cloud 導入に至った背景

多くの企業が労働人口の減少や技術継承の断絶といった課題に直面しています。これらの課題を解決するために、本ケーススタディの企業では”生産性倍増プロジェクト”を立ち上げ、デジタルプラットフォームの構築に取り組みました。このデジタルプラットフォームは、製造ラインを自動化し、不良品を作らないといった目標を達成するためのものです。

しかし、生産性の向上と一緒に、関連する作業も倍増します。特にカスタムメイドの製品を生産する現場では、見積もり作成や図面作成などの作業が増え、従業員の業務負担も増大します。そこで、デジタルプラットフォームを活用してこれらの作業を自動化し、コストを抑えつつ生産性を高めることを目指しました。

Google Cloud を採用した理由

データ活用は生産性向上に欠かせない要素であり、データドリブンな製造現場の実現にはデータを容易に活用できる基盤が必要です。そのため、迅速な機能リリースが可能で、簡単にスケールアップ/ダウンができるクラウド基盤の構築が必然となりました。それを踏まえて、多くの選択肢を検討・検証した結果、Google Cloud を採択しました。
また、Google Cloud はグローバルな海底ケーブル網を持ち、セキュアな専用回線の利用が可能であるため、情報漏洩リスクを低減できるという点も大きかったです。
さらに、優れた開発環境がある点や、データ分析における AI 技術やオープンソース分野での研究開発や取り組み、大規模なデータベースの結合性と使いやすさ等を総合的に評価し、Google Cloud の導入を決定しました。

構築した Google Cloud の具体的な構成

このプロジェクトでは、Google Cloud の各種プロダクトがデータの収集、活用、サービス提供の各段階で活用されています。

データ収集部分では、BigQueryが主に利用されています。BigQuery は大量のデータを高速に処理し、分析可能な形にする能力を持っています。設備の配置や使用する原料といったデータを蓄積し、後続のデータ活用部分で使用するための基盤を提供しています。

データ活用部分では、Compute Engine や Cloud SQL を用いて AI モデルを構築し、データを分析して活用しています。Compute Engine は高性能な仮想マシンを提供し、大量のデータを効率よく処理することが可能です。そしてCloud SQL はフルマネージドなリレーショナルデータベースサービスで、データの管理と分析を容易にします。

サービス提供部分では、Cloud Functions や Google Analytics などを活用しています。Cloud Functions はサーバーレスの環境でコードを実行し、アプリケーションの開発とスケーリングを効率化します。Google Analytics はウェブサイトやアプリの利用状況を分析し、ユーザーの行動を理解するのに役立ちます。

導入によるメリット・効果

Google Cloud の導入により、開発人員を大幅に削減できることが最大のメリットとなりました。Google Cloud のおかげで、本来であれば必要だったはずの人員を 50 % 以上削減できたという実績があります。これは、Google Cloud のプロダクトが持つ高度な自動化と効率性がもたらした結果です。

また、BigQuery の活用により、テラバイト級の大量データに対して瞬時に応答できる能力を手に入れました。これにより、大量のデータを迅速に分析し、それを基にした意思決定を行うことが可能となりました。

さらに、Google Cloud のフルマネージドサービスにより、運用にかかる負荷を大幅に軽減することができました。これにより、企業は運用管理の手間を省き、より重要なビジネス開発や戦略立案に注力することができるようになりました。これらのメリットは、生産性の向上だけでなく、事業の成長を大いに支える基盤となりました。

今後の展望や、Google Cloud に期待すること

今後は、デジタルプラットフォームの活用が製造現場の未来をどう変えるのかを現場に伝え、意識改革を進めることが重要です。製造工程だけでなく、社員のメンタリティも”自律化”し、より創造的な風土に変わることを目指しています。そのために、Google Cloud の素晴らしいプロダクトが必要だと感じています。

導入した Google Cloud のプロダクト一覧と構成

このプロジェクトで活用されたGoogle Cloudのプロダクトは以下の通りです。

・データ収集部分: BigQuery
・データ活用部分: Compute Engine, Cloud SQL, Vertex AI(AI Platform)
・サービス提供部分: Cloud Functions, Google アナリティクス

これらのプロダクトを組み合わせることで、データの収集から活用、サービス提供までの一連の流れをスムーズに実現しています。

※本ケーススタディは下記を参考にして作成いたしました。Google Cloud の導入を検討の上でお役に立っていただけると幸いです。
https://cloud.google.com/customers/kyocera/?hl=ja

Google Cloud に関するご相談や、導入を検討されている方は、クラウドエースまでご相談いただけましたら幸いです。
クラウドエースご相談窓口

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