オンプレミスからクラウドへの人事給与システム・ID管理システム移行-Google Cloud 導入ケーススタディ

業種:

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今回のケーススタディでは、建設業界において、オンプレミスの人事給与システムおよびID管理システムをクラウドへ移行するために Google Cloud を導入したケーススタディをご紹介いたします。実際に Google Cloud の公開事例を参考にして、どのように Google Cloud のサービスやプロダクトが顧客のビジネスにメリットをもたらすかを要点をまとめてご説明いたします。

Google Cloud 導入以前の状況や背景・課題

ある企業では、オンプレミスで社内構築していた人事給与システム・ID管理システムのクラウドへの移行が課題となっていました。これらのシステムはサードパーティの製品で構築されており、使用するには Oracle Database が必須要件となっていました。しかし、ライセンス上の理由から Oracle Database をクラウドで実行することができず、自社サーバーに据え置かれていました。これにより、耐障害性や可用性の面で不安が残る状況でした。

Google Cloud を採用した理由

この課題を解消するためにクラウドに移行できる可能性を模索していたところ、Bare Metal Solution For Oracle(BMS)が利用できることを知り、導入を検討しました。BMS であれば、Oracle Database が必須であるという条件をクリアした上で、既存のシステム構成に大きな変更を加えなくてもクラウド環境への移行が可能でした

Google Cloud 導入時のエピソード

導入の決め手となったのは、Oracle Database が利用できることだけではありませんでした。同社には多数の拠点があり、それぞれの拠点から VPN で基幹システムに接続する構成になっていました。そのため、人事給与システム・ID 管理システムの移行にあたり、従来の接続方式を変えずに利用できるようにしたいというニーズがありました。

また、業務の特性上、社員の半数以上が建設現場などの外部から SSL-VPN と SSO(Single Sign-On)を使ってシステムにアクセスしていました。BMS ではこれらの要件を満たすことができたため、導入の決定打となりました。

構築した Google Cloud の具体的な構成

新たに構築したシステムでは、BMS 上に Oracle VM を利用して AP サーバーと DB サーバーの 2 つの仮想マシンを設置しました。AP サーバーには SSO で外部から接続できるようになっており、Cloud Load Balancing を使って負荷分散しています。

また、ID 管理システムについては Google Workspace などの外部システムと連携する必要があるため、Compute Engine で NAT ゲートウェイを構築しています。

導入時に発生した課題や問題

移行プロジェクトでは、ネットワーク部分については、当初は BMS と基幹の VPC を直接つなぐ形でしたが、それだと既存の拠点との接続に使用している VPN と AS 番号(Autonomous System 番号)が重複してしまうという問題が発生しました。そこで、中間に新たに VPC を追加した上でVPC ピアリングを利用し、トラフィックをルーティングすることによって、AS 番号の重複を解消しました。また、外部からの接続のためのロードバランサーや NAT ゲートウェアの導入もテストを繰り返すなど、一つずつ課題を解決していきました。

導入によるメリット・効果

新システムの導入により、ハードウェアのメンテナンスが不要となり、これまでのような設備点検などによるダウンタイムの心配が無くなったことが大きなメリットとなりました。また Google Cloud 導入による最大の効果は、全社員が利用するシステムを安定して提供できるようになったことです。

今後の展望や、Google Cloud に期待すること

今後もクラウドを活用した新しい技術の導入に積極的に挑戦していきたいと考えています。現状ではオンプレミスの頃のサーバー構成を維持したままの移行に留まっていますが、今後はクラウドならではの強みを生かせる構成への移行も実施していく予定です。まだBIツールの導入までは至っていないものの、データ分析のニーズが出てきているので、データを収集する土台は用意していきたいと考えています。

導入した Google Cloud のプロダクト一覧と構成

今回のプロジェクトで導入した Google Cloud のプロダクトは以下の通りです。

・Bare Metal Solution For Oracle(BMS): Oracle Database が必須の業務システムをクラウド環境へシームレスに移行するために使用しました。

・Oracle VM: BMS 上に AP サーバーと DB サーバーの 2 つの仮想マシンを設置するために利用しました。

・Cloud Load Balancing: AP サーバーに SSO で外部から接続できるようにし、負荷分散を行いました。

・Compute Engine: ID 管理システムが Google Workspace などの外部システムと連携するために、NAT ゲートウェイを構築するために使用しました。

・Virtual Private Cloud(VPC): 基幹システムと BMS を接続するために使用しました。また、VPC ピアリングを利用してトラフィックをルーティングしました。

これらのプロダクトを活用することで、既存のシステム構成を大きく変えることなく、安定したクラウド環境への移行を実現しました。

※本ケーススタディは下記を参考にして作成いたしました。Google Cloud の導入を検討の上でお役に立っていただけると幸いです。
https://cloud.google.com/customers/sanken?hl=ja

Google Cloud に関するご相談や、導入を検討されている方は、クラウドエースまでご相談いただけましたら幸いです。
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