GKE と Vertex AI によって情報メディアアプリのパーソナライズ機能強化を実現したケーススタディ

業種:

  • メディア/
  • 通信/

  • #BigQuery
  • #Cloud Build
  • #Cloud Pub/Sub
  • #Cloud Run
  • #Cloud Spanner
  • #Dataflow
  • #Kubernetes Engine
  • #Vertex AI

今回のケーススタディでは、情報メディアアプリのパーソナライズ機能を強化しユーザー体験を向上させるために Google Cloud を導入したケーススタディをご紹介いたします。実際に Google Cloud の公開事例を参考にして、どのように Google Cloud のサービスやプロダクトが顧客のビジネスにメリットをもたらすかを要点をまとめてご説明いたします。

Google Cloud 導入以前の状況や背景・課題

ある企業では、ユーザーの日常生活を豊かにする情報に出会える無料のアプリケーションを提供しています。約 10 年のサービス提供期間を経て、パーソナライズ機能の強化や新たな付加価値を持つサービスへの迅速な展開が求められていました。しかし、従来のシステムは仮想サーバーをベースとしたレガシーな構成で、各機能が密結合するモノリシックなシステムとなっており、新たな情報の追加や UI の変更などを行う際には、その都度広範囲な開発・テストが必要となっていました。

また、利用者のログ分析にも多くの時間がかかる仕様になっていたため、多様なビジネス変化や利用者のニーズに迅速かつ柔軟に対応することが難しくなっていました。

Google Cloud を採用した理由

マネージドサービスをフルに活用し、マイクロサービスなアーキテクチャや CI/CD 導入により開発スピードを上げること、リアルタイムな利用者ログ分析が行えることを必須条件とし、各種プラットフォームを比較検討した結果、Google Cloud が選ばれました。

これにより、お客様に提供する価値の創出や改善活動に集中できる仕組みの実現を目指しました。

構築した Google Cloud の具体的な構成

新たに構築したシステムの構成は以下の通りです。

・フロントエンドの API やバッチのコンテナは Google Kubernetes Engine(GKE)上で、バックエンドのコンテナは Cloud Run For Anthos 上で稼働する構成を採用

・無停止でのデータベース性能の拡張を可能とする Cloud Spanner を採用 ・記事のレコメンドを実現するための機械学習に、Vertex AI を利用

・Pub/Sub を利用して分析イベントを取り込み、Dataflow を使って BigQuery にストリーミングするログ分析の仕組みを構築

・Cloud Build により CI/CD パイプラインを構築しリリースの高速化を実現

導入時に発生した課題や問題

導入時の課題としては、Google Cloud を採用することは決定したものの、Google Cloud に関する経験やノウハウが少なかったことが挙げられます。
しかし、Google Cloud が提供するコンサルティングサービスを利用し、各機能やサービスごとのワークショップにも参加しました。これにより、アーキテクチャの最適化に向けたアドバイスを受けることが出来ました。
特に、マイクロサービスのクラスタの立て方について悩みましたが、利用者に見える部分のフロントエンドと、コンテンツを管理するバックエンドに分けるアーキテクチャを提案してもらうなど、適宜必要なアドバイスを受けながら進めることができました。

導入によるメリット・効果

Google Cloud 導入による効果としては、

(1)キャンペーンなどで急にアクセスが増えた場合のリソース拡張が容易になったこと

(2)マイクロサービス化や CI/CD パイプラインの構築により開発からリリースまでのサイクルの高速化を実現できたこと

(3)ユーザーの利用状況のリアルタイムの把握・分析が可能になったこと

が大きなポイントです。

特に、BigQuery の活用によりリアルタイムなログ分析が可能になり、キャンペーン施策や A/B テストの結果が迅速に得られるようになりました。
これにより、メディアとしての価値を向上させ続けることができます。

今後の Google Cloud の活用予定、Google Cloud に期待すること

今後は、より一層お客様に寄り添う、価値あるコンテンツを提供することを目的に、レコメンド機能の強化や、プッシュ通知でのアプローチの精度を高める取り組みを進めていく計画です。また、UI デザインも A/B テストなどを実施しながら磨き上げていく考えです。

さらに、現在は運用でカバーしている不適切画像の判定については、Vision AI を利用して自動化することも検討しています。Google Cloud の強みである画像判定に期待しています。

最後に、今後の取り組みについては、ユーザーファーストを前提に、お客様にとって便利かつ信頼性の高いサービスをスピーディに開発・改善すべく取り組みを続けるとのことです。Google Cloud の活用により開発サイクルの高速化を実現し、サービス価値向上の高速化が図れること、コスト削減の効果も感じています。今後もアジャイルなアプローチを大切にビジネスの変化へ迅速に対応したサービスを提供し続けるために、Google Cloud を効果的に活用し、より付加価値の高いサービスの創造に投資していきたいとのことです。

導入した Google Cloud のプロダクト一覧と構成

導入した Google Cloud のプロダクトは以下の通りです。
・Google Kubernetes Engine(GKE)
・Cloud Run For Anthos
・Cloud Spanner
・Vertex AI
・BigQuery
・Pub/Sub
・Dataflow
・Cloud Build

これらのプロダクトを組み合わせて、フロントエンドとバックエンドの API やバッチのコンテナを管理し、無停止でのデータベース性能の拡張を可能にしました。また、記事のレコメンドを実現するための機械学習に Vertex AI を利用し、Pub/Subを利用して分析イベントを取り込み、Dataflow を使って BigQuery にストリーミングするログ分析の仕組みを構築しました。さらに、Cloud Build により CI/CD パイプラインを構築し、リリースの高速化を実現しました。

これらの組み合わせにより、サービスの開発からリリースまでのサイクルを高速化し、ユーザーの利用状況のリアルタイムの把握・分析が可能になりました。これにより、サービスの価値向上と改善活動の集中化が実現しました。今後も Google Cloud の効果的な利用を通じて、より付加価値の高いサービスの創造に投資していく予定です。

 

※本ケーススタディは下記を参考にして作成いたしました。Google Cloud の導入を検討の上でお役に立っていただけると幸いです。
https://cloud.google.com/customers/nttdocomo202202/?hl=ja

Google Cloud に関するご相談や、導入を検討されている方は、クラウドエースまでご相談いただけましたら幸いです。
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