Edge TPU を活用した AI 技術で店舗運営を自動化した大手飲食チェーンのケーススタディ
業種:
- 接客・サービス/
今回のケーススタディでは、飲食業界において、Google Cloud での基盤構築と、Edge TPU を活用した AI 技術を活用し、顧客の来店から会計までの一連の流れを自動化したケーススタディをご紹介いたします。実際に Google Cloud の公開事例を参考にして、どのように Google Cloud のサービスやプロダクトが顧客のビジネスにメリットをもたらすかを要点をまとめてご説明いたします。
Google Cloud 導入の背景や課題
ある大手飲食チェーン店では、顧客体験の向上と従業員の負担軽減を目指し、店舗の自動化を積極的に推進してきました。しかし、自社の IT 基盤をオンプレミスで構築・運用していたことから、社内サーバが停止してしまうリスクを十分に回避できない状況にありました。
この課題を解決するため、Google Cloud を導入しました。Google Cloud はデータ分析や機械学習系のシステムに強みがあり、フルマネージドでスケーラビリティに優れているため、選定の理由となりました。
Google Cloud 導入時のエピソード
このケーススタディにおいて注目すべきエピソードの一つは、「スマートフォンから注文できる機能」システムの開発に関するものです。このプロジェクトで、Google Kubernetes Engine(GKE)の採用が初めて行われました。開発チームは、複数のコンテナをセキュアな環境で自動スケーリングするという具体的な要件を満たすために、GKE を選択しました。コンテナ開発はチームにとっても新たな挑戦でしたが、開発パートナーと Google Cloud の提供するサポートのおかげで、同業他社に先駆けて、このシステムを成功させることができました。
このシステムは海外の店舗にも導入されました。特筆すべきは、開発や運用に関わるメンバーを現地に常駐させることなく、Google Cloud を活用してサービスを提供できた点です。これにより、地理的な制限を超えたサービス展開が可能となりました。
構築した Google Cloud の具体的な構成
Google Cloud 上に構築したシステムの一つに、AI を活用してお客様が注文した内容をカウントするシステムがあります。これには Edge TPU を使用し、約 1 年かけて汎用性のある AI モデルを作り上げました。この仕組みにより、スタッフの負担を増やすことなく業務の効率化を実現し、接客の品質向上や食事が終わったテーブルの片づけに充てることができました。
また、App Engine を活用して低い運用コストでミニゲームの Web サービスを開発しました。これは Web のフォームを通じてお客さまとゲームを行い、勝ち残った方に豪華賞品をプレゼントするというものです。
導入によるメリット・効果
Google Cloud の導入により、業績向上と業務効率化に大きな成果を上げています。まず、高い可用性を確保することで、サービスの中断リスクを大幅に減らし、安定したサービス提供が可能となりました。また、Google Kubernetes Engine を使用した「スマホ注文」システムの開発により、業界に先駆けた飲食体験をスピーディに提供。これにより、顧客体験の向上とブランドイメージの強化を実現しました。
さらに、Edge TPU を活用した AI 技術による会計セルフチェックシステムの導入は、フロアスタッフの業務負荷を大幅に軽減。効率的な人員配置を可能にし、サービス品質の向上にも寄与しています。App Engine を利用した不特定多数向け Web サービスの開発は、新たな顧客層の獲得とブランド認知度向上につながりました。
また、Google Cloud の堅牢性、安定性、拡張性により、全国規模でのシステム開発をスムーズに進めることができ、事業展開のスピードを加速させました。これらのメリットにより、競争力の強化と業績向上を実現しています。
今後の展望や、Google Cloud に期待すること
Google Cloud の強力なデータ分析と機械学習機能を利用して、より深い顧客理解とビジネスインサイトの獲得を目指していきます。また、Google Cloud の高度なスケーラビリティを活用し、事業規模の拡大に対応しながら、迅速かつ効率的なシステム開発と運用を続けていくことを期待しています。
今後も Google Cloud を活用し、その堅牢性、安定性、拡張性を利用して、これまでの “当たり前” を打破していきます。
導入した Google Cloud のプロダクト一覧と構成
Google Kubernetes Engine(GKE):「スマートフォンから注文できる機能」システムの構築に使用
Edge TPU:お客様の注文内容を自動的にカウントする AI システムの構築に使用
Google Compute Engine:店舗システムDBの移行に使用
App Engine:お客様が参加できるミニゲームの Web サービス開発に使用
これらのプロダクトを活用し、30 を超えるシステムをスピーディな自社開発で実現し、その多くをGoogle Cloud上で稼働しています。これにより、オンプレミスでは難しい 500 店舗をターゲットとした開発も可能になりました。また、特定店舗でのみ提供されるサービスのためのシステムを構築しやすくなったこともクラウドならではの利点となりました。
Google Cloud の導入により、企業は自身のサービスをより効率的に、よりスピーディに提供することが可能となりました。これにより、顧客体験の向上と従業員の負担軽減を実現し、新たな価値を提供することができるようになりました。
※本ケーススタディは下記を参考にして作成いたしました。Google Cloud の導入を検討の上でお役立ていただけると幸いです。
https://cloud.google.com/customers/kura-sushi/?hl=ja
Google Cloud に関するご相談や、導入を検討されている方は、クラウドエースまでご相談いただけましたら幸いです。
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