Google Cloud をフル活用した地方銀行の次世代マーケティングプラットフォーム構築ケーススタディ
業種:
- 金融サービス/
今回のケーススタディでは、金融業界において、顧客理解の深化とパーソナライズされたマーケティング施策の迅速な実行をするために Google Cloud を導入したケーススタディをご紹介いたします。実際に Google Cloud の公開事例を参考にして、どのように Google Cloud のサービスやプロダクトが顧客のビジネスにメリットをもたらすかを要点をまとめてご説明いたします。
Google Cloud 導入以前の状況や背景・課題
近年、生活者行動のデジタルシフトや COVID-19 による生活様式の変化により、銀行業界においても急速な変化が求められています。特に、顧客との接点がデジタル化する中で、データドリブンに顧客を理解し、パーソナライズされた体験を提供することが求められています。
そこで、ある企業では、自社の持つファーストパーティ データの拡充・統合・分析を行い、より精緻に顧客ニーズを理解し、迅速にマーケティング施策に反映できる次世代のマーケティング プラットフォームの構築に挑戦しました。
Google Cloud を採用した理由
次世代マーケティング プラットフォームの構築にあたり、同社ではさまざまなツールの比較検討を実施しました。その結果、オンラインでのデータ収集・施策活用に強みを持つ統合型ソリューションの Google マーケティングプラットフォーム(以下、GMP)と、GMP からデータ連携が容易で、高速かつコストパフォーマンスが高いデータ分析基盤である BigQuery を採用しました。
また、データ収集から加工、分析、そしてアクションに反映するまでの一連のパイプラインには Google のプロダクトをフル活用しています。
Google Cloud 導入時のエピソード
本プラットフォームを採用した施策の効果に関して、同社では行動データと属性データ・取引データを用いてお客様のニーズを定量的に推定し、それに基づいた施策を実施しました。仮説検証と改善を繰り返し、現在では想定通りの効果を発揮することができています。
このプラットフォームを用いた営業アプローチ施策は従来より成約率が高く、契約 CPA(Cost Per Acquisition)も約半分に削減することができました。
構築した Google Cloud の具体的な構成
次世代マーケティング プラットフォームの構築では、Google Cloud のフルマネージドサービスを活用しました。
データの収集部分については、Cloud Storage をオンプレミスからのデータ受け渡し場所として利用し、さまざまな形式やサイズのデータの受け取りが可能となりました。
また、顧客の Web 上での行動データを収集するために、Google アナリティクスおよび Firebase から BigQuery にデータを連携しました。処理、蓄積部分では、Cloud Composer を利用して必要なデータ処理を施し、その結果を BigQuery へ蓄積する構成としました。
導入時に発生した課題や問題
次世代マーケティング プラットフォームの構築プロジェクトは、オンプレミスとクラウドをまたぐシステム横断的な基盤であり、プロジェクトの成功には既存システム群と Google Cloud との接続が必要でした。
この部分の構成については、さまざまなネットワーク要件を考慮した上で、Cloud Interconnect を利用してオンプレミス環境と Google Cloud をプライベート回線で接続することによってセキュアな専用線接続を実現しました。
導入によるメリット・効果
Google Cloud の導入により、データの収集、処理、蓄積、分析にとどまらず、分析結果をアクションまで繋げるデータパイプラインを短期間で構築できました。
また、個人ローンの営業アプローチ施策は従来より成約率が高く、契約 CPA も約半分になりました。これにより、より高い投資対効果が期待できると考えています。
今後の展望や、Google Cloud に期待すること
今後は、まだ顕在化していないニーズの推定に向けて、Google Cloud の機械学習サービスを利用したマーケティング施策の高度化にもチャレンジしたいと考えています。
また、Google および Google Cloud には、デジタル人材育成や地域経済発展に向けたスキーム構築などといった幅広い面での支援も期待しています。
導入した Google Cloud のプロダクト一覧と構成
この次世代マーケティング プラットフォームの構築にあたり、以下のGoogle Cloudのプロダクトを活用しました。
・ Google マーケティング プラットフォーム(GMP): データ収集・施策活用に強みを持つ統合型ソリューション
・ BigQuery: 高速かつコスト パフォーマンスが高いデータ分析基盤
・ Cloud Storage: オンプレミスからのデータ受け渡し場所として利用
・ Google Analytics、Firebase: 顧客の Web 上での行動データを収集
・ Cloud Composer: 必要なデータ処理を施し、その結果を BigQuery へ蓄積
これらのプロダクトを組み合わせることで、データの収集から処理、蓄積、分析、そしてアクションに反映するまでの一連のパイプラインを短期間で構築することができました。
※本ケーススタディは下記を参考にして作成いたしました。Google Cloud の導入を検討の上でお役に立っていただけると幸いです。
https://cloud.google.com/customers/bank-of-yokohama?hl=ja
Google Cloud に関するご相談や、導入を検討されている方は、クラウドエースまでご相談いただけましたら幸いです。
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